ふるさと納税の共通返礼品「とりで利根川大花火観覧席」開発 茨城県取手市と千葉県我孫子市

2026年7月6日(金) 配信

県境をまたぐ共通返礼品

 茨城県取手市(中村修市長)と千葉県我孫子市(星野順一郎市長)は7月3日(金)から、ふるさと納税返礼品として「とりで利根川大花火観覧席」の提供を開始した。交流を深めてきた両市が県境をまたぐ共通の返礼品を開発した。

 利根川をはさんで隣接している両市は人口規模が近く、JR常磐線での都心へのアクセスの良さや抱える課題など類似する部分が多い。そうしたことから、共通の行政課題を協議する組織として「我孫子市・取手市都市づくり連絡協議会」を設置し、意見交換の場を設けている。両市の公共施設では、各市在住者と同じ条件で利用できるなど相互利用が可能な施設もできるなど、さまざまな交流を深めてきた。

 今回の返礼品は、取手市観光協会が主催する「とりで利根川大花火」を我孫子市の「東我孫子カントリークラブ」敷地内で観覧するもの。同花火大会は、対岸の我孫子市からも見ることができ、両地域の人々にとっては夏の風物詩となっている。これまで取手市では、桟敷席やテーブル席など観覧席を返礼品として提供してきたが、今回は2市の共通返礼品として提供する。

 取手市の中村市長は「これまで交流を続けてきた両市の深い関係性が認められ、『共通返礼品』として結実したことを大変嬉しく思う。多くの皆様に、ふるさと・取手の夏の風物詩である「とりで利根川大花火」を楽しんでいただきたい」とコメント。

 我孫子市の星野市長は「茨城県・千葉県と県をまたぐが、隣接する取手市とは長年にわたりさまざまな事業で連携を進めてきた。この機会に、取手市と我孫子市の両市を訪れていただき、花火の観覧とあわせて地域の魅力を体験していただければ」と述べた。

 さらに、東我孫子カントリークラブの三俣直樹支配人は「長年にわたり『とりで利根川大花火』に協賛させていただき、ゴルフ場のなかから花火を打ち上げるという取り組みに参加してきた。今後も協力を継続していくので、『ゴルフ場から花火』という全国的に稀な取り組みを観に、ぜひお越しいただきたい」と呼び掛けた。

 同返礼品のふるさと納税は、楽天ふるさと納税、ふるさとチョイスで7月26日(日)まで受け付けている。先着30人で1人当たりの寄付額は2万4000円。

宿泊割などを説明 岩手県のキャランバン隊が本紙来社

2026年7月6日(月) 配信

岩手県キャラバン隊

 岩手県の観光キャラバン隊が7月3日(金)に本紙を訪れ、3期に分けて展開する「いわて旅割キャンペーン」などを説明した。

 いわて旅割キャンペーンは対象のOTA(オンライン旅行会社)のサイト内で宿泊施設の予約時に利用できる割引クーポン。6月1日の予約を開始した第1弾(宿泊機関は7月1日~9月29日)、9月1日予約開始の第2段(宿泊期間は10月1日~12月25日)、12月1日予約開始の第3段(宿泊期間は2027年1月4日~2月27日)の3期に分け展開。

 第1弾では1人当たりの割引上限額は県北・沿岸エリア5000円、その他のエリア3000円。第2段と第3段はともに県北・沿岸エリア7000円、その他エリア5000円。 

 なお、対象のOTAはじゃらんと楽天、JTB、るるぶ、ヤフー、一休。

 このほか、県内各地の秋祭りやJRの観光列車、そして東銀座にある同県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」で7月25、26日の2日間開催する秋のキャンペーンイベントの紹介もあった。

「観光人文学への遡航(73)」 エラスムス+プログラムに参加

2026年7月6日(月) 配信

 エラスムスは、ルネサンス期に活動したオランダ・ロッテルダム出身の人文主義者である。北方ルネサンス最大の学識者とされ、ギリシア語新約聖書の初版校訂を行い、キリスト教的人文主義の理念を確立した。

 彼は古典文献の正確な理解を重んじ、聖書を通じて信仰の再生を目指した。

 1509年に著した「痴愚神礼讃」において、彼は教会や聖職者の腐敗を鋭く批判した。この批判精神は宗教改革の気運を高めたが、エラスムス自身はカトリック教会の枠内での改革を望み、プロテスタント運動には合流せず、過激な分裂には反対した。「エラスムスの卵をルターが孵した」と言われるように、彼の思想はマルティン・ルターらにも大きな影響を与えたと言われている。

 ただ、1524年に著した「自由意志論」において、ルターの予定説に反論し、人間の自由意志を擁護した。彼は知性と節度、平和と寛容を重んじる信仰を説き、「理性に導かれたキリスト教的人間性」を理想とした。とくに教育分野での発言も特筆すべきものであり、子供といえども一個の人間であり、中世以来続いてきた学校における鞭による体罰を初めて否定した人でもある。

