「街のデッサン(215)」都市バルセロナが持つ未来性 観光関係者のモデル都市

2019年3月2日(土) 配信

美の都市づくりが観光客を美しくする

地中海クルーズで、今回MSCメラビリアに乗るコースを選んだのは、船に乗るゲートがバルセロナからであったからだ。これまでにこの都市を訪れたのは4回、最初はリゾートホテル開発の先駆者・新田恭一郎氏の誘いでヨーロッパの温泉リゾートを1カ月近くかけて廻ったときだった。その後、万博やオリンピックが開催される前の海岸部を中心にした大きな都市開発の計画を視察に訪れて、バルセロナの輻輳する文化の地下水脈の魅力に早くも感染していた。

 近年、もう一つの魅かれる理由がある。それは、「バルセロナ派」といってもよい一群の新感覚的都市小説が生み出されていることにある。例えば、カルロス・ルイス・サフォンの書いたバルセロナを舞台にした「風の影」という小説は2001年に上梓されたが、日本で翻訳されて出回った06年にはすでに世界の37カ国で出版され、販売総数は500万部に達していたという。本の主人公は古本屋の親子で、その子供のダニエルが語り手となる。時代はスペイン内戦を結節点にした前後の35年間程。10歳のダニエルが父親に初めて連れられていった「忘れられた本の墓場」で手に入れた1冊の書物が物語の起点になる。歴史書であり、ミステリー、恋愛冒険小説ともいえるが、訳者によれば「読ませる小説のすべてが内包されている」書物であるといえる。すでに「サフォンマニア」が世界中にいるが、私もその1人だ。

 これ以外にも、バルセロナの中世を舞台にしたイルデフォンソ・ファルコネスの「海のカテドラル」や現代もののエステバン・マルティンらの「ガウディの鍵」などもバルセロナ派の小説といえるであろう。これらの書籍を手にしたら、誰もがこの都市を訪れたくなるに違いない。小説の中の都市だけでなく、現実の都市づくりにおいてもバルセロナは先駆的な手法でまちづくりを進めている。

 空洞化した都市の中心部を、俯瞰的ではなくその局所から、すなわち都市の局部的病巣を逆手にとって、「界隈」と「多孔質化」と「エッジ(縁)」を鍵概念として再生していく手法を取る。そして、近年観光政策における最も重大な課題である「オーバーツーリズム」にも、具体的な施策を行政と民間が手をつないで対応していこうとしている。すなわち、都市ホテルやアパートホテルの新規の建設のコントロールや観光税の多面的な課金、逆に美しい環境の創出により観光客の高次化、選別化という新手法である。豪華客船に乗る前に、私はこれらを体感し、この街から学びたかったのである。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

ダイナミックJTB1周年 記念キャンペーンを実施

2019年3月1日(金)配信 

ダイナミックJTBは1周年を迎えた

JTB(髙橋広行社長)は4月17日(水)まで、「ダイナミックJTB」誕生から1周年を記念して「1周年記念感謝祭」を全国のJTB店舗およびJTBのホームページで実施する。海外旅行と国内旅行で得する商品を売り出す。

 第1弾の海外旅行を3月31日(木)まで、第2弾の国内旅行を4月17日(水)まで開催。海外はヌメア(ニューカレドニア)4日間やハワイ(アメリカ)5日間などを用意している。ダイナミックJTBサイトで順次、商品を更新する。

 ダイナミックJTBは鉄道やフライトと宿泊を自由に選択できるパッケージ商品。自由型旅行志向の強まりを背景に、自由な素材組み合わせと募集型企画旅行の強みを取り入れた。問い合わせ時の最新価格で販売し、価格訴求のプランから高付加価値プランまで、あらゆるニーズに対応している。

キャンペーン概要と商品一例

第1弾:海外旅行 2月28日(木)~3月31日(木)
第2弾:国内旅行 3月18日(月)~4月17日(水)

海外
「ダイナミックJTB海外」では、例えば価格重視のLCCや、2019年5月就航で話題のエアバスA380型機のファーストクラス席など、幅広い選択肢を取りそろえている。また、出発の330日前から販売を開始している為、混みあうシーズンも早めに旅行の計画をたてることが可能。

