AI動画コンテスト 壺井栄の世界観を映像化 二十四の瞳映画村

2025年11月3日(月)配信

 1987年に公開された映画「二十四の瞳」のロケ用オープンセットを改築した「二十四の瞳映画村」を運営する岬の分教場保存会(香川県・小豆島町)は、小説「二十四の瞳」作者である壺井栄の世界観などをテーマにした生成AI動画コンテストを実施し、12月31日まで作品を受け付けている。

 同コンテストは壺井栄の未発表短編集「絣の着物」が北京大学図書館で発見されたことを契機に企画したもので、作品の一部や情景を引用し、新たな解釈を加える和歌や俳諧などに用いられる伝統的な修辞技法「本歌取り」をテーマに、最新のAI技術で映像化することを目的としている。

 募集するのは、壺井栄のいずれかの作品を本歌取りした3―5分の動画。短編ドラマ(アニメ)や映像詩、ミュージックビデオなど表現形式は自由だが、画角はスマートフォンに適した縦型とする。

 審査員には、映像・広告・学術・メディア業界の第一線で活躍する専門家ら5人が名を連ねる。グランプリに賞金50万円、準グランプリ25万円、佳作10万円、審査委員賞3万円をそれぞれ授与する。

 作品応募者には自身でSNSやユーチューブへ作品の切り取り投稿を推奨し、視聴状況やコメントなども審査の参考材料になるという。

 なお、応募にあたっては11月30日までに「参加エントリー」が必要となっている。映画村のホームページに詳細を記載している。

和歌山の魅力世界へ クリエイターが県内巡る TikTok

2025年11月3日(月)配信

5つの国・地域の人気クリエイターが集結

 モバイル向けショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」の日本法人「TikTok Japan」(佐藤陽一ゼネラルマネージャー)は10月9―13日、国内外の人気クリエイターが和歌山県の観光スポットを巡りながら、体験や交流を通じて発見した魅力を発信するプロジェクト「TikTok Connect By Tourism in 和歌山」を実施した。

 同プロジェクトは、和歌山県と和歌山市が後援。日本のほか、韓国、台湾、シンガポール、ルクセンブルクから27組(30人)の人気クリエイターが参加した。

 参加者たちは期間中、和歌山城(和歌山市)や友ケ島(同)、ヤッホーポイント(日高川町)、千畳敷(白浜町)、橋杭岩(串本町)、熊野那智大社(那智勝浦町)など、県内各地の史跡や絶景スポットなどを訪問。各地で見た景色や体験、人々との交流を通じて発見した魅力を、それぞれの感性で動画にし、国内外に発信した。

 10月8日に和歌山市で開かれたレセプションには、宮﨑泉和歌山県知事や尾花正啓和歌山市長をはじめ、県内各市町長が大勢参加。宮﨑知事は「和歌山県には、世界遺産の高野山・熊野古道をはじめ、美しい自然景観や山海の幸、温泉とすべてそろっている。ぜひ堪能していただき、和歌山県の魅力をたくさん発信してほしい」とクリエイターらに呼び掛けた。

 「TikTok Japan」では、観光振興と地域経済の活性化を目的に2024年から同プロジェクトを展開しており、これまでに九州・沖縄、瀬戸内、大阪・関西万博で実施。調査会社の分析によると、九州・沖縄地域では観光消費に対する貢献額が40億円以上、影響を受けた観光客数は11万人以上に及んだという。

 同社の安永修章執行役員兼公共政策本部長は「TikTokは毎月世界で10億人が利用し、国内でも最新ニュースや観光・グルメ情報の検索など、幅広い用途で使われている。このプラットフォームの影響力を、日本各地を盛り上げるために活用していきたい」と意気込みを述べた。

【第50回旅館100選】福井県・あわら温泉 「まつや千千」

2025年11月3日(月) 配信

大浴場前の吹き抜け

千の癒しを求める旅へ、源泉と旬の美味を心ゆくまで堪能

 「関西の奥座敷」として知られる福井屈指の温泉街あわら温泉。なかでも、北陸最大級の広さを誇る源泉大浴場「千のこぼれ湯」を擁すのが旅館「まつや千千」だ。

「まつや千千」の若女将

 ゆったりと豪快に入れるよう大きく、豪華に造られた男性大浴場とひとりじめの湯やヒーリングサウナなどが揃う女性大浴場で種類豊富な湯めぐりを楽しみたい。

女性露天風呂
「福井の伝統工芸を用いたコンセプトルーム」

 2024年9月には「せんせん館」の客室に福井の伝統工芸品や県産木材を取り入れたコンセプトルーム4室が誕生。越前和紙、越前組子、越前焼などで装飾されたモダンな客室は、温かみのあるプライベート空間を演出。7階からの眺望はのどかな田園風景で四季を感じながらゆっくり寛げる。