 晩年までヨーロッパ各地を渡り歩き、教育と出版活動を通じてそれぞれの地域で広範な影響を及ぼした。

 エラスムスの思想はヨーロッパ近代の自由主義・寛容の精神の源流となり、後世に「人文学の王」と称された。

 そのエラスムスの名と意思は、今日欧州の学術交流事業「エラスムス・プログラム」に引き継がれている。

 European Region Action Scheme for the Mobility of University Studentの頭文字を取って、ERASMUSと名付けられたこの学術交流プログラムは、1987年に開始された当初は大学生の留学プログラムであったが、現在では学生だけでなく、大学教員、研究者、大学職員までその対象範囲が広がり、エラスムス+と呼ばれるようになった。

 エラスムス+の目的は、高等教育分野における教育プログラムの共同開発や大学間のネットワーク形成を推進することである。教員や研究者を対象とした交流制度では、海外の大学で講義を行う教育活動や、研修活動が実施される。これらは研究費の提供を主目的とするものではなく、教育活動や人的交流を通じて国際的な協力関係を構築することを重視している。

 日本の大学もEU域外のパートナーとして参加することが可能であり、日本の教員が欧州の大学で授業を行ったり、欧州の教員が日本を訪れたりする交流が進められている。

 このエラスムス+の枠組みで、私は4月11日から19日まで、リトアニアのカウナスコレギア高等教育機関を訪問した。これから数回にわたってリトアニアで見てきたことを綴っていく。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(258)」田毎の月 姥捨棚田(長野県千曲市)

2026年7月5日(日) 配信

一面に広がる姨捨棚田

 「姥捨山」といえば、私たちの世代は深沢七郎さんの「楢山節考」がすぐに浮かぶ。千曲市はこの姥捨棚田と、千曲川沿いの戸倉上山田温泉で有名である。新緑の5月、姥捨山(冠着山)の麓の棚田を訪ねる機会を得た。

 姥捨の棚田は、近くを流れる千曲川と、善光寺平と呼ばれるなだらかな盆地を臨む標高460~560メートルに、1500枚以上にわたる棚田状の水田が並ぶ絶景である。

 1999(平成11)年、全国で初めて棚田として国の名勝に指定され、その指定名称が「姨捨(田毎の月)」である。大きさやさまざまな形の水田に写りゆく月を表現した「田毎の月」は、松尾芭蕉や小林一茶が訪れ歌を詠み、歌川広重が浮世絵として描いたことから有名になった。

 2010(平成22)年には国の重要文化的景観に、20(令和2)年には日本遺産(月の都千曲~姥捨の棚田がつくる摩訶不思議な月景色「田毎の月」)にも認定された。少なくとも戦国時代(1500年代半ば)から棚田としての形が整い、今に至っている。この景観は、もとより棚田自体の営みによって保全されている。つまり棚田の営農が廃れると、この景観そのものがなくなってしまう。

 幸い、千曲市は1996(平成8)年より、棚田の保全、都市・農村の交流を進めるため「棚田貸します制度」(棚田オーナー制度)を開始した。これは、市が特定農地貸付法により棚田を地権者から借り受け、会員募集し貸し付けるものである。会員は田んぼごとに年会費を払い、田植え、草刈り、稲刈り、脱穀の各行事に参加し、収穫物である棚田米は、すべて会員のものになる仕組み。

 姨捨の棚田は、JR姥捨駅や高速道路インターからも近く、手ごろな観光地にもなっている。いわば自然景観を資源として、観光が成り立っている。この地域では、ここで得られる収益が棚田の保全や地域に還元されない限り、地域の持続性の担保は難しい。

Terracesからの棚田夜景(信州千曲観光局提供)

 その棚田の絶景の場所に今年4月、一棟貸しの宿泊施設がオープンした。「The Moon Terraces Obasute」と命名した施設は、月明かりに映える夜の棚田を満喫するには格好のロケーションである。施設は地域DMOである一般社団法人信州千曲観光局が運営する。

 さらに昨年度、文化庁の支援を受け、棚田やまちなかを音声ARサービスで楽しむツアーという新たな仕組みを導入した。イヤホンをつけて歩くだけで、地域の観光キャラクターが千曲の魅力が語り出す。いわば、“音”でめぐる特別な旅という触れ込みである。

 地域の優れた景観や、後世まで受け継がれてきた歴史文化資源は、今に生きる私たちが大切に保全し活用しながら継承していくことが大切である。観光などの事業で得られた収益の一部が、こうした地域の大切な資源に再投入されるような持続可能な仕組みづくりが不可欠であろう。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

第12回「ピンクリボンのお宿」シンポ in 白浜 会場・SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE (和歌山県・白浜町)

2025年7月5日(日) 配信

ピンクリボン活動に対する参加者からの質問に向き合った

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は5月25日、和歌山県・白浜温泉のSHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMOREで「第12回ピンクリボンのお宿シンポジウムin白浜」を開いた。キャンサー・ソリューションズ社長の桜井なおみさんの基調講演や、白浜温泉旅館協同組合理事長の沼田久博氏の団体会員報告、企業会員のGSIクレオスマテリアル部営業第一課の後藤忠司氏の講演などが行われた。

