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【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その35-温泉神社&温泉寺の神仏巡礼(栃木県日光市) 心身を整える健康成就の旅 湯ノ湖の美風景で心潤す

2024年3月9日
編集部

2024年3月9日(土) 配信

 今回の精神性の旅先は、奈良時代に開かれた栃木県日光市の奥日光「湯元温泉」にある、温泉の神仏が宿る「温泉神社&温泉寺」です。東武日光駅から西へバスに揺られて、名所「いろは坂」をのぼった先に出会えるのが、静けさと優美な大自然の魅力に溢れた奥日光エリア。およそ80分で到着します。

 

 その奥日光エリアのなかにある湯元温泉は、古い歴史に刻まれた名湯であり、将軍家ゆかりの温泉としても有名。

 

 

 湯元温泉の宿がある中心地から徒歩で行ける「湯ノ湖」は、目をつむり、深いため息を吐き出して、ゆっくりと何も考えない至福の無の時間を満喫するのに最適な場所。日ごろ積もり積もった悲しみや怒り、不安などの負の感情を吐露して、心を鎮静させることができるでしょう。私自身、負の感情が溜まったら定期的に訪れたい、とっておきの場所。

 

 その湯ノ湖は、戦場ヶ原の北にそびえる「三岳(みつだけ)」が噴火した際の三岳溶岩流により、「湯川」が堰き止められてできた湖。標高1478㍍にあり、周囲はシウリザクラやシラカンバ、アスナロなどの原生林が広がって、奥深い大自然と自分が一つになれるような境地に入るでしょう。また、マス釣りの名所でもあります。

 

 遊歩道があるので散歩しやすく、奥日光の自然で心を潤せます。「湯ノ湖ハイキングコース」(3㌔、所要時間1時間10分程度)もあり、5月から6月にかけては、アズマシャクナゲやトウゴクミツバツツジの花、秋には色彩美に溢れた紅葉と湖面に映る絶景、冬にはマガモやキンクロハジロなどの水鳥とも出会え、どの季節に旅しても風光明媚な世界を満喫できます。

 

日光山 温泉寺

 

 さて、奥日光にある温泉寺は、世界遺産「日光輪王寺」の別院であり、その歴史はとても古く、日光を開山された勝道上人(しょうどうしょうにん)が、788(延歴7)年にこの温泉を発見し、病の苦しみを救う薬師瑠璃光如来様をお祀りしたのが始まりとのこと。一般的な薬師瑠璃光如来様は、薬壺を左手でお持ちになっているお姿ですが、温泉寺の本堂にいらっしゃる薬師瑠璃光如来様は、両手でしっかりと薬壺を持っています。このようなお姿は、珍しいようです。また820(弘仁11)年には、弘法大師空海様が新湯を開き、自在湯(じざいゆ)と命名。848(嘉祥元)年には、慈覚大師(じかくだいし)によって、功徳力のある名湯、日光九湯として世に広められ、輪王寺の支配下に置かれました。

 

 この温泉寺は、全国でも珍しい温泉に入ることのできるお寺です。温泉寺の温泉に入り、薬師瑠璃光如来様の「健康成就・延命長寿」の祈りをささげ、心身をいたわってみてはいかがでしょうか。志納金として、500円をお支払いします。また、泉質は含硫黄、カルシウム・ナトリウム―硫酸塩、炭酸水素塩泉。源泉掛け流しの乳白色の湯(源泉はエメラルドグリーン、加水すると乳白色)で、糖尿病や神経痛、慢性婦人病、病後回復期に効果が期待できるとのこと。メタケイ酸も多く、美肌にも良いとのこと。本堂では、約15分間の写経体験もできますので、温泉とセットがおすすめです。

 

奥日光の温泉神社

 

 次の温泉神社は、湯ノ湖の近くにあり、長く急勾配の石段をのぼると、湯元温泉全体を見渡すことができます。やはり、先述した勝道上人が782(天応2)年に男体山に初登頂されて4年後に白い煙が立ち上る、この高台に温泉神社を創建されました。温泉の神様である、大己貴命(おおなむちのみこと)様をお祀りしています。温泉守護と健康の守り神として、信仰されています。

 

 心身の体調を整える、奥日光の温泉寺&温泉神社の神仏巡礼の旅はいかがでしょうか。

 

旅人・執筆 石井 亜由美
カラーセラピスト&心の旅研究家。和歌山大学、東洋大学国際観光学部講師を歴任。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

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