万博で「ジャパンデー」開催、MISIAさんスペシャルライブなど

2025年7月4日(金) 配信

出演者全員が登場した公式催事のフィナーレ

 大阪・関西万博で7月3日(木)、日本のナショナルデー「ジャパンデー」が開かれた。政府主催の公式式典・公式催事とパレードが行われ、日本文化の伝統や多様性、創造性を発信する多彩なプログラムが展開された。

 公式式典・公式催事はEXPOホール「シャインハット」を会場に、秋篠宮皇嗣同妃両殿下御臨席のもと、「“LIFE WILL BLOOM~いのちは、何度でも輝く~”」をテーマに行われた。

 宮内庁式部職楽部による雅楽の演奏で幕を開け、ソプラノ歌手・野々村彩乃さんによる国歌独唱に続き、石破茂首相が主催者あいさつに立った。

 石破首相は「開幕以来、来場者数は1000万人を超え、大迫力の大屋根リングや斬新で創意工夫に満ちたパビリオンの数々、熱気あふれる催しが毎日のように繰り広げられている」と運営が順調に進んでいるとしたうえで、「ここ夢洲を包む万博らしい祝祭感、世界の人々と一緒に何かを作り上げているという一体感、そして会場に溢れる無数の笑顔を感じるとき、いのち輝く未来社会のデザインというテーマが、明確なかたちになっていることを実感する」と強調した。

 2025年日本国際博覧会の名誉総裁を務める秋篠宮皇嗣殿下は「ジャパンデーは日本の歴史や文化、伝統について理解を深めていただくよい機会です。最近では日本が生み出したアニメや漫画などのコンテンツが世界に広まり、国境を越えて多くの人々をつなげています。このような日本はこれからも世界各国・各地域をつなぎ、未来に貢献することができると思います」とおことばを述べられた。

 公式催事では歌手・MISIAさんが「未来への希望」をテーマにスペシャルライブを実施。「希望のうた」「明日へ」「アイノカタチ」の3曲を熱唱し、その圧倒的な歌声で会場を魅了した。

圧倒的なパフォーマンスを披露したMISIAさん

 また、漫画をモチーフに、映像と音楽、現代的なダンスを融合させた舞台演出の終盤では、政府が出展する「日本館」名誉館長を務める女優の藤原紀香さんが、阪神・淡路大震災の自身の被災体験に触れながら、メッセージを朗読し、未来への希望を訴えた。

 式典後には大屋根リング下で約30分間のパレードを実施。万博のスペシャルサポーターを務める「ハローキティ」のほか、「くまモン」「ひこにゃん」などの人気キャラクターが集合し、陸上自衛隊中部方面音楽隊の演奏に合わせて行進した。

 なお、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」は日本館前で行われたメディア向けのフォトセッションには参加したが、パレードには参加せず、多くの「ミャクミャク」目当ての来場者から不満の声が上がっていた。

藤原紀香さん(右から4人目)とミャクミャク(同3人目)らでフォトセッション

農協観光協定旅館ホテル連盟、菅野会長が再任 来年の創立60周年に向けさらなる飛躍を

2025年7月4日(金) 配信

菅野豊会長

 農協観光協定旅館ホテル連盟(菅野豊会長、858会員)は7月3日(木)、東京都内のホテルで2025年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、菅野豊会長(福島・ホテル華の湯)の再任を決めた。

 菅野会長は「農協観光の強力なパートナーとして、魅力的な商品の開発や情報発信、よりよいサービスを提供し、観光業界全体の活性化に努めていく」とあいさつした。また、「来年は旅連の創立60周年を迎えるにあたり、さらなる飛躍のために協力をお願いする」と会員に呼び掛けた。

清水清男社長

 農協観光の清水清男社長は「昨年度は国内、海外、訪日ともに前年を上回った。総取扱高は過去最高、利益は2期連続黒字となり、過去10年で最高益をあげることができた」と報告。今年度は「将来の増収につながる成長分野に先行投資的な資源を配置し、安定した経営基盤の確立、維持に努力していく」と意気込んだ。また、「今年度の国内重点方面として、関西3万泊、九州2万泊のキャンペーンを実施する」と宿泊拡大に向けての施策にも触れ、「パートナーとして、お客様の受け入れに配慮していただき、引き続きご支援ご協力をお願いする」と述べた。

