「立山黒部アルペンルート」が全線で開通へ 春の風物詩である「雪の大谷」を間近で

2019年4月15日(月) 配信

雪の大谷

 富山県と長野県を結ぶ山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」が4月15日(月)に全線で開通し、2019年シーズンがスタートした。全線開通にあわせて、春の風物詩である「雪の大谷」を間近で体験できる「2019立山黒部・雪の大谷フェスティバル」を同日から開催している。

 ※2019立山黒部・雪の大谷フェスティバルWebサイトとプロモーションビデオ

KNT-CTが近畿大学と包括連携協定調印式を実施

2019年4月15(月) 配信

KNTーCTホールディングスの丸山社長(左)と近畿大学の細井学長

KNT―CTホールディングス(丸山隆司社長、東京都新宿区)は2019年4月11日(木)、近畿大学と包括連携協定調印式を行った。14学部18学科を有する総合大学と連携することで、互いの特性を生かしながら新しい価値の創造を目指していく。締結日は2019(令和元)年5月1日(水)とする。

 具体的な取り組みとして、近畿日本ツーリスト関西の東大阪営業所で近畿大学の産学連携商品のマンスリー展示(7月開始予定)やインターンシップを行う。学生は同社社員による講義を受講後、インターンシップで旅行プランの企画や添乗を通して実学体験を行う。また、マグロの養殖を行う近畿大学水産研究所の一般向け見学ツアーの企画も検討中で、同社のブランド力アップを目指す。

 調印式の中で、KNT―CTホールディングスの丸山社長は「当社の知識や経験と、近畿大学が持つ知的好奇心や感性が、旅行という枠を越えた成果が生まれるものと期待している」と語った。さらに近畿大学の細井学長は「日本を代表する旅行ブランドを有するKNT-CTホールディングスとの包括連携協定締結を大変うれしく思う。学生の若い感性を取り入れ、 幅広く全国的な展開を期待している」と述べた。 

包括連携協定のポイント

 ● 近畿日本ツーリスト関西の営業所を近畿大学の産学連携成果PRの学外拠点とし、 特徴のある店舗を実現
 ● 近畿大学の建学の精神である「実学」を実践する場としてのインターンシップを実施するとともに、 若い感性を取り入れた旅行企画を取り込み、 多様化する旅行業態にいち早く対応
 ● 互いの強みを生かした旅行企画の創出。 大学が長年培ってきた養殖技術と総合旅行会社としてのノウハウを融合させ、 ユニークな企画を提案していく

具体的な取り組み

 (1)近畿日本ツーリスト関西 東大阪営業所のスペース有効活用
 目的:地域への情報発信の場として営業所を活用、 地域の企業・大学としての知名度を上げブランド力向上の相乗効果をはかる。
 内容:近畿大学の産学連携商品のマンスリー展示、 学園祭などの学園行事の告知スペースとして活用。 2019(令和元)年7月開始予定。

 (2)インターンシップの実施
 目的:インバウンドの増加、 多様化する旅行形態に対応するため、 若い感性を旅行業界に取りいれるとともに、 近畿大学の建学精神「実学」を踏襲したインターンシップに学生を参加させることにより、 双方のスキルアップをはかる。
 内容:近畿日本ツーリスト関西の第一線で活躍する社員によるオムニバス式講義「現場からの観光論・旅行論(仮)」を学生に行ったうえで、 夏休みを利用し、 インターンシップを実施する。 実際に旅行プランの企画を行い、 可能であれば添乗体験なども通して現場を学び、 実学体験の場とする。2020年度開始をめどに調整。

 (3)近畿大学水産研究所見学ツアーの企画化
 目的:旅行企画のノウハウを持つKNT-CTと マグロの完全養殖という技術を持つ近畿大学がコラボレーションし、 一般向けの見学ツアーを検討。 商品化することでさらなるブランド力アップを目指す。
 内容:近畿大学水産研究所(白浜・串本)の見学や、 さまざまな養殖魚の成育状況を見学し、 養殖魚の理解を深める。 開始時期未定。  