商品名:香港ディズニーランド・リゾート・パーク2デーチケット付「香港3日間」
出発日:5月7日(火)~8日(水)、5月13日(月)~15日(水)、5月19日(日)~22日(火) 
宿泊ホテル:ディズニー・エクスプローラーズ・ロッジ(2人1室利用)
利用航空会社:キャセイパシフィック航空(往路501便/復路500便) 
旅行代金:6万9200円(成田発)
利用航空会社:キャセイパシフィック航空(往路503便/復路502便) 
旅行代金:8万8300円(関空発)

商品名:ANA エアバスA380ファーストクラス・カハラホテル利用「ホノルル6日間」
出発日:8月18日(日)
宿泊ホテル:ザ カハラホテル & リゾート(オーシャンビュー/2人1室利用)
利用航空会社:成田発 ANA(A380)ファーストクラス 
旅行代金:75万8800円
※「ダイナミックJTB海外」は航空会社やホテルを自由に組み合わせることができ、空席・空室によって代金が変動するため、上記は参考価格となる。いずれの航空会社利用の場合も、燃油サーチャージが旅行代金に含まれている。別途、空港税等(国内空港施設使用料等、国際観光旅客税および海外空港諸税)が必要。

国内
「ダイナミックJTB国内」では、航空機+宿泊またはJR+宿泊の旬なプランを旬な価格で用意している。その季節ならではの特色を生かした「旬」の味覚や楽しみ方などパンフレットにはない観光旅行向けプランの他、ビジネスや遠方のコンサートやイベントなどさまざまな用途で利用が可能だ。今回のキャンペーンでは、お客様評価の高い有名旅館・有名ホテルのなかからお得な価格で宿泊できる宿泊施設を厳選している。首都圏発は北海道・北東北・京都・北陸・九州・沖縄。関西発は北陸・九州・沖縄にてイチオシ商品を設定予定だ。
     
上記商品詳細及びその他各地発の商品は、第2弾3月18日以降に、ダイナミックJTBサイトで確認できる。

 

訪日観光客向け日本情報誌を刊行 創刊号では桜を特集

2019年3月1日(金)  配信

創刊号表紙「Travel Feature」ページ例沖縄特集

ジェットスターグループは3月1日(金)、全編英字の訪日観光客向け日本情報誌「Jetstar Incredible #Japan」を刊行した。ジェットスター・ジャパンが運航する国際全9路線と、ジェットスター・アジア航空が運航する全26路線の機内に搭載。日本の魅力あふれる観光・地域情報を外国人編集者が外国人の視点で紹介する。

 機内誌は、ジェットスター・ジャパンとジェットスター・アジア航空が初めて共同で開発した。巻頭特集ページ「Travel Feature」では毎号、訪日観光客が注目する観光スポットを取り上げる。創刊号は、外国人観光客に人気の高い「日本の桜」をピックアップし、古都・奈良のほか全国の桜の名所を写真とともに掲載する。また、続々とSNS上に掲載される仁淀川ブルーを擁する高知に加え、日本を代表する観光地のひとつ沖縄の観光名所も注目した。

東京都内で「いやしの南予」写真展 3月8日(金)~13日(水)に開催

2019年3月1日(金)配信

リアス式海岸(八幡浜市)

東京駅前KITTE2階にある愛媛のアンテナショップ「シン・エヒメ」で3月8日(金)~13日(水)まで、「いやしの南予」写真展が開かれる。入場場は無料。

 南予広域連携観光交流推進協議会が、愛媛県西南部に位置する南予地域へのさらなる誘客と観光ブランド化を促進するため、自然や食等の南予地域の魅力を写真で紹介するパンフレットを作成したのに合わせて、掲載写真などを展示する。

 昨年7月の豪雨災害で宇和島市・大洲市・西予市などが被災した南予地域。愛媛県出身の写真家・豊田晃佳さんが、災害から約1カ月後の8月と今年1月に撮影を行い、被災した南予をぜひ応援したいと、地元愛媛のクリエイターらとともに写真展を企画した。

「いやしの南予」写真展 東京会場

会場:愛媛のアンテナショップシン・エヒメ(東京都千代田区丸の内KITTE2F)
期間:2019年3月8日(金)~13日(水)
   午前11:00-午後9:00(日・祝は午後8:00閉場)
作品数:約10~15点
入場料:無料

東海予約センター 55周年 提案型営業に注力

2019年3月1日(金) 配信

大長征勝社長(左から2番目)と幹部社員

 東海予約センター(大長征勝社長)は昨年10月、創業55周年を迎えた。総合案内所の草分けとして東京八重洲に事業所を開いたのが1963年。旅館13会員でスタートした。半世紀以上経た今、ドライブインや運輸機関も加わり、国内最大手の総合案内所へと成長した。節目を記念して7月20日までは、「Go!Go!キャンペーン」も実施している。現状や今後の展開を同社に聞いた。