 今年度の旅連の事業は「宿泊券の拡大」をテーマに、新たに宿泊券増売運動「ポイントぷらす」を実施する。会員施設への送客を行った農協観光の支店にポイントを付与し、それに応じて報奨することで社員の会員施設への販売意欲の拡大につなげたい考え。また、農協観光が掲げる団体総客重点方面や、「日帰り・1泊バス企画」の商品造成に協力する。

農協観光協力みのり会、西山会長が再任

 

西山健司会長(合同懇親会にて)

 同日は協定施設で組織する、農協観光協力みのり会(西山健司会長、824会員)も2025年度の通常総会を行った。任期満了に伴う役員改選では、岡山・西の屋グループの西山健司氏が会長を再任した。

 総会後は両団体合同の懇親会を開いた。今回から着席形式にし、農協観光の役員や支店長とより密に懇親を深めた。また、JAグループが推進する「国消国産」の考え方に連動し、会場の料理はすべて国産食材にこだわり提供した。

HIS、利根川花火大会観賞ツアー 混雑による長時間運転を回避

2025年7月4日(金) 配信

利根川花火大会のイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)はこのほど、9月13日(土)に開催される「第38回利根川大花火大会」(茨城県・境町)を観賞する日帰りバスツアーを売り出した。同花火大会の会場周辺には駅がなく、駐車場は例年混雑しているため、長時間の運転などを気にすることなく楽しんでほしい考え。

 同花火大会は、3万発を打ち上げ、日本最大級という。土浦全国花火競技大会や、全国花火競技大会(大曲の花火)両大会で内閣総理大臣賞の受賞歴を持つ山﨑煙火製造所と野村花火工業、紅屋青木煙火店、マルゴーの4大花火師による音楽とシンクロした花火などが楽しめる。

 ツアーでは、有料観覧席(団体シート席)での観賞のほか、夕食に香ばしい醤油の香りと豚肉のコクが相性抜群という豚丼弁当、果実畑自慢のスカイベリージェラートが付いている。さらに、土産として旬のシャインマスカット1房を用意する。料金は1人1万5900円。

第11回「ピンクリボンのお宿」シンポin熱川(あたがわ) 会場・熱川プリンスホテル(静岡県・東伊豆町)

2024年7月4日(金) 配信

第11回ピンクリボンのお宿シンポジウムin熱川(あたがわ)には約50人が参加した

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は5月26日、静岡県・熱川温泉の熱川プリンスホテルで「第11回ピンクリボンのお宿シンポジウムin熱川」を開いた。キャンサー・ソリューションズ社長の桜井なおみさんの基調講演や、熱川プリンスホテル社長の嶋田愼一朗氏の会員活動報告、アートネイチャー広告宣伝部課長の廣道あづみさんと医療サポート推進部課長の野間恵利子さんの講演が行われた。

誰の目も気にせず温泉を、旅館、行政など約50人参加

畠ひで子会長

 第11回「ピンクリボンのお宿シンポジウムin熱川」には、同ネットワーク会員の旅館・企業・団体をはじめ、静岡県内の旅館や観光協会、行政など約50人が参加し、基調講演や会員による活動報告に熱心に耳を傾けた。

 畠会長は、乳がんの手術や治療を受けて回復の道を辿りながらも、術後の痕などを気にして旅を諦めてしまう当人や家族たちに「以前と変わらず温泉を楽しんでもらおうと発足した。2012年の会設立時には乳がん罹患率も16人に1人と言われていたが、現在は9人に1人が罹患する病気」と、会設立の経緯や現況を振り返った。

 会活動として「誰の目も気にせず、心ゆくまで温泉旅行を楽しんでもらうために会員施設を取り上げた冊子を発行している。全国の病院を通じて乳がん経験者に配布したり、ホテルや旅館に置いてもらったり、冊子情報はWeb上に加え、昨年からダウンロードできるようになった。本日のシンポジウムが皆様にとって実り多いものになれば」とあいさつした。

 地元の来賓として、岩井茂樹東伊豆町長、花田淳静岡県観光政策課課長、望月宏明静岡県観光協会専務理事、加藤賢二静岡県ホテル旅館生活同業組合理事長、石島専吉東伊豆町観光協会専務理事、石島正和熱川温泉旅館協同組合組合長が出席した。