会社概要

■所在地 :東京都新宿区西新宿2丁目6番1号 新宿住友ビル
■設  立  :1947(昭和22)年
(平成25年1月1日に持株会社化に伴い「近畿日本ツーリスト株式会社」から商号変更)
■グループ社員数:6897人(2018年3月31日(日)現在)
■事業内容:グループの経営戦略・経営管理

大学概要

■所在地 :大阪府東大阪市小若江3丁目4番1号
■代表者 :理事長 清水由洋
■設  立:1925(大正14)年
■教職員数:9788人(学園全体)
■学生数 :5万3379人(学園全体)
■事業内容:大学院・大学・短期大学及び、 高専、 専門学校 高校、 中学校、 小学校、 幼稚園、 病院の運営※いずれも2018年5月1日(火)現在

「定年後の海外旅行先1位はどこ?」阪急交通社が正解者の中から旅行クーポン券プレゼント

2019年4月15日(月) 配信

阪急交通社(松田誠司社長)は2019年5月9日(木)まで、定年後の人気海外旅行先を予想するキャンペーンを実施している。1位を当てた人の中から抽選で「阪急交通社の旅行クーポン3万円分」が3人に当たるほか、応募者全員を対象に「QUOカード1千円分」が10人に当たる。

 予想するのは、昨年、阪急交通社で65歳以上のツアー申込者で最も多かった国で、阪急交通社が取り扱う海外旅行先の国名一覧から選んで応募する。その際、氏名とメールアドレスが必要になる。

「1位を予想して賞品をGET!プレゼントキャンペーン」概要

【テーマ】「定年後に行く海外旅行先!1位の国はどこ?」

【集計対象】阪急交通社で2018年1月1日(月)~2018年12月31日(月)の期間に出発した、65歳以上の国別申込者数

【賞品内容】
▽1位正解者の中から抽選
《クーポン券3万円分×3人》
※阪急交通社の国内ツアー、 海外ツアーに利用できる割引クーポンで、利用時はインターネット会員登録(無料)が必要。 利用条件などの詳細は当選者あてに通知する。

▽応募者の中から抽選
《QUOカード1,000円分×10人》

【応募期間】
2019年4月10日(水)正午~2019年5月9日(木)午後11:59

※定年後の旅行先ランキングの結果は、公式サイトにて公開する

【応募方法】
キャンペーンページのフォームから必要事項を記入し、応募する。
詳細は下記ページから。

HIS、レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年特別企画 「最後の晩餐」貸し切り鑑賞ツアー発売

2019年4月15日(月) 配信 

最後の晩餐(イメージ)

ルネサンス期に活躍したイタリアの芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチが1519年に67歳で亡くなり、500年になる今年は、イタリアをはじめとして世界中で関連の特別展やイベントなどが開かれている。 エイチ・アイ・エス(HIS)関西事業部はこのほど、没後500年の特別企画として「最後の晩餐」を貸し切りで鑑賞できるツアー「ダ・ヴィンチの休日イタリア6日間」を売り出した。 

 日程は、関西国際空港→ベネチア(1泊)フィレンツェ(1泊)ピサ(1泊)ミラノ(1泊)→機中(1泊)→関西国際空港。食事はダ・ヴィンチも設計に携わった運河が張り巡らされたナヴィリオ地区でのディナーを含む8回を用意する。

 出発日は2019年6月25日(火)、 7月16日(火)、 8月6日(火)。ツアー料金は24万9800~29万9800円で、別途燃油サーチャージが必要(目安:2万1360円)となる。

企画1:世界遺産サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会で「最後の晩餐」貸切鑑賞

 ・イエス・キリストの最後の晩餐の情景を描いた、高さ4.2m幅9.1mの巨大な壁画。通常、見学時間・人数に制限があり、チケットは取りづらい。今回は貸し切りとしたことで、日本語で解説を聞きながら鑑賞できるようにした。

企画2:世界遺産ウフィツィ美術館にて「受胎告知」「東方三博士の礼拝」「キリストの洗礼」鑑賞

 ・ダ・ヴィンチ初期の傑作といわれる「受胎告知」をはじめ所蔵のダ・ヴィンチ作品が3点ある。

企画3: 世界遺産アカデミア美術館にて「ウィトルウィウス的人体図」鑑賞 (※6月25日出発限定)