開放的なオープンキッチンを備えた「旬ダイニング 千の幸」

 夕食は、地元の厳選された食材を使った会席料理をオープンキッチンスタイルの「旬ダイニング 千の幸」などで、地酒と共に堪能したい。

地酒3種飲みくらべ

 夕食会場では、当館おすすめの「地酒3種類の飲み比べ」で、福井の地酒を楽しめる。そのほか、厳選の13蔵の日本酒やさまざまな銘柄のワイン、焼酎、オリジナルカクテルなどが揃う。調理長自慢の料理と共に満喫したい。
●地酒3種類の飲み比べ1,100円(税込)

交通:《車》北陸自動車道 金津ICから約15分、P200台(無料)
   《電車》JR芦原温泉駅から車またはバスで約10分※送迎有(要予約)
チェックin15:00 out10:00
食事:《夕・朝食》食事処
部屋:全118室
風呂:男女別大浴場各1、男女別露天風呂各1、サウナ
泉質:ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉
料金:2万4,350円~4万4,150円

〒910-4196 福井県あわら市舟津31-24
☎0776(77)2560 FAX0776(77)3540
https://matuyasensen.co.jp/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・中

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

県内温泉の魅力発信 太地温泉でサミット開く わかやま12湯推進協議会

2025年11月2日(日)配信

パネルディスカッションのようす

 和歌山県の温泉の魅力を発信する「第5回わかやま12湯サミットin太地温泉」が10月2日、くじらの町、太地町で開かれた。第1部の会場となった国際鯨類施設には、県内各地の自治体や観光従事者など約80人が参集。太地町立くじらの博物館の稲森大樹館長による講演や、和歌山県観光局の米田拓司局長ら、観光振興に携わる人たちによるパネルディスカッションが行われた。

【塩野 俊誉】

 同サミットは、協同組合和歌山県旅行業協会や和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合などが中心となって組織する「わかやま12湯推進協議会」(会長=青木査稚子・協同組合和歌山県旅行業協会理事長)が、和歌山県の温泉の魅力を国内外に発信するべく、2021年から毎年実施するもの。

 青木会長は「今年は白浜のパンダが中国に里帰りしてしまったが、和歌山県には世界遺産の高野山や熊野古道など、魅力はほかにもある。なかでも、源泉数が関西最大の508カ所ある温泉は一番の魅力。全国的な知名度はまだ低いが、今後も認知度拡大に努めていきたい」とあいさつした。

 稲森館長は、日本で1600年ごろに成立した古式捕鯨の歴史などを紹介。イルカはなぜ人を癒やすのかという問いに、個人的な見解として「見た目がかわいい。好奇心が強く人懐っこい。コミュニケーション能力が高く意思疎通できている感覚になることが要因ではないか」と述べた。

 トラベルニュース社の奥坊一広社長をコーディネーターに、米田局長、那智勝浦観光機構の松下哲也理事長、「ツナ娘」ことヤマサ脇口水産の脇口みずほさんが参加したパネルディスカッションでは、「和歌山には梅や山椒、醤油など、日本一の生産量を誇る食材や、食文化の発祥となる産品が豊富にある。これらと温泉を組み合わせることで強力な観光資源となる」との意見が挙がる一方、「いかに物語性を持たせるか。マーケティング力が課題」といった発言が出るなど、活発な議論が繰り広げられた。

 最後は、太地温泉「花いろどりの宿 花游」の市川理沙さんが「太地温泉は日本の食文化、人を癒やす温泉地として精進することをここに宣言します」と太地温泉宣言を行い、第1部を終えた。

 「花いろどりの宿 花游」で開かれた第2部の交流会では、脇口さんによるマグロ解体ショーが披露され、参加者らは地元の味覚を堪能した。

【第50回旅館100選】富山県・あわすの温泉 「ホテル森の風 立山」

2025年11月2日(日) 配信

岩造りの野趣あふれる露天風呂

立山黒部と富山湾の恵みに溢れた、アルペンルートの玄関口

 立山黒部アルペンルートの麓に建つ、立山連峰の本格温泉ホテルである「ホテル森の風立山」。美肌の湯と称されるとろりとした肌触りが湯上がりの肌にうれしいあわすの温泉を、広々とした大浴場で心ゆくまで楽しめる湯宿だ。