岩井茂樹町長

 岩井町長は「ピンクリボン運動は乳がんに関する正しい知識の普及、早期発見、早期治療の重要性の啓発のほか、とくに治療後の生活の質の向上が大事」と強調した。リボン運動の啓発に尽力する同会に対して「長年にわたり力強く展開し、その理念に深く私自身も共鳴している。できる限りの応援を東伊豆町全体でやっていきたい」と意気込みを述べた。

花田淳課長

 花田課長は「さまざまな現場の声を聞き、高齢者や障害のある人は旅をしたくても諦めてしまう、ためらってしまうという声が多かった」と報告した。これを受けて「今年度から本格的にユニバーサルツーリズムの取り組みを始めたいと考えている。今日は皆様のお話を聞き、少しでもヒントをもらって帰れるようにしたい」と語った。

11回目のシンポ盛況、熱帯びる啓発と普及

 同会の会員数は、旅館が103軒、旅館組合など団体が5会員、企業が15社の合計123会員。

 24年の活動内容では、毎月10月に発行する「ピンクリボンのお宿冊子」で、会員施設や宿泊特典クーポンを掲載。5万部を発行し、会員や病院、患者会を通して、希望者に届けている。

展示ブース

 シンポジウムの会場には、会員企業がブースを設置し、ウィッグや入浴着、人工乳房などの製品を展示し、直接手に取って熱心に説明を聞く参加者の姿が見られた。

 基調講演では、キャンサー・ソリューションズ社長の桜井なおみさんが「『健康寿命を伸ばそう!』~ホッとできる時間も忘れずに~」をテーマに講演。会員活動報告では、熱川プリンスホテル社長の嶋田愼一朗さんが「泊るだけの旅館から、ミヂカで人が集まる旅館へ」と題して紹介した。

 最後に、加盟企業のアートネイチャーから広告宣伝部課長の廣道あづみさんが「アートネイチャーのピンクリボン運動の歩み」、医療サポート推進部課長の野間恵利子さんが「アートネイチャーの医療用ウィッグ」について講演を行った。….

ANTA近藤幸二新会長、会長就任メッセージ発表 「魅力的で稼げる業界へ回帰する」

2025年7月3日(木) 配信

近藤幸二会長

 全国旅行業協会(ANTA)の近藤幸二会長(全観トラベルネットワーク、岡山県)はこのほど、6月25日(水)の総会で会長に選任されたことを受け、就任にあたってのメッセージを発表した。

 全文は次の通り。

 【ANTA会長への就任にあたり】

 この度、二階俊博前会長の後を継ぎ、新たに全国旅行業協会会長に就任いたしました、近藤幸二でございます。このような大役を仰せつかり、身に余る光栄であると同時に、その責任の重さに身の引き締まる思いです。

 まず、この場をお借りし、二階前会長に心からの御礼を申し上げます。二階前会長におかれましては、1992年より33年もの長きにわたり、ANTAはもとより、旅行観光産業界全体の発展に多大な功績を残してこられました。現在の旅行観光産業が、我が国の「成長戦略の柱」や「地方創生の切り札」とまで言われる存在に昇華できたのは、まさに二階前会長の強いリーダーシップとカリスマ性の賜物と申し上げても過言ではありません。改めて、二階前会長のご功労に深く敬意を表し、心より感謝申し上げます。今後も、当協会の名誉会長として、当協会のみならず観光業界の発展にご支援賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて、観光業界は今、大きな岐路に立たされていると言えるでしょう。新型コロナウイルス感染症が収束し、インバウンドは過去最高の約3700万人を記録し、国内観光も個人旅行を中心に活況を取り戻し始めています。しかしその一方で、日本人による海外旅行者数は約1300万人と依然として低迷しており、ANTA会員が得意とする団体旅行も、コロナ禍前の約8割程度の回復にとどまっています。さらに、旅行サービスの供給不足・価格高騰、オーバーツーリズム、旅行店舗離れ、生成AIとの共生など、従来の旅行業者のビジネスモデルでは立ち行かなくなる日が差し迫っているのではないかという、まさに危機感を覚えるほど、業界を取り巻く環境は激変しています。