 東海予約センターは、創業者・磯部晃一氏が個人で行っていた北陸の旅館案内を事業化したのが始まり。1963年、北陸東京連絡所の名称で、東京八重洲地下街に事務所を開設した。それまでなかった「受入」と「送客」とをつなぐ発想は、観光業界の歴史のなかでも画期的だった。

 67年6月には事務所を静岡市内に移転し、東海予約センターに改称した。71年9月には、全国のドライブインや物産店、交通機関などが加盟する「東海予約レストチェーン」が発足。74年の法人化を経て、全国各地に営業所を新設した。近年はIT化にも力を入れ、2008年に業務の効率化・一元化をはかるため「東海予約・予約管理システム」を導入。12年には公式ホームページを開設した。

 現在は13営業所、宿泊とレスト合わせて440会員が加盟。年間取扱人員は宿泊が約34万5千人、レストは76万9千人(17年実績)と、国内最大手の総合案内所へと成長した。

 同社の強みは「会員の多さ」につきる。宿泊、レストなど守備範囲が広いので、まとめて手配依頼ができるし、変更連絡も一度に済ませられる。業務効率化を進める旅行会社にとって、頼もしい存在だ。

 ただ東日本大震災を契機に、「受注型から提案型」(大長社長)へと仕事の質が大きく変わった。会員の情報を単に伝えるだけでなく、それぞれの旅行会社に合った情報に編集・提案していくことに力を入れる。

 今後は、重点的な営業活動を行う新たなグループ展開も視野に入れている。人手不足に悩む宿泊施設に応えるため、従来の契約からさらに踏み込んだ営業活動の提案もしていく。加えて、自治体や観光関係団体の情報発信代行も行いたい。

7月20日までCP

 昨年7月21日から今年7月20日までの1年間、55周年への感謝を込めて「Go!Go!キャンペーン」を実施している。会員全施設を対象に送客実績に応じた施設利用券をプレゼントするほか、特別送客特典も企画している。施設利用券は、キャンペーン終了後、1年間の利用実績を集計。各地域上位10社へ実績に応じた施設利用券を贈る。特別送客特典は送客手数料率アップなど。

 詳細は各営業所または公式ホームページ(http://www.tokaiyoyaku.co.jp)へ。

【鈴木 克範】

【特集No.516】第1回オンリーワンサミット 「地域の宝物を見つけていきたい」

2019年3月1日(金) 配信

1746号1面イメージ

 NPO法人ふるさとオンリーワンのまち(津田令子理事長)は2月15日、東京都内で第1回「オンリーワンサミット」を開催した。地域に埋もれた独特の風土や伝統文化、食、無形のおもてなしなどを発掘し、「オンリーワンのまち」として認定する事業は10件を達成。認定先の地域が相互に観光PRをしたり、商品を販売する動きも活発化している。津田理事長は「今回のサミットを機に、認定地域との交流を深めながら、新たな地域の宝物を見つけていきたい」と話す。

 【増田 剛】

“地方力”もっと発揮へ

 津田理事長は冒頭、「当NPO法人は8年目を迎えた。事業の柱である『ふるさとオンリーワンのまち』認定事業は、2017年10月に10件を達成。この節目に、認定先の皆様が一堂に集い、交流できる場をつくろうと準備を進めてきた」とサミット参加者にあいさつした。

 さらに、「都市力の強化を目指す」と小池百合子東京都知事の言葉を引用しながら、「同時に『地方力』をもっと発揮していかなければならないと信じている」と強調。「見つけ出そう、紡ぎ合おう、分かち合おう――の3つの精神で、素敵なオンリーワンのまちを発掘・発見していきたい。ともに発展していきましょう」と呼び掛けた。

 同サミット実行委員長で、専務理事の石井貞德・旅行新聞新社社長は「地域には、まだまだ埋もれている魅力がある。これからはナンバーワンより、オンリーワンの時代。あまり知られていない観光資源にスポットを当て、日本中、世界中に発信していきたい」と述べた。

