日本が訪日外国人の誘致に力を入れ始めてからおよそ20年が経ちました。実際にインバウンドという言葉を頻繁に聞くようになったのはまだ最近で、とくにフランスにおけるB to Cビジネスのインバウンド事業が見られるようになったのは、肌感覚としては2013―14年以降です。この頃から手探りながらもパリで独自イベントを開催したり、現地主催の大型イベントに参加するなどして、プロモーションを継続的に展開してきた地方自治体や企業は、約5年間の試験的な活動を経て、ようやくアジアやアメリカとは異なるフランスの具体的な、そして独特のマーケット事情を把握してきたように感じられます。なかでも、「和食」や「美しい風景」という日本の全国的に共通したテーマを超えて、早い時期から地元産業などを絡め、その地域の特性を前に出し、他地域との差別化をはかってきた自治体は、その成果が少しずつ形になってきているようです。16年に400周年記念プロジェクトを大々的に、そして長期的に行った有田焼のイベントも記憶に新しいですが、最近では、倉敷市主催の、地元の繊維製品を販売するポップアップストアが好評。しっかりとしたプロダクトアウトによるインバウンドの好例です。