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旭山動物園など3施設、エンリッチメント大賞2009

2009年11月5日
編集部

 動物の飼育環境に工夫を凝らした展示などを行っている動物園を顕彰する市民ZООネットワークの「エンリッチメント大賞2009」に、旭川市旭山動物園(北海道)と京都市動物園(京都府)、長崎バイオパーク(長崎県)が選ばれた。全国から56件の応募(49件の取り組み)があった。

 大賞に選ばれた取り組みは、それぞれの動物に合った飼育環境を整え、動物たちのQОL(生活の質)を高める点が共通しているという。旭山動物園は「あざらし館のプール凍らせ作戦」、京都市動物園は「チンパンジー舎」、長崎バイオパークは「水辺で暮らすカピパラのエンリッチメント」。

 エンリッチメントは、野生本来の行動や自然な繁殖などを実現させるための取り組み。同賞は飼育環境改善に取り組む動物園や飼育担当者などを応援。あわせて来園者の意識を高めるのが目的で02年度に創設された。

 受賞3施設の概要は次の通り。

 旭山動物園
冬季の厳しい環境下で3年間にわたり工夫を重ね、循環型プールの水を凍らせることに成功。これにより、アザラシたちはプールで泳ぐことに加え、氷の穴から顔を出したり、寝そべったりさまざまな環境を選択できるようになった。あざらし館は04年にエンリッチメント大賞特別賞を受賞している。この受賞に安住せず、アザラシが豊かに暮らせるよう、野生での行動をさらに引き出す努力をした点が評価された。

 京都市動物園
限られた空間と予算のなかで、チンパンジーに特徴的な能力の知性や好奇心、学習意欲、社会性を発揮できる施設を作った点を評価。なかでも室内展示場を改築した「学習室」で、研究者が認知研究をしているのがユニーク。チンパンジーも自主的に学習に取り組んでいる。大学と連携して、動物の持つさまざまな魅力を引き出す施設として努力する動物園とスタッフの姿勢は賞賛に値するという。

 長崎バイオパーク
日本最多数のカピパラを水辺で飼育。野生での生活形態に近く、群れの中の複数の母親が共同で子育てする習性が発揮できるため人口哺育が不要なうえ、十分な広さ・深さの水場で泳ぐ、潜るといった行動が発現できる。さらに「露天風呂」を設けたことで、冬季の課題だった皮膚の乾燥や疾病を予防できるようになった。カピパラののどかでゆったりした様子や繁殖力の高さは、快適な環境でストレスが軽減されているからと推測される。

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