「味のある街」「くず餅」――船橋屋(東京都江東区)

2020年8月10日(月)配信

船橋屋「くず餅」1皿650円(店内で召し上がる場合)▽東京都江東区亀戸3-2-14▽☎03(3681)2784。

 創業1805(文化2)年の船橋屋は、亀戸天神社の参道近くにある。現在の建物は東京大空襲で焼けてしまったあとの1953年に建てられたものだという。大通りに面しているのに店の中は静かにゆったりと時間が流れている。

 店に入ると正面の大きな古時計が時を告げていた。天井が高く、灯りも明る過ぎず癒される。店内には四人掛けのテーブルが7つ、10人掛けが1つ置かれている。「9切れも入ってるわ。食べられるかしら」と言いながら、ぺろりと平らげる女性の2人組など、幅広い層の方が甘いものに夢中になっていた。

 店の中ほどに「船橋屋」と書かれた大きな木の看板が掲げられている。この看板は作家の吉川英治氏が書いたものだ。「大作家の吉川英治さんが、船橋屋のくず餅についてくる黒みつを大変気に入り、余った黒みつをパンにつけて食べて下さっていたことを6代目のご主人が聞きつけ、「それならばぜひお会いしてお礼をいいたい」という願いから出版社に口を聞いてもらい、会いに行ったのがきっかけという。

 確かに濃厚でとろっとした黒みつは色々なモノにつけてみたくなる。くず餅にたっぷりかけても少々余るので、捨てるなんてもったいない。それをバニラアイスにたっぷりかけてさらにきな粉をまぶすというのが我が家の流儀だ。くず餅は小麦でんぷんを15カ月もの間、熟成発酵させたものが原料だ。それを水で攪拌し、溶かして型に入れて蒸しあげたもの。

 「作るのに15カ月もかかるのに日持ちはわずか2日なんです。丁寧にこしらえて一番コンディションのいい状態のものを召し上がってもらえればと思っております」と、お店の方。ふるさとへの帰省土産に買って行かれる方が多いお盆の時期が最も忙しいという。

 海辺の街で、遠い温泉街で、山の麓の町でそれぞれ包みを開き、どこか懐かしく弾力のある食べ心地を味わいながら癒しの時間を家族で過ごすにはもってこいの品だ。

 冷蔵庫に入れると固くなってしまうので常温での保存が好ましい。

                          (トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

「街のデッサン(232)」文化は危機に直面する技術 「ペスト医」の仮面(マスク)の記憶

2020年8月9日(日) 配信

不思議な仮面に秘められた文化力

 1989年の冬だったと思うが、私はヨーロッパを始めとした国々を巡る旅を想い立ち、1~2週間の期間を用意することにした。それまで個人的な仕事を生業にし、数日の猶予も取れない忙しい日々を送っていたが、私の恩師の計らいで教職の場を得て、念願だった旅の時間を取ることが可能になったからである。

 その年、まずは訪れてみたい憧れのイタリアの都市を巡ることにした。冬場の2週間、ミラノから入ってヴェネツィア、フィレンツェ、そしてローマまで、定番になっているコースを試みることにした。

 時期は観光の季節から外れ、飛行機の運賃もホテル代も安く、観光地や施設も空いているから、軽い財布しか持たない我われ夫婦に最適と踏んだのだ。ミラノのヴィットリオ・エマニエルⅡ世ガレリアからスタートした旅は、確かに観光客は少なく快適だった。

 入国してから3日後、夕暮れに列車でヴェネツィアの島の駅に到着した。ホテルを何とか探し当て、食事を取るため街に出たが脳味噌が凍るぐらいの寒さだった。人通りが絶えた街は、レストランを探すにも難儀したが、運河に面した角の建物のウインドウが明るい。近づいてみるとスポットで照らされた先に異様な仮面が並ぶ。数日前に終了したヴェネツィアの仮面舞踏会に使われていたものと気が付いたが、それにしても一画にある鼻の長い日本流にいえばカラス天狗のようなお面は、奇怪である。なぜかその不思議なマスクが心に残った。