初めてオンライン配信も、旅館、団体など約50人参加

畠山ひで子会長

 第12回「ピンクリボンのお宿シンポジウムin白浜」には、同ネットワーク会員の旅館・企業・団体をはじめ、和歌山県内の旅館や団体など約50人が参加し、基調講演や会員による活動報告に熱心に耳を傾けた。

 今回は、初めて会場開催とオンライン配信によるハイブリット形式で行われた。

 畠会長は、乳がんの手術や治療を受けて回復の道を辿りながらも、術後の痕などを気にして旅を諦めてしまう当人や家族たちに「以前と変わらず温泉を楽しんでもらおうと発足した。設立から14年目を迎え、設立当初の50会員から現在では120会員を超えた」と、会設立の経緯や現況を振り返った。

 会活動として「毎年会員施設を取り上げた冊子を10月のピンクリボン月間に合わせて発行し、会員や全国の病院などを通じて乳がん経験者に無料で配布している。ホームページ上でも冊子のダウンロードができるようになった」と報告。乳がんへの理解と、早期受診の重要性を呼び掛けた。

 地元の来賓として、和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合の利光伸彦理事長の代理である古川涇二氏、白浜温泉土地連盟の藤田正夫会長、白浜温泉旅館協同組合の沼田久博理事長が出席した。

代理出席した古川涇二氏

 古川氏は会場ホテルの取締役営業本部長を務めており、冒頭に会場として選定されたことに感謝と歓迎の言葉を述べ、利光理事長からのメッセージを代読した。

 利光理事長は、和歌山の温泉に癒されて再び生きる力を取り戻したと伝えられている「小栗判官と照手姫」の物語に触れ、「ピンクリボン活動と和歌山の温泉文化は共通するものがあるように感じている。無理をさせるのではなく、人の気持ちに寄り添う、安心して過ごせる場所をつくる。その積み重ねこそが本当のおもてなし」と述べ、同会の活動を応援した。

藤田正夫会長

 藤田会長は「白浜温泉は日本3古湯の一つ。日本書記や万葉集にも記され、657(斉明3)年に有間皇子が訪問した」と話し、その後は斉明天皇など多くの人が癒しに訪れた古い歴史を持つ温泉地であると説明した。今回、会場まで足を運んだ会員に向けて「白浜の美味しいものと温泉をしっかり楽しんでいただいて日ごろの疲れを癒し、今後の活動のエネルギーにしてほしい」とエールを送った。

12回目のシンポ盛況、熱帯びる啓発と普及

 同会の会員数は、旅館が104軒、旅館組合など団体が5会員、企業が14社の合計123会員。

展示ブース(GSIクレオス)

 シンポジウムの会場には、会員企業がブースを設置し、ウィッグや入浴着、人工乳房などの製品を展示し、直接手に取って熱心に説明を聞く参加者の姿が見られた。

 基調講演では、キャンサー・ソリューションズ社長の桜井なおみさんが「アピアランスケアってなんですか?~心地良い居場所づくりへのヒント~」をテーマに講演。団体会員報告では、白浜温泉旅館協同組合理事長の沼田久博さんが「白浜温泉の現状について」と題して紹介した。

 最後に、加盟企業のGSIクレオスマテリアル部営業1課の後藤忠司さんが「入浴着・イノベーション~誰もがオシャレを楽しめる世界へ~」と題し、講演を行った。

【基調講演 「アピアランスケアってなんですか? ~心地良い居場所づくりへのヒント~」 桜井 なおみさん(キャンサー・ソリューションズ 代表取締役社長)】がん不安を外見ケアで軽減へ、“患者ではなく、私に戻れた”

桜井なおみさん

 日本におけるがん患者本人への病名告知率は、1989年で14%とわずかでした。まずは家族に告知し、患者本人へ伝えるか確認していた時代です。それから告知率は少しずつ上がっていき、2006年には65.7%と、本人へ告知する方向に進んでいきました。

 そうして何が起きてきたかというと、昔ならば家族が本人にどう伝えようか悩んでいたのが、今は本人が家族や職場の同僚にどうやって伝えたら良いのか、矢印の向きが逆転してしまいました。

 がんと告知され、治療や検査のために2週間に一度ほどは病院に通う必要がある場合、働き続けられる環境にあるかという調査に対し、「そう思う」と答えた人の割合が13年では26.1%と4人に1人でした。それから支援の環境や相談窓口が進展していきましたが、23年で45.4%と半分にも達しておらず、社会生活への影響に不安を抱いているのが現状です。

 そこで、がん患者の不安を軽減するアピアランス(外見)ケアの役割が重要となります。

 看護師さんには医学的な補助によるアピアランスケアが求められています。例えば肝臓が悪くて顔色に出る場合、お化粧だけでは隠し切れず、まずは肝臓の数値を処置していかないと顔色が良くならないからです。

