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「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(7月号)」

2019年7月27日
編集部

2019年7月27日(土) 配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 今夏に向けて早々に猛暑警報が発動されたフランス、6月末には南東部で国内観測史上最高の45.9度を記録しました。一般家庭にクーラーが普及していないため、この暑さを乗り切るのは至難の技。2003年の欧州熱波時にフランス国内で死亡したおよそ1万5000人のうち、そのほとんどが75歳を超えた高齢者であったことでわかるように、急激な気温の変化は年配者には命に関わる事態です。フランス厚生省は、独居老人の見守りを呼び掛けています。超高齢化社会を迎えた日本では、日頃から高齢者を支える取り組みがなされ、同時に老後を楽しむ人々を対象としたシルバー産業も拡大の傾向にあります。本誌7・8月合併号では、シルバー世代をめぐるマンガの流行に注目しました。文化面ではロンドンで開催中の欧州最大のマンガ展、旅ページでは東京・豊洲を紹介しています。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 「シニア世代と漫画」

フランス語版「縁側メタモルフォーゼ」

 超高齢化時代に突入した日本には多くの課題があるものの、60歳を超えても仕事をする意欲がある人が多いことや、長く人生を楽しむという概念が存在することも見逃せない。少子化が進み、元気なお年寄りが増えると、経済に影響を及ぼす消費者の世代に変化が生じる。今日の日本の消費者層の中で、すでにシルバー世代が重要な割合を占めていることはまぎれもない事実だろう。高齢者はとくに、精神的充実や自分磨きへの投資を好む傾向が強くなるため、贅沢な旅行ツアーやパソコン教室などのシルバー産業の需要が高い。そのなかで本誌が着目したのは、シニア向けの漫画の増加だ。■「親」「夫・妻」という役割から徐々に解放され、人生を謳歌しようとする人々にとって、漫画は新しい文化体験になり、そして同じ趣味を共有する人々との出会いのきっかけともなり、社会的意義を生む。■「CYBORGじいちゃんG」など、シニア世代が主人公になるストーリーが、年配者の共感を呼ぶ。■漫画家・鶴谷香さんに聞く著書「縁側メタモルフォーゼ」の背景。■齋藤なずなさんが描く高齢者のリアルな日常が人気な理由。87歳の漫画愛好家、滝野文恵さんにインタビュー。

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉新しい波

パリのアパレルブランド、Aoi clothingのねぶたが会場を彩りました

 東京オリンピックを来年に控え、今夏から年末にかけて日本政府や自治体によるフランス国内でのインバウンド事業も佳境に入ってきたようです。7月の日本関連イベントといえば、パリ近郊で開催されるジャパン・エキスポ。20周年を迎えた今年は、東北や九州、東京のほか、埼玉県行田市や栃木県など地方自治体の参加が増えたことに加え、JR東日本や小田急など鉄道会社の出展が印象的でした。ブースの大型化や人気YouTuberの招致など、思考を凝らした集客を試みながら、「日本ブーム」を盛り立てています。■一方で、会場ではフランス人たちが独自に楽しんでいる意外な日本カルチャーの存在も。なかでも、ムーブメントとなる勢いを見せているのがYosakoi (よさこい踊り)と Kendama(けん玉)。前者は地方都市で結成したグループが全国で連盟を作るまでに至り、後者はスケボーのようなストリート系カルチャーとしての進化を遂げています。両者とも、日本でそれらの文化に魅せられた若者が中心となって仲間を増やし、日本の「伝統」に敬意を払いながらも、あえてその「型」にこだわらず、自由に楽しみながら動きや技を発展させているのが特徴。今後も注目です!

 

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

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