 2020年、年の始めからコロナ禍のパンデミックに襲われた。私たちは「ステイホーム」という標語で、家籠りを強いられたが、読みたい本を山積みにしていた自分には好都合。数冊を読み砕くなかで、あっと思うような言説があった。小説「薔薇の名前」の作者で記号学者のウンベルト・エーコの1節である。

 エーコは、1983年にパリで開かれた芸術家や知識人の国際会議で、「文化(芸術)の創造性とは元々、危機を排除するのではなく危機に直面する技術である」と発言している。この思想を紹介してくれたのは日本の文化人類学者・山口昌男先生。発言で思い出したのが、件のカラス天狗。実は14世紀のペストの大流行に対処したペスト医のマスクだった。14世紀からこのマスクの内包する舞踏文化が伝わり、1979年、ヴェネツィアの現在の仮面舞踏会の再生の起点となった。私が「文化は危機に直面する技術」というエーコの思想を理解できたのは、30年後のコロナ渦中のマスクの記憶からであった。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(115)迷わずおもてなし力を高める時 心伝わるおもてなしを

2020年8月8日(土) 配信 

 

 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の解除後も、感染者は増えています。いつまで続くのか分からず、明日が見えないところが私たちを迷わせ、疲弊させるのかもしれません。

 私は、ウィズコロナは「人」の時代と考えています。おもてなしが大切な時代です。しかし、私たちが長年大切にしてきたお迎えや見送り、客室への案内など、人と接触するおもてなしはもはや必要ないという声が増えているようです。

 働く人の確保も大変な時期です。新しい時代のあり方として、そうしたおもてなしを私たちは捨てるべきなのでしょうか。立地や安さ、あるいは新しさや豪華さといった価格とハード面に頼ることが望ましいのでしょうか。こうしたおもてなしの行動を煩わしいと感じる人たちの多くは、これまで形だけのマナー的な行動を受けていたに過ぎないのではないかと考えます。

 私は、本当に価値のある行動を受けて、そのおもてなしの素晴らしさを知ることができれば、おもてなしの優れたところに行きたいという想いは高まると信じます。それでも必要がないとすれば、必要とするお客様に来てもらうことを考えましょう。つまり、「客質」を変えるということです。

 私たちが大切に育んできたおもてなしに価値を感じて、それを選ぶ基準とするお客様にお越しいただく。そのために、これまでのおもてなし行動の本質をスタッフ間で共有しましょう。お客様をお迎えする行動価値は、玄関先でお迎えをするから良い宿に来たと思ってもらうための行動ではありません。これから始まる滞在時間を、より素晴らしい時間に変える行動なのです。

 お客様に出逢った瞬間から感動を提供できれば、お客様におもてなしをより高く評価する想いが芽生えるのです。東京にあるアマンでは、客室に早く案内するよりも、時間のある方には滞在中に楽しんでもらえるような施設案内を提案します。その時に、より多くのスタッフと逢ってもらうように彼らを紹介してくれるのです。

 お見送りは楽しかった時間に私たち自身を含めて記憶に残して、再度の来館を強く意識してもらうための行動です。お客様が見えなくなるまで見送ることだけが見送りではありません。無事にご自宅にお帰りになっただろうかと気に掛けることもお見送りです。

 また、客室までの案内は、単に荷物を客室に運ぶサービスの実行ではなく、案内中の会話で顧客情報を得る大切な時間でもあります。こうした先人から受け継いだおもてなしを、私たちはお客様方に伝える行動ができていなかったのではないでしょうか。この徹底をしっかりと、迷うことなく今の時間にやりましょう。

