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【特集No.546】「これからのインバウンドを語る会」 訪日客を現場の視点で考える

2020年2月21日
編集部:入江千恵子

2020年2月21日(金) 配信

 インバウンドの現場で働く人のリアルな声を――。宿泊施設運営者や通訳案内士、外国人向けの情報メディア制作者など、業界や業態の異なる7人が出席し、座談会「これからのインバウンドを語る会」を開いた。コーディネーターは、訪日客の集客をサポートする「インバウンドにっぽん」の小野秀一郎氏が務め、訪日客の最近の傾向のほか、商材を売り込むターゲットやアプローチ方法、外国人が情報収集する媒体など、多角的な視点で意見が交わされた。そこからは、外国人旅行者の動向や日本への期待が見えてきた。
                            【入江 千恵子】

在日外国人もターゲットに

【宿泊施設】

徹底した清潔感口コミ1位に

――インバウンドの増加に伴い、東京や大阪、金沢など各地で宿泊施設が増えています。神奈川県川崎市はどうですか。

吉崎 私は川崎市のドヤ街と呼ばれる地区で、ゲストハウスやビジネスホテルなど3軒の宿泊施設を運営しています。しかし、近隣に大型ホテルチェーンなどが次々と参入しています。1日400室分の供給増になったとも言われます。市内に宿泊する外国人比率は9%(14年、川崎市推計)で、川崎市は25年に6万人増の10%を目標としています。私たちのホテルは現在15%ほどです。海外からの旅行者以外で強化しているのは、在日の日本語学校や留学生です。営業に行っています。利用者には、SNS(交流サイト)にアップしてもらっています。

――展開を強める大手ホテルチェーンと肩を並べることは可能ですか。

吉崎 できるはずです。ポイントを絞って個性を打ち出し、大手と違うことを進めていけば張り合えると思います。

――「個性」とは?

吉崎 例えば、私たちは清潔感を前面に打ち出しています。アメニティグッズは掃除の邪魔になるので増やしません。ハード面に対する投資を最小限にし、清潔さなどソフト面に注力することで、口コミが増えてきます。最初に始めたゲストハウス「日進月歩」は、OTAの多くで、川崎エリアの口コミ数1位です。「ドヤ街にある簡易宿所なのに、口コミ1位ってなに?」と思わせる戦略でもあります。外国人に「面白い宿だね」と思ってもらえるような仕掛けも行っています。

【通訳案内士】

日本人の日常生活に興味を抱く旅行者

――どのようなツアーに同行していますか。

曽我 私は英語の通訳案内士です。外国人を対象に観光ガイドをしています。今日は東京・築地のツアーに行きました。神奈川の鎌倉や箱根にも行きます。建築家や美術が好きなお客様向けに、建築巡りのツアーも多くあります。伝統建築から現代建築まで、その土地の歴史や日本文化と併せてガイドしています。

――何を目的とした旅行が多いですか。

曽我 観光や食事だけでなく、日本人の日常生活に興味を持つお客様が多いです。ツアーでは定番の観光地に加えて、日本人にとってはごく普通の住宅街や裏道を案内すると喜ばれます。日本のアニメやドラマが好きなお客様の場合、目的が明確で事前にしっかりと訪問場所を調べてきます。作品に熱い思いを持ち、日本で関連商品を買うことに意味があるようです。物が欲しいだけでなく、「日本で買うことに価値がある」と言っていました。

――オーバーツーリズムについて。混雑していても旅行者の希望があれば連れて行きますか。

曽我 団体ツアーでは基本的に行程は決まっていますが、プライベートのツアーであれば相談のうえで行程を変更する場合もあります。例えば、鎌倉の繁忙期は江ノ島電鉄の混雑が激しいため、事前に説明をします。混雑を避けたい人には違う行程で観光します。

【全文は、本紙1787号または2月28日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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