 ふるさとオンリーワンのまちの認定先・件名は、
【第1号】千葉県鎌ケ谷市(分水嶺モニュメント「雨の三叉路」)
【第2号】静岡県御前崎市観光協会(地形を生かしたまちづくり~海と風と波と~)
【第3号】「堂舎引き」日光殿堂案内協同組合(「堂舎引き」世界遺産〝日光の社寺”文化的景観の構成要素としての観光ガイド)
【第4号】「界隈を勝手に応援する協議会」連合会(料亭・芸妓・日本食類」総合文化保護・育成
【第5号】長野県飯島町観光協会(「ふたつのアルプスが見えるまち」南信州・飯島町がもたらす自然の恵みを活かしたまちづくり)
【第6号】NPO法人かやぶき集落荻ノ島理事長春日俊雄(「荻ノ島集落における茅葺集落の保存・活用のための取り組み)
【第7号】群馬県嬬恋村(「嬬恋村におけるキャベツを活かした農業と観光の共存によるコミュニティづくり」)
【第8号】長野県安曇野市(「地域ブランドを活かした人づくり、モノづくり、まちづくり~新たな取り組み『朝が好きになる街 安曇野』の展開~」)
【第9号】千葉県館山市観光協会(「すべての多様な楽しみ方が一つに集う館山」~まるごと博物館・まるごと観光地を掲げた観光戦略 滞在すればするほど魅力が増すゆったりと たてやま~)
【第10号】群馬県磯部温泉組合(温泉マーク発祥の地「磯部温泉」を後世に残したい)
――の10件。……

【全文は、本紙1746号または3月7日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

 

オービィ横浜 今春パワーアップ! シマリスの森「アニマル ヴィレッジ」3月30日(土)開業

2019年3月1日(金) 配信

シマリスの森「アニマル ヴィレッジ」イメージ

動物とふれあえる屋内型パーク「Orbi Yokohama(オービィ横浜)」に3月30日(土)、シマリスの森「アニマル ヴィレッジ」が開業する。さらに3月20日(水)~6月16日(日)の期間限定で「ダイナソーパーク」を開催する。

 シマリスの森「アニマル ヴィレッジ」は、約100匹のシマリスたちが暮らす、森をイメージした空間に入り込み、自由に観察・ふれあいができるウォークスルー型のエキシビション。完全屋内型のリス園は国内初(運営するセガサミーホールディングス調べ)となる。シマリスたちと来場者との仕切りを設けていないため、直接ふれあうことができるほか、頭上に配置されたツタや木の枝をシマリスたちが行き交う姿が見られるなど、小動物の生態を間近で感じることができる。

  子供に人気の恐竜をテーマにした体験型イベント「ダイナソーパーク」も期間限定で開催する。昨春開いた「恐竜ハンターキャンプ」で好評だった化石発掘体験が再登場するほか、実物大のティラノサウルス(頭部)が吠えかかるロボットや、恐竜の足音を体感できるコーナーなど、様々な体験が新登場。恐竜の世界を全身で体験することができる。

シマリスの森「アニマル ヴィレッジ」概要

開業日:3月30日(土)
営業時間:午前9:00~午後7:00
料金:500円(パスポートでの入館時は追加料金不要)
定員:50人
体験時間目安:約10分
エサ販売:なし

ダイナソーパーク概要

「ダイナソーパーク」キービジュアル

開催期間:3月20日(水)~6月16日(日)
営業時間:施設営業時間に準ずる
料金:無料(オービィ横浜入館料が必要)

「Orbi Yokohama(オービィ横浜)」 施設概要

場所:マークイズみなとみらい 5F
   神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目5番1号
アクセス:
 横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい駅」下車、改札直結
  JR・市営地下鉄「桜木町駅」下車 動く歩道を利用し徒歩8分
電話番号:045-319-6543
開館時間:午前9:00~午後9:00(最終入館 午後8:00)
     金土日祝および祝前日は午後10:00まで(最終入館 午後9:00)
     ※一部エキシビションは営業時間が異なる。
休館日    :年2回不定休             

料金表

小浜市の分散型ホテルが2カ国語HPを開設

2019年3月1日(金) 配信

三丁目さのや棟客室

福井県小浜市の古民家を再生した分散型ホテル「OBAMA MACHIYA STAY」を運営するまちづくり小浜(おばま観光局、東武雄社長、福井県小浜市)はこのほど、日・英2カ国語のホームページを開設した。2019年度内に「OBAMA MACHIYA STAY」ブランドの宿泊施設2棟、20年に1棟の追加を予定しており、分散型ホテルなど古民家再生プロジェクトを一層推進していく。

