日本の宿古窯、さくらんぼ農業体験付の宿泊プランを企画 「猫の手マッチング」で地域課題に貢献

2025年5月7日(水) 配信

さくらんぼ農園で農業体験

 旅館古窯(佐藤太一代表取締役専務、山形県上山市)が運営する、かみのやま温泉の日本の宿古窯は5月10日(土)から、さくらんぼ農園の手伝いをする宿泊プラン「猫の手マッチング旅プラン」を売り出す。フルーツ王国・山形の農園が抱える人手不足の課題に対し、地域でのユニークな体験を求める旅行者をマッチング。農業体験と地域貢献を同時に実現する新しい旅のカタチを提案する。

 山形県はさくらんぼやぶどう、ラ・フランスなど全国に誇るフルーツの一大産地だが、農業従事者の高齢化や後継者不足で、とくにさくらんぼのような収穫時期が短く、繊細な作業が求められる作物は慢性的な人手不足が深刻だという。

 他方、近年は旅行者のニーズが多様化し、地域ならではの体験やつながりを求める傾向が強まっている。そこで、同宿は地域が抱える課題に対し、「山形独自の体験をしたい」という旅行者と「猫の手も借りたい」という農園をマッチングすることで解決できるのではないかと考え、今回のプランを企画した。「双方にとってメリットのある、地域貢献型の新しい旅のカタチを提案する」(同宿)。

 同プラン利用者は、日本の宿古窯に宿泊し、提携農園で約2時間、さくらんぼ収穫や箱詰めなどの農作業に協力する。体験後には、農園で採れたフルーツを使ったパフェのプレゼントもある。同宿は「地域体験に興味がある」「農業体験をしてみたい」「思い出に残るユニークな旅がしたい」という旅行者にピッタリのプランとアピールしている。

 期間は5月10日(土)~7月6日(日)宿泊まで。1日5組限定、大人のみ。

 今後はほかのフルーツの収穫時期にも同様のプランを展開していく予定で、年間を通じて山形の農業を応援し、地域と旅行者をつなぐ取り組みを継続していくという。

「デジタルノマド誘客促進事業」5月30日まで公募(観光庁)

2025年5月7日(水) 配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は4月30日(水)、「質の高い消費と投資を呼び込むためのデジタルノマド誘客促進事業」の公募を始めた。国際的なリモートワーカー(デジタルノマド)の継続的な誘致に向けて、受入環境整備や滞在プログラムの造成などの取り組みを支援する 。

 同事業は、デジタルノマドの継続的な誘致・受入に向けて、地域の特性およびデジタルノマドのニーズに合わせた受入環境整備をはかることを目的としている。受入体制の構築・滞在プログラムの造成などに必要な経費の一部を国が補助する。

 補助対象となる経費は、受入環境整備の実施に向けた戦略の策定、デジタルノマドのニーズに合わせた施設改修・整備や設備導入・物品購入、デジタルノマドの受け入れに必要な滞在プログラム造成・効果検証、デジタルノマドが必要とする受入環境に関する情報発信などに係る費用とする。

 対象事業は地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者など。補助率は2分の1以内で、上限は1事業当たり500万円。

 公募期間は4月30日(水)~5月30日(金)の午後5時まで。

富士本栖湖リゾートで「富士芝桜まつり」開催 5月25日(日)まで 広がる芝桜と富士山の雄姿に感動

2025年5月7日(水) 配信

名峰富士山をバックに芝桜が咲きそろう

 山梨県・富士河口湖町の「富士本栖湖リゾート」で、2025年5月25日(日)まで「富士芝桜まつり」が開幕されている。3・8メートルの高さの展望広場からは、正面に富士山の雄姿とその手前に一面濃いピンクの芝桜が広がり、そのスケールの大きさに感動する。

