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観光立市 横須賀へ 海を生かしたコンテンツ生み出す

2019年10月13日
営業部:後藤 文昭

2019年10月13日(日) 配信

市内には多くの文化財などが残る(写真は記念艦三笠)

 今年6月、国土交通省海事局が「海事観光推進協議会」を設立し、同観光への取り組みを加速させている=既報。神奈川県横須賀市は観光を市の主産業の1つに位置付け、軍港やマリンスポーツ、サブカルチャーなどと組み合わせた「海を生かした観光コンテンツ」の整備を進めている。文化スポーツ観光部観光課長の矢部賢一氏と、同部観光課総務担当主査の須永泰考氏、同部企画課長の杉山裕二氏に、〝観光立市〟を目指す横須賀市の考え方を聞いた。
【後藤 文昭】

 横須賀市は2017年2月、17年度から21年度を実施期間とする「横須賀市観光立市推進アクションプラン」を策定し、観光客数と観光消費額の拡大に向けた取り組みを進めている。

 観光を市の主要産業の1つに位置付け、17年からウインドサーフィンワールドカップを津久井浜海岸で開催するなど、海を生かした観光コンテンツも生み出している。

 同大会では、地元とタイアップし、地元グルメを提供するなどなど工夫で行い、3年間で2・5倍の来場者が増加した。

(左から)杉山裕二課長、矢部賢一課長、須永泰考主査。取材は横須賀市役所で8月に行った

 文化スポーツ観光部観光課長の矢部賢一氏は、「横須賀市にとって海は地域資源であり、観光資源である。歴史的に見ても、旧海軍の鎮守府が設置されるなど、海との関係が深かった。観光分野も同様で、近年では、マリンスポーツができる環境の整備も市で進めている。また民間企業も、アメリカ海軍や海上自衛隊の基地などがある立地を生かしてYOKOSUKA軍港めぐりの運航などに取り組んできた」と説明する。

 そのうえで市は、「海」を地域資源の1要素として捉え、そのほかの地域資源や、サブカルチャーなどのコンテンツと組み合わせることが観光立市を目指す横須賀には重要だと考えている。

 同部観光課総務担当の須永泰考主査は、「横浜や鎌倉など、横須賀に来る途中にある魅力的なまちをあえて通過して〝横須賀に来たい〟と思わせるだけの理由を作ることが重要」とし、市内でこれまで行ってきたさまざまな取り組みに触れた。

 例えば猿島では昨年、夜の音楽イベントをエイベックス・エンタテインメントと連携して実施し、9日間で約4千人を集客した。

 今年は、よこすか海軍カレー20周年とアニメ「ワンピース」20周年に合わせイベントを実施。期間限定で島の愛称も「モンキー・D・ルフィ島(猿島)」に変更し、島内でさまざまなイベントを展開したほか、市内でもコラボレーションメニューなどを提供した。

 市内全域を周遊してもらうための仕掛けづくりも進む。来年に向けて整備が進む「ルートミュージアム構想」は、近代化遺産が点在する市内全体を「軍港資料館」と捉えて、周遊を促す。観光客はヴェルニー公園内に整備される「ガイダンスセンター」を拠点に、市内に点在する文化財を巡りながらの歴史に触れることができる。

主な観光スポットの入込客数の推移

 須永氏は、「猿島やYOKOSUKA軍港めぐりなどの入込客数が年々増加しているのは、こうした仕掛けづくりが、〝横須賀に行きたい〟という動機づけにつながったからだと思う」と語り、「歴史やサブカルチャー、音楽などを通じ横須賀に来たことがない人を呼び込み、市内にある観光資源の認知度を高めることが、新たな魅力の掘り起こしにつながると考えている」とまとめた。

 これに加え同部企画課長の杉山裕二氏は、民間企業の重要性も強調した。「トライアングルが運航するYOKOSUKA軍港めぐりが人気の観光クルーズに仕上がってきたように、採算を考え、事業にできる民間企業と連携しなければ、横須賀の観光は、成り立たないと思う」と語った。

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