JTB連結決算、2期連続で売上1兆円超 営業利益も計画を達成
2025年5月27日(火)配信

JTB(山北栄二郎社長)が発表した2024年度(24年4月~25年3月)連結決算によると、売上高は前年同期比1.2%減の1兆732億8200万円と2期連続で1兆円を超えた。営業利益は同50.9%減の148億6200万円、経常利益は同51.4%減の166億4300万円、当期純利益は同61.2%減の85億8400万円となった。
減収減益となったが、海外事業の拡大に向けたグローバル人財の確保やDXなど、将来の成長や経費構造改革に向けた投資を積極的に進めた計画通りのもので、営業利益では当期計画から同28%増を達成した。将来に向けた先行投資について、山北社長は「JTBグループの未来を築くうえで不可欠。今後の成長の原動力になると確信している」と説明した。
24年度は、世界的な人流を捉えたグローバル事業が大きく成長。海外、訪日、第三国間旅行の需要を捉えた取り扱いや、国内外の国際イベントでの関連事業や第三国間の取り扱いを拡大した。旅行外事業(商事・決済領域)が好調のほか、中長期の成長に向け幅広い分野へ積極的に投資した。
部門別の売上高は、国内旅行が4360億円(同6%減)、海外旅行が2243億円(同41%増)、訪日旅行が622億円(同14%増)、第三国間旅行が1118億円(同27%増)となり、旅行事業の合計は同9%増の8343億円となった。一方、旅行以外の事業は新型コロナ関連の受託事業が減少したこともあり、同25%減の2390億円だった。
□25年度の通期見通し、グローバル事業拡大へ
25年度の通期見通しでは、将来に向けた先行投資を継続し、売上高は1兆2980億円、営業利益120億円を目指す。当期は中期経営計画フェーズ3「成長・飛躍」(25~28年度)の初年度で、各事業のさらなる成長に向けた重要な年度と位置づけている。
今後、グローバル事業のさらなる拡大を目指して、①シートインコーチ②グローバルDMC③ホスピタリティ――の3つの主要な戦略により、山北社長は「圧倒的なポジショニングをつけていきたい」と強調した。