「スカーレットフレーム」や「オータムローズ」など、濃いピンク色の芝桜が咲きそろい、その雄大な景色が人気を呼んでいる。 今シーズンは、芝桜の中に「Mt.FUJIオブジェ」や富士山をバックにハート型の大きなオブジェの中に座って記念撮影ができる「恋するハートのベンチ」の2つのフォトスポットが新たに誕生。会場2カ所に芝桜とピーターラビットのキャラクターたちのかわいい写真が撮れる「ARフォト」も登場した。園内の西側には昨年、「ドッグラン」もでき、平日はここで愛犬と一緒に過ごすことができる。

 「イングリッシュガーデン」ではイギリス人のガーデンデザイナーのマーク・チャップマン氏が手掛けた約300種類の草花が咲きそろい、「ピーターラビット™ストーリートレイル」ではピ-ターラビットの絵本に登場するフレーズやシーンが再現され、芝桜と一緒に写真を撮ることができ、芝桜と富士山が堪能できる。

 □河口湖遊覧船「天晴」も人気

河口湖を遊覧する「天晴」

 河口湖では、2020(令和2)年から運航を始めた遊覧船「天晴(アッパレ)」が人気を呼んでいる。船は戦国時代の甲斐武田軍に属していた水軍の「安宅船(あたけぶね)」をモチーフにつくられた純和風の船で、武田氏の家紋「武田菱」を大きくあしらった「御幕(おろしまく)」がはためき、船の横側は武田軍の代名詞でもある赤色の「赤備え(あかぞなえ)」で彩られている。

 船は河口湖の船津から出航し、河口湖大橋の下をくぐったあと、湖の中央付近まで行き、富士山の雄大な景色を眺め、1周20分で再び船津に戻ってくる。午前9時から午後4時30分まで、30分間隔で運航され、約180人が乗船できる。

旅行ライター&エティター 三堀 裕雄

川越に北海道のミルクドドレイクが進出 5月24日にオープン

2025年5月7日(水) 配信

店舗限定「ミックスベリー」

 MILK DO dore iku(磯田洋平社長、北海道札幌市)は5月24日(土)、埼玉県川越市に「北海道生仕立てドーナッツ専門店 MILK DO dore iku?(ミルクドドレイク)川越店」をオープンする。ランド・クリエイト(工藤勝巳社長、埼玉県川越市)とフランチャイズ契約を結び、食のコンサルタント集団「hanninmae」にプロデュースを委託する。ミルクドドレイクとしては全国で30店舗目となる。

 同ブランドは北海道・美深町をはじめ、道内各地の牧場の生乳を使用し、北海道の第1次産業の発展と6次産業化に貢献することを目指しているという。道内企業同士のアライアンスを組み、生産から加工、販売まで一貫し、より安くより早く、鮮度が高い商品の提供を実現する。

 生ドーナッツの生地は十勝の小麦粉をメインに、卵とバターをふんだんに使用。高温で一気に揚げることで、外はカリっと、中はとろけるような柔らかい食感になるという。味は自家製カスタードやチョコ、ミックスシュガーなど約10種類。川越店では、限定商品「ミックスベリー」を販売する。生クリームにクランベリーといちご、カシス、ラズベリーを使用した果実ソースをブレンドした一品。

 川越店の所在地は川越市仲町2₋10。営業時間は午前11時~午後7時まで。税込の価格帯は290~460円。

東武トップツアーズ、早朝の尾瀬へ「尾瀬夜行23:45」発売

2025年5月7日(水) 配信 

尾瀬イメージ

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は5月7日(水)、東武鉄道の臨時夜行列車を利用したツアー「東武の尾瀬 尾瀬夜行23:45」を売り出した。同社の旅行商品限定の臨時夜行列車を利用でき、週末の早朝から尾瀬のハイキングを楽しめる。

 同プランは、東武鉄道浅草駅を午後11時45分に出発し、会津高原尾瀬口駅まで向かう臨時夜行列車を利用した旅行商品。会津高原尾瀬口駅からはバスに乗り換え、駒ケ岳登山口や尾瀬御池、尾瀬沼山峠へ向かう。

 復路は東武鉄道、上越新幹線、高速バスの3つから選べる往復プランのほか、片道プランも用意する。一部の土曜日は、往路を2座席利用にするプランも設定。車内ではWi-Fiを使用でき、各座席にコンセントも設置している。

