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〈旬刊旅行新聞7月11日号コラム〉各地で豪雨被害 新型コロナだけが危機ではない

2020年7月10日
編集部:増田 剛

2020年7月10日(金) 配信

7月1日からは、レジ袋が有料化になった

 危惧していたことが、やはり起こってしまった。コロナ禍の中で、九州地方を中心に豪雨被害が広がっている。とりわけ、熊本県の球磨川の氾濫で人吉温泉に大きな被害が出た。また、岐阜県や長野県などでも大規模な水害が相次いでいる。

 被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。

 
 近年の豪雨災害を見ていると、今年も水害が全国各地で発生することは予想できた。九州は近年、ほぼ毎年のように、大きな水害が発生している。
 
 温泉地の多くは河川沿いにある。普段は美しい風景が広がり、地元民だけでなく、観光客にも楽しませてくれるが、梅雨時期や台風の到来によって、その姿は一変する。
 
 ハード面での治水対策の遅れも指摘されている。だが、これからダムを造る計画を立てても、数十年単位の月日を要する。それまでに、何らかの手を打つ必要がある。自然との共生は、闘いでもある。
 
 堅牢な建築物に囲まれ、高度な機能で要塞化された都市部で生活していると、自然の存在は希薄で、見えづらい。大地震や豪雨が襲ったときには、都市機能がストップしてしまう。電気も、水も、情報も得られなくなった無数の人々は、大混乱の状態となる。想像しただけでも怖い。 
 
 そのようななかで、7月1日からプラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化がスタートした。
 
 週末にスーパーで買い物するときは、以前からエコバッグを使っていた。ところが会社でお昼になって、いつものようにコンビニエンスストアで弁当を持って何気なくレジに並んでいると、「袋は有料になりますが、お付けしますか」と聞かれ、不意打ちを食らった。そのときにレジ袋の有料化を実感した始末だ。一瞬、「あっ、いいです」と言おうとしたが、電子レンジで温めてもらっていたので、「素手では無理だ」と諦めた。
 
 レジ袋は万能なため、あらゆるものに利用していたことに、改めて気づく。無料のときは、スーパーでたくさん買い物すると、必要以上にレジ袋をもらうこともあり、そのようなときは「こんなにたくさん要らないな」と感じることもあった。
 
 廉価なプラスチック製品はとても便利ではあるが、使い捨てのモノばかりに囲まれると、なんだか「ちゃんと地に足をつけて生きていないような」気がして、落ち着かなくなる。
 
 一方、しっかりと作られた布や革製のバッグや、木製、金属製のものに囲まれると、心が落ち着いて豊かな気持ちになる。便利なレジ袋を急にゼロにすることは難しいが、自分も少しずつ減らしていければと思う。
 
 新型コロナウイルスも一向に減少しない。しかし、新型コロナウイルスだけが危機ではない。自粛ばかりもしていられない。経済を回していかなければ、生活を維持することはできない。生きていると、さまざまな板挟みを経験する。
 
 コロナに加え、自然災害の発生という事態は、観光業にとっては、2重のダメージである。けれど、観光業界に身を置いている以上、この厳しい試練にも立ち向かっていかなければならない。そして我われのような観光業界紙は、いかなるときも観光業界を支援していく。厳しいときほど、観光を盛り上げていかなくてはならないと思っている。
(編集長・増田 剛)
 

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