JTB、訪日客4140万人と前年割れ予想 26年旅行動向見通し発表

2026年1月13日(火)配信

国内旅行者数は横ばい、海外旅行者数は前年超えの見込み

 JTB(山北栄二郎社長)は1月8日(木)、2026年(1~12月)の旅行動向見通しを発表した。日本人の総旅行人数は前年比2.0%減の3億2250万人、このうち国内旅行者数は同2.2%減の3億700万人、海外旅行者数は同2.6%増の1550万人と推計。訪日外国人旅行者数はコロナ後の需要急伸が25年までで落ち着き、同2.8%減の4140万人と予想した。

 国内旅行者数はコロナ禍前の19年比で5.2%増と上回る見込み。1人当たりの旅行費用は同2.9%増の5万2900円で19年比では38.8%増、国内総旅行消費額は同0.6%増の16兆2300億円で19年比では45.9%増と予測した。

 給与の伸び率は緩やかになる一方で、物価や宿泊費の高騰が継続し、国内旅行単価はさらに上昇する見込み。旅行者数は前年とほぼ横ばい、総消費額は単価上昇により微増するとみている。

 同社の調査によると、26年1~12月の1年間で1泊以上の国内旅行に「行く予定」と答えた人は同0.6ポイント増の75.2%だった。一方で、「一度も行かない」と答えた人は24.8%。主な理由は「家計に余裕がないから(33.5%)」、「旅行費用が高いから(29.6%)」など、前年同様に費用面での理由が上位となり、「旅行費用が高いから」は前年から6.2ポイント上昇した。

海外旅行は前年超え、回復は緩やかに鈍化

 海外旅行者数は19年比では22.7%減と下回るが、前年を上回ると見込む。1人当たりの旅行費用は同4.5%増の31万7200円で19年比では33.7%増、海外総旅行消費額は同7.4%増の4兆9200億円で19年比では3.1%増と予測した。

 コロナ禍から時間が経過したものの、前年の急激な円安や物価高騰などにより、海外旅行の回復は緩やかで25年より鈍化する見込み。旅行者は徐々に円安を受け入れつつあり、アジアへの旅行が引き続き多い一方で、一部の遠方の行先も回復傾向がみられる。また、アジアでも物価や宿泊費の上昇が続くことで、平均旅行単価はさらに高まると予測している。

 同社の調査によると、26年1~12月の1年間で1泊以上の海外旅行に「行く予定」と答えた人は同2.0ポイント増の23.0%。24年から25年にかけての増加と比べて鈍化しているものの、引き続き海外旅行意欲は上昇傾向にあると予測した。

 一方で、「一度も行かない」と答えた人は77.0%。国内旅行同様に経済的な理由が上位になったが、海外旅行では「旅行費用が高いから(36.5%)」、次いで「家計に余裕がないから(26.5%)」となり、国内旅行と順位は逆転している。

 経済的な理由以外に、言語の問題や出入国手続き、パスポート再発行などの心理的な要因が課題と調査結果を報告した。

訪日旅行は前年割れ、中国、香港が需要減

 訪日外国人旅行者数はコロナ後の回復過程に円安の追い風もあり、2ケタ台の伸び率を重ね、25年には過去最高となったが、急激な需要回復は一巡し、今後の伸び率は落ちつくと見込む。そこに中国、香港からの需要減が加わり、26年は前年を下回ると予想している。

 なお、今回の調査は、各種経済指標や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計した。

HIS、ゴルフショット自動撮影サービス 動画編集も行う新規事業スタート

2026年1月13日(火) 配信

サービスのイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長、東京都港区)は1月13日(火)、協栄精工株式会社(篠原淳社長、栃木県真岡市)、RoboSapiens(長尾俊社長、東京都新宿区)と協業し、水戸レイクスカントリークラブ(茨城県・城里町)でゴルフプレー中のショットを自動で撮影、編集するサービス「Good Shot」の提供を始めた。