 
 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

オートキャンプ白書2020、参加人口7年連続増 夏荒天でも秋冬は好調続く

2020年8月7日(金)配信

オートキャンプ白書2020資料より作成

 日本オートキャンプ協会(明瀬一裕会長)がこのほど発表した「オートキャンプ白書2020」によると、19年のオートキャンプ参加人口は前年比1.2%増の860万人で、7年連続で増加した。19年は、キャンプシーズンである夏から秋にかけて、大型台風が上陸するなど天候に恵まれなかった。反面、秋から冬にかけてのキャンプ需要が一層高まり、キャンプ全体としては大きなマイナスとはならなかった。

 「キャンプ歴1年」のビギナー層が同5.8ポイント増となり、全体のキャンプ平均回数も同0.7回増の4.4回に増えた。16年以降、キャンプ経験年数の割合が上昇傾向だったが、19年は経験年数の少ない層が上昇。新規参入の増加による「若返り」の傾向が見られ、キャンプが活発に行われたようすが表れている。

オートキャンプ白書2020資料より作成

 キャンパーの平均年齢は42.6歳、経験年数は平均7.4年。世帯年収は600万円台が最も多く、職業は会社員が半数以上を占めている。キャンプを始めたきっかけは子供のためが最も多く、同行者は子供連れとの回答が半数を超えているため、キャンパーの最も多い年齢層はファミリー世代であるとわかった。

 40代は団塊ジュニア世代とされ、40代後半から子育て卒業期を迎えるとされている。そのため、今後は30代の広がりが期待されると示した。

平均稼働率17.5%、5年連続で過去最高に

 オートキャンプ場の平均稼働率は同0.9ポイント増の17.5%、5年連続で過去最高を記録した。各地で自然災害による大きな被害を受けていたが、全国的にみると休日の天候に比較的恵まれ、年間を通してキャンプを楽しむ人が増えていることが好調の要因とされる。

 平日の利用者も、前年に比べて増加したとの回答が同12.2%増の47.0%と大きく上回った。 収支状況は「黒字・トントン」であると回答したキャンプ場は同5.0%増の73.8%で、過去最高の記録を更新した。

 一方で、収支状況が悪くなったと答えた13.4%のキャンプ場は、理由として約8割が利用者の減少と答えた。利用者の減少理由として、一番は悪天候、次いで自然災害などと続く。減少したと回答した地域は、台風15号、19号の上陸した関東、東北に多く見られ、台風の被害によるものが大きいと見られる。

キャンプ用品の購入先、ネット購入が初の1位に

 従来、キャンプ用品の購入先1位はアウトドアショップだったが、19年は初めてネットショップが1位になった。実物を見ることはできないが、購入者の商品の評価や、時間と手間が省ける点が購入先の増加につながったとされる。

 キャンプ用品市場の推定市場規模は同7.1%増の753億円と、堅調に伸びた。17年から続く秋・冬キャンプの需要が高まり、焚火や冬用のシュラフなどの販売が好調。「ソロキャンプ」の人気で、小型から3人用の中型までのテントの需要が高まったことも堅調な伸びの理由とされる。

ソロキャンプが増加、注目集め上昇傾向に

 なお、キャンプ同行者において、昨年7位だった1人(ソロキャンプ)が4位となり、代わりに親や孫(3世代)が7位となった。18年に続き、「ソロキャンプ」がメディアに取り上げられ、ソロ用の用具なども紹介されることが多く、同4.4ポイント増と顕著な上昇傾向を示した。

 キャンプ場から見たキャンパーの傾向としても、「ソロキャンパーが増えた」とするキャンプ場が同15.5ポイント増の51.7%と大きく伸長。17年から3倍近く増加し、1人キャンプを楽しむ層もさらに拡がったとされる。このほか、「初心者が増えた」「冬のキャンパーが増えた」も前年を上回った。

オートキャンプ白書、協会サイトで売り出す

 なお、オートキャンプ白書は7月13日に発行。19年のキャンパーとキャンピング活動の実態、オートキャンプ場管理と運営の実態調査をまとめている。今回は新型コロナウイルス感染拡大がキャンプ業界にどう影響したかを、特別レポートとしてまとめている。価格は7900円(税込み)。購入方法は同協会ホームページから。