 昨年京都にオープンした「ENSO ANGO」など、近年日本でも現れ始めた分散型ホテルは、町全体を宿泊施設とみなすもの。統一されたブランドイメージのもと、街に残る古民家などをリノベーションする場合が多い。

 OBAMA MACHIYA STAYのコンセプトは、「京料理を育んだ湊町で暮らすように泊まる」。飛鳥・奈良時代から大陸と都をつなぐ日本海の玄関口として栄えた福井県小浜市は、皇室や朝廷に海の幸を献上する「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、都の食文化の発展に貢献してきた。

 また、小浜の湊町は、「鯖街道」を通じて京都の影響を色濃く受けた町家が立ち並び、歴史を受け継ぐ建物には趣のあるゆったりとした時間が流れている。同社は「この宿を起点に、伝統と風情ある町並みを身近に触れながら、たおやかな若狭湾の海岸を散策し、豊富で新鮮な海の幸を堪能することで、ゆったりと流れる「小浜時間」を感じてほしい」とコメントしている。

OBAMA MACHIYA STAY

 

■三丁町ながた棟

三丁目ながた棟外観

 明治初期の茶屋町の風情を堪能できる旧料亭の町家の宿。かつては芸妓を呼び、宴会や接待でにぎわっていた。当時の職人が腕をふるい、凝った意匠や造作が特徴的な趣にあるつくり。

料金  :5,000円~15,000円/1人(朝食は別途1人1,100円)

受付人数:1~8人

客室  :桜の間(7.5畳)、竹の間(4.5畳)、紅の間(5.5畳)

その他 :アメニティー完備

■三丁町さのや棟

三丁目さのや棟

 スーペリアタイプの町家ステイとして、洗練された快適な寝心地を提供する寝具やスイートルームのようなガーデンビューのバスルームなど、和モダンの雰囲気がある宿。女性に嬉しいアメニティーをそろえる。

料金  :10,000円~19,000円/1人(朝食は近隣提携ホテルで別途1人1,200円)

受付人数:1~6人

客室  :セミダブルベッド2台、シングルベッド2台、お布団2組

その他 :基本アメニティーに加え、バスソルト・あぶらとり紙・Q10フェイスパックなど女性に嬉しいアメニティーをご用意しております。朝食会場はホテルアーバンポート花椿様となっております。1F入り口には、小浜・福井の名産品を揃えたshopが隣接。

■丹後街道たにぐち棟

丹後街道たにぐち棟客室

 重要伝統的建造物群保存地区に隣接し、旧丹後街道沿いに建つ築90年の町家。玄関から続く土間、縁側から眺める中庭が心地よい昔の雰囲気を味わえる。広々とした土間キッチンを備え、大人数での利用におすすめの宿。

料金  :5,000円~15,000円/1人(朝食は別途1人1,200円)

受付人数:1~11人

客室  :1階 愛宕の間(8畳)、2階 後瀬の間(17畳)

その他 :基本アメニティー完備。朝食会場はホテルアーバンポート花椿。

「三陸鉄道リアス線」一貫運行開始記念ツアー造成 近畿日本ツーリスト首都圏と東武トップツアーズが共同企画

2019年3月1日(金) 配信

三陸鉄道(イメージ) 写真提供:三陸鉄道

近畿日本ツーリスト首都圏と東武トップツアーズはこのほど、「リアス線新区間貸切運行と三陸旨いもの満喫2日間」を共同で企画し売り出した。2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸鉄道が、2019年3月23日(土)に三陸鉄道の盛駅(岩手県大船渡市)から久慈駅(同・久慈市)まで全線開通し、「三陸鉄道リアス線」として一貫運行を開始することを記念したツアー。新たな三陸のスタートと捉え、復興を支援するという両社の思いが一致し商品化に至った。

 ツアーは、三陸鉄道リアス線の新区間で海が見える風光明媚な区間を貸切運行し、美しい景色をゆっくりと堪能できることがポイント。また、三陸鉄道の全線開通に伴い、沿線の中心地である山田町の復興の加速が期待されている。3月26日と4月6日出発のツアーでは、山田町にて震災後、いち早くスーパーを再開させた、びはんストアの間瀬専務から、「復興への取り組み」を聞くプログラムを用意。風光明媚な三陸らしい山田町が復興してこそ「真の復興」と、力強く復興に取り組む地元の方々の明るさと笑顔が印象的な町に触れてもらいたいと企画した。