 ゴルフの上達には基本スイングの確立が不可欠である一方、練習場とコースの環境の違いによって、実戦でフォームを崩す人も多い。コース内で自らを撮影することは、進行遅延のリスクや心理的プレッシャーがプレーへの集中を妨げる原因となっていた。
 
 このことから同サービスでは、協栄精工の特許であるゴルフカートへのカメラ搭載技術と、RoboSapiensのカメラとシステムを用いる。利用客は手軽に高品質な動画でスイングの確認できるほか、大切な仲間とのゴルフ体験をシェアすることもできる。
 
 Good Shotでは、高性能カメラと搭載されたAIによる自動追従技術で、プレーヤーの全ショットを自動で記録。AIがナイスショットやハイライトシーンを自動検出し、コースでのようすをダイジェスト動画としての編集も行う。動画は約1時間で完成する。利用者はクラブハウスで2次元バーコードを読み取ることで、ダイジェスト動画を視聴、ダウンロードすることができる。

楽天トラベル、最大2万円値引きクーポン配布中 JR楽パック赤い風船2周年で

2026年1月13日(火) 配信

CPのイメージ

 楽天トラベルは1月13日(火)から、全国のJR新幹線・特急と宿泊施設を組み合わせて予約・利用できるパッケージツアー「JR楽パック赤い風船」のサービス開始2周年を記念し、ツアー代金が最大2万円引きになるクーポンを配る春旅行キャンペーンを開催している。

 JR楽パック赤い風船は2024年1月から、楽天トラベルで販売を開始し、日本旅行が企画・実施を行っている商品。旅行代金の総額に対して楽天ポイントを獲得・利用することもできる。

 クーポンには利用条件が設定され、上限枚数に達し次第終了する。旅行対象期間は1月14日(水)~3月31日(火)。

名鉄バス、「一宮西線」4月1日に開設 新路線は5年ぶり

2026年1月13日(火) 配信

 

路線図

 名鉄バス(瀧修一社長、愛知県名古屋市)は4月1日(水)、同県一宮市の一宮駅と一宮西病院を結ぶ新路線「一宮西線」を開設する。1月8日(木)現在では認可申請中。名鉄バスとして新たな路線設置は5年ぶり。

 新路線は、一宮駅と一宮西病院間の約2.7キロを運行する。それぞれの方面に停留所は6カ所で、1時間に1本の1日12便。同区間の交通の便を向上させ、地域の人たちの通院や通勤、通学の利便性を高めることを目的としている。

運行ダイヤ(平日、土休日ともに同ダイヤ)

 大人は片道200円、小学生は半額。12月30日~1月3日を除く、毎日運行する。

「皆生つるや」会長 宇田川富美恵さん死去 94歳

2026年1月13日(火) 配信

 皆生つるや(宇田川英二社長、鳥取県・皆生温泉)の会長・宇田川富美恵(うだがわ・ふみえ)さんは、1月11日(日)に死去した。94歳。

 通夜は米子市長砂町の葬仙米子葬祭会館で1月13日(火)午後6時から、告別式は翌14日(水)午前11時から行う。

 喪主は長男で、社長の英二氏。

JATA髙橋会長「2026年は変革の年に」 価値への転換で旅行会社の存在示す

2026年1月13日(火) 配信

髙橋広行会長

 日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長は1月8日(木)、東京都内のJATA本部で新春会見を開き、今年は「変革の年にしたい」と意気込んだ。価格から価値への変革をはかることで旅行会社の在り方を示し、国内・海外・訪日の三位一体でバランスのよい成長を目指す。

 2025年について、大阪・関西万博が好調に推移したほか、訪日外国人観光客数は4000万人の大台がみえ、消費額も過去最高を上回る見込みであることに触れた。一方、海外旅行は前年から約10%増加したが、19年比では7割ほどの回復にとどまっていることから「まだら模様だった」と振り返った。

