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〈旬刊旅行新聞2月1日号コラム〉プロと素人の境目 現場で高い評価を得ている人が「プロ」

2018年1月31日
編集部

2018年1月31日(水) 配信

プロと素人の境目が曖昧な時代に……

 1月23日、旅行新聞新社は第43回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」をはじめ、初めての表彰となった第1回「プロが選ぶ水上観光船30選」などの表彰事業を東京・新宿の京王プラザホテルで開いた。

 表彰式・懇親パーティーには、受賞者や来賓、後援団体、関係者ら約650人が出席して、受賞施設や受賞者を祝った。前日から降り始めた大雪の影響で、「交通事情により表彰式会場にどうしても出席ができなくなった」「お客様を迎える道路や駐車場の雪かきをする人手が足りず、残念だけど東京には行けない」というご連絡もいただいた。また、交通の大混乱を予想して、東京に前泊された受賞者もたくさんいらっしゃった。悪天候と、インフルエンザの流行、群馬県・草津本白根山の噴火などが発生するなか、多くの方々にお越しいただいたことに、感謝申し上げたい。

 「100選」表彰式の翌24日には、同じ京王プラザホテルでJTB新春経営講演会・懇親会が開かれた。こちらも800人を超える観光関係者でにぎわった。新年のあいさつで、JTBの髙橋広行社長は2018年を「〝第3の創業〟初年度」と位置づけ、「新たなJTBならではの価値を創造していく」と力強く語った。今年1月1日に、ジェーティービーからJTBに社名を変更。4月1日には、グループ15社を1つに統合して新たな経営体制がスタートする。まさに大きな転換点となる。

 JTBは、創業時の「代売モデル」から、パッケージ旅行を大量に造成、販売してきたメーカーモデル」期を第2の創業とし、「お客様の課題解決を手段とした〝ソリューションモデル〟への変革」を第3の創業とし、本格的に取り組む姿勢だ。

 近年は、ダイナミックパッケージなど旅行者がさまざまな選択肢の中から、自分に合ったプランを選ぶ傾向が好まれるようになった。「旅のプロ」である旅行会社の力を存分に発揮できる部分は、デジタル技術を導入したうえで「人間による旅行の相談」へと移行していくのだろう。

 今年は1月4日に通訳案内士法と旅行業法の一部が改正され、誰でも有償でガイドができるようになった。また、6月1日には住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される。とくに、民泊では利用者が犯罪に巻き込まれる事件も発生している。宿泊業のプロである旅館やホテルと、素人でも空き部屋を提供できる民泊とは、安心・安全の面では大きな開きがある。さまざまな業態でシェアリングエコノミーサービスが浸透しているが「プロ」と「素人」の境目がますます曖昧になっていく。

 「プロとは何か」。外国人旅行者を案内するガイドは、通訳案内士の資格がなくても真剣に学び、おもてなしを極めれば、旅行者の評価は高まっていく。これは間違いなくガイドの「プロ」である。通訳案内士の資格を持っていても、一方的に説明し、〝上から目線〟で旅行者に接するようなガイドはたとえ〝プロ〟の有資格者であっても評価は低い。

 本当のプロは、厳しい競争に晒された現場で高い評価を得て相応の対価を得ている人のことを指す。免許や資格を持っていても、現場での評価が低ければ「プロ」とは言えない。顧客の声に真摯に耳を傾け、努力を怠らない無資格者に置き換えられる。

(編集長・増田 剛)

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