 また、家族や周りの人たちは何ができるか、顔色は変わらなくても部位や首回りの色、洋服の色などを少し変えるだけで人の印象が大きく変わります。抗がん剤治療によって脱毛すると、目の周りや顔全体の目立つ場所の印象を変えてしまいますが、眼鏡を掛けるだけで大きくイメージを変えられます。患者に一番似合うものを購入したり、がん相談支援センターで社会保障や補助金、ケア帽子を相談したり、それぞれに合ったアピアランスケアがあるのです。

 そのため、病院から適切な情報を提供してほしいという需要が高いのですが、研究の少なさや難しさで、医療者も患者も正しい情報に到達しにくい状況です。研究が進むがんセンターや自治体では、がん患者や医療者向けのリーフレットや手引きを制作しているので参考にしてほしいです。

 一方で、外見の変化により、がん患者に近づいていると認めたくない気持ちも患者にはあります。外見の変化に対し、行動抑制に影響するのかという調査結果では、外見が変わって気になったと全体の約6割が回答しました。そして、外出機会が減った、人に会うのが億劫になった、仕事や学校を休んだなど、「外見を他人から気づかれたくない」「周りから可哀そうと思われたくない」といった心理的影響が行動に出てきます。

 とくに女性は、女性らしさの価値観にすごく縛られており、がんに対して身体が傷ついたり、失ったりすることに、とても大きな喪失感を感じているように見えます。

 一方、男性はがんに罹って身体がひ弱になり、体重が減少して痩せていくことにとても不安を感じているようです。とくに、健康や身体づくりの意識が高い人がとても落ち込む傾向にあります。

 “メイクをしたら患者ではなく、私に戻れた”という声があります。外見のケアが自分を取り戻すための大きなきっかけになり、自分自身を取り戻すことと同義であると言われているのです。

 がん治療に関する外見変化に対して、がん患者を特別視するようなケアは必要ではありません。ただし、病院と地域で、必要なケアや物品を適切に提供できるような連携をお願いしたいです。病院内でのアピアランスケアに関しては、現状では相談場所の整備が7割程度で、誰一人取り残されないための仕組みづくりが重要となります。

 アピアランスケアにより、ポジティブな行動を促す一方、「病気を意識させられた」「出費がかさんで大変だった」「ケアに時間とられて大変」など、ネガティブな感情が生じていることを意識することも大切です。外見への関心が高い患者は情報過多に陥りがちですが、普段通りの接し方がありがたいのです。

 大切なのは、患者自身が大切にしていることや、心地良いと思っていることを失わせないことです。温泉好きだった人が、温泉に行きたくても行けなくなったということがないように、ピンクリボンの取り組みを館内の看板でしっかりと掲げていただき、今後はホームページや冊子の工夫なども必要なのかもしれないと考えています。

【団体会員報告 沼田 久博さん(白浜温泉旅館協同組合理事長)】健康と癒しの温泉地に、元気を取り戻す場所を目指す

沼田久博理事長

 白浜温泉旅館協同組合は、地元医療機関の医師の紹介からピンクリボンのお宿ネットワークを知り、その活動に賛同し、2022年に団体会員として加盟した。白浜温泉は、兵庫県の有馬温泉、愛媛県の道後温泉と並ぶ日本3古湯の1つに数えられ、歴史の始まりは約1350年前からと言われる由緒ある名湯だ。

 同組合の沼田久博理事長は冒頭、白浜町を代表する観光資源として、白い砂浜が広がる白良浜のほか、近年人気が高い円月島、風光明媚な景観を堪能できる千畳敷や三段壁などを紹介。動物とふれあいを楽しめるテーマパークのアドベンチャーワールドや、町内の一部が登録されている世界遺産・熊野古道と吉野熊野国立公園もあり、魅力あふれる温泉地であることをアピールした。

 同組合の宿泊客動態調査によると、2019年まで団体による宿泊客数が多く、OTA(オンライン旅行会社)を通じて家族連れやグループ客などの宿泊も増え始めていた時期だったが、20年のコロナ禍で宿泊客全体が大幅に減少。22年に国内旅行の需要が復活したことで、徐々に宿泊客数が回復し、コロナ前の数値まで現時点では戻っていないが、回復に向かっている現状を説明した。

 コロナ禍を経て、温泉のほか、海や山などの美しい自然を活用し、健康と癒しの温泉地として心身の健康をテーマにした旅行体験の充実に力を入れている白浜温泉。その時期に、ピンクリボンのお宿ネットワークの活動を知り、活動に協力したいと加盟を決めた。

 現在は温泉による心身のリフレッシュやヘルシーな食事など、女性をはじめ家族で安心して過ごすことができる環境づくりの取り組みに注力。そして、親子三代の家族でも楽しんでもらえるような温泉地を目指しているとの考えを話した。

 近年は宿泊客の約8割が1泊2食付きプランを利用し、1泊朝食付きや素泊まりのプランでの利用も増えていると報告。さまざまな旅行形態の旅行客も楽しめるように、食事なしプランも積極的に取り入れ、白浜温泉を自由に楽しめるように、町の中で食事をしてもらうことも目指していきたいと語った。そのため、「町内の宿泊施設や飲食店、観光施設、そして地元の住民と一体となって、お客様をおもてなしすることをもっと活動的にやっていきたい」と今後の目標を掲げた。

