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オートキャンプ白書2012

2012年7月21日
編集部

<11年のキャンプ人口前年並み、震災でキャンプ用品の需要増>

長谷川純三会長
長谷川純三会長

 日本オートキャンプ協会(長谷川純三会長)は7月11日、「オートキャンプ白書2012」を発表した。今年のテーマは「大震災とオートキャンプ」。2011年のキャンプ人口は前年並みの720万人となった。

 長谷川会長は「オートキャンプ白書は今年で27年目を迎えた。昨年の震災では災害時のキャンプ場のあり方や地域との関わりなどを見直す機会にもなったのではないか」と語った。

 2011年は震災と原発事故による風評被害やその後の自粛ムードなどで、オートキャンプにおいてもその影響が懸念されていたが、キャンパー、キャンプ場のキャンプ関連用品などから集めたアンケートによると、前年と同等の数値となった。1年間に1回以上キャンプをした人の数を示すキャンプ人口は前年と同じ720万人。1年間の平均キャンプ活動回数は3・5回と前年と同数値で、平均キャンプ泊数は前年よりマイナス0・4泊の5・2泊と減少傾向だが、大きな落ち込みとはならなかった。

 キャンプ場の稼働率は前年比マイナス0・7ポイントの10・2%。関東、東海、近畿の大都市圏で低下したが、要因としては自動車業界などの節電対策で平日休みに移行したため、親子の休日がずれてしまい家族で過ごす時間が減ったことが考えられる。

 キャンプ用品は震災後に被災地でシュラフ、燃焼器具などが必需品となり、都市圏では防災意識の高まりで防災用品の備蓄が進み、市場全体が拡大。キャンプ用品の市場規模は前年比8・4%増の465億円で、2000年代に入り最高額となった。とくに、ランタンなどの照明器具、シュラフ、ガスカートリッジの需要が急増し、備蓄用の水タンクや停電時の冷蔵庫代わりのクーラーボックス、保冷剤なども大きく需要が高まった。あるキャンプ用品メーカーのオンラインストアではランタンの売上が前年の25倍を記録した。

 また、キャンピングカーも災害時の活用メリットが注目され、とくに震災後の4―7月にかけて大きく需要が伸長。その後販売台数は落ち着きを見せ、年計ではほぼ前年並みの販売台数となった。

 オートキャンプ白書では毎年テーマを設けている。今年のテーマは「震災とオートキャンプ」とし、震災後の変化を調査した。防災意識の変化では「防災用具をいつでも持ち出せるようにしている」との回答が最も多く34・7%、「キャンプ道具や燃料を常備している」が34・3%となった。地域別では東北、関東の意識が高い。

 キャンプ場の選択に原発事故が与える影響では、「対象地域以外であれば気にならない」が46・5%と最も多く、なかでも関東は51・3%と半数を超え、次いで近畿、東海、東北と続く。「気になる」は19・0%にとどまり、地域別では東北が25・7%と最も多く、九州、中国・四国と続く。「積極的に出かけて応援したい」は13・5%で、地域別で関東の19・3%、東北の18・4%と続き、中国・四国が6・8%と一番低かった。原発事故の影響を身近に感じる地域ほど支援意欲が高い結果となった。

 また、今回の震災ではキャンプ場を周辺地域の被災支援の場として活用。震災直後は緊急の避難所となり、その後の復旧活動の基地として活用され、避難所から移動した被災者の一時的な住居として場内のコテージが提供されたほか、仮設住宅団地となっているキャンプ場もある。

 キャンプは電気や水道などインフラ設備のない場所で自力で生活をするレジャー。震災直後、テントなどのキャンプ用品で生活をした支援ボランティアなどのように、キャンプ用品や車はインフラの途絶えた災害地で生活するために重要な役割を果たすことがキャンプ未経験者へも浸透したのではないかと分析している。

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