2025年12月3日(水) 配信
茨城県 植物園(茨城県那珂市)は11月29日(土)、日本初の“泊まれる植物園”「THE BOTANICAL RESORT 林音(ザボタニカルリゾートリンネ)」としてリニューアルオープンした。持続可能な運営ができる植物園への転換をはかり、2030年度の年間来場者数は26万人、売上高は8億7000円を目指す。
同園は1981年の開園以来、地域に親しまれてきたが、近年は施設の老朽化に伴う修繕費の増大や、利用者数がピーク時から8割減少するなど課題が山積していた。とくに、年間運営費1億円以上という運営費負担は重く、このままでは継続することが困難と判断し、大幅なリニューアルを決めた。
持続可能な運営をはかるため、民間企業のアイデアやノウハウを活用。入園料を無料化し、従来の植物園にはない「泊まる」「食べる」「遊ぶ」など新たな価値を創出し、利用者数と収益の増加を狙う。茨城を代表する新たな観光拠点として、観光地における滞在時間の延長やさらなる広域周遊などにつなげ、地域振興に寄与する施設を目指していく。
グランピング施設
宿泊施設は「泊まれる植物園」というコンセプト実現のため、緑に囲まれた施設を新設。「グランピング」27棟、「コテージ」18棟の全45棟を用意した。滞在中は植物に囲まれた非日常体験を提供するほか、宿泊者限定で楽しめる熱帯植物館(バニラドーム)の夜間ライトアップが大きな売りとなっている。
また、園内の各施設では茨城の食材を使った食事メニューを用意。メインダイニングの「RINNE CAFE(リンネカフェ)」では、常陸牛100%のプレミアムハンバーグやステーキ、つくば鶏と七会きのこのクリームパスタなどをそろえる。日帰り温泉施設、りんねの湯内の「りんね食堂」では定食メニューを、また「THE FOREST BBQ(フォレストバーベキュー)」では手ぶらで本格的なバーベキューを楽しむことができる。
自然のなかで楽しめるアクティビティエリア「ぼうけんの森」では、ツリーアドベンチャー(3850円~)や、次世代AR体験のジュラシックハンター(1350円~)、芝すべり(無料)をラインナップした。
なお、同施設の運営は茨城県植物園と茨城県民の森のリニューアル事業、リニューアル後の施設運営を行うために5社が共同出資して、2024年4月に設立した特別目的会社「ボタラシアンリゾート」が担う。