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売上2718億円で過去最高に、的を絞ったM&Aで拡大はかる(HIS第2四半期)

「主導的なM&A戦略へ」

 HIS(澤田秀雄会長兼社長)が5月26日に発表した2017年10月期第2四半期(16年11月―17年4月)連結業績は、売上高が過去最高で前年同期比6・2%増の2718億2500万円だった。当期純利益も過去最高で5120・2%増の51億7600万円、営業利益は26・8%減の62億4600万円。増収減益だが、2月の海外旅行取扱高で、JTBを上回るなど勢いがでてきた。旅行事業とホテル事業に的を絞ったM&A(合併・買収)でスピード感を持った事業拡大をはかる。
【平綿 裕一】

 売上高は海外、国内の送客数増とHTBグループの好調で増収。営業利益減は年末年始の日並びや、第1四半期の利益率低下、熊本地震によるHTB入場者数の減少などが響いた。経常利益は前年同期比134・5%増の105億3500万円。円安による為替差益が約27億円に上ったことが増加要因となった。

 澤田氏は26日の会見で「赤字部門を閉鎖し無駄な経費を削った。これだけで利益になる。投資も見直している」と説明した=写真。数多く事業展開をするなか、企業全体を見渡し肥大化を避けたい方向だ。今後は旅行事業とホテル事業に絞ったM&Aを強める。「主導的なM&A戦略に舵を切った」(澤田氏)とスピード感を持った事業拡大をはかっていく考え。

 既に今年に入りカナダに拠点を持つ旅行会社メリットトラベルと、欧州方面に強いランドオペレーターのミキグループをM&Aするなど積極的だ。それぞれの国・地域で規模のある企業をM&Aすることで、ゼロから始めず迅速に事業領域を広げていく。

 HTB単独業績は、来場者数が5・9%減の147万人、売上高が6・1%減の143億9700万円、営業利益が13・5%減の41億200万円、経常利益は27・2%増の55億8300万円。減収減益だったがHTBのホテル予約状況は7、8月で40%以上伸びている。回復基調になったうえで、来場者増加を目指し「可能性があればカジノも視野に入れる」と、IR(統合型リゾート)参入を示唆した。

 ホテル事業の営業利益は4億9400万円(5・4%増)と増益。変なホテル1号店が好調で「5億円前後の利益が出る」という。現在144室だが、56室増やし200室にする。3月に2号店が開業し、8月に愛知県のラグーナテンボスで3号店を予定。「東京で3―5店、大阪で1―2店作っていく」とし、投資の手を緩めない方向だ。

 海外でも動きは活発。台湾大手ホテルチェーンを5月に子会社化した。台北市内16軒のうち1軒を変なホテルに改装して、海外展開に乗り出していく。とくに台湾、上海、東南アジアを狙う。

 一方、2月に海外旅行取扱高でJTBを上回り旅行業界で首位に立った。澤田氏は「ナンバーワンになると利益がぐっと変わる。これから増収増益なってくると思う」と好調さをうかがわせた。

 なお、10月期のHIS連結業績予想は、売上高が前年同期比11%増の5800億円、営業利益が40%増の200億円、経常利益は166%増の230億円、当期純利益は4393%増の120億円とした。HTB単独業績見込みは前回発表時から修正があり、入場者数4%増の300万人、売上高は4%増の298億円、営業利益は8%増の82億円、経常利益は53%増の100億円を見込む。

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