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〈旬刊旅行新聞11月21日号コラム〉「ミシュランガイド東京2023」発表――日々研鑚を続ける料理人の晴れ舞台

2022年11月21日
編集部:増田 剛

2022年11月21日(月) 配信

 全日本ホテル連盟(ANHA)の創立50周年記念式典が11月15日、東京・丸の内の東京會舘で開かれた。本来であれば、昨年に開催の予定であったが、コロナ禍の影響で延期となっていた。観光業界を代表する方々や、斉藤鉄夫国土交通大臣をはじめ、二階俊博衆議院議員、小池百合子東京都知事など政界からも多数出席され、華やかな印象を受けた。コロナ禍でほぼ無くなった立食パーティーであったが、料理に定評のある東京會舘が提供する飲食も振る舞われ、活気にあふれるパーティーとなった。

 今年9月13日には全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の第100回全国大会が開かれ、宿泊業界も大きな節目を迎え、新たな時代への一歩を踏み出したところだ。

 ANHA創立50周年記念式典の日は、ちょうど「ミシュランガイド東京2023」の掲載店発表の日でもあった。私は毎年このイベントを楽しみにしている。

 フランスで生まれた「ミシュランガイド」は、タイヤメーカーであるミシュランがドライバーに快適な移動に必要な情報を提供し、旅に誘うことを目的に1900年から120年以上にわたって制作されている。

 世界中でもよく知られているが、一つ星は「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」、二つ星は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」、そして最高ランクの三つ星は「そのために旅行する価値のある卓越した料理」との基準が定められている。

 この3つの基準はミシュランガイドとは別に、おそらく誰しもが独自に持っているものだと思う。私も近くに訪れたら行きたい中華料理店や、少々遠回りしてでも食べたいソフトクリーム屋さん、そこに行くことを目的とした鰻屋など、特別な店は幾つか存在する。

 「ミシュランガイド東京2023」の三つ星は、カンテサンス(フランス料理)、まき村(日本料理)、神楽坂石かわ(日本料理)、虎白(日本料理)、鮨よしたけ(寿司)、ロオジエ(フランス料理)、龍吟(日本料理)、麻布かどわき(日本料理)、かんだ(日本料理)、茶禅華(中国料理)、レフェルヴェソンス(フランス料理)、ジョエル・ロブション(フランス料理)――の計12軒。二つ星は39軒、一つ星は計149軒。東京は世界で最も星の掲載点数が多く、自他ともに認める「グルメシティ」だ。

 ステージに立つシェフたちの顔は誇らしく晴れやかだった。3年に及ぶコロナ禍で、非難の矢面に立ち続けた飲食店はどれほど苦労しただろうと思うと、胸が苦しくなる。コロナとの闘いは終わってはいないが、客足が遠のく街角で、日々研鑽を続けている料理人の晴れ舞台をこの目に焼き付けたかった。

 ミシュラン掲載店発表会場の日本橋から銀座通り、丸の内の東京會舘まで久しぶりに歩いた。秋の日は釣瓶落とし。東京の街は、街路樹がシャンパン色にライトアップされ、枯れ葉が舞い落ちていた。

 コロナ禍前は飲み会も多く、東京都内の各界隈で面白そうな飲食店をチェックすることもあったが、そのような機会もめっきりと減ってしまったため、知らない街に来たような錯覚が何度も起こった。3年訪れなければ、すべてが変わってしまうのだ。

(編集長・増田 剛)

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