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「街のデッサン(237)」「ちくわちゃん、ありがとう」 慈愛の社会を描く地域童話

2021年1月5日(火) 配信

慈愛の社会を描く「ちくわちゃん」の絵本

 エポックメーキングという言葉があるが、時代を画するという意味を持つ。昨年は、まさに社会を変えるコロナウイルスの蔓延というとんでもない事態が年初から勃発した。これを危機の時代が始まったとするか、旧弊を覆して新しいチャンスの時代の到来とするかによって捉え方が両極に分かれる。私は、次代をより良き方向に変えていくチャンスとして考えなければ、と思っている。

 旅好きな私は海外旅行に年2、3回は出ていたが、それが不可になったことは至極残念なことだった。外国の違った文化に触れる体験は、生きるための知的エネルギーを補充することで元気の源となった。旅は新しい発想をひらめくための涵養の場でもある。

 春にはコロナの感染を抑えるために、「ステイホーム」が強要されて国内旅行もままならなかった。いきなり「Go Toトラベル」と言われても、2次、3次の蔓延によってなかなか気持ちの禁足が解かれない。海外も国内の旅も不可な時にできるのは近所への散歩である。故に海外や国内の旅に代替する散歩(プチ旅行)をよくしている。

 旅に出ると歩いて見学やフィールド・サーヴェイが必至であるから、日ごろから足腰を鍛えておかなければならない。脚力増進に、散歩や遊歩が一番だ。住まいの近くに「代々木公園」があるから、近所をしばらく歩いて公園を何周かするのが、ニューノーマルな私の日課となった。

 漱石であれば「坂道を登りながらこう考えた」となろうが、私は「公園を巡りながらこう考えた」となる。それはコロナによる地域籠りの時間を、若い人であればWeb会議やデジタルラーニングで個人力を増強するであろうが、私のような年配は近所力(コミュニティ力)を伸ばすことで持続可能な社会をサポートできないかと考えるのだ。

 その背景には2つの理由があって、その一つは仕事中心社会が家庭中心社会に、DX時代は必ずシフトしていくという予測。もう一つは、散歩の途中で1匹の茶縞の猫に出会って、この野良的な生き方にすっかり共感してしまったからである。人間を怖がらず、あらゆる人々にオープンで親和性を持った猫の存在は、実は互いに慈愛と寛容性に満ちた地域社会の人々が支えていた事実が分かったからである。

 「ちくわちゃん」と呼んでいた猫が病で亡くなった日、一緒によく遊んでいた広場に誰とも知れずたくさんの花束で飾った献花台が自然に生まれていた。私が書いた童話の最後に、その写真を載せておいた。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

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