 沼田理事長は最後に、「白浜温泉はただ泊まる場所ではなく、心と身体を癒し、明日への元気を取り戻す場所。女性にも愛される温泉地として進化していくことを皆と共有し、豊かな人生を送っていただけるような観光地を目指していきたい」と力を込めた。

【講演 後藤 忠司さん(GSIクレオスマテリアル部営業1課)】国内初の使い切り入浴着、普及と認知度向上を課題に

後藤忠司さん

 GSIクレオスは、乳がん手術後に入浴をためらってしまう人をケアし、一人でも多くの人が入浴(温泉)施設で楽しめるように企画・開発した商品の製造、販売を手掛けている。今回、畿央大学の村田浩子教授と共同開発した国内初の使い切りの入浴着「バスタイムトップス」のほか、普及と認知度向上に向けた活動について話した。

 畿央大学が2016年に行ったアンケート調査によると、乳がん術後の女性に対する予備調査では、約半数の人が「温泉に行きたくても行けない経験をした」と回答。市販されている入浴着も半数の人が「知らない」と報告した。20年に実施したアンケート調査でも、入浴着の認知度は術後女性、施設とも低い結果だったが、温泉に行きたい人が引き続き多数いることもわかり、潜在需要の掘り起こしに向けた普及活動を進めている。

 一方で、同社の後藤忠司さんは「入浴着を着用している人=手術された人」という偏見の見方があると指摘。入浴を楽しむグッズとして入浴着が普及することで、「本来必要とする人が施設側に着用できるか聞くことなく、オシャレな入浴スタイルの一つとして受け入れられる風土を醸成したい」と使命を掲げた。

 バスタイムトップスはトップスに加え、ボトムスやワンピース型を展開。背中がⅤ字カットで体全体が洗いやすく、生地が伸びる素材で着脱しやすいうえ、表面が撥水性不織布のため湯切れしやすいのが特徴と挙げた。また、湯の中で生地が浮かびにくく、フロント部分のギャザー加工が左右のバランスを保つように設計されている。

 伸縮性生地の3層構造となり、外側から撥水性不織布、吸水紙、親水性不織布を採用。3層構造による断熱性に優れており、寒い外気を肌に通さず、肌側の熱を逃がさないような調温効果があると説明した。

 販売場所は、インターネット通販やピンクリボンのお宿ネットワーク会員施設の売店など。売上の一部を、日本対がん協会が設ける「ほほえみ基金」に寄付するなど、ピンクリボン運動の活動を支援している。

 また、入浴着普及委員会が主催する温浴イベント「入浴着を着てお風呂に入ろう会」に後援。温浴施設の協力のもと、一般の利用客とともに入浴着を着用して風呂を楽しむイベントを開き、入浴着の認知と理解を広げる活動に取り組んでいる。

 今後は近年のインバウンド需要の拡大から、入浴着が着用できる入浴施設が増えていくと、LGBTの人やタトゥーがある人など、入浴施設などに今まで行きにくかった人も人目を気にせずに入浴できることが期待できると述べた。同社はポンチョ型デザインの入浴着も展開しており、男女兼用の入浴着普及での周知拡大など、入浴施設に行きやすくなる環境づくりにも力を入れていく。

 後藤さんは「入浴着への理解が深まり、誰もが気兼ねなく温泉や銭湯を楽しめる社会に、当社商品がそのお役に立てることを切に願います」と、入浴着の周知と理解の協力を呼び掛けた。

【東京都と台北市の旅行業協会が友好協定結ぶ】台湾各地で懇談会 交流本格化  シリーズ④~新竹市~

2026年7月4日(土) 配信

新竹市で交流をはかる参加者ら

 東京都旅行業協会(小松信行会長)と台湾・台北市旅行商業同業公会(陳怡璇理事長)は5月20日、友好協力協定を結んだ。訪台した東旅協一行は5月20日(水)~23日(土)の4日間、中華民国観光産業国際行銷協会の徐銀樹榮譽理事長や秦文沂理事長らの案内で台北市をはじめ、新竹市、桃園市、新北市の奥深い魅力や新たな観光名所などを視察。各地で市や旅行商業同業公会、旅館同業公会の幹部らが出席した懇談会にも連日参加し、訪台日本人の拡大へ友好関係を深めた。各地での交流のようすを4回シリーズで紹介する。

                               【本紙取材班】

 新竹市での交流会はホテル「新竹市国賓飯店」で開催された。新竹市は台北市から車で約1時間30分の場所にある。高速鉄道では40分ほどでアクセスすることができる。

 新竹市都市マーケティング局の林昱志局長は「新竹市は半導体製造企業『TSMC』と約300年の歴史がある古い街並みが残る伝統と発展が調和した街。山と海など自然も豊かで、さまざまな魅力を楽しむことができる」と紹介。「25年の観光客数は約300万人で、このうち約半分が日本人。このため、日本語表記や日本人にフレンドリーな人が多い。新竹市は日本市場を重要視しており、日本からの観光客が増えることを期待している」と述べた。

