test

旅館の海外展開探る、加賀屋らが中国で調査事業

2013年4月1日
編集部

1154_1

 日本旅館の海外展開の可能性を探るプロジェクトに取り組む石川県和倉温泉の加賀屋を中心とした事業共同体は3月14日、金沢市内のホテルで、中国を対象に実施した調査事業の報告会を開いた。

 同プロジェクトは、経済産業省の「クール・ジャパン戦略推進事業」の採択事業。おもてなしに代表される日本の接客や、精巧な建築技術、素材を生かした日本料理、器や調度品に見られる精緻な工芸品など、日本のサービスや技術力が集約された日本旅館をまるごと海外展開することで、経営ノウハウやプランニング、人材育成、設計建築、日本食や工芸品の輸出など、日本が得意とする産業を海外に売り出すビジネススキームの確立を目指す。

 事業に取り組む「日本旅館海外展開プロジェクト共同体」は、加賀屋のほか、旅館の建築設計などを手掛ける金沢建築企画、金沢市内で料理店やホテルを経営する浅田屋、金箔工芸を製造販売する箔一、調査プランニング会社の計画情報研究所と、いずれも石川県に基盤を置く企業で構成。中国ビジネスのコンサルタントを手掛けるアルプ企画も特別協力する。

 中国を対象に実施した2012年度の調査事業は、日本旅館の海外展開に向けて課題とされる(1)日本旅館のサービスが中国人消費者に受け入れられるか(2)中国で日本旅館のサービスを供給するための人材(接客・建設技術者)を確保できるか(3)日本旅館を運営する現地の経営者や投資家を確保できるか――の3点について検証を行った。

 おもてなしを核とした日本旅館のサービスの可否については、在日中国人に加賀屋などで宿泊してもらいアンケート調査を実施した。スタッフのきめ細やかな接客や、金箔などの工芸品に対する評価は高かった一方、布団で寝ることや、魚主体の料理構成、味付けなどの点で、違和感を覚える声も多く、日本らしさを失わずに中国人が快適に感じるおもてなしの確立が、今後の課題として浮かび上がった。

 また、海外展開に向けた人材確保の調査では、在日中国人に向けた日本旅館スタッフによる人材育成講座、中国本土での現地大学生を対象とした日本旅館の紹介や文化講座を実施。おもてなしなど、日本旅館のサービスに対する理解度は高く、日本旅館への就労意欲も高いことがわかった。

 日本旅館の運営者については今年3月1日、中国・大連市で現地投資家やデベロッパーなどを対象に、体験型プロモーションを実施。宿泊施設経営者や開発事業者、政府関係者など100人を超す参加があり、関心の高さがうかがえた。

加賀屋の鳥本専務
加賀屋の鳥本専務

 報告会で、共同体の代表を務める加賀屋の鳥本政雄専務取締役は「文化が異なる国で、日本旅館のスタイルをただ押しつけるだけでは、ビジネスとして成り立たないことはわかった」と難しさを指摘する一方、既に現地から10数件の引き合いがあり、うち3件は具体的な内容であるとして「実現には、まだまだ課題も多く、決して簡単ではないがビジネスチャンスはある」と可能性の高さに期待を寄せた。

 また「この事業は海外からの訪日客を増やすことが目的ではないが、この取り組みが結果としてインバウンド増加にもつながっていく。今後、チャンスがあれば、ほかの国でもトライしてみたい」とさらなる展開に意欲を示した。

 
 

いいね・フォローして最新記事をチェック

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。