ラッピング列車「SDGsトレイン2020」運行開始 再生可能エネルギーですべての電力を賄う

2020年8月7日(金) 配信

ラッピング列車「SDGsトレイン2020」イメージ

 阪急阪神ホールディングスと東急グループは9月8日(火)、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けたメッセージを発信するラッピング列車「SDGsトレイン2020」の運行を始める。阪急電鉄・阪神電気鉄道・東急電鉄の最新の省エネ車両を使用し、走行にかかる電力のすべてを再生可能エネルギーで賄う。

 同列車は、阪急電鉄の神戸線・宝塚線・京都線、阪神電車の本線・阪神なんば線、東急電鉄の東横線・田園都市線・世田谷線と各路線の相互直通区間で運行する。車体の共通デザインとしてヘッドマークとドアステッカー、車内吊りポスターを掲出する。運行期間は来年9月上旬までを予定している。

「マイナビトラベル 」ビッグデータとAIを駆使した「お得予報型」旅行検索サービス「atta」へ宿泊プラン提供開始

2020年8月7日(金)配信

  マイナビ(中川信行社長、東京都千代田区)が運営する国内宿泊予約サイト「マイナビトラベル」は、atta(春山佳久社長、東京都荒川区)が運営する、ビッグデータとAIを使った「お得予報型」旅行検索サービス「atta(アッタ)」へ宿泊施設の情報提供を始めた。

 「atta」のお得予報とは、航空券や宿泊施設の価格変動を予測する機能のこと。「atta」で検索が可能な全世界約230万軒の宿泊施設と約4400空港(2020年7月末日時点)を離着陸する航空券の料金に対して、独自のビッグデータとAIを駆使し、航空券や宿泊料金の価格トレンドを解析・予報する。さらに、価格が下がるとスマートフォンのプッシュ通知やEメールでお知らせが届くプライスアラート機能も搭載している。

  今回の連携で「マイナビトラベル」が取り扱う宿泊施設のプラン情報が「atta」に掲載され、より多くの旅行者へ充実した宿泊施設の情報提供が可能となった。

滋賀県 5千円クーポン付与 観光施設への周遊も促す

2020年8月7日(金) 配信

人気観光施設「びわ湖テラス」

 滋賀県は、観光需要の回復に向け、県内の旅館・ホテル宿泊者を対象に、観光施設などで使用できる5千円分のクーポンを付与する宿泊キャンペーン「今こそ 滋賀を旅しよう!」を実施している。

 主な旅行会社やOTA(オンライン旅行会社)で、対象となる宿泊プランを購入すると、旅館・ホテルでのチェックイン時に1人1泊あたり5千円分のクーポンが付いたガイドブックが提供される。

 宿泊施設は県内約55カ所の旅館・ホテルで、クーポンが使えるのは社寺を含め県内観光施設約220カ所。体験や飲食、物販など幅広くサービスを受けられる。ガイドブック提示により、特典が受けられる施設もある。

 さらに、同一宿泊施設で2泊以上の連泊の場合、泊数分のクーポンが付与され(1泊5千円)、滋賀の銘品を販売するショッピングサイトで使える5千円分のシリアルナンバーもプレゼントされる。

 キャンペーンの宿泊期間は12月6日まで。クーポン使用期限は12月31日まで。販売数量は2万泊分。

東京都旅行業協会、小池知事に事業継続の給付金や助成制度の創設を要望 「Go To除外で先が見えない」

2020年8月6日(木) 配信

村山吉三郎会長(左から3番目)と小池百合子知事(右端)

 東京都旅行業協会(村山吉三郎会長)は8月5日(水)、東京都の小池百合子知事を訪問し、事業継続のための給付金や、「首都圏内の旅行」に対する助成制度の創設などの支援を求めた。

