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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(85)真のおもてなしで効率的な創客を ロイヤルリピーターを創造する

2018年2月4日(日) 配信

真のおもてなし行動を(画像はイメージ)

 東京オリンピック・パラリンピック誘致の際、滝川クリステルさんが日本はおもてなしの国であると、世界に向けて発信しました。それ以前からメディアでは、日本社会はサービスが過剰だといわれていました。

 私たちはサービス、おもてなしを提供する側であると同時に、いち消費者でもあります。消費者として、日々受けているサービスに、あなたは満足していますか。

 私は、逆にサービスが低下しているのではないかと強い危機感を持っています。

 あなたが、あるいは信頼するスタッフが、お客様に最幸のサービスを提供できたとします。喜んだお客様が満面の笑顔でこうおっしゃいました。「非常に満足しました。機会があれば、また来ますね」。

 こんなに嬉しいことはありませんが、本当にこれで良いのでしょうか。私もクライアント企業のお客様から、同様の声を聞いたりします。

 そのときは「このお客様の言葉に違和感を持ちませんか」と尋ねます。

 気になるのは「機会があれば」というセンテンスです。お客様にとって、もしその機会がなければ、今日の仕事は未来を創り出さないということのです。

 おもてなしとは、ただ単に今日のお客様の満足を創り出すだけの行動であってはならないのです。ロイヤルリピーターという造語を、多くの機会で語っています。その意味は、売りたい商品を、売りたいときに、販売者の能動的な働きかけによって、喜んで買っていただけるお客様と定義づけしました。

 ビジネスとは、いつか機会があれば来てくださるお客様ではなく、このロイヤルリピーターと呼ばれるお客様を日々の営業活動で創り続けることをいいます。そのために必要なことが、真のおもてなし行動なのです。

 苦情が来たら、深く考えることなく、その対象となる行動を無くしていく。そしてでき上がった特徴のないサービスは、どこにでもある違いのないサービスです。

 そんなサービスを積み重ね、過剰だといわれるものを提供しても、満足は創造できても、次も必ずここに来たいと感じてもらうサービスにはならないのです。

 効率的に仕事をすることは、とても大切なことです。しかし、仕事の目的を考えたとき、手間を惜しまずに一見非効率に見える行動を取ることにより、帰り際に次の予約を入れてもらえることが真の効率的なビジネスといえるのではないでしょうか。

 そして、その一人ひとりのお客様に手間をかけることがロイヤルリピーターを創造する、最も効率的にビジネスの目的を達成できる真のおもてなし行動なのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

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