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琴平バス オンラインバスが好調 参加者が1千人を突破

2020年12月3日
編集部

2020年12月3日(木) 配信

楠木泰二朗社長(コトバスグループCEO)

 香川県・琴平町に本社を置く琴平バス(コトバスセールス&ツアーズ、楠木泰二朗社長)が実施する「オンラインバスツアー」が、5月15日の開始からこの11月中旬で、参加者1千人を突破した。コロナ禍で貸切バス利用が大幅に減少するなか、「お客様と会える場所を作り、リアルにつなげたい」との想いからオンラインバスツアーを企画した。「1千人達成は定員15人の積み重ね」と話す楠木社長に、この半年間の状況と今後の展開などを聞いた。

【九州支局・有島 誠】

 オンラインバスツアーは、自宅に居ながら仮想バスでZoomを活用した観光スポット巡りができる「新しい旅のカタチ」で、参加者は全国だけでなく、海外からも一緒に楽しめるのが特徴。

 車窓の風景動画を見るだけでなく、プランナー(添乗員)の案内で、車中で自己紹介やクイズなどを楽しむ。途中で土産店にも立ち寄り、ガイドお勧めの食べ物や土産を買って送ることもできる。

オンラインバスツアーのようす

 目的の観光地では、現地ガイドがライブ中継で登場。臨場感あふれる解説を聞きながら、イベントも体感できる。旅前には「旅のしおり」の特産物が旅先から自宅に届き、味覚でも旅を満喫させる。

 コースは島根県の石見(いわみ)神楽鑑賞や徳島県の祖谷渓谷絶景、夏には岡山県の桃狩り、広島県のさくらんぼ狩りとワイナリー体験。ほかにも鹿児島、山形、福岡県のツアーなど20コースを設定している。

石見神楽鑑賞も

 楠木社長は「月間40―50本あったバスツアーがコロナで全滅し、まずお客様と会える場所を作ろうと思った」とオンラインのきっかけを話す。そして「地域の食の提供と現地の体験、ガイドや参加者との交流が、継続的な有料サービスとなる3つの価値」と強調する。

 料金は4980円と5980円の2本立てで、ツアー定員は15人。5月の第1回石見神楽ツアーは満席で出発した。ツアーは90分、交流30分で構成。「現地ガイドや参加者との交流は大事なポイント。とくに、ガイドはリアルになったとき、あの人に会いたい、と思う旅のフックになる」(同社長)と期待する。

 ツアーへの反響は「予想以上」(同)で、テレビや新聞・雑誌、Webなど100本以上の取材を受けた。参加者は全国の5割以上が首都圏で、海外からもインドネシアや英国など拡大している。

 参加者からは「面白い」「愛犬も一緒に旅行気分が味わえた」「全国の人と交流できた」「離れた家族とオンラインで旅行できた」などさまざまな声が寄せられる。

 既に、リピーターは1割を占め、1人で10回も参加したマニアも出現した。鹿児島のツアーでは、鶏卵農家の「タマゴ」の美味しさにハマった定期購入者もいる。

 楠木社長は「地域にお金が落ちて、地域が元気になればいい。オンラインならではの地域のオススメが、新たな需要掘り起しになる」と喜ぶ。

 全国の自治体や観光協会などから、問い合わせやツアーの引き合いも増えた。石川県・和倉温泉では、日本一の宿「加賀屋」のもてなしを体感する「オンライン宿泊」も近々に発売予定だ。ブランドの土産物も用意する。「オンラインで満足したら、リアルな旅に参加しなくなる、という話がある。現地に会いたい人がいれば、何度も訪ねる。それが旅の楽しみです」と自信を見せる。

 参加者には20代の孫娘と90歳の祖母もいる。リアルでの参加が難しい旅も、オンラインだから実現する。

 楠木社長は「お試し観光やバリアフリー、地方への欧米インバウンド誘致など、オンラインは新たな需要を掘り起こせる」と期待を強める。既に、米国の旅行会社と連携したオンラインツアーも10月から始まり、最大50人が参加した。

 12月には、首都圏の大企業や労働組合、大学など100人規模の団体予約も数多く発生している。

 楠木社長は「オンラインツアーのジャンルは始まったばかり。活用する市場はたくさんある」と先を見つめる。

 

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