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「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(4月号)」

2019年4月29日
編集部

2019年4月29日(月) 配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 日本の天皇の生前退位と新天皇即位に伴う新元号決定のニュースは、フランスの各メディアでも取り上げられました。ル・フィガロ(Le Figaro)紙は「REIWA」の言葉の由来や命名のされ方を中心に解説し、ル・モンド(Le Monde)紙は、加えて日本人の新元号の受け止め方や、IT対応の懸念、そして日常の中での西暦と和暦の併用についても言及しています。けれども、「令和」という言葉を理解するだけでは、この新時代に何が期待され、何が課題なのかは見えてきません。平成最後の月となったこの4月、本誌では「さよならHeisei」と題して特集を組み、日本社会が歩んだ平成の30年間を振り返りました。文化面では静岡県袋井市の小学校で実践されている食育についてのリポート、旅ページでは、旧東海道、江戸の趣を残す箱根八里の旅を紹介しています。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 さよなら平成…

3月中旬にパリを訪れた湯浅誠氏

 1989年に昭和が幕を閉じ、平成という新しい時代が始まったとき、人々はより豊かな未来を期待していた。しかし現在、大多数の国民が将来に期待をしていないという。政治的には、内閣が頻繁に入れ替わり不安定な時代だった。安倍内閣が再誕生してからは、経済効果が表れた一方、原発の再稼働が始まり、軍事力の増強がうたわれ、戦争ができる国へと変化しつつある。そのなかで、過去の戦争を悔やみ、平和を願いながら退位する明仁天皇は、日本の新たな象徴となるだろう。■加速化する格差社会:湯浅誠氏に平成の幕開けと貧困問題の始まり、そして現状について聞いた。■イノベーションとガラパゴス現象:長い間、世界からすべてをコピーすると言われてきた日本人は、平成に入り独自の技術革新に成功した。燃料電池車、i-modeケイタイや無料通信アプリの開発のほか、LEDなど画期的な製品を生み出したが、電化製品に関してはアジア他国に市場を奪われた。日本国内仕様のものが多く、海外に普及しなかったことが致命的だった。■市民権を得たオタクたち:マンガ、アニメ、地下アイドルなど、サブカルチャーが活発に発信され、その影響は海外まで広がっている。

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉サクラ咲く

フランス仕様のキリンの広告

 よくフランス人から、日本で桜を見るのにベストな旅行時期はいつなのかという質問を受けます。満開の桜並木と、ひらひらと花びらが舞う薄紅色の世界は、年齢を問わず多くの人々の憧れのようです。最近はさらにその人気に拍車がかかり、「花見」への注目度も急上昇。3月末付のル・フィガロ紙は、パリから南西に約370㌔に位置するロワール地方モレヴリエ市内の東洋庭園内が花見ピクニックを解禁した情報を伝えています。パリでは、近郊のソー公園が昔から在仏日本人たちのお花見スポット。いつからか、そこに日本好きのフランス人たちも集うようになり、2013年には太鼓や阿波おどりのイベントも開始。ついにソー市公認の「Hanami」として、コスプレーヤーたちも集まる大イベントに成長しました。この時期に市内の地下鉄駅で目につくのは、キリンビールの広告。太鼓橋がかかる川とサクラ咲く谷の風景は、まるで桜源郷のよう。飲食店に設置された同じシリーズの紙コースターのピックアップ率も高く、コンセプトの人気を裏付けています。このようなフランス国内での桜をめぐる盛り上がりは、日本へのインバウンドに確実に一役買っていそうです。

 

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

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