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KNT-CTHD、4期ぶりの黒字転換 売上高は減額を反映

2023年6月2日
編集部:長谷川 貴人

2023年6月2日(金)配信

会見でKNT-CTホールディングスの米田昭正社長(中央)らが謝罪した

 KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)が6月1日(木)、2023年3月期(22年4月1日~23年3月31日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比80.2%増の2521億5200万円、当期純利益は、過大請求事案に伴う特別調査費用など9億円を特別損失に計上したこともあり、117億9000万円(前年同期は57億7100万円の損失)。2018年以来4期ぶりの黒字決算となった。

 売上高は、連結子会社である近畿日本ツーリストのコロナ関連受託業務での過大請求事案を受けて、緊急社内点検の結果により算定された過大請求額を基に減額を反映した。過大請求額は、今年5月に公表した最大約16億円から点検や自治体との協議、確認が進み、決算ベースでは約14億7000万円に修正している。

 営業利益は114億1000万円(同76億8600万円の損失)、経常利益は120億5800万円(同38億8600万円の損失)だった。

 22年度の旅行業は、新型コロナ対策に万全を期しつつ、修学旅行やその他の団体旅行、国内個人旅行の催行に努め、Web販売の強化と都道府県割、全国旅行支援事業などを活用した旅行商品の販売に注力した。しかし、5月から販売を再開した海外旅行の需要回復の遅れもあり、旅行業収入はコロナ前に大きく及ばない状況で推移した。

 このような状況に対処するため、旅行業以外の事業の拡大に努め、従来の観光施設運営業務、観光振興業務などに加え、全国の自治体や企業などから新型コロナ関連のBPO事業に取り組んだ。

 しかし、このような新規の事業活動が今回、受託業務の不正事案につながったことで、24年3月期は各種事業が減収減益になるものとみている。

 24年3月期連結業績予想では、売上高が同1.6%減の2482億円、営業利益が同69.3%減の35億円、経常利益が同71.0%減の35億円、当期純利益が同74.6%減の30億円を見込む。

過大請求改めて謝罪、「信頼回復」取り組む

 米田社長は同日に開いた会見冒頭、連結子会社の過大請求事案について改めて「ご迷惑、心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げる」と謝罪した。今後は「何よりもお客様、そして社会の皆様からの信頼回復を第一に真摯に取り組む」と話し、再発防止に向けて内部統制システムを強化すると明かした。

 具体的には、ホールディングス内に「コンプライアンス改革本部」を設置し、グループ全体の組織風土改革をはかるほか、近畿日本ツーリストなどに「法令倫理管理センター」を立ち上げる。今後、調査委員会から提言される再発防止策を踏まえ、内部統制の再構築をはかると説明した。

 また、近畿日本ツーリストの社内点検の進捗についても報告した。初回に公表した今年5月2日時点では、過大請求の疑義があるのが86自治体、最大約16億円に上るとしていた。その後の点検や自治体との協議、確認により80自治体、14億7000万円となり、決算にはこの数値が織り込まれた。最新状況としては5月30日現在、63自治体まで対象が絞られた。ただし、過大請求額は引き続き精査中とのことを示した。

 なお、過大請求の問題で同じく6月1日、警察は近畿日本ツーリストの大阪市や静岡市の支店に詐欺容疑で捜索が行われた。捜索を受けたことに関して、米田社長は「責任を痛感している。(捜索に対して)全面的に協力する」と述べた。

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