 国内旅行の状況は、24年の1人当たりの宿泊旅行、日帰り旅行ともに1.4回、宿泊数は2.4泊との数字を紹介。26年も急激な伸びは期待できず、横ばい傾向が続くとみる。拡大に向けては「需要の平準化が重要。平日に休みが取れる環境づくりが不可欠だ」とし、今年も引き続き、ラーケーションの推進や平日旅行を喚起するキャンペーンなどに取り組む。「平日旅行の拡大は雇用の拡大やオーバーツーリズム対策にも資する」と力を込めた。旅行会社としては直販化が進むなかで、「企画力など価値提供が問われている」と述べた。

 海外旅行は想定よりも回復が遅れているが、年末年始は旅行費用が上がっている状況にもかかわらず、ハワイやヨーロッパなどロング方面が好調に推移していると報告。「我われは価格がマイナス要因だと考えてきたが、そうではないのかもしれない。円安疲れ、慣れもあるが、行きたい人は高くても行く」と述べ、「何としても見たい景色や体験など、お客様の価値や思いをカタチにする企画力が旅行会社の最大の強み」と強調した。とくに26年は2国間交流を深め、それらをフックに付加価値の高い旅行を提供していく。若者やクルーズの拡大にも注力し、政府への提言や関係団体との連携を一層強めていく考え。

 また、今年発表される次期観光立国推進基本計画では、初めて海外旅行の拡大に向けた施策が柱の1つに盛り込まれる見込みであることや、旅行業界の悲願であったパスポート発行手数料の値下げが検討されるなど明るい要素をあげた。旅客税の引き上げの議論に関しては「ここだけみると少しネガティブだが、大きな観光財源が生まれてくる」とプラスに捉え、「中身が重要になる。海外旅行促進に向けた使途の具体的アイデアを出すことが我われ旅行会社の役割だと考える」とした。

 訪日旅行については、地方誘客、地域分散が全体の課題としてあるなかで、「新たな地域の魅力を掘り起こし、提案していくのが我われ旅行会社の腕の見せ所。訪日版デスティネーションキャンペーンも極めて有効であると国に提言している。将来的にはアドベンチャーツーリズムを強力に進め、唯一無二の魅力を世界に発信する体制が必要だ」と語った。

 一方、JATAの主要会員会社では総取扱額のうちインバウンドが占める割合は6%にとどまっている現状であることから、「各社、新規参入含めてインバウンドビジネスを強化してほしい。JATA全体で取り組みを進め、会員会社の事業の柱の1つにすべく努力していく」と述べた。

 最後に「本年は、第5次観光立国推進基本計画がスタートする節目の年。国内、海外、訪日のそれぞれの課題解決にスピード感を持って取り組んでいかなければならない重要な年。会員各社、観光業界、官民が強力に連携し、持続可能な観光を目指して取り組み、日本経済や地域経済の発展に貢献していく」と意気込んだ。

「観光革命」地球規模の構造的変化(290) 安全保障と観光立国

2025年1月12日(月) 配信

 中国の軍事的挑発や威嚇が頻発するなかで新しい年を迎えた。昨年末には中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射や中国公船による領海侵犯、中露の爆撃機による日本周辺での共同飛行などで挑発や威嚇が行われた。それに対して航空自衛隊は日本海上で米軍のB52爆撃機と共同訓練を実施し、米国は世界最強艦隊と評される原子力空母リンカーン号を中核にした空母打撃群を日本近海に配備し、日本の防衛ライン強化がはかられている。

 憂国・救国の学者・戦略家として著名な内田樹氏は新刊書「沈む祖国を救うには」(マガジンハウス新書)で独自の観光立国論を展開しているので紹介しておきたい。内田氏の論点を私なりに要約すると、以下の通り。

 「温泉、神社仏閣、桜や紅葉、伝統芸能、美酒美食・・日本には世界に誇る観光資源がある。一朝一夕でできたものではない。千古の努力の成果である・・やはり日本の未来は『観光立国』だろう。食文化と接客の質において間違いなく日本は世界一である・・だとすれば、世界中の人が『日本に行きたい。日本で休暇を過ごしたい。できたら日本で暮らしたい』と思うところまで『歓待の国』化したらどうか・・兵器を買う金があったら観光資源を充実させる方が安全保障上効果的であると私は考える」。

