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2020年に3千万人交流へ、4年ぶりに日中韓観光大臣が会合

(左から)金長官、太田大臣、李局長
(左から)金長官、太田大臣、李局長

 前回第6回の開催から4年ぶりとなる日中韓観光大臣会合の第7回が4月12日、東京プリンスホテル(東京都港区)で開かれ、日中韓三国間の人的交流を2020年に3千万人にする目標などを盛り込んだ共同声明を発表した。3千万人へ向け航空路線の充実やクルーズ船の就航促進に努めるほか、日中韓を1つの域内ととらえ、連携して欧米を中心とする東アジア域外の観光客を誘致する「ビジット・イースト・アジア・キャンペーン」(Visit East Asia Campaign)を展開する。
【伊集院 悟】

 日本、中国、韓国の観光担当大臣が集まる「日中韓観光大臣会合」は、三国間の観光交流と協力を一層強化し、地域の経済繁栄と社会の発展を促進するため、2006年に北海道で第1回を開催。その後毎年持ち回りで開かれていたが、政治情勢の影響を受け11年の韓国・平昌での第6回を最後に滞っていた。

 4年ぶりの開催となる日中韓観光大臣会合の前日11日には、中韓、日中、日韓の二国間会談を実施し、12日の本会合では3大臣が共同声明を採択した。会合後の記者会見で太田昭宏国土交通大臣は「日中韓三国間の人的交流が2014年に2千万人を超えたことを受け、15年を日中韓観光交流新時代の幕開けと位置付け、三国間の観光交流拡大に向けた取り組みを強化し、日中韓を旅の共通目的とする『ビジット・イースト・アジア・キャンペーン』の実施に向けて連携強化をはかることで一致した」と会合の成果と共同声明について説明した。

 同会合が4年ぶりとなったことについて、韓国の金鍾徳文化体育観光部長官は「人的交流は友情を深め、軋轢を除去する重要な役割を果たす。三国の人的交流が拡大してきたのは厳しい政治情勢を乗り越えるうえでも大きな意味がある」と触れ、中国の李金早中国国家旅游局長は「政治は必ずしも順調とはいえないかもしれないが、観光交流のレベルは年々上がってきており、新しい目標に進み続けている」と交流拡大の成果を強調。太田大臣も「日中韓観光大臣会合が開かれ、さらなる交流拡大と連携が共同声明として採択されたことは、外交へも意義深いことで、良い影響を与える」とした。

 共同声明では、三国間の人的交流を2020年に3千万人にする目標を掲げ、航空路線の充実やクルーズ船の就航促進、各国内のアクセス交通の円滑化、通信環境の整備、クレジットカードなど決済環境の整備などに取り組む。また、三国を東アジアの1エリアと捉え、欧米を中心とする東アジア域外の観光客を誘致する共同プロモーションを展開し、モデルコース開発や商品化も視野に入れる。そのほか、観光の質の向上を目指し、生活習慣の違いによるトラブルやショッピングに関するトラブル、危機時の相互協力など、課題解決に向け連携して取り組んでいくことを誓った。

 さらなる交流拡大へ向けて太田大臣は中国・韓国へのアウトバウンドを課題としてあげ「主要な観光地は一通り訪問しているので、中韓の観光関係者と連携し、日本人の趣向に合う新たな地域の観光資源を開拓し、魅力あるツアー商品の開発を協力して行うことが必要」と語った。中韓からの訪日は好調だが、日本からの訪中はピーク時に比べ約30%減、訪韓はピーク時から約35%減と大幅に減少している。

 また、中国の李局長によると、中国側からは「より自由なビザ政策」「保険・安全などの協力」などについても提案。「日韓から支持を得た」とし、「本来、観光に国境はあってはならない。自由に観光が行えるということは各国政府の責任でもある。観光客がより便利で安全に観光できるように、各国政府はニーズに応える義務がある」と提起した。

 同会合後には、三国の観光担当大臣も出席した日中韓観光交流拡大フォーラムも開催。なお、次回第8回の日中韓観光大臣会合は、16年に中国の湖北省武漢市で開かれる。

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