test

ブッキング・ドットコム、「2020年の旅行のトレンド予測」発表 「穴場旅」「退職旅行」など

2019年10月11日
編集部:平綿 裕一

2019年10月11日(金) 配信

 ブッキング・ドットコム・ジャパン(アダム・ブラウンステイン代表)はこのほど、旅行分野の専門知識や、世界29の国・地域の2万人以上への調査、1億8000万件以上のクチコミの情報を元に、「2020年の旅行のトレンド予測」を発表した。オーバーツーリズム(観光公害)を避けるため、「穴場旅」などが人気を博すという。

オーバーツーリズムの回避をはかる「穴場旅」の人気が上昇

イメージ

 2020年は知名度がそれほど高くない旅行先を訪れることで、オーバーツーリズム(観光客の著しい増加)の回避や環境の保護をはかる「穴場旅」が人気を博すという。

 同社の調査によると、世界の旅行者の54%が「オーバーツーリズムの緩和に貢献したい」と答え、「環境負荷が抑えられるのであれば当初の旅行先と似た場所へ出かける」と回答した旅行者は51%だった。

 「加えて60%の旅行者は、観光により現地のコミュニティに良い影響を与えられるような旅行先をお勧めするサービス(アプリやウェブサイト)を利用したいと考えている」(同社)。

 これらのニーズを受け、希望の旅行先にある穴場的なエリアや近隣の目的地を、より簡単に調べられる機能を各社が提供していくようになると推測。旅行者の旅の好みに基づき、選択国や地域にある代替となる旅行先や知名度が少し低い旅行先を提案し、旅行者を満足させていく。

 このほか、旅行業界内のコラボレーションが活発化し、旅行についての意識変化を狙ったキャンペーンが増えていくほか、 移動手段などのインフラ整備が進むことで、主要な観光地ではないエリアへの旅行も伸びていくとした。

テクノロジーが叶える、未知なる体験との出会い

イメージ

 2020年にはテクノロジーが、旅行者の意思決定において大きな役割を果たすようになる。「高性能で信頼できるテクノロジーに基づいたおすすめ情報によって、 知る由もなかったさまざまな新しい体験に簡単に出会うことができるようになるでしょう」(同社)。

 46%の世界の旅行者は「旅行中にリアルタイムでアクティビティを素早く簡単に検索、予約できるアプリを使いたい」と答え、「アクテビティを事前に計画でき、手軽に予定を確認できるようなアプリを利用したい」と回答した旅行者は44%に上る。

 これら効率的に、画期的なアプリを旅行時にリアルタイムで使いたいといった需要は伸びている。

 「2020年には現在のユーザーの好みや過去の旅行履歴、 天気や人気などの要因に基づいて旅行先や宿、 アクティビティを各ユーザーにお勧めするアプリや人工知能がさらに数多く登場すると考えられる」(同社)。

周りに置いて行かれないための焦りを感じながらの旅ではなく、 ゆったりと楽しむ旅へ

イメージ

 これまでの周囲の人々から取り残されてしまうと、できるだけ多くのことを素早くこなそうとする旅のスタイルから、ゆったりとした時間を過ごす旅が人気となると予測する。

 2020年には「環境への影響を削減するために少し時間がかかる移動手段を選ぶことを検討する」と答えた旅行者は48%を占め、 61%は旅そのものをより満喫するために距離がより長い経路を選ぶことを希望しているという。

 自転車やトラム、雪ぞりにボート、そして徒歩など、ゆっくりとしたペースの旅を楽しみたいと思わせるような移動手段も、一般的になると予想する。

 事実、「ユニークな移動手段を利用するのであれば目的地に到着するのに時間がかかっても気にしない」と回答した旅行者は57%に上った。

多彩な魅力が揃う旅行先への旅

イメージ

 せわしなく時が過ぎる現代。多くの人は時間が足りないと感じ、この感覚は旅行中にも影響しているという。

 旅行先をできるだけ効率的に楽しみたいという希望から、2020年には1つのテーマに絞った旅行ではなく、 幅広い種類の心躍る体験や名所などの多彩な魅力が揃う旅行先への旅行が人気を得るとする。

 54%の旅行者は「好みの体験を楽しめる場所や名所が近くに固まっている旅行先への長期間の旅行に出かけたい」と述べ、 「旅行にかかる全体的な時間を節約するため、 好みの体験を楽しめる場所や名所が近くに固まっている旅行先を選ぶ」と答えたのは全体の62%。