 とはいえ中国、ロシア、北朝鮮など嫌日的国家に囲まれる日本の安全保障は容易ではない。同盟国の米国は日本の防衛費を国内総生産(GDP)比3・5%へ拡大することを非公式に求めており、防衛費増額による増税が不可避になり、旅行どころではなくなる。

 北欧諸国はロシアによるウクライナ侵攻を受けて防衛費が膨らみ、福祉国家が大きな曲がり角を迎えている。旧ソ連・現ロシアの脅威に対抗するために1949年に設立されたNATO(北太西洋条約機構)に加盟して集団的自衛権に基づく安全保障を重視している。ところがNATOは加盟国に一層の防衛費増額を求めているために財政が圧迫され、社会福祉の大幅見直しに至っている。

 観光は文化的安全保障としての役割を期待されているが、強力な軍事的脅威に対して決して万全とはいえない。「平和産業としての観光産業」の発展に貢献している業界関係者のさらなる尽力が求められている。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

「観光人文学への遡航(67)」 外交における観光②パラオから学ぶ(前編)

2026年1月11日(日) 配信

 2025年は、観光が外交におけるハードパワーのツールとして使われるということを、日本として改めて認識した年であった。

 今まで日本はそのような経験が少なかったから、「観光は平和へのパスポート」と信じて疑わず、外交における観光の議論は、単なる国際イベント誘致やブランディングといった平和と相互理解を前提とした中での小さな枠組みで語っていたに過ぎなかった。

 しかし、世界を見渡してみると、観光のハードパワー化はもう既に各所で起こっているのである。そのなかでも、太平洋に浮かぶ小国パラオで起こったことを振り返ると、ハードパワーとしての観光のこれからのありようが見えてくる。ちなみに、パラオは今も台湾と国交を結んでいる数少ない国のうちの一つである。

 パラオでいったい何が起こったのか、時系列でたどってみることとする。

 パラオはグアム・サイパンの南、フィリピンの東に位置する200の島からなる島嶼国である。全域が熱帯雨林気候で、年平均気温は27度と温暖である。

 美しい島々の景観が広がり、世界遺産にも登録されている。また太平洋戦争での激戦地としても知られ、ペリリュー島、アンガウル島を中心に当時の戦跡が多く残っている。現在ちょうどペリリューの戦いがテーマとなったアニメ映画が上映されている。
 知る人ぞ知るという存在だったそんなパラオが一躍有名になったのが、戦後70年に当たる2015年に当時の天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)がペリリュー島を戦没者慰霊のために御訪問されたことである。

 パラオは国を挙げて歓迎し、ペリリュー州は4月9日が祝日になった。国旗は青地に黄色の丸、パラオ語には日本語由来の言葉が多くあり、今でも親日の国民が多い。

 パラオは主要産業がマグロ漁などの漁業、タロイモ栽培などの農業くらいしかなく、かつてはリン鉱山があったが競争力を失っているため、1994年米国から独立以降は、観光で国の財政を支えていくしかなかった。 

 
 独立直後、当時のナカムラ大統領は真っ先に訪日し、日本航空を訪問して当時の利光松男社長に日本とパラオを結ぶ直航便の路線開設を懇願した。観光立国としての決意に利光社長は共鳴し、チャーターフライトでその期待に応えることとした。

 しかし、当時成田空港は満杯で、開港間もない関西空港も新規に路線を導入するゆとりはなかった。そこで白羽の矢が立ったのが名古屋空港である。ナカムラ大統領は三重県の出身なので中京圏にはゆかりがあり、名古屋空港からのチャーターフライトが開設されることが決定した。それ以来、日本航空が率先してパラオの魅力を日本に紹介し、徐々にマーケットに浸透していくこととなる。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(252)」 重要伝統的建造物群の町並みとまち歩き(千葉県・佐原)