 運行日は6月6日(金)~10月17日(金)までの金・土曜日(6月7日、14日、21日と8月の土曜日発を除く)、9月14日(日)。料金は片道プランで大人6800円から、往復プランが大人1万1800円から。

HIS、5月9日からサマーセール 円安でもお得な価格で用意

2025年5月7日(水) 配信

セールのイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は5月9日(金)~6月19日(木)まで、「SUPER SUMMER SALE! 2025」を開催する。世界的な物価高騰や不安定な為替相場が続くなか、お得な価格の商品や割引施策を用意し、夏の旅行需要を喚起する。

 同セールでは、夏の航空座席やホテルに空きがある今こそ提供できるお得な価格で提供。羽田空港発着で台湾・台北に4日間滞在する商品は、2~3人1室利用で1人2万9800円(燃油サーチャージ不要)。関西空港から5日間フランス・パリに滞在するツアーは、2~3人1室利用で1人6万9800円(燃油サーチャージ込)。関西空港から沖縄に訪れ3日間過ごす商品は4人1室利用時、1万5800円。

 また、 5月9日(金)~10月31日(金)に利用を開始する海外旅行を予約した人を対象にHIS Wi-Fiのレンタル料を50%割り引く。さらに、国内旅行で使用できる最大20%オフのクーポンを3億円分用意する。 

定山渓鹿の湯・花もみじで「願掛けてるてる坊主」 5月12日から開催

2025年5月7日(水) 配信

色とりどりのてるてる坊主が館内に飾られる

 北海道札幌市・定山渓温泉の宿「定山渓 鹿の湯・花もみじ」は5月12日~6月30日まで、願いを込めたてるてる坊主を飾り付けるイベント「願掛けてるてる坊主」を開く。宿泊者など利用者が自由にてるてる坊主を作ることができる。

 てるてる坊主を作る用紙は白と赤、青、黄、紫の5色を用意。好みの色や願いに合わせた色など好きな色を選び、また願いの数に応じて何枚でも自由に使うことができる。顔を先に入れてもよく、自分だけのてるてる坊主作りが楽しめる。

 願いが描かれたてるてる坊主は館内の特設会場へ吊るしたあとは定期的に回収し、イベント終了後に神社へ奉納するという。

 同宿は「日本の文化を継承し、国籍や世代を問わず皆がたのしみ、そして次の時代へ想いを紡ぐ。私たちは定山渓の老舗宿として、これからもサステナブルな活動に努めていく」とイベントへの想いを語る。

9月30日までGOGO!GUAMキャンペーン延長 グアム政府観光局

2025年5月7日(水) 配信

pecoさんがキャンペーン大使

 グアム政府観光局はこのほど、「GOGO!GUAM Hafa Adaiキャンペーン2025」のパート2を開始した。1月から開始した同CPが好評のため、9月30日(火)まで利用期間を拡大する。

 タレントのpecoさんがキャンペーン大使を務める同CPは、2つのプログラムを用意。1つ目は対象の旅行会社や航空会社を通じて配布中の「GOGO!GUAM PAY」で、現地の60店舗以上で使える30ドル分の電子クーポンとなっている。先着順で、夏休み期間(7月19日~8月31日)は対象外。

 2つ目は、グアム現地の対象店舗でQRコードをスキャンするとその場で割引や特典が受けられる「GOGO!GUAM BONUS」。新たにグアム国際空港の免税店やレンタカー会社なども対象店舗に加わり、拡大して展開する。利用可能店舗は50店舗以上。

JAL国際線の上位席機内で数量限定販売 笹の川酒造のジャパニーズウイスキー

2025年5月7日(水) 配信

 

 日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)は5月1日(木)から、国際線機内販売で笹の川酒造(山口哲蔵社長、福島県郡山市)の「シングルモルト安積 ナパヴァレー カベルネ ソーヴィニヨンカスク リザーヴ」を数量限定で売り出した。ファーストクラス、ビジネスクラス利用者が対象で、「事前オーダーサービス」から予約を受け付ける。

