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No.453 髙野新事業長に聞く、楽天ブランド、世界で高める

2017年2月21日
編集部

髙野新事業長に聞く
楽天ブランド、世界で高める

 FCバルセロナとの「グローバル イノベーション&エンターテインメント パートナー」契約が話題となった楽天。インバウンドの取り込みをはじめ、海外OTAとの競争が激しいなか、知名度向上は楽天トラベルにとっても追い風となる。新たに事業長に就任した髙野芳行氏を訪ね、今後の方針やAI技術・ビッグデータの活用、地域振興などをめぐって話を聞いた。「グループを牽引する存在になる」と強調する髙野氏。時代にマッチしたDMOの展開といった、OTAトップならではの見解も示した。

【謝 谷楓】

 
 

 ――事業長に就任されましたが、今後のビジョンについて教えてください。

 2017年はとくに、プロモーションとブランド力の強化、ビッグデータの活用、サービスの品質向上の4点に力を入れていきたいと考えています。

 楽天スーパーセールなどのセール時に、売り上げが倍増する宿泊施設もあるため、これらセール自体がプロモーションの役割を果たしています。

 テレビコマーシャルといったマス・コミュニケーションの利用によって、インターネット以外のリアルな市場からのユーザー獲得にも注力します。

 オンライン旅行会社(OTA)での旅行商品購入が一般化しています。今年は、その動きがさらに加速していくはずです。

 ブランド力については、楽天がスペインのプロサッカーチーム「FCバルセロナ」と「グローバル イノベーション&エンターテインメント パートナー」契約をしました。海外での知名度アップを期待しています。楽天市場や楽天トラベルをはじめ、楽天の各サービスで使える楽天スーパーポイントの認知度の向上など、楽天グループが行う広告戦略とも連動し、ユーザーの取り込みをはかります。

 ユーザーと宿泊施設のマッチング精度を上げるために、楽天市場や楽天カードなど、楽天グループのさまざまなサービスで蓄積したビッグデータの活用もしていきます。

 サービスの品質向上では、ユーザーと宿泊施設(サプライヤー)双方の声に一層耳を傾けていきます。例えば、ユーザーの声を課題解決に結びつけるために、昨年4月から国内宿泊向けのコールセンターは、365日24時間対応としました。

 不正カード決済のチェックなど、「安心・安全」な宿泊予約を実現する取り組みにも力を入れています。宿泊施設単体では対応の難しい部分を、楽天トラベルでサポートしていければと思います。

 ――新たに宿泊施設(サプライヤー)を開拓するための施策とは。

 営業を担うインターネット・トラベル・コンサルタント(ITC)が、インターネット上のプロモーションの活用方法を提案し、宿泊施設と二人三脚で顧客獲得をはかることが、私たちの強みです。新規開拓でも、活かしていきます。

 宿泊施設が主体となって、楽しみながら売り上げを伸ばす工夫ができるようサポートする。“エンパワーメント”という、私たちの理念は変わりません。対等な関係を重んじ、一緒にマーケットをつくっていくのです。私たちは、宿泊プランづくりからプロモーション活動まで、施設と一緒になって活動をしています。この事実をもっとアピールしていくことが必要かもしれません。

 規模や伝統にかかわらず、努力した分だけ、顧客と売り上げを獲得できるという、インターネットならではの利点を、最大限活かしてほしいです。

江端浩人氏が基調講演、自己実現満たす“マーケティング4.0”

江端浩人氏

 楽天トラベルは2月13日、新春カンファレンス2017を開いた。江端浩人事業構想大学院大学教授による講演会が開かれたほか、アワードセレモニーも行われた。昨年、首都圏や近郊地区で好実績を収めた宿泊施設が表彰された。

 基調講演を行った江端浩人氏は日本コカ・コーラ在職時、同社のWebサイト“コカ・コーラ パーク”が月間約10億PVを達成するなど、広告・マーケティングの専門家として知られる。

 講演では、「マーケティングに必要なNext Stepとは」と題し、SNS(交流サイト)の普及に適したマーケティング手法を説明した。今後は、企業と一般消費者(ユーザー)、双方向・多方向の意思伝達が一層重要となる。

■ユーザー発信の時代 

 昨年、動画サイトを通じ世界中でヒットした、ピコ太郎の“PPAP”を例に挙げ、「オリジナルを元に、自らアレンジして踊る。そして、動画をアップロードしてシェアするという、自分事化と自己実現のプロセスが流行につながった」と語る。…

 

※ 詳細は本紙1661号または2月27日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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