「ホテル森の風立山」全景

 館内は、目の前に広がる立山の大自然を眺めることができる宿泊者専用ラウンジがあり、ウェルカムドリンクをいただける。客室は専用門と黒板塀に囲まれ、和庭園のなかにたたずむ温泉付立山別邸「四季彩」や、愛犬と一緒に泊まれる客室などバリエーション豊か。

客室一例
創作和食一例

 食事は、天然の生け簀といわれる富山湾で採れた新鮮な海の幸や、北アルプス立山連峰が育んだ山の幸を、創作和食、創作会席で楽しみたい。見た目も味も鮮やかな料理長自慢の富山の恵みを、目と舌で存分に満喫できる。

正面玄関

地元の魅力を伝える「ジ・モットコンシェルジュ」

 「ホテル森の風立山」にはホテル周辺の隠れた名店や観光地、SNS映えするスポットなどを紹介する「ジ・モット(地元・もっと)コンシェルジュ」といわれるスタッフがいる。彼らが調査したおすすめ情報はホテルロビーの掲示板やホテル公式SNSで情報発信されているので、チェックして出かけてみよう。

交通:《車》北陸自動車道 立山ICから県道6号線で立山方面へ25km、P100台(無料)
   《電車》富山地方鉄道立山線 立山駅から車で7分※送迎有(要予約)
チェックin15:00 out11:00
食事:《夕・朝食》レストラン、広間
部屋:全70室
風呂:男女別大浴場、男女別露天風呂、貸切風呂、サウナ
泉質:アルカリ性単純硫黄泉
料金:1万8,700円~7万5,900円(消費税・サービス料込、入湯税150円別)

〒930-1454 富山県富山市原3-6
☎076(481)1126 FAX076(481)1255
https://www.morinokaze-tateyama.com/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:フロントにてポケトーク通訳

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

【特集 No.673】新旅館は「加賀屋」を継承 3館に集約しリブランディング

2025年11月1日(土)配信

 加賀屋(渡辺崇嗣社長、石川県七尾市)は今年8月、加賀屋グループの新たな復興計画を発表した。加賀屋4棟と松乃碧を解体し、「加賀屋」を継承する新旅館は2027年度末の開業を目指している。場所は松乃碧と、その隣接する遊休地へと変更する。グループ旅館の「虹と海」は26年度下期、「あえの風」は27年度上期の営業再開を予定。和倉温泉の旅館を3館に集約し、リブランディングを行う。渡辺社長は新加賀屋の開業に向け、「“加賀屋の流儀”を再び表現していきたい」と語る。

【本紙編集長・増田 剛】

「加賀屋の流儀、再び」

 ――今年8月に加賀屋グループの新たな復興計画を発表されました。

 昨年12月の復興案では、加賀屋の雪月花、渚亭、客殿、本陣の4棟は、旅館としての使用を断念し、新旅館を既存の加賀屋から西に約550㍍離れた海岸沿いの所有地に建てると発表しました。

 その後、今年8月に発表した復興計画では、「加賀屋4棟については解体し、新たに建設する旅館の場所を変更する」ところまで進展がありました。

 新旅館の名称は「加賀屋」を予定しており、従来の加賀屋を継承するものとなります。場所については松乃碧を解体し、隣接する遊休地と合わせて新設する計画です。

 設計は、隈研吾建築都市設計事務所で変更はありません。開業は2027年度末を目指しています。

 ――場所を変更した大きな理由は。

 従来の加賀屋は、館内に歌劇団のショーや、2次会利用の飲食店、お土産処の「錦小路」など、館内に賑わいの空間がありました。

 一方、新加賀屋は、静穏でラグジュアリーな客室が中心となるため、お客様には「滞在中に温泉街を散策し、回遊していただきたい」と考えています。

 それであるならば、和倉温泉の中心街にあった方がお客様にとっても、温泉街の賑わいづくりにとっても良いのではないかとの想いから判断しました。

 ――和倉温泉の風景として長く親しまれてきた加賀屋4棟を解体したあとの活用について。

 現在、まちづくり推進協議会が中心となって、これからの和倉温泉の創造的復興プランについて議論しながら進めています。温泉街の賑わいあるまちづくりにお役に立てることがあれば、有効活用していきたいと考えています。

 現段階では、すぐに旅館を建てることは考えていませんが、中長期的に見ると「加賀屋創業の地」であり、スタッフにとっても大変思い入れのある場所でもあります。いずれ、あの場所に旅館として戻ってくる日があればと思っています。

