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「一刻も早く、2類相当から5類への見直しを」(JATA髙橋会長) 23年は「海外旅行の復活」が最重要課題

2023年1月11日
編集部:増田 剛

2023年1月11日(水) 配信

髙橋広行会長(東京・霞ヶ関のJATA本部で)

 日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は1月10日(火)、2023年新春記者会見を開き、コロナ禍前の19年比で2割程度に留まる海外旅行の復活を最重要課題と位置づけた。髙橋会長は海旅が伸び悩む大きな要因の1つとなっている、新型コロナウイルスの「2類相当から5類への見直し」などを強く要望。デスティネーション別の戦略では、まずは近くて人気が高い韓国や台湾、ハワイ、アセアン諸国から国際交流を進め、海外旅行全体の気運醸成をはかる構えだ。

22年の前半は五里霧中 後半は一陽来復

 髙橋会長は22年の旅行業界を振り返り、「前半は五里霧中、後半は一陽来復」と表現した。「昨年10月の水際制限の大幅な緩和、円安も相まって訪日旅行は回復に向かっている。国内旅行も全国旅行支援などの追い風もあり、旅行業界全体では明るい兆しが見え始めた」とする一方で、「本格的な回復までは道半ば」との認識を示した。

 旅行市場はコロナ禍前の19年比では5割程度とし、「依然として厳しい状況が続いている」と述べた。

 国内旅行は19年比で8割程度まで回復しているが、「全国旅行支援などの施策効果に負うところが極めて大きく、決して自律的な回復軌道に乗り切ったとは言える状況にはない」と厳しい見方を示す。

可能な限り長く支援継続を

 本格的な回復には相当な時間と労力が必要とし、「その間、全国旅行支援のような需要喚起策が不可欠」と語る。「今年4月以降も、細くても可能な限り長く支援を継続していただけるように国に求めていく」と力を込めた。

 訪日旅行は19年比で約4割まで戻ってきたが、「入国時のワクチン3回接種、もしくは72時間前の陰性証明の取得が足枷となっている。世界的にも類を見ない規制だ」とし、「グローバルスタンダードに合わせて世界と共同歩調を取るべき」と述べた。

 さらに、「この規制は訪日旅行のみならず、企業の出張ビジネスや海外修学旅行、日本人の海外旅行、地方空港の国際線再開にも少なからず影響を及ぼしている」。

 その解決策の一つとして政府には「新型コロナウイルスの2類相当から5類への分類の見直しを一刻も早く実現していただきたい」と要望した。

委縮したマインドセットを解きほぐす

 海外旅行については水際制限が大幅に緩和されたにも関わらず、「19年比で2割程度に留まり、依然として足踏み状態が続いている」と懸念する。その背景には円安や旅行費用の高騰など外的要因があるが、根本的には「『今の状況のなかで海外旅行に行ってもいいのだろうか』というお客様の委縮したマインドセットにある」と捉える。「これをいかに解きほぐすかが最大のポイント」とし、各国政府観光局や航空会社と強力なタッグを組み、かつて実現した海外旅行2000万人時代の需要を呼び起こしに取り組む姿勢だ。

 具体的には、デスティネーション別戦略の展開を検討している。第一段階として近くて人気の高い韓国、台湾、ハワイ、アセアン諸国に焦点を絞り、国際交流の流れを作る。その姿を広くアピールすることで海外旅行全体の気運醸成をはかっていく。「海外旅行の復活は、今年JATAの最重要課題」と位置づける。

 コロナ禍の3年間に海外修学旅行が中止や国内への変更に変わった。若者の国際交流プログラムや留学も中止となった。若い世代の海外旅行の機会が失われたことに危機感を示しながら、「まずは海外修旅や国際交流、留学などの機会の復活が喫緊の課題」と受け止める。

ワクチン3回接種の若年層は少ない

 髙橋会長は「ワクチン3回接種している若年層は少ない。改めて、一刻も早い2類相当から5類への見直しを求めたい」と強調した。そのうえで、若者に魅力を感じてもらえる旅行商品の造成や、SNSを通じた発信にも力を入れていく考えを示した。

 このほか、旅行業界の共通課題として①人手不足②生産性向上へDX③アドベンチャーツーリズムの強化――などの取り組みを挙げた。

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