25年度補正予算、観光関係に225億円 観光公害対策や観光需要分散など
2025年12月3日(水)配信

国土交通省は11月28日(金)、閣議決定した2025年度補正予算案の概要を発表した。国交省関係の総額3兆557億円のうち、観光関係では225億円を計上した。地域住民の安全確保を前提として、地方誘客で観光需要を分散させ、オーバーツーリズム(観光公害)解消に向けた取り組みを進める方針を示した。
地域住民と観光客の移動環境を整備する「オーバーツーリズム対策等観光交通確保事業」では、67億7000万円を計上。既存の公共交通機関などで大きな荷物を持った旅客対応や、キャッシュレス決済の普及などの取り組みのほか、日本版・公共ライドシェアの導入、観光地における2次交通の高度化を支援する。
「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」では、8億8000万円を計上した。訪日外国人に対する旅マエや入国時の医療保険の加入促進のほか、クマの出没情報などの多言語発信や、観光施設などの避難所機能の強化、医療機関のキャッシュレス決済の整備を推進する。
「観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業」では、49億円を計上。地域資源を活用した観光コンテンツの造成、効果的な情報発信や販路開拓のほか、高単価なインバウンド向けのオプショナルツアーの造成を支援する。
観光施設や宿泊施設のバリアフリー化に必要な施設整備や、設備導入を支援する「ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備」に40億円、「観光地・観光産業における省力化・省人化等推進事業」に25億5000万円を計上した。さらに、民泊制度運営システムの改修に向け、「違法な民泊サービスの解消に向けた調査」に4000万円を充当した。
補正予算ではこのほか、観光地や観光産業の観光DX推進事業、地方での高付加価値なインバウンド観光地づくり、26年11月に改定される外国人向け消費税免税制度の「リファンド方式」移行支援なども盛り込んだ。
また、ダムや橋などを観光資源として活用するインフラツーリズムの拡大に向けて、インバウンドに対応した受入環境整備を実施し、インフラの観光資源化を支援する。