 ――加賀屋グループ旅館の営業再開スケジュールを教えてください。

 和倉温泉ではこれまで「加賀屋」「松乃碧」「あえの風」「虹と海」という4ブランドで展開していましたが、松乃碧は一度姿を消し、3ブランドに集約します。

 併せて、加賀屋グループ全体のリブランディングを行います。各館の個性や特徴をより明確にしていき、時代のニーズにマッチした「加賀屋グループならではのおもてなし」を提供していきます。

 最初に営業再開を目指しているのは、「虹と海」(約40室)です。旧館の

〈旅行新聞11月1日号コラム〉――社員旅行の一風景 今の時世を象徴するような温泉宿の宴

2025年11月1日(土) 配信

 秋も深まり、冬の気配も漂い始めた10月下旬、ふと1人旅がしたくなり、かねてより一度訪れてみたいと思っていた、富山県の越中八尾を目的地と定め、早朝に単車のエンジンに火を入れた。

 まずは神奈川から中央自動車道、長野自動車道で松本市を目指した。中央自動車道の下りは上り坂が続く。この日は風も強く、途中から霧雨に変わった。

 山梨から長野にかけては、大きく成長したススキが左右に揺れ、所々で金木犀も香った。標高が高まるにつれ、気温は低下し、「もう一枚、重ね着して来ればよかった」と後悔した。

 松本市から上高地、そして高山市方面へ安房峠を越えて行った。単車にナビゲーションシステムを装備していないため、安房峠の旧道に迷い込んだ。すれ違う車も皆無に近く、多数の猿が道路の真ん中に座っていた。横をゆっくりと通り過ぎる時も逃げなかった。スマートフォンは圏外になりがちで、振出しに戻るという失敗もあった。

 熊による被害が連日報道されるなか、1人の女性が旧道を歩いているのを見掛けた。「この道を1人で歩く勇気はないな」と思いながら、枯れ葉に覆われた細い道をすれ違った。

 高山市を抜け、岩や石が目立つ神通川沿いの山間の道を走り、越中八尾に到着したのは、日没後だった。

 誰もいない古い街並みに、オレンジ色の街燈が等間隔に灯されていた。幻想的な「おわら風の盆」は9月に行われていたが、その趣を想像しながら、静かなまちの空気を吸い込んだ。

 宿は射水市に予約していた。とても空腹を感じたので、目についた焼き肉店で「一人焼肉」を楽しみ、温泉に入った。

 翌朝は、宿の朝食会場で特性カレーライスとクロワッサン、イチゴジャム、コンソメスープ、千切りキャベツのサラダと、熱いコーヒーを求めた。朝食会場のテレビは、高市政権の外交が本格始動したようすを高揚感とともに伝えていた。そして日本海に近い場所から、再び来た道を復路として辿って帰った。

 さまざまな旅のスタイルがあるが、単車の1人旅は、その「気まま」さが良い。一方で、夏から秋にかけて、1人旅の対極にある団体旅行の一行と遭遇したのが印象的だった。

 1つは、新千歳空港行きの成田空港ロビーで、20人ほどの社員旅行が出発する前に、社長が張り切ってあいさつをしていた。早朝6時台だったが、聞いているベテランぞろいの従業員は全員、缶ビールを片手に赤い顔をしている人もいた。“昭和っぽさ”が懐かしく感じた。

 もう一つは、鹿児島県・指宿温泉の大型旅館の宴会場で食事をしていると、15人ほどの団体客が浴衣姿で入ってきて、若い社長の乾杯の音頭とともに、宴が始まった。

 社長は30代半ばで、アルコールが苦手らしい。ソフトドリンクコーナーでコーラを何度もおかわりして、一生懸命に社員に話し掛けながら座を盛り上げようとしていた。従業員は50~70代が中心で、生ビールや芋焼酎のお湯割りなどを飲んでいた。

 今の時世を象徴しているように、中小企業の従業員は総じて高齢化が進んでいた。宴会場で若い社長が、親の世代に近い従業員の慰労と親睦を兼ねて、奮発して大衆的な温泉旅館に連れて来た姿が何とも味わい深く、芋焼酎を片手に目が離せなかった。

(編集長・増田 剛)

「あなたが好きな露天風呂のある宿2025」結びの宿 愛隣館(岩手県・新鉛温泉)

