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【特集 No.477】日本バス協会 三澤憲一会長に聞く “ラスト ワン マイル”確保へ

2017年11月10日
編集部

2017年11月10日(金) 配信

 訪日外国人観光客が増加の一途を辿り、旅行・観光業界がめまぐるしく変化しているなか、バス業界も変革期を迎えている。2016年1月15日の軽井沢スキーバス事故以後、対策の重要な施策として、安全・安心を指導する「貸切バス適正化センター」が今夏から始まった。一方で、地方の公共交通の確保や人手不足、ドライバーの高齢化など、課題は山積する。日本バス協会では今年6月に三澤憲一氏が新会長に就任。様変わりが激しい業界の今後を見据え、展望や意気込みを聞いた。

【司会進行=本紙社長・石井 貞德、構成=平綿 裕一】

 

「安全・安心」常に先手を

 ――新会長に就任しましたが、今後の抱負についてお聞かせ下さい。

 バスは地域の身近な足として、また、観光などの団体輸送に大きな役割を果たしています。さらに東日本大震災での活躍は記憶に新しい事です。皆様の期待に応え、安全で便利な輸送サービスの提供を目指します。

 乗合バス事業は、ピーク時の1970年代から現在まで輸送人員は約6割減少しています。とくに地方部は過疎化が進んでおり、バス事業者の約8割が赤字です。

 このように地方は、非常に厳しい状況が続き、いわゆる「ラストワンマイル」、この足をいかに確保するのかという大きな問題を抱え、地方自治体もその確保に苦心しています。生活路線をどう確保するかについては、バス事業者単独での解決は難しい問題であり、国や地方自治体と連携し知恵を出し合って、解決していく必要があります。

 しかし、高齢者ドライバーの事故増加に伴い免許証返納問題なども表面化しています。日本バス協会としても補助制度の拡充など、バス事業者の意見を踏まえて、問題解決に向けて取り組んでいきます。

旅行業界とはウィンウィンの関係を

 一方で、貸切バス事業は、外国人観光客の増加など需要が拡大しているので、旅行業界とのウィンウィンの関係をいかにして構築するかが、重要になってきています。

 政府は世界有数の観光大国を目指して、20年にはインバウンドを4千万人、30年に6千万人を目標としています。この実現のためには、バス業界と旅行業界がより一層協力していかなければなりません。

 ここで大きな前提となるのは、輸送の安全・安心です。万が一にも、インバウンドの旅行者を含めた大きな事故を起こしたならば、観光大国としての日本の信用が失墜することは必定です。

 ――旅行業界との関係については。

 昨年8月末に「安全運行パートナーシップ宣言」を、日本バス協会と、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)でとりまとめ、それぞれ会員に周知しました。軽井沢スキーバス事故を受け、旅行需要の回復・拡大を目指した取り組みですが、旅行業界とバス業界が共にとりまとめたこと自体が貴重なことです。

 この宣言は、両業界が協力して安全確保を進めることを内容としますが、貸切バス事業者安全性評価認定制度のもと、主として認定事業者の利用や、同等の安全対策を講じている事業者の利用に努めることのほか、安全コストを含んだ運賃の遵守などが盛り込まれています。

 旅行業界と貸切バス業界が互いの立場を理解し、お客様に安全・安心を提供するため、基本となる部分で共通認識を確立できました。今後も同じ方向に共に歩んでいくことが重要だと考えています。…

※詳細は本紙1692号または11月16日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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