 ・1487年ごろ描かれた理想的な人体図のドローイング。常設展示はされていないが、没後500年の今年は4月19日~7月14日の期間限定で公開される。 6月25日出発限定でこの人体図を見学できる。

※追加代金で、さらに3つの博物館にご案内する「ダ・ヴィンチプラン」にアレンジすることも可能。

▽ダ・ヴィンチプラン(追加代金:1人1万円)

1.アンブロジーナ絵画館…1609年に世界最初の公共絵画館として開館した。ダ・ヴィンチの「音楽家の肖像」や直筆のメモ、「アトランティコ手稿」を所蔵。

2.スフォルツェスコ城…ミケランジェロの未完の傑作「ロンダニーニのピエタ」が有名なレンガの城壁が印象的な城で、ダ・ヴィンチが手掛けた「アッセの間」が2019年5月2日~2020年1月12日の期間限定で公開される。

3.レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館…中世の修道院を改装したダ・ヴィンチに関する膨大な資料が展示されている博物館。

近畿日本ツーリスト首都圏が医療機器製造業者とオストメイト対象のツアーを企画

2019年4月15日(月) 配信

鴨川ホテル三日月 織姫の湯(大浴場)

近畿日本ツーリスト首都圏(田ヶ原聡社長、東京都新宿区)はこのほど、オストメイトとその家族を対象とした「ストーマ装具工場見学と温泉大浴場貸切・南房総2日間」を売り出した。メディカルケア用品を扱うアルケアと連携して作られたツアーで、大浴場の貸し切りやストーマの製造過程が見学できる。旅の不安を解消してもらいたいとの思いが込められている。

 オストメイトは、ストーマ(人工肛門、人工膀胱。手術によって腹壁に造設された便や尿の排泄口)を装着した人のことで、つねに腹部にストーマ装具を貼って生活している。装具に溜まった排泄物を処理し定期的に装具を貼りかえる日常的ケアが必要なため、臭いに不安を感じて旅行を躊躇する人もいる。

 今回、KNT-CTホールディングスが推奨する「誰もが平等に楽しめる旅行商品・サービスの創造にむけた取り組み(ユニバーサルツーリズム推進活動)」の一環として実施するもので、オストメイトが旅を諦めず安心して旅を楽しめるきっかけを作ってほしいと企画した。

不安解消のポイント

1.大浴場貸切で気兼ねなく温泉入浴
鴨川ホテル三日月「織姫の湯(大浴場)」をツアー参加者限定で、夕食前の時間帯を男女別で貸し切る。 大浴場の入浴を諦めかけていた人も気兼ねなく入れる。

2. ストーマ装具を深く知る工場見学と旅仲間との情報交換会
ストーマ装具を製造するアルケアの工場(千葉県千葉市)で、 ストーマ装具の製造工程や品質保証の体制を見学。 製品の安全性、 耐久性を知り、 理解を深めることで不安を解消する。

3. 食生活や旅などへのアドバイスを伝授
栄養士の「大腸にやさしい美味しい食事のとり方」講義や旅行経験者のオストメイトによる体験談や注意ポイントのアドバイスなど情報交換会を実施。
同じ悩みを抱えた人同士の交流をはかり日常の悩みや課題を共有し、 旅に出る不安の解消に役立ててもらう。

ツアー概要

■日程:2019年6月7日(金)~6月8日(土)
■行程:<1日目> 錦糸町発(バス)、 アルケア千葉工場見学、 栄養士の講義と昼食。
 ホテル到着後、 大浴場を貸切入浴。 夕食と情報交換会。 (鴨川ホテル三日月 泊)
<2日目> 朝食後ホテル発。 誕生寺、 道の駅ローズマリー公園、 漁師料理かなや(昼食)、 鋸山ロープウェイ(展望台)に立ち寄り、 金谷港~(東京湾フェリー)~久里浜港、 横浜、 錦糸町着、 解散。
■旅行代金:1人3万9千円(4人1室利用)
■添乗員:同行
■食事:朝1、 昼2、 夕1回付
■企画・実施:株式会社近畿日本ツーリスト首都圏・横浜支店

http://www.alcare.co.jp/corporate/company/release/190328/%E3%82%AA%E3%82%B9%E...
http://www.alcare.co.jp/corporate/company/release/190328/%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%88%E5%90%91%E3%81%91%E6%97%85%E8%A1%8C%E4%BC%81%E7%94%BB%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E7%94%B3%E8%BE%BC%E6%9B%B8.pdf