「リアス線新区間貸切運行と三陸旨いもの満喫2日間」

出発日:2019年3月26日、4月6日、9月14日 限定

行程

1日目:

東京~盛岡。山田町かき小屋にて「貝盛りセット」の昼食後、山田湾クルーズと養殖いかだ見学。三陸鉄道リアス線新区間貸切運行に乗車(陸中山田駅~鵜住居駅)。三陸海鮮料理の夕食(波板海岸・三陸花ホテルはまぎく泊)

2日目:

ひょっこりひょうたん島のモデル大槌町・蓬莱島遠望、みやこ浄土ヶ浜遊覧船、名物「瓶ドン」の昼食。復興への取り組みのお話しと龍泉洞入場。(9/14発はやまだ祭り観覧)。盛岡~東京。

食事:朝1、昼2、夕1回付 

旅行代金:5万6800円(東京発着、2~5人1室利用)

最少催行人員:10人

〈旬刊旅行新聞3月1日号コラム〉美しい旅人 異邦人が振る舞うべき謙虚な姿勢

2019年3月1日(金) 配信

美しい旅人

 
日本を訪れる外国人旅行者が増加し、全国各地で外国人の姿を目にするようになった。外見でも外国人は目立つ存在だが、街を歩く姿や食事をする態度でも、日本人ではないと気づく。

 
 リュックを背負ったバックパッカーは一目で旅行者と分かるが、都市の繁華街であろうと、田舎の田園風景の中であろうとも、不思議と周りの空気を汚さない。いや、むしろ協奏を生みながら、さらにその存在が屹立して映る。

 
 一方、大勢の団体客の場合、他所の空気をそのまま旅先に運んでくるものだから、バスから降りてきた集団だけ異質な空気が塊となって、どのような場所であっても違和感が先立つ。

 
 これは、バブル経済絶頂期に日本人が大挙してパリの高級ブランド店に入り、仲間内の緩んだ関係から生じる空気を遠慮なくそのまま持ち込んだ時代を思い出す。何よりも雰囲気を大切にする高級ブランド店にとって、経済効果は大きいが、「好ましい客ではない」ことは容易に想像できる。近年では、中国の爆買客などもどこか冷やかな視線を浴びせられていたのは、記憶に新しい。

 

 
 海外旅行をするときは、いつも自分の存在が、異国の街角で違和感を漂わせていないかと気になる。

 
 初めて訪れる国では、首と目をあちこち動かして歩くし、突然立ち止まってバッグから派手な表紙のガイドブックをめくったりもする。その姿はきっとサマになっていないだろう。

 
 世界中を歩き回るバックパッカーは、初めての街であっても冷静沈着である。表情は旅の厳しさを知り尽くし、甘みはない。しかし、長く孤独な旅によって醸成された上質な諦観と、いつしか身に付けた自然な笑みによる柔和さによって、美しいシルエットとなる。写真家でなくても、しばしば被写体としてシャッターを切りたい衝動に駆られる。

 

 
 スティングの「Englishman in New York」という曲が好きで、秋から冬にかけて海外の街角を歩くときは、コートを着て口ずさみ、成り切る。哲学的な詩の中で、異邦人が振る舞うべき謙虚な姿勢もしっかりと暗示されている。

 
 旅人は、完全に海外の街に溶け込む必要はない。自分の生まれ育った国の文化や歴史、風土の香りを纏いながら、訪れた異国では謙虚さや礼儀正しさ、礼節を持つべきであると、この詩の私なりの解釈である。

 

 
 旅先では、歩く姿と同様に、食事をする姿勢が大事だと思っている。

 
 例えば、生活文化の異なる人が、京都の高級料亭で日本酒を飲みながら、料理を堪能している姿が美しいと感じることがある。独特で強い個性を持つ京都の料亭文化と拮抗する教養と背景をその人が持っていなければ、釣り合いが取れず、浮いた存在になってしまう。また、大人数では輪郭も薄れる。1人でこそ際立つ、絵になる構図である。

 
 アジアのディープな食堂でも同じだ。衛生状態が少し不安に感じるような店で1人、生活者と同じ安価な料理を食べながら、現地の酒を静かに体内に受け入れる旅人になりたいと思っている。現地に負けないほどの自国の文化をしっかりと背負いながら、決して馴れず、驕らず、謙虚でいたい。そのためには日々の精進が必要だと感じている。

(編集長・増田 剛)