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No.474 JCHA 清水会長インタビュー “地域性”を感じられる宿に

2017年10月11日
編集部

2017年10月11日(水) 配信

 6月に開かれた通常総会で、全日本シティホテル連盟(JCHA、205会員)の新会長に清水嗣能氏(ホテルリバージュアケボノ社長)が就任。「国・会・人・宿づくり」を柱に会を運営していく方針を示した。「ホテル経営者は、地域の観光開発の立役者として課題解決に向けた提言を」と語る清水会長に、JCHAの今後の展開や、民泊問題、宿泊税導入に対する考え方からビジネスホテルのこれからのかたちまで、幅広く業界全体を俯瞰した考えを伺った。

【聞き手=増田 剛編集長、構成=後藤 文昭】

宿づくりは情報が命 地域の観光開発担う立役者に

 ――6月の総会で会長就任に当たり「国・会・人・宿づくりとジャンル分けし、分かりやすくJCHAを運営していく」と強調していました。そこで、JCHAの事業方針から、聞かせてください。

 これまでのJCHAの活動は、ホテル経営のための情報交換の場がメインで、どちらかというと内向きの組織でした。しかし、組織として生まれたからには、存在意義があるはずです。今後は、もっと外に目を向け、JCHAとして何ができるのかを真剣に考える時期にきています。我われは、ホテル業者が集まる団体として「国づくり」と「会づくり」、「人づくり」、「宿づくり」の4本柱を事業方針に掲げ、観光立国の実現を支えていきます。

国づくり

 ――宿泊団体は観光立国の実現のために、何を求められているのでしょうか。

 国内の人口が減少するなか、海外からの旅行者受け入れを拡大し、日本の経済成長に役立てることはとても重要です。国が進める観光立国の推進に対し、我われは宿泊施設団体として、地方で増加する外国人旅行者の受け皿づくりを進めることで貢献していけると思います。これが、4本柱の1つ目の「国づくり」です。会員であるホテルの経営者は、地方の観光協会や商工会議所で委員として、発言・提言をしていく。まさに自館が位置する地域における観光開発の立役者となるような役割を求められていると思います。

 ――「国づくり」を進めるうえで、今後必要なことは。

 国づくりは、言い換えればまちづくりであり、観光地、ホテルづくりの集合体です。

 例えば客室に備えるテレビのリモコンは日本語表記なので、海外のお客様は読めませんが、英語表記を加えたり案内を添えたりすることはできます。しかし、東京都心部などに比べると地方部はまだ外国人旅行者数も少ないため、外国人の宿泊需要が増加していることを十分に実感できていないのではないでしょうか。

 これからFIT(海外個人旅行者)が拡大するなかで、観光施設へのアクセス環境でも外国人旅行者が、公共交通機関を利用して移動することを想定している会社は少ないと感じています。

 これまで障害を持つ人でも住みやすい街づくりを官民あげて進めてきましたが、これからは、日本語の分からない外国人が安心して地方を旅行できるように、「多言語化」をキーワードに進めなければならないのです。

人づくり

 ――JCHAは台湾の輔仁大学と亞州大學とインターンシップ協定を結んでいますが、この取り組みも人づくり、国づくりに活かせますね。

 インターンシップ制度は、働き手が減少している状況で、会員が困らないように始めました。しかし、労働形態はさまざまです。知的労働者として海外の大学生を受け入れることは就職先として、また、外国人旅行者にもホテルがより選ばれるための理由づくりにもなるのではないでしょうか。

 福井県で私が経営するホテルでは今年の夏、アメリカからのインターン生を受け入れました。学生には通常のホテル業務ではなく、福井の観光地を回ってもらい、実際に外国人が旅行したときに何を感じるかの調査や、外国語サイトの立ち上げ、英語宿泊約款の作成、館内の英語サインのチェックなど多言語化作業をしてもらいました。インターン生を受け入れることは、「多言語化」への取り組みでも利点が大きいので、ぜひほかの会員にも取り入れてもらいたいです。

 一方で、インターン生を雇うときに必要な在留許可書の手続きには1―2カ月と、時間がかかります。この部分は「会づくり」にはなりますが、時間の短縮などにJCHAが取り組むべきだと思います。…

※ 詳細は本紙1688号または10月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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