会社概要

社名   :株式会社近畿日本ツーリスト首都圏

代表者  :代表取締役社長 田ヶ原 聡

本社所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル36F(〒163-0236)

事業内容 :国内・海外旅行、訪日外国人向けの企画・販売、運営事業、

      および一般団体、教育旅行やイベント・コンベンションなどの

      企画・販売・運営事業、個人旅行の商品企画、店頭販売

会社概要

社名   : アルケア株式会社

創業   : 1955年7月

代表者  : 代表取締役社長 鈴木 輝重

売上高  : 145億円(2018年6月期)

従業員数 : 542人(2018年6月末現在)

本社所在地: 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル19階(〒130-0013)

事業内容 : 医療機器・医療用消耗材料の研究開発、製造、販売業

事業所  : 本社(東京都)、医工学研究所(東京都)、

       工場(千葉県)、物流センター(東京都)

       営業所(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県)

関連会社 : 株式会社ザイタック(東京都)

航空会社では異例、制服にスニーカー採用 20年就航予定のジップエアー

2019年4月15日(月) 配信

モノトーンで統一された自由度の高い制服

 日本航空(JAL)グループで、2020年に国際線中距離LCCとして就航開始を予定するZIP AIR Tokyo(西田真吾社長)は4月11日(木)、機体デザインとスタッフの制服デザインを発表した。制服は機内や地上スタッフの業務内容から機能性を重視し、足元には航空会社としては珍しく“スニーカー”を採用した。

西田社長が機体デザインなど説明

 同日、東京都内で開いた会見で西田社長は「人々の価値観やライフスタイルが多様化している。時代によって求められるものが変わってきている。エアラインも進化しなければならない。究極の納得感と究極のコストバリューの両立を追求する。日本らしい創意工夫を詰め込み、もっと気軽に心から楽しめる空の旅を提供したい」とし、「就航時は2機からスタートする予定。規模ではなく、スタイルで存在をアピールしていく」と意気込みを語った。

 機体のデザインは、垂直翼にコーポレートのグレーでロゴマークの「Z_(ゼット)」を配置。シンプルなモノトーン基調のデザインのなかで、機体には差し色の緑のラインを長く配した。西田社長は「矢がビュッと飛ぶように、目的地に向かって一直線に向かっていく姿をイメージした」と解説した。

“着まわし”と“スニーカー”がポイント

 制服は、荷物の上げ下げや機内食の配膳、地上スタッフが空港内を走り回って対応するなど、スタッフの日常業務を研究し、機能性を追求。動きやすさや疲れにくさを考え、靴は従来の「革靴」「パンプス」のイメージを一新する「スニーカー」を採用した。また、同社は日によって、機上スタッフも地上スタッフの業務を担う多様な働き方を採用していくことから、その日の業務や気分によって服を変えられるように20アイテムを用意。アイテムを自由に選んで組み合わせられるようにした。一方、統一感を出すため、色はモノトーンとした。制服デザインを手掛けたファッションデザイナーの堀内太郎氏は「機能性と規律、信頼感を保つ美しい統一感のバランスが取れるよう意識した」と語った。

 西田社長はダイバーシティを意識した働き方や、それを含めた従来にない自由度の高い制服などについて、「我われはLCCとしては最後発。最後発なりの挑戦があってもいいのではないか」と自信を見せた。