 同社は各地に点在する、クラフト蒸溜所でつくられる「ジャパニーズクラフトウイスキー」を販売し、その体験をきっかけに日本の各地に足を運んでもらうことを目指している。今回はその取り組みの第8弾。

 福島の老舗酒造・笹の川酒造が2016年に蒸留を開始した蒸留所「安積蒸留所」では、大きな寒暖差で熟成が早く、豊かな風味のウイスキーがつくられているという。2022年にはワールド・ウイスキー・アワードで世界最高賞を受賞するなど、数々の賞を受賞している。

 今回の「シングルモルト安積 ナパヴァレー カベルネ ソーヴィニヨンカスク リザーヴ」は3年間熟成したシングルモルトをカベルネソーヴィニヨンのワイン樽で1年追熟したJAL限定ボトル。上品なフルーティーさが織り重なった至極の一品とアピールしている。

 販売価格は2万6000円。1回の搭乗につき、1人1本までの販売。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(244)」 世界遺産で再びシルク生産を(群馬県富岡市)

2025年5月6日(火) 配信  

フランス人技師ブリュナの首長館

 観光庁の「地域・日本の新たなレガシー形成事業」の一環として、2022(令和4)年度から富岡製糸場の活用計画に取り組んできた。その3年目にあたる24年度の最終会議に参加した。

 レガシー形成事業は「地域において最も輝いていた時代の建築物や文化を面的に再現し活用していく」取り組みを支援する事業である。いわゆる観光地での新たな旅行商品造成の支援などが多い観光庁としては、ある意味異例の事業でもある。

 富岡製糸場は、2014年6月に「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録された。300釜のフランス式繰糸器が並ぶ繰糸場をはじめ、長さ104メートル、高さ12メートルの東置繭所と西置繭所、動力場の蒸気窯所、フランス人技師ポール・ブリュナが滞在した首長館(ブリュナ館)、鉄製の貯水槽(鉄水器)など、1872(明治5)年創業以来の姿を今に伝える貴重な文化遺産が現存する。

 世界遺産登録は大きな話題となり、年間来訪者は一気に134万人まで急増した。しかし、製糸所内部の見学は、動かない機械類、飲食や土産などの制約、単調なギャラリーなど「一度見たらもう十分」といった魅力に欠ける点が指摘されてきた。案の定、登録2年後あたりから客足が衰えコロナの影響もあり、2020年ごろには登録前の20万人程度まで激減した。近年は30万人前後まで回復したものの、国宝・重要文化財・世界遺産の建物は、このままでは地元県・市に膨大な赤字をもたらし、大きなお荷物になってしまう。

富岡製糸場の心臓部・操糸場跡

 そこで今回の事業では、改めて富岡製糸場の世界史的意義を踏まえ、「世界遺産ミュージアム」として再生させる計画を提案した。その骨格の一つが、かつて富岡のシルク生産を指導したブリュナが滞在した首長館をフレンチレストランとして再生する計画や、工女さんたちの3棟の寄宿舎(実際には片倉製糸時代の宿舎)を、共用キッチン・コワーキングスペースなどを含む宿泊施設として再生する計画などである。

 とくにシンボルとなるのは生糸生産と動態展示である。もともと世界遺産登録前の2012年に策定した「旧富岡製糸場整備活用計画」には、繰糸機の再生による生糸生産の再現を含む動態展示が示されていた。しかし地下遺構や排水の問題、ボイラーの導入などの技術課題が大きく、なかなか計画には踏み切れないでいた。まだ詳細にはふれられないが、製糸に関わる全国の専門家の知見などを総合し、今でもシルク生産を続ける碓井製糸などの協力を得て、実現可能なプランを示せた。「生きた絹産業遺産」としての富岡製糸場では、このシルク生産の再生は不可欠の事業である。

 文化財・世界遺産であるがゆえに活用が難しいというのは本末転倒である。重要な文化資源とその精神を守るためにも、新たな世界遺産ミュージアムとしての抜本的な活用が急務であると考える。

(観光未来プランナー 丁野 朗)