 このような状況において、当協会としては、目まぐるしく変化する社会情勢やニーズを見極めながら、旅行業界とANTA会員の持続的な発展を目指した活動を展開してまいります。具体的には、まず旅行者の裾野を広げるため、パスポート所持率の向上や若者の国際交流機会の創出、さらにはラーケーション導入促進などによる平日への分散化といった旅行需要の平準化を推進し、新たな旅行者層の獲得に注力してまいります。また、旅行業界が「魅力的で稼げる業界」へと回帰するためにも、特別な体験やユニバーサルツーリズムなど高付加価値旅行商品の企画、リアル店舗ならではのサービス提供、地元の魅力を生かしたインバウンド商品の取扱強化、そしてDX推進など、収益性の向上をはかる事業についても重点的に取り組んで参ります。これらの取り組みで成果を上げていくためには、観光関係団体の皆様との連携が何よりも肝要であると存じますので、何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 二階前会長が常々仰っておられましたとおり、旅行産業は人々に笑顔を与えるだけではなく、地域・国を元気で豊かにし、世界の平和に貢献することができる崇高で不可欠な産業です。こうした旅行観光産業を明るい未来に紡いでいけるよう、全国都道府県47支部の5300社の会員とともに、微力ではございますが、新会長として職務を全うすべく、全身全霊で尽力していく所存でございます。 皆様には、より一層のご支援とご協力を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

 近藤 幸二(こんどう・こうじ)氏 1952年生まれ。1975年3月東海大学政治経済学部卒業後、同年4月水島臨海鉄道入社。79年4月全国観光公社入社。91年全観トラベルネットワーク設立、代表取締役社長。2004年7月全国旅行業協会岡山県支部長、岡山県旅行業協会理事長、09年6月全国旅行業協会理事、13年6月同副会長などを経て、25年6月同会長に就任。

ツアーグランプリ2025、大賞は「風の旅行社」モンゴル乗馬ツアー 安全・快適性確保が評価

2025年7月3日(木) 配信

受賞者(前列)とツアーグランプリ2025審査委員

 日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は7月2日(水)、ツアーグランプリ2025の受賞者発表と表彰式を開いた。

 大賞の国土交通大臣賞には、風の旅行社の「未経験者から上級者までみんなで草原集合!! ほしのいえセレクト乗馬6日間」が選ばれた。モンゴルで未経験者から上級者まで安心して乗馬を楽しめるよう、日本人向けに安全性と快適性を確保した点が高く評価された。経験者と未経験者をクラスに分けたうえで、レベル別にレクチャーし、集客とリピーター率の向上に成功したことも、受賞につながった。

観光庁の根来恭子旅行振興参事官(左)と、風の旅行社企画販売部の山田基広モンゴル担当チーフ

 同賞は、旅行業における企画力およびマーケティング力の向上、「観光立国」の施策に寄与することを目的に、海外旅行・国内旅行で優れた企画旅行と、訪日旅行で実施された企画提案の中から、優れた作品を表彰している。選考対象は、2024年4月~25年3月までに催行された企画旅行と訪日旅行。今年の応募総数は147作品。このうち、国内は75、海外が56、訪日は16の作品が集まった。

 ツアーグランプリ2025の受賞作品は次の通り。

 【国土交通大臣賞】

 風の旅行社:未経験者から上級者までみんなで草原集合!! ほしのいえセレクト乗馬6日間

 【観光庁長官賞】

 〈国内〉クラブツーリズム:「『船岡温泉』貸切見学! タイルマニアと行く 華麗なるタイルの世界in京都・神戸 2日間」

 〈海外〉ワールド航空サービス:「ヒマラヤの禁断の王国・ムスタンへの旅」

 〈訪日〉農協観光:「日出ずる国、日本の農業と文化に触れる旅」

 【優秀賞】

 〈国内〉阪急交通社:福島県浜通りの今を知る 福島第一原子力発電所内部視察と福島県浜通りホープツーリズム 3日間

 〈海外〉クラブツーリズム:5つの文化体験へ スリランカ7日間

 〈訪日〉JR東日本びゅうツーリズム&セールス:台湾市場向け「TOHOKU EMOTION」貸切おもてなしツアー

 【審査員特別賞】

 〈国内〉ジャルパック:旅アカデミー日本離島クラス「これからの生き方を島から学ぶ」~島の未来への挑戦~

 〈海外〉阪急交通社:〈かつての航海士たちが目指した〉夢のアフリカ大陸大周遊35日間

 〈海外〉グローバル:オーロラが舞う夜空へ夢飛行極北のカナダ ユーコンの旅

 〈訪日〉InsideTravelGroupLimited:Majestic Japan

 〈訪日〉JTBグローバルマーケティング&トラベル:サンライズツアー「富士箱根 日帰りツアー」「京都1日ツアー」「京都&奈良1日ツアー」インドターリーランチ付き

【国土交通省】人事異動(7月4日付)