2025年11月1日(土) 配信

 旅行新聞新社ではホームページ上で「あなたが好きな露天風呂のある宿」のアンケート調査を実施しました。人気を集めた宿のなかからおすすめの施設を紹介します。

▢結びの宿 愛隣館

3つの大浴場に17の多彩な湯船 気分にまかせて温泉三昧

川の湯「岩露天風呂」

 3つの豊富な源泉を17の湯船で楽しめる温泉好きにはたまらない宿、「結びの宿 愛隣館」。花巻温泉郷でも珍しい飲用できる温泉は、効能も抜群でリピーターも多い。立地は豊沢川と緑豊かな自然に囲まれた抜群のロケーションで、森林浴と併せて湯浴みを堪能することができる。

山の湯「立湯露天風呂 満天の湯・星」

 温泉は、広々とした内湯が評判の「山の湯」のほか、ゆったりと豊沢川の流れを眺めながら湯浴みを楽しめる「川の湯」、ヒーリング効果抜群の「シルクバス」が人気の「森の湯」と、3カ所の大浴場で楽しめる。このほかにも、源泉掛け流しの「陶器風呂」、名物の立ったまま入浴する「立湯露天風呂」など、滞在中は17の湯船をすべて心ゆくまで満喫することができる。

「花かんむり」温泉露天風呂付客室

 お部屋は、旅行のスタイルや予算、目的に応じて選べるように、山々や豊沢川の景色を楽しめるお部屋や露天風呂付のお部屋、ベッドルーム、ワーケーションなど多彩なタイプからチョイスできる。

お食事処「里山ダイニング」

 プランにより選べる旬の食材を生かした夕食は、水入らずを満喫できる「お部屋食」のほか、2023年3月にオープンした新お食事処「里山ダイニング」において「里山の祝祭」をコンセプトにした先付料理とバイキング(ビュッフェ)形式のメニューに加え、ライブキッチンでは、出来立ての料理を楽しめる。  また、朝食ビュッフェでは花巻の食材にこだわったメニューや「はなまき朝ごはんプロジェクト」による地元の野菜料理も好評だ。

 

【宿データ】 大浴場:「川の湯」「山の湯」「森の湯」、貸切風呂
泉質:ナトリウムー硫酸塩泉、ナトリウム・カルシウムー硫酸塩泉
客室数:全100室
住所:〒025-0252 岩手県花巻市鉛字西鉛23
TEL:0198(25)2619 ※予約センター受付時間9:00~17:30

【第50回旅館100選】石川県・山代温泉 「たちばな四季亭」

2025年11月1日(土) 配信

「露天風呂付和Jr.スイート」

明治元年より変わらぬおもてなし、桐づくしの老舗料亭旅館

 名湯・山代温泉の中心に建つ「たちばな四季亭」は、明治元年創業の老舗宿。「ひらがなのおもてなし」を基本とし、ひらがなのようにやさしく、やわらかい心配りでもてなしてくれる。すべての床に本物の桐を使用した館内は、桐の香りとあたたかさを存分に楽しめる。

「展望露天風呂付プレミアム客室 弁柄」
「個室食事処 洗心館」
リニューアルした男性用大浴場「右近の湯」

 山代温泉最古の1号源泉から引かれた源泉100%のお風呂は、夜通し入浴可。開放的な庭園露天風呂で、満天の星空とともに贅沢な湯浴みを堪能したい。

「ひのき展望露天風呂付Jr.スイート」
男性用庭園露天風呂

 2023年3月には、「露天風呂付和Jr.スイート」と「ひのき展望露天風呂付Jr.スイート」が誕生。大開口窓からはパノラマの絶景が望め、広々とした和室にベッドやソファを配置。山代温泉の1号源泉を引き入れた露天風呂で、滞在中いつでも温泉を満喫できる。2階には「個室食事処 洗心館」もリニューアルオープンした。

「たちばな四季亭」玄関
月替りの献立での季節感あふれる四季亭懐石イメージ

「あいうえお」の郷

 誰もが知っている「あいうえお」の五十音はかつて、「いろはにほへと」の順番だった。これを今の五十音にしたのが、山代温泉にある薬王院の初代住職・明覚上人だといわれている。そんな900年前に実在した明覚上人が編集した半音作法のオブジェが、2021年3月に「たちばな四季亭」の目の前に完成。「あいうえお」の郷、山代温泉でひらがなの美しさに触れたい。

 

