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津田令子の「味のある街」「上海式肉焼きそば」――揚子江菜館(東京都千代田区)

2024年2月3日(土)  配信

揚子江菜館の「上海式肉焼きそば」1380円▽東京都千代田区神田神保町1丁目11-3 ▽☎03(3291)0218。

 先日、御茶ノ水から駿河台下へ、さらには神保町の古書店街までの街歩きをお楽しみいただいた。途中で立ち寄った創業70周年を迎える山の上ホテルは、竣工から86年を迎え建物の老朽化への対応を検討するため、2月13日より当面の間、休館するという。池波正太郎がこのホテルに泊まり、作家活動の傍ら通って食し、愛した味として知られているのが、1906(明治39)年創業の老舗「揚子江菜館」が提供する上海式肉焼きそばだ。

 

 揚子江菜館は神保町界隈で現存する最も古い中華料理店。冷やし中華の元祖として知られている一方で、池波の大好物としてシウマイとともに繰り返し食べていた有名店だ。神保町駅のA7出口からすぐ近くで、すずらん通りに面しているのでわかりやすい。入口に掲げられた額の「創業明治三十九年」という墨痕に歴史の重みを感じる。1階はテーブル7卓。上の階は、宴会などでも使える部屋になっていて大人数でも対応可能だ。

 

 メニューには「池波正太郎の大好物」上海式肉焼きそば(上海炒麺)と記されている。「上海風」ではなく「上海式」と名付けてあるのも興味深い。

 

 ストレート超細麺に白菜、玉ネギ、モヤシ、肉の細切り、キクラゲを入れ、塩と醤油でシンプルに仕上げている。表面に焼き目が付いていてパリパリだ。その上に具が山盛りになっているのでボリューム満点。味付けはうっすら醤油系で、油脂の風味も相まったシンプルなのに奥行きのある美味しさだ。見た目以上にボリュームもある。

 

 最初は何もかけずに麺を中心にひたすら食べ進み、途中でたっぷりお酢をかけ、旨味を増幅させてから具を細麺に絡めながら一気に完食する。この方法だと、ふた味楽しめるのだ。

 

 麺はゆでた後にぬめりを取って水気を切ってから、最低でも2時間以上寝かし、その後下味をつけて焼き、注文が入ったらもう一度焼く2度焼きをするこだわりようだ。「シンプルなメニューだけに、2度焼きの手間と厳選した素材が欠かせない」と店主は語る。このこだわりが多くの人に愛される理由なのだろう。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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