2025年7月3日(木) 配信

 国土交通省は7月4日付の人事異動を発令した。

 大臣官房付・即日辞職 国際観光振興機構理事長代理(経済産業省大臣官房審議官:商務・サービス担当)真鍋英樹

 出向 海上保安庁総務部政務課長(大臣官房付)上手研治

【国土交通省】人事異動(7月2日付)

2025年7月3日(木) 配信

 国土交通省は7月2日付の人事異動を発令した。

 北海道局予算課経理指導官(外務省在ケニア日本国大使館参事官)伊藤政美

西川丈次氏「第23回おもてなしセミナー」開く ゲスト講師に宮川俊二氏が登壇

2025年6月26日(木) 配信

西川丈次氏

 おもてなし経営研究所所長、観光ビジネスコンサルタンツ代表取締役の西川丈次氏は6月26日(木)、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で、第23回おもてなしセミナーを開いた。全国からさまざまなサービス業を中心に約30人が参加。具体的な体験事例とともに、「おもてなし考動(自ら考え行動する)」について深く探った。

 第1部は、元アナウンサーの宮川俊二氏をゲスト講師に招いた。

宮川俊二氏が講演

 宮川氏は、「『他の誰にもない自分だけのもの』を見つめ続け、追求することが、すべての基本だと思う」と語った。「学生には、アナウンサー試験で30秒、約170文字で自分をどう伝えるかを一緒に考えていた」などのエピソードを交えながら、「重要な名詞はゆっくりと話す」「小さな声で注意を引くことも大事」など、自身の豊富な経験から接客時のアドバイスも行った。

 第2部は西川丈次氏が登壇。

 西川氏は「あらゆるビジネスの目的は『創客』。つまり、リピーターを創り続けること。どこに手間を掛けるべきなのか。人手不足だから、効率的に仕事をこなしていかなくてはならないからと、このポイントをずらしてはダメ」と語る。さらに、「いいサービスを受けることができない人に、いいサービスを提供することはできない」とし、「『気づく力』は育てることができる。育てる仕組みをつくり、努力を続けることが大事」と力を込めた。

 セミナー終了後には、別会場で懇親会も開かれた。

 西川氏は、おもてなし接客をしたい、接客に課題を感じている、仕事のスキルアップをしたい人だけでなく、経験や知識がなくても「おもてなしセミナーは全国で開催している。初めての方も大歓迎。ぜひご参加を」と呼び掛けている。

第3回「兼高かおる賞」に俳優のサヘル・ローズさん 日本旅行作家協会とJATAが表彰式開く

2025年7月3日(木) 配信

長内恵子代表理事(左)とサヘル・ローズさん

 日本旅行作家協会(下重暁子会長)と日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は7月2日(水)、東京都内で第3回「兼高かおる賞」の表彰式を開き、俳優のサヘル・ローズさんが受賞した。

 同賞は、海外旅行の関する情報が乏しい時代に約150カ国を取材し、1959~90年にテレビ番組「兼高かおる世界の旅」などで、海外への憧れと旅の素晴らしさを発信し続けた兼高かおる氏の偉業を後世に伝えるため、2022年に創設された。兼高かおるさんのイメージに重なる人柄、業績を主眼に、企画力、行動力、表現力などを備えた人物に贈られる。第2の兼高氏になる可能性のある人の発掘にも重きを置いている。

 日本旅行作家協会とJATAの共催、兼高かおる基金(長内恵子代表理事)の後援で実施。選考は、日本旅行作家協会内の兼高かおる賞実行委員会(神崎公一委員長)が行っている。

 イラン出身のサヘルさんは、7歳までの児童養護施設で過ごし、8歳で来日後、舞台「恭しき娼婦」で主演を演じ、主演映画「冷たい床」でミラノ国際映画祭をはじめ、さまざまな映画祭で賞に輝いた。近年は映画監督などマルチに活躍し、表現者として活動の幅を広げている。

 サヘルさんは「国籍によって自由に海外旅行ができなくなっている」と指摘。このようななか、「世界中を旅しながら、難民キャンプや難民居住地にも訪れた。国際情勢や私の旅の記録を発信し、この賞に恥じないよう歩んでいきたい」と語った。