 なお、機体内部の発表は今年の秋から冬を予定している。機体はJAL787を使用し、座席数は現在JALが186席で提供しているものを約1・5倍にする計画だとした。

「井川今日子のおもてなし接客術(36)」接客とおもてなしの違い

2019年4月14日(日)  配信 

相手の立場に立った会話が重要

ある日、会社の留守番電話にメッセージがありました。聞いてみると、企業名と用件は聞き取れたものの、肝心の名前を聞き取ることができません。

 取り急ぎその会社に電話をかけ、「観光文化研究所の井川と申します。先ほどこちらのお電話より〇×の件について留守番電話のメッセージを頂いたのですが、どなたか心当たりのある方はいらっしゃいますでしょうか」と問い合わせました。

 すると、電話口の担当者から「今わかるものがおりませんので、再度掛けなおしてもらえますか」と即答されてしまいました。

 なぜ確認せずに即答できるのかという疑問と、再度電話を掛けても、同じ対応をされては困ってしまうので、「再度電話を掛けてどうしたら良いですか」と正直に尋ねました。

 すると、自分の無茶苦茶な対応に気が付いて「もう一度御社名をお聞かせいただけますか」と聞かれたので、再度会社名を伝えました。ようやく、きちんと対応しようという相手の姿勢が見え始め、安心しました。

 その後「担当者は名乗っていませんでしたか」と言われました。「その部分だけ、どうしても聞き取れませんでした」と答えると、「確認いたしますので、少々お待ちください。保留音を流しても良いでしょうか」と応対してくださり、その後は問い合わせの方と直接話ができました。

 結果的には私の電話の目的は果たせたものの、この企業に対する私の印象は、残念なものであったのは言うまでもありません。

 残念なことは、電話口で初めに対応した「スタッフ」に対する印象ではありません。「企業」に対する印象ということを強調しておきます。

 今回の電話でのやりとりを振り返ると、スタッフの“接客”はしっかりしていたということです。いわゆる話し方や言葉遣いはとくに問題なく、むしろ良い位でした。

 それにもかかわらず「企業の印象を下げてしまった要因は何か」と考えると、相手のことを考えた対応や気の利いた対応が、欠落していたことでした。

 相手の気持ちを推測できれば、置かれた状況を把握しようとし、何を求めているのかを知ろうと考えるはずです。それを“面倒臭がる”から今回のような残念な対応になってしまいます。

 「基本」はできても、「応用」対応ができない。これが「おもてなし」を提供できるか、できないかの差です。顧客満足が得られるか否かは、やはり「おもてなし」が提供できるか、できないかに深くかかわります。

 電話対応は相手とのやり取りが周りから見えにくいため、不真面目なスタッフほど、手を抜きがちです。

 最近では、宿でも電話対応に録音機能を設け始めています。お客様とのトラブル防止が第一の目的であることが多いようですが、スタッフ教育に活用するのも一案です。

(おもてなしコンサルタント 井川 今日子 )

コラムニスト紹介

井川 今日子 氏

おもてなしコンサルタント 井川 今日子 氏

大学で観光学を学んだ後、船井総合研究所を経て、10年に観光文化研究所入社。全国の旅館や観光協会を中心に、女性の感性を活かした集客・固定客化支援で活躍中。商品戦略や販売促進、現場接客サービスなど多岐にわたり提案。

「津田令子のにっぽん風土記(48)」星空の感動を子供から大人にまで~千葉県館山市編~

2019年4月14日(日) 配信

星のソムリエの資格を持つ高木謙志郎さん
休暇村館山 営業 高木謙志郎さん

千葉県館山市にある休暇村館山では、毎晩午後8時から星座説明と天体望遠鏡観察会を行っている。館内の天文台で、まずは大型スクリーンを使って星座の説明をする。その後、晴れていれば2階のバルコニーに出てその季節の星座を観察しながら説明し、150㍉の大型屈折望遠鏡も使って観察する。休暇村館山からは星がよく見え、天の川が見える日もあるほどだ。

 
 今年2月に私が訪れたときに説明を担当していたのが、星のソムリエの資格を持つ高木謙志郎さんだ。子供から大人まで多くの人が参加するなか、高木さんは映像も使いながら、子供にも分かるようなやさしい言葉で、大人も知らない話をテンポよく進めていく。

