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「観光革命」地球規模の構造的変化(230)  コロナ禍克服の可能性

2021年1月3日(日) 配信

 昨年の流行語大賞は「3密」だった。昨年日本を含めた全世界を苦境に落とし込んだ新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)対策として避けるべき行動(密閉、密集、密接)を表す言葉であった。旅行・観光産業は「3密回避」の影響を大きく受けた産業分野だ。政府は「感染防止と経済再生の両立」をはかりながら諸施策を講じたが、感染拡大が続くなかで観光支援事業「Go Toトラベル」への批判が高まった。それに対して菅首相はGo Toトラベルは地方経済再生に貢献しており、旅行が感染拡大に影響するエビデンスが無いために事業継続にこだわった。

 ところが12月9日(水)に英スコットランド自治政府のスタージョン首相は科学者による詳細な調査結果に基づいて「コロナの感染拡大は旅行が原因であった」ことを公表。東大などの調査でも「Go Toトラベルの利用者は利用しなかった人よりも感染リスクが2倍高い」ことが判明した。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会も「感染拡大地域でのGo To トラベルの一時停止」を提言。さらに世論調査で菅政権への不支持率が一挙に高まったために、政府は「Go Toトラベル事業を12月28日(月)から1月11日(月)まで全国で一時停止」を表明した。

 一方、昨年12月に世界各国でコロナワクチン接種が開始された。世界で最初に国産コロナワクチンを承認したロシアでは12月5日(土)から接種を開始。英国でも米国製薬大手ファイザー社などが開発したワクチンを政府が承認し、8日(火)から接種開始。米国でも連邦食品医薬品局がファイザー社のワクチンに対する緊急使用許可を出し、接種を始めた。中国の製薬大手シノファーム社のワクチンもインドネシアなどで接種が開始される予定だ。

 日本では昨年12月に国会で「改正予防接種法」が全会一致で可決・成立し、コロナワクチンを国の費用負担で無料提供し、円滑に接種を進めることが可能になった。日本政府とファイザー社は来年6月末までに6000万人分のワクチン供給で基本合意済みだが、接種時期はまだ未定。

 コロナ克服のためにはワクチンが不可欠であるが、完璧なワクチンの開発は容易ではない。今年もまたコロナとの苦しい闘いが継続されるので、旅行・観光産業の苦境も継続される可能性が高い。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

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