林昱志局長

 新竹市旅館業同業公会の傅貞忠理事長は「新竹市の観光客に対するおもてなしへの情熱と、心優しさが新竹市の魅力。市内の多くの場所を巡り、日本でアピールしてほしい」と呼び掛けた。

傅貞忠理事長

 新竹市旅行商業同業公会の江百松理事長は「25年の訪日台湾人は約673万人だったのに対し、訪台日本人は約148万人。この差を縮めるため、日本で新竹市を中心とした台湾を大いにアピールしてほしい」と求めた。

江百松理事長

 新竹市都市マーケティング局の邱淑芳副局長、新竹市旅館業同業公会の薛憲徽榮譽理事長、楊婷理事のほか、市内の宿泊施設の幹部らも交流会に出席。東旅協一行と日本人観光客の増加に向けて、親睦を深めた。

 視察では新竹市政府庁舎とガラス工芸博物館を訪問した。傅理事長や薛榮譽理事長、楊理事なども共に訪れ、地域の魅力を紹介した。

 新竹市政府庁舎は1926年に完成した日本統治時代の新竹州の庁舎。同市から指定遺跡の認定を受けている。現在でも、新竹市政府が庁舎として使用する。 

新竹市政府庁舎の階段での集合写真

 建物はレンガ造りの2階建てとなっている。和洋折衷で、主要な部分は洋風、屋根は日本の瓦葺き屋根。正面玄関には二重の柱を使用しており、重厚感のある外観を呈している。ホール内は、洋式のアーチ型の廊下とローマ式の柱があり、精巧で豪華な非常に珍しい建築様式を採用しているという。エントランスホールから2階に上がる階段は石造りで存在感のある意匠が特徴となっている。

 ガラス工芸博物館は、台湾で初めてガラス工芸をテーマにした施設。台湾におけるガラス工芸は1960年ごろまで生活用品、工業製品、医療機器などとして使われた。以降は、芸術品として制作されてきた。95年から隔年で「国際ガラス芸術祭」が開催されている。新竹市は99年に同博物館を設立し、ガラス工芸の発展を促してきた。

 館内では、ガラスの歴史や芸術品として加工される過程、現代における建築材としての活用方法などを紹介するパネルなどを展示。さらに、ガラス工芸品の公開のほか、お土産として販売するミュージアムショップを設けている。

 また、新竹が憲兵隊の駐屯地だったころ、同博物館には兵士を拘禁する閉鎖室が設けられた。現在では、ガラス工芸と融合したガラスの禁閉室として、保存・展示されている。

 同博物館は日本統治時代に新竹州自治会館として建てられ、宴会や接待、集会などに用いられる高級会館だった。台湾の気候に対応するため、暑さや湿気を和らげるレンガを採用した。1階では、自治会館の歴史も紹介している。

楽天ステイ、Rakuten STAY 札幌中島公園オープン 全客室に洗濯乾燥機やバスタブ付きの風呂を完備

2026年7月3日(金) 配信

客室のようす

 楽天グループの宿泊施設ブランド「Rakuten STAY」を運営している楽天ステイ(蔦井克彦社長、東京都港区)は6月29日(月)、「Rakuten STAY 札幌中島公園」(北海道札幌市)オープンした。北海道にRakuten STAYがオープンするのは初となる。

 地下鉄南北線の中島公園駅から徒歩約5分の場所に位置する、全46室の宿泊施設。長期滞在でも快適に過ごしてもらおうと、全室にリビングやダイニングとして使えるスペースのほか、プロジェクターや調理器具が付いたキッチン、洗濯乾燥機、バスタブ付きの風呂を完備した。さらに、楽天市場で人気という「ヒツジのいらない枕® ―至極―」やフットマッサージャー、加湿器など快眠をサポートする商品を置いている。

 チェックインとチェックアウトは、ロビーに設置したタブレット端末で行うことができる。さらに、客室の扉はスマートロックに対応し、到着から出発まで、非対面で入退室することが可能。

 1室1泊当たりの料金は2万2400円から。

大江戸温泉物語、大阪初の「Premium」10月開業へ、箕面観光ホテルリニューアル

2026年7月3日(金)配信

ミライ人間洗濯機の設置イメージ

 GENSEN HOLDINGS(川﨑俊介社長、東京都中央区)は10月1日(木)、大阪府箕面(みのお)市の宿泊施設「大江戸温泉物語 箕面観光ホテル」を「大江戸温泉物語Premium 箕面観光ホテル」として、また隣接する日帰り温浴施設「箕面温泉スパーガーデン」をそれぞれ同時リニューアルオープンする。宿泊予約は7月1日に開始した。同社のPremiumシリーズは全国28施設目、府内では初の展開となる。