 
 高木さんは千葉市出身。サーフィンが好きで館山市に移住し、7年前から休暇村館山で勤務している。普段は営業のリーダーやフロント業務をしているが、宇宙の成り立ちには以前から興味があった。そして昨年、星のソムリエの資格認定に向けた講習を受けた。

 
 星のソムリエとは星空案内人の愛称だ。星空案内人資格認定制度運営機構の運営する認定制度に基づき、全国の団体が認定講座を開講している。講座内容は星座や天文学の基礎知識、望遠鏡のしくみ、案内の実技などで、試験を経て認定される。高木さんは「もっと知識を広げたいと思っていたので、絶好のチャンスだと思いました。専門家に多く会えて、私の知りたいことがたくさんあったので感謝しています」と話す。

 
 星空を眺めた後は、余韻に浸ったまま部屋へ戻れるよう、静かにプログラムを終わる。総支配人の矢田泰裕さんは高木さんについて「以前よりも自信を持って話しています。知識を学んだ成果でしょうね」。高木さんが担当した日は、アンケートに「非常によかった」「感動した」という感想が多く見られるそうだ。今後は、寝そべって双眼鏡で全天を見るようなイベントも行ってみたいという。

 
 最後に、昼間の館山の魅力も教えていただいた。「桜のシーズンのおすすめは安房神社です。普通より低い、男性の肩くらいの高さのソメイヨシノの桜並木が見事です。見ごろは東京よりも少し遅め。また、4月でも暖かい日には海で水遊びができるので、お子様連れにはおすすめです。フロントにいると、道中のトラブルなどでチェックイン時に気落ちされているお客様もいらっしゃいます。しかし、チェックアウトのときには笑っていただけるようにと思っています」と語る。

 

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

 

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

 

【福岡県「東峰村」の旅】日本の原風景 石積み棚田 素朴で温かな小石原焼の魅力も

2019年4月13日(土) 配信

日本の棚田100選「竹地区の棚田」

 福岡県福岡市から車で約1時間20分。県中央部東端の東峰村は、2005年に小石原村と宝珠山村が合併して誕生した、人口2千人余りの自然豊かな山間の里。17年7月の九州北部豪雨では大きな被害を受けたが、現在は村が一つになり復興への活気にあふれている。素朴で温かい小石原焼や棚田の美、修験者の巨木、奇岩群と信仰など、東峰村を訪れその魅力を体感した。

【有島 誠】

樹齢600年の大王杉

 南東部が大分県日田市と接し、北に長く伸びた東峰村は、南東に宝珠山地区、北に小石原地区と分かれる。北の小石原地区には修験道の山・英彦山に入山する修験者の行者堂があり、周辺に修験者が植樹した「行者杉」と呼ばれる巨木数百本が林立し、森閑とした森をつくる。

 大部分は樹齢200年を超えるが、ひと際高く伸びる「大王杉」は樹齢600年、樹高53㍍、幹回り8・3㍍と他を圧倒する。森には、かつて豊前と筑前の国境を分けた「国境石」も残る。

 小石原焼窯元は、ここから南西部一帯に43軒が集中する。小石原焼は、高取焼から磁器、陶器と変遷して現在のカタチとなる。特徴は磁器の影響を受けた薄づくりで、縁を装飾した生活雑器。

 生乾きの生地に化粧土をかけ、ロクロで回しながら、曲がった鉋で模様を付ける飛び鉋や、刷毛や櫛、指などで模様を付ける技法で生み出す焼き物が「用の美」として評価されている。

陶工・太田さんが見事な技で器を作る

 小石原で一番古い窯元の一つ「太田窯」では、15代目の陶工・太田万弥さんが、ロクロで皿やコップ、椀など短時間に作り、刷毛目や飛び鉋模様などの技で息を吹き込む。敷地内には茅葺の古民家で、作品を展示し即売も行う。

 宝珠山地区の見どころは、隕石のパワースポットで知られる「岩屋神社」と、日本の棚田100選に認定された「竹地区の棚田」。

 岩屋神社は西暦547年に、天から降ってきた宝珠石(別名・星の玉)を、ご神体として神殿を造り安置した。宝珠とは仏教用語で、何でも願いが叶う不思議な玉という意味で、パワースポットして人気を集める。