2026年1月10日(土)配信

小野川・町並み舟めぐり

 12月半ば、千葉県の佐原(香取市)で「全国まちあるきフォーラムin佐原」が開催され参加した。3日間にわたる大会に全国各地から、観光まち歩きリーダーたち150人が集まり、佐原の新たな可能性について検証する良い機会となった。

 佐原は、近世には利根川東遷による舟運が栄え、「佐原本町江戸優り」といわれるほどに繁栄した。小野川と香取街道沿いには、商家や和風の町屋、洋風建築などの伝統的建造物と生業が残り、1996(平成8)年には、関東で初の伝統的建造物群保存地区に指定された。

 香取神宮などの社寺はもとより、全国を測量して歩いた伊能忠敬の屋敷や記念館、ユネスコ無形文化遺産・佐原の大祭の山車会館、小野川の舟めぐりなど、観光拠点も沢山あるが、まち歩きの楽しさは、これら観光拠点だけでなく、このまちを支えた豊かな生業の数々である。酒蔵、醤油蔵、胡麻油などの店、角打ちができる酒屋、銭湯など、暮らしの魅力に溢れている。

 小野川の舟運が衰退した時期、ここに蓋をして駐車場にする案もあったそうだが、地域はこれを認めなかった。面としての町の保全と活用は、地域の合意形成を含めまことに手間がかかる。

生業を訪ねる魅力的なまち歩き

 「長崎さるく」(長崎市)を発端とするこのフォーラムは、佐原大会で10回目を迎える。2006年開催の「長崎さるく博」では、いわゆる点としての観光地だけでなく、地域の方々が、暮らしの現場や、その土地の歴史・文化や生業などをテーマに、まちを歩く(さるく)ことによって地域の魅力を伝えるという新たな観光まちづくりの手法が確立した。今大会は、このような趣旨のもと、佐原におけるまち歩きの課題や可能性を探ることが目的であった。

 シンポジウムでは、地元佐原の「NPO小野川と佐原の町並みを考える会(石毛麻理理事長)」のほか、「沖縄まちま~い」の沖縄県浦添市、八千代座などの温泉街がある熊本県山鹿市の「米米惣門クラブ」、「風の盆」で有名な富山県八尾などの代表者らに登壇いただき、全国から集まったキーマンたちと交流した。

 一口にまち歩きといっても、今や実に多様である。城郭など観光拠点をガイドする昔からのガイドボランティア、事業性を重視し、まちなかの魅力をテーマとともに歩く有償ガイド、主にインバウンド客を対象に高付加価値化した広域を手掛けるガイドなどがある。

 当日の討議では、まち歩きの「物語性」と語り部をどう育てるか、歩きの舞台となる町の景観活用やガイダンスの仕組みづくり、若いガイドの育成・参入やまち歩き組織の自立など組織マネージメントに係る課題など、多岐にわたった。

 佐原の魅力は、日々の暮らし・生業が今も息づいている点にある。これらまち歩きと町の魅力を後世にどのように継承し生かしていくか。どの地域にも共通する大きな課題である。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

マチカドこども大学、海老名市で観光学講座 小学生対象に日観振との共催で

2026年1月9日(金) 配信

講座で使われるテキストの表紙

 小田急不動産と多摩大学によって運営されているマチカドこども大学は1月17日(土)、小田急電鉄本社(神奈川県海老名市)とロマンスカーミュージアム(同)において小田急電鉄と日本観光振興協会との共催で、「小田急子ども観光学講座in海老名」を開く。

 同講座では、玉川大学名誉教授で名桜大学の寺本潔特任教授を講師に迎え、小学生3~6年生が小田急沿線の観光スポットを学び、沿線の観光とそれを支える観光産業についての理解を深めていくプログラムを実施する。

 マチカドこども大学と小田急電鉄が目指す沿線の観光資源の活性化と、日本観光振興協会の観光教育発展の想いが合致し、今回の企画の実施に至った。