 村山会長は「東京都がGo Toキャンペーンから除外され、先行きが見えなくなった。都民の自粛ムードが高まるなか、旅行の予約件数は増えない」と厳しい現状を訴えた。

 併せて、東京五輪終了後も、東京の魅力を発信する国内活性化フォーラムを2022年に開くための力添えや、感染防止策の視察研修における費用補助などを依頼した。

 7月30日(木)に東旅協城北地区(小松信行地区長)が山梨県内で行った新型コロナウイルス対応ガイドライン研修ツアーのようすも報告。「東旅協会員各社のツアーは、安心であることを都民に伝えてほしい」(村山会長)とお願いした。

 小池知事は「観光業は都にとって大きな産業。共にがんばる」と応えた。さらに、新型コロナウイルスの早期収束を願い、「今後も東京都の観光業界を支えたい」と強調した。

アゴダ、「Go To」に参加 日本で「GoLocal」CPを展開へ

2020年8月6日(木)配信

写真はイメージ

 オンライン旅行会社(OTA)のアゴダは8月3日(月)、観光庁による「Go Toトラベル」事業の参加を発表した。同社で国内旅行を予約した場合、旅行補助金として対象宿泊施設への予約に対し、35%(最大1人1泊当たり1万4000円)の割引を受けられる。

 アゴダは同事業への参加に加え、同社が大規模に国際展開している「GoLocal」キャンペーン(CP)を8月から日本でも始める。各国で国内旅行を奨励することで、アジア太平洋地域の国内旅行市場及びグローバル市場の活性化を目的としている。旅行者は宿泊料金を最大25%の割引ができ、パートナー宿泊施設は複数チャネルでのマーケティングキャンペーンの展開で、潜在顧客への到達をはかれる。

 「Go Toトラベル」事業による補助金対象となる旅行者は、「GoLocal」CPの特別料金に適用することで、国内旅行をさらにお得に予約できる。同社は「Go Toトラベル」事業の専用サイトを設置し、対象宿泊施設の情報及び旅行者の補助金活用方法を案内する予定。

藤田観光 10月に「箱根小涌園 三河屋旅館」を開業

2020年8月6日(木)配信

本館

 藤田観光(伊勢宜弘代表取締役兼社長執行役員、東京都文京区)は10月2日(金)、箱根小涌園(神奈川県・箱根町)の隣地に「箱根小涌園 三河屋旅館」を開業する。

 「中国革命の父」と言われる孫文や、画家の竹久夢二など多くの文人墨客が宿泊し三河屋旅館は、1883(明治16)年創業の老舗旅館で、今年藤田観光が取得した。

 旅館は、国登録有形文化財の「松竹館」を「本館」とし、フロントのほか、ラウンジやダイニング、大浴場などの共用スペースを設けている。

 客室は、「本館」に数多の文人墨客が宿泊した客室を4室、「離れ」は専用露天風呂付でそれぞれ趣の異なる和室2間の客室を4室、4階建の「別館」(旧:霞館)には、露天風呂付客室 5 室、2間続きのスイートタイプ 3 室、スタンダードタイプ 9室を備えている。

「離れ」露天風呂付客室 (イメージ)

 事業継承を機に同社は、年配者や外国人旅行者も利用しやすいよう客室をベッドスタイルに変更するほか、外観を損なわずに防音、断熱効果を向上させるサッシの導入、水回りの刷新など改修工事を実施。歴史ある趣は変えずに、より快適な滞在を整える。

 食事は、夕食、朝食ともに本館のダイニングで「箱根小涌園 天悠」の総料理長が監修した季節の創作料理を提供する。

 朝食は相模湾や箱根周辺の山海の幸を用いた和定食を提供する予定。夕食は箱根小涌園リゾート内にある鉄板焼やしゃぶしゃぶを味わえる「迎賓館」や、寿司・すき焼き会席を楽しめる「貴賓館」、箱根小涌園ユネッサン内の各種レストランを利用することも可能だ。