パワースポットの岩屋神社

 神社一帯には奇岩群が林立し、神々が降臨する神聖なものとして、古くから信仰の対象となってきた。

 神社の近くには、標高250―400㍍の急斜面に、数百年の歴史の石積み棚田400枚が広がり、四季折々の表情を見せてくれる。

 6月8日には、棚田を照らす火まつり、11月上旬には石積みをライトアップする秋明かりが開かれる。

 【取材メモ】

 ◆菌床で無農薬栽培の「宝珠山きのこ生産組合」。シイタケやヒラタケなど新鮮きのこを安価で販売する。

 ◆焼き立てヤマメやナスの味噌田楽、煮しめ、こんにゃく、だんご汁など、「惣助」では豊かな山菜料理が味わえる。

 ◆東峰村をどこよりも深く案内するのが「東峰村ツーリズム協会」。会長の小野豊徳さんは元村役場職員。小石原焼窯元めぐりから花めぐり、味めぐり、トレッキングなどオーダーメードの旅ガイドを行う。災害視察も対応。東峰見聞録検索。

 問い合わせ=☎080(5275)1040。

「提言!これからの日本観光」  「観光」新世代論

2019年4月13日(土) 配信 

観光業界は国際競争力の向上を

 昨年の外国人訪日旅行者数が、3千万人の大台を超え、3119万人に達したことが明らかになった。日本人の海外渡航者数もここ2、3年増加に転じ、1895万人と2千万人に迫った。実数は把握されていないものの国内観光の大半を占めるのは今も邦人の観光客であり、8割以上になっていると考えられる。しかし、外国人観光客は邦人に比し、滞在日数、消費額、観光範囲が著しく大きく仮に、延べ観光指数のようなものが出るとすれば、そのウェイトは過半近くとなるのではないかとさえ考えられる。現に、国内主要観光地の現状は外国人増加で様相を一変しているところも少なくない。

 一方、観光客中リピーターの割合が急増してきた。外国人客は既に過半数はリピーター、それも数度以上の訪問経験者も急増している。また、邦人観光客も日本独特の修学旅行の普及、たびたびの観光ブームも経ている関係上、主要観光地ではほとんどがリピーターとみられるに至っている。このような外国人観光客のウェイトの増大、リピーターが急増していることによって、極論すれば日本の観光は新しい世代(段階)に入ったとさえ考えられる。観光施策の推進にあたってもこのような事情を考え、オリンピックの開催を明年に控え、5月の改元から新世代に入るのを機に新しい考え方による新世代に入る必要を痛感する。

 即ち、日本の観光は国際観光市場に完全に参入し、日本観光は激しい国際競争に直面することになったといえよう。このため、観光の国際競争力のかんようが急務である。また、観光客のリピーター化が急伸するが、リピーターにとって既存観光資源の価値は次第に低減していくことを考え、新資源の開発はもとより既存観光資源の多角化などによる魅力再発見により、絶えず観光客が新しい「光」に接するよう努めることが求められる。

 したがって、いわば新世代に入った「観光立国」を進めるためには、以下のような施策に重点を置くべきであろう。

 第一は、観光の国際競争力強化のため、その経済効果を受け止める観光産業の近代化、効率化などの改革促進である。とくに宿泊業、物販業などが古い商慣習から脱皮するなど、経営改革による近代化が急務である。また、日本の旅行業者の海外での活動強化なども必要である。

 第二は、観光資源の再開発だ。多くのリピーターにとっても、引き続いて「光」の実感されるよう、観光資源に対する観光客の視点の多角化、観光手法の多様化の推進が必要だ。このため、観光客にこのような新しい観光手法などを提案することが期待される。

 新世代に入ったとみられる日本観光の国際観光市場への本格参入は、今後の日本観光が国際情勢の影響を強く受けることを意味する。そのための対応力を強化すべく訪日観光客の出身国を多様化しておくこと、また、海外への日本の観光情報の適確かつ強力な発信も急務であると考える。

須田 寛

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