 今回のリニューアルでは、「RELAX & FUN―くつろぎとたのしみを融合させた温泉テーマパーク―」をコンセプトに掲げ、三世代ファミリーを主要ターゲットに据える。最大の目玉として、2025年大阪・関西万博で注目を集めたサイエンス社の「ミライ人間洗濯機」を箕面温泉スパーガーデン内に導入する。各日限定人数・当日予約制の貸し切り風呂として運営し、最先端技術を活用した新たな温浴体験を提供する。ほかに、スパーガーデンでは大型キッズパークや漫画を楽しめるリラックスエリアなどを新設。日帰り利用者の滞在時間延長とファミリー需要の取り込みをはかる。

 一方、Premium箕面観光ホテルでは、従来から好評を得ている大阪平野を一望する宿泊者専用の天空露天風呂をはじめ、段状の棚湯やサウナなどの温浴施設の魅力をさらに高める。あわせてプレミアムラウンジを新設し、生ビールや各種アルコール、ソフトドリンクを提供するなどPremiumブランドならではの付加価値を充実させる。食事はライブキッチンを備えたバイキングレストランを刷新。「なにわ肉吸い」「明石焼き」「かやくご飯」など関西ならではのメニューを取り入れるほか、サーロインステーキや揚げたて天ぷらを提供し、ご当地色とライブ感を強化する。

Premium箕面観光ホテルに新設するプレミアムラウンジのイメージ

 

【西伊豆町】小さな港町の快進撃 持続的な観光地づくりの秘訣とは

2026年7月3日(金) 配信

長﨑敏志部長(左)と星野淨晋町長

 静岡県・西伊豆町(星野淨晋町長)は2月19日(木)、「ロケツーリズムアワード観光庁長官賞」の地域大賞を受賞した。人口6300人ほどの小さな町が2024年度の宿泊客数約24万7千人とコロナ禍以前を超えたこと、〝シビックプライド〟の醸成を目的に取り組みの成果をまとめた冊子を全戸配布したことなどが評価された。賞の設立をサポートした観光庁観光地域振興部の長﨑敏志部長と、星野町長がロケツーリズムによる地域活性化の成果と今後の展望を語り合った。

 ――ロケツーリズムの取り組みを始めた背景を教えてください。

 星野:ロケツーリズムを選んだ一番の理由は、シビックプライドの醸成です。私が子供のころ、トレンディドラマの舞台は東京で、「東京へ行きたい」と憧れを抱いた人も多かったと思います。
 西伊豆の風景や魅力がテレビ画面に映し出され、町民が視聴することで、地域の価値を再認識し、「自分は良い場所に住んでいる」と自然に感じられるはずです。

 長﨑:観光庁は人気観光地や名所ではなくても、日常の風景や生活の温もりなど普段の街のようすを映像作品として発信することで、より深みのある観光の促進につなげたいと考えています。
 観光による地域振興には、住民が効果を実感できることが大切です。ロケツーリズムは、地域が映画やテレビなどで放送されるため、観光に取り組む意義を分かりやすく住民に伝える手段の一つになっています。これがシビックプライドの醸成にもつながると考えています。
 こうしたなか、ロケツーリズムアワード観光庁長官賞を創設した(一社)ロケツーリズム協議会は、西伊豆町などの成功事例を発信し、観光による地域活性化に努めています。このため、観光庁は会の後援、観光庁長官賞の設立に向けて連携を強化してきました。

 ――国の17の戦略分野に「日本発コンテンツの強化」が盛り込まれるなか、ロケツーリズムに取り組む自治体に期待していることは。

 長﨑:観光庁はインバウンドに対する取り組みが注目されており、とくに訪日外国人観光客数の増加率が社会の関心を集めてきました。
 しかし、現在は人数以上にインバウンドの来訪によって地域が一層活性化することに重きを置いています。オーバーツーリズムによる地域住民の生活への影響が指摘されるなか、観光需要分散に確かな効果をもたらすコンテンツ産業には大きな期待を寄せています。
 ロケツーリズムは有名な場所や景色の綺麗さだけを追求するのではなく、日常の風景に光を当てています。西伊豆町では、観光名所の堂ヶ島のほか、草原や港にも着目され、観光客は地域各地を訪れています。

 ――西伊豆町は2020年7月に、官民一体で撮影の受け入れを行う「ロケさぽ西伊豆」を立ち上げ、ロケ誘致で成果を上げています。

 星野:ロケ誘致に努めたことで、作品の舞台となった場所を訪れるファンを中心に観光客が増加しています。これによって、町の認知度も向上したと考えています。作品内に登場したグルメを目的に訪れる人も増えました。町内のカネサ鰹節商店では世界唯一の潮かつおを製造・販売していますが、知名度の低さが課題でした。これがテレビ番組で取り上げられたところ、国内での注文が増え、外国人の来訪客数も増えています。現在、カネサ鰹節商店は西伊豆カツオミュージアムも開設し、受入体制を強化しています。
 こうした取り組みの結果、ロケ場所の使用料や撮影スタッフの宿泊費などによる直接経済効果は24年度に約2060万円を記録。同年度、無料でテレビ、映画に登場したものを有料広告に換算した金額は6億5500万円になりました。
 また、伊豆半島の西海岸を観光するうえで、車は欠かせません。だからこそ、自ら車を手配してまで訪れる強い意欲を持つ訪日客を惹きつける仕掛けを整えることで、西伊豆町はより価値の高い体験を提供し、さらに成果を上げることができると考えています。