交通:《車》北陸自動車道 加賀ICから15分または片山津ICから15分、P60台(無料)
   《電車》JR北陸本線 加賀温泉駅からタクシーで10分※送迎有(要予約)
チェックin15:00 out12:00
食事:《夕・朝食》部屋食(すべて手作りのオリジナル四季亭創作懐石料理)または「個室食事処 洗心館」
部屋:全20室
風呂:男性大浴場「右近の湯」、男性庭園露天風呂、
   女性大浴場「左近の湯」、女性庭園露天風呂
泉質:ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉
料金:2万8,000円〜5万9,000円

〒922-0256 石川県加賀市山代温泉万松園通16
☎0761(77)0001 FAX0761(76)0001
https://www.shikitei.com/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・韓・中・台・他

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

渋谷未来デザインとJATA、若者を海外へ後押し「Go Global Project」発足

2025年10月31日(金)配信

(左から3番目)渋谷未来デザインの長田新子理事兼事務局長、JATAの松岡正晴海外旅行推進部長、観光庁の根来恭子参事官(旅行振興)

 渋谷未来デザイン(小泉秀樹代表理事、東京都渋谷区)は10月29日(水)、若者の海外体験を後押しする共創型プロジェクト「Go Global Project」の発足を発表した。日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)が推進するプロジェクト「もっと! 海外へ」と連携し、賛同企業・団体と渋谷を起点に、若者の世界への挑戦を後押しする新たな仕組みづくりを進める。

 「Go Global Project」は、海外旅行や留学、インターン、起業、ボランティア、文化、芸術、スポーツなど、さまざまな入口から「海外に挑戦する」体験の後押しをはかる。事務局は、渋谷エリアで社会的課題の解決を目指す産官学連携組織である渋谷未来デザイン。産官学による新しいアウトバウンド(海外旅行)の支援モデルを創出し、渡航支援のほか、挑戦をきっかけに若者の成長と社会全体の意識変容を生み出すことを目指す。

 渋谷未来デザインの長田新子理事兼事務局長は「コロナ禍や円安などを背景に、若者の海外志向が低下し、日本のパスポート保有率は17%と極めて低く、グローバル人材が不足している」と現状を指摘。異文化交流や海外体験を促進し、海外での経験を通じて日本企業をリードする「次世代のグローバル人材を育成していきたい」と語った。

 第一歩として、大学との連携により、パスポート取得支援のほか、学生との対話や海外体験のシェアを通じて、海外旅行の機運を醸成する施策につなげていく。施策は若者の未来を見据え、海外支社でのインターン体験、人材の発掘、次世代を担うアスリート支援、企業・社会の意識改革など、海外経験自体が次の成長につながるように設計する考えだ。

 渋谷発の強い発信力を持つ渋谷未来デザインと旅行業界の幅広いネットワークを持つJATAの強みを融合させ、旅行に限らないアウトバウンドにおける分野横断的な選択肢の構築に取り組む。

 連携パートナーであるJATAの松岡正晴海外旅行推進部長は、海外旅行を促進する「もっと! 海外へ」プロジェクトや新パスポート取得キャンペーンなどを紹介。今回のプロジェクトを通じて、「将来を担う若者たちにいち早く海外を体験してもらい、国際社会への理解と経験を深めてほしい」とあいさつした。

 観光庁の根来恭子参事官(旅行振興)は、現在改定に向けて進められている「第5次観光立国推進基本計画」の議論のなかでも、アウトバウンド回復に向けた意見が多く挙がっていると説明。航空路線の維持には、インバウンドとアウトバウンドの双方向で利用が大切とし、「国際理解や双方向交流につながる若者のアウトバウンド拡大は重要な取り組み」と話した。

 賛同企業・団体を代表して、プロジェクト発起人であるKDDI事業創造本部シニアエキスパート兼マーケティングリードの三浦伊知郎氏と、関西エアポートマーケティング部部長の岡部ジェム氏のほか、実践女子大学学長室兼国際推進部部長の内田雄介氏がそれぞれ若者の海外体験を応援するコメントを述べた。

 最後に、渋谷観光協会の小池ひろよ理事兼事務局長を加えたトークセッションが行われ、社会全体で若者の海外挑戦を支える仕組みづくりについて、異なる立場や視点からそれぞれの課題感や今後の連携について意見が交わされた。

 賛同企業・団体は、KDDI、JTB、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、Lime、三井不動産、VML&Ogilvy Japan、ADKマーケティング・ソリューションズ、テー・オー・ダブリュー、オドリバ、スポーツビズ、STYLY、Plus W、zero、関西エアポート、福岡国際空港、実践女子大学の16者(10月29日現在)。