 これらを受け、多彩な魅力を誇る旅行先を最大限堪能できるよう、さまざまな楽しみがある旅程や、お得な情報、ルートを提示して旅行者を手助けするような動きが旅行業界で見られると予測する。

 同社利用者からは、ウルグアイのモンテビデオと、ブラジルのイーリャベーラ、 沖縄の那覇を多彩な魅力が揃う旅行先のトップとして挙がった。

ペットと一緒に楽しめる旅行が優先事項に

イメージ

 世界的に、ペットの飼い主の55%はペットを自らの子供と同等に大切な存在だと答え、2020年はペット中心の旅行の新しい時代が到来するとした。

 旅行先や宿、旅行先での体験を選ぶ際、自身よりもペットのニーズを優先する旅行者が現れていく可能性がある。

 ペットの飼い主の42%は「2020年はペットを連れて行けるかどうかで旅行先を考える」と答え、49%は「ペットに配慮した宿泊施設に泊まるためにより多くのお金をかける意欲がある」と答えた。

 これらのトレンドを受け、需要に応えようとペット歓迎の宿泊施設はブッキング・ドットコム上で増え続けていく予定だという。

 さらに、世界中の宿泊施設は、ペット用スパや、専用のルームサービスのメニュー、ペットを念頭に設計されたレストランなど、 ペット用の設備やアメニティなどを提供する、革新的な方法を探って成功を収めようとするという。

孫との旅行で心に残る思い出作り

イメージ

 2020年には、祖父母の世代が子供を伴わず、孫とだけで旅行に出かけることが増えるという。

 孫を持つ回答者の72%は「孫と過ごす時間のおかげで若々しくいられる」と答え、71%は親には子供から離れて過ごす時間が必要だと考えている。

  「現代のお年寄りがかつてないほどに健康的で冒険心に溢れ、 そして若々しく活動的でいたいと考えていることもあり、祖父母と孫の両世代が参加できるアクティブな体験を豊富に楽しめる大興奮の旅行が人気を得ると予測される」(同)。

レストランの予約が旅行の重要な要素に

イメージ

 有名なレストランを予約するための競争が続くなか、2020年は旅行者が旅の計画で、美食への願望を前面に押し出していくという。

 多くの旅行者にとって、いつどこへ旅するのかは、好評な飲食店、とくに数カ月先まで予約待ちなほどの人気店を予約できるかどうかが、カギになるという。

 退職後は長期旅行へ

イメージ

 2020年には、「早期退職の計画が同時に『大冒険の計画』をも意味するようになるという驚きの時代になる」と予想する。

 18~25歳の23%は55歳になる前に早期退職を行おうと計画し、退職後の予定にも変化が見られている。

 2020年には、旅行者の考え方が変わり、退職後という将来の黄金期に向けて壮大な計画を立てるようになるという。

 旅行者の47%は「退職後により冒険に満ちた旅行の選択を行うつもりだ」と回答し、退職済みの19%は数ヶ月間旅に専念できる「ギャップイヤー」を計画していると答えた。

 このギャップイヤーは、年齢を問わずいつでも行えることだと考えている旅行者は全体の52%を占めている。

 さまざまな年齢層にとって退職と旅行は関係の深いものであることを受け、 「退職旅行」のための貯金を通じて人生最長レベルの旅の計画を支えるようなプロダクトが現れるとする。

 ブッキング・ドットコムによる2020年における旅行のトレンド予想についての詳細は下記から。

 ※調査はブッキング・ドットコムによって、 過去12ヶ月の間に旅行に出かけた、 または今後12カ月間以内に出かける予定のある成人を対象に独自に行われたもの。 回答者は計2万2000人。(オーストラリア、 ドイツ、 フランス、 スペイン、 イタリア、 日本、 中国、 ブラジル、 インド、 米国、 英国、 ロシア、 インドネシア、 コロンビア、 韓国からそれぞれ1,000人、 ニュージーランド、 タイ、 アルゼンチン、 ベルギー、 カナダ、 デンマーク、 香港、 クロアチア、 台湾、 メキシコ、 オランダ、 スウェーデン、 シンガポール、 イスラエルからそれぞれ500人)。 回答者は2019年8月9日から8月28日までにオンラインで調査に回答した

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。