 ――ロケによる地域活性化に取り組んできた過程で、大きな転機となった作品はありますか。

 星野:映画「お屋敷の神さま」のロケで、町内の子供が撮影に参加しました。住民にとって当たり前の光景が、町外の人々から高く評価される地域の魅力であることを認識し、シビックプライドの醸成につながった好事例となりました。

©映画「お屋敷の神さま」製作委員会 西伊豆町 大田子海岸

 ――西伊豆町はロケツーリズムアワード観光庁長官賞地域大賞を受賞しました。評価ポイントやほかの自治体が模範とすべき点は。

 長﨑:最も評価した点は商工会や観光協会、自治体などが一体となって継続的にロケを誘致し、成果を得ている点です。
 大河ドラマなどの撮影地は放送期間中や放送直後に、多くの観光客が訪れ、地域も盛り上がります。しかし、放送終了後にロケによる経済効果や話題性が薄れると、ロケ誘致が停滞するケースは少なくありません。
 このため、映像制作者に、地域の観光資源やロケの受入体制を魅力的に感じてもらい、撮影のリピーター化につなげることが重要になります。
 西伊豆町は、あるがままの町が撮れ、エキストラの準備やロケ弁、ルールを守った情報発信など官民一体となった受入体制の下で撮影できる環境が整っています。

 ――ロケ誘致による地域活性化に向けた今後の方針を教えてください。

 星野:映像作品を通じ町の良いものを効果的に知ってもらうため、映像制作者へのロケ誘致に今後も注力していきます。
 名所である堂ヶ島のほか、わさびなどの特産品、豊かな自然などの地域資源に、より集客できる仕組みも整えていきます。地域資源に注目が集まり地場産業がさらに成長することで、地域で育った子供が地元で働き、生計を立てることができます。現状では仕事が限られているため、地域を離れる人もいます。地域の商品や資源の価値が高まり、事業者の発展につなげることで、地元に残る人も増えると考えています。これによって、地域の活力を一層向上させていきます。

 長﨑:私とロケツーリズム協議会との関わりは、約10年前に課長を務めていたころからになります。当時は、権利関係の整理の重要性など、一つひとつの課題に向き合いながら取り組みを進めており、基盤づくりが大きなテーマでした。
 部長として再び関わるようになった現在、活動は地理的にも大きく広がり、取り組みの内容や深さも格段に発展しています。さらに、次のステージへと進むために、どのような観点で発展させていくのかが重要です。ロケツーリズムに関わる皆様の意見を聞き、一緒に検討していきます。
 各地域の皆様がより積極的にロケツーリズムの活動を継続できる土壌も整えます。これによる成功事例を全国へ広め、地域活性化につなげていきます。

「新しい学校のリーダーズ」がアンバサダーに 若者の海外旅行を促進 「もっと!海外へ」×「GO GLOBAL PROJECT」

2026年7月3日(金) 配信

「新しい学校のリーダーズ」を起用したビジュアル

 日本旅行業協会(JATA、原優二会長)は7月1日(水)から、渋谷未来デザインが主催する、若者の海外旅行拡大を目指す共創型プロジェクト「GO GLOBAL PROJECT」との連携を開始した。7月1日から開始されたパスポート手数料引き下げに合わせ、世界で活躍するダンスボーカルグループ「新しい学校のリーダーズ」をアンバサダーに起用。彼女たちのビジュアルを用いた展開で、次世代に向け海外旅行の機運醸成・促進をはかりたい考え。

 プロジェクトは9月30日まで。全国のJATA会員会社への動画公開や、JATA海外旅行拡大プロジェクト「もっと!海外へ」特設サイトでの情報掲載を通じて、海外旅行商品の販売促進や機運醸成をはかる。動画はJATA、外務省、観光庁も協力して作成されたもので、パスポート手数料引き下げや、旅の安全に不可欠な「たびレジ」への登録、海外旅行傷害保険の加入といった官民一体となった支援策も周知する。

 現在、日本のパスポート保有率は約18%にとどまっており、日本人の海外旅行の完全復活に向けた課題となっている。JATAは、若者の海外旅行離れが国際競争力に影響を及ぼしかねないとの認識から、2025年10月に渋谷未来デザインとパブリックパートナー契約を締結。今回、「新しい学校のリーダーズ」をアンバサダーに迎え、会員会社や関係団体とともに海外渡航の魅力を発信し、2030年までの「海外旅行2000万人」達成に向けた推進力とする。

 他方、渋谷未来デザインは、2018年に設立された産官学連携組織で、渋谷を舞台に社会的課題の解決と可能性をデザインしている。その取り組みの一環として立ち上げた「GO GLOBAL PROJECT」では、海外旅行・留学・インターン・起業・ボランティアなど、多様な入口から「海外に挑戦する」体験を後押しし、若者の成長と社会全体の意識変容を目指す。