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ピンクリボンのお宿ネットワーク ― 観光と医療をつなげよう

2013年4月1日
編集部

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)の鼎談企画を、3月31日付のタブロイド版「第24回全国女将サミット2013福島特集」で紹介している。同ネットワーク副会長の池山紀之氏と、乳房再建の第一人者でもある市立四日市病院形成外科部長の武石明精氏、総合病院土浦協同病院の乳がん看護認定看護師の関知子氏が医療現場から観た観光業界への期待や課題について語っている。本紙4月21日号で、同鼎談を拡大版として紹介する予定だ。

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」は昨年7月に発足して1年にも満たないが、初年度事業として、昨年12月に会員施設の旅館・ホテルの情報を紹介した冊子を10万部作成した。現時点で会員施設や、全国の主要550病院、冊子を要望する個人の方々などに約5万部が配布されている。

 武石先生は、乳房を再建される患者さんに手渡しで冊子を差し上げている。乳がん患者さんは、「医療に関すること」以外の質問を病院の医師に相談しづらいなか、武石先生は旅館の情報が載っている冊子を自ら手渡している。現在の医療の役割が患者さんの傷や病気を治すことだけでなく、以前のように温泉旅行に行ったり、スポーツができるようになるまでの心身のケアの必要性、つまり、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)を重視する医師の信念によるものだ。武石先生の病院では冊子は「あっという間になくなってしまう」という。ネットワークの事務局を務める旅行新聞新社に「冊子をどんどん送ってほしい」と要望された。

 乳がん看護認定看護師の関氏は「患者さんへの退院指導の際に冊子を渡すようになって以来『本当に自分は温泉に行ってもいいんだな』と笑顔になる患者さんが増えた」と話す。「もっと、お宿のネットワークが広がるといいですね」と医療現場からの声を伝えていただいた。

 課題もある。ネットワークに加盟する宿は、経営者だけでなく、スタッフ全員が意識を共有することが大切である。

 ピンクリボンのお宿ネットワークは、全国の医師や看護師、医療関連企業とのつながりが強み。旅館単館での講習会や、温泉地が一体となったセミナーも可能である。観光業界と医療の現場との情報共有をもっと深めよう。

【編集長・増田 剛】

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