【4月22日】東伊豆温泉旅館、都内で就職ガイダンス開催

 静岡県の東伊豆町商工会は4月22日、東京都立産業貿易センター浜松町館で「東伊豆温泉旅館合同企業ガイダンス」を開く。旅館だけが集まり合同企業説明会を行うのは全国初の取り組み。

 参加企業は、稲取赤尾ホテル海諷廊、いなとり荘、稲取東海ホテル湯苑、稲取銀水荘、食べるお宿浜の湯、望水、奈良偲の里玉翠、熱川館、熱川大和館、熱川プリンスホテル、つるや吉祥亭。11時30分から各企業ブースにて説明会を、12時15分からは旅館の仕事をテーマにした基調講演を行う。

 主催する東伊豆町商工会の担当者は「首都圏の方に東伊豆の旅館を就職先としてアピールしたい。今後は取り組みを、伊豆エリア全体に広げていければ」と話す。

 参加希望者は東伊豆町商工会ホームページ(http://www.jibasan.info)から申し込みのこと。
当日参加も受け付ける。

 問い合わせ=TEL:0557(95)2167。

宿泊業の倒産数2番目、東日本大震災、阪神の4.4倍に(東京商工リサーチ)

東京商工リサーチまとめ
 東京商工リサーチによると、3月7日現在、東日本大震災関連倒産は1402件。1995年の阪神・淡路大震災関連倒産が3年間で314件だったことと比較して4・4倍まで膨らんでいる。東日本大震災関連の倒産件数を産業別にみると、宿泊業を中心としたサービス業が355件と最多となった。より細分化した業種別でも、宿泊業(77件)は総合工事業(80件)に次いで2番目に多く、震災の影響を大きく受けている。

 震災から3年が経つが、東日本大震災関連倒産の負債累計は1兆4943億8400万円に達し、阪神・淡路大震災の負債累計2146億600万円の6・9倍となった。

 阪神・淡路大震災関連倒産の被害型では、工場や施設、機械、人的被害を受けた「直接型」が3年間で170件(構成比54・1%)と過半数を占める一方、「間接型」は144件(同45・8%)だった。一方、東日本大震災は「直接型」は110件(同7・8%)に対し、「間接型」は1292件(同92・1%)。これは、取引先・仕入先の被災による販路縮小や製品・原材料・資材の入手不足、受注キャンセルなどが大きく影響したことがわかる。

 また、阪神・淡路大震災では3年間で、23都府県で関連倒産が発生し、このうち近畿地区が全体の86・9%、兵庫県だけで70・7%を占めたが、東日本大震災では、島根県と沖縄県を除く45都道府県で関連倒産が発生しており、被害が全国規模に拡大した。都道府県別の倒産件数では、宮城県が全体の41・1%を占め、最も高かった。次いで岩手県が33・1%、福島県が21・8%、山形県が13・7%、青森県が12・3%と続く。

 産業別の倒産件数をみると、阪神・淡路大震災で最も多かったのは製造業の112件。次いで卸売業が88件、サービス業他が52件の順。これに対し、東日本大震災では関連倒産があらゆる産業に飛び火し、なかでも宿泊業・飲食業などを含むサービス業他が355件で最多となった。製造業330件、卸売業251件、建設業186件、小売業131件と続く。業種別倒産に占める東日本大震災関連倒産の構成比を見ると、宿泊業が21・4%でトップとなった。

 東京商工リサーチは「阪神・淡路大震災関連倒産は震災から3年で収束が鮮明となったが、東日本大震災は緩やかな収束傾向を辿っているが、しばらく時間がかかるとみられる」と分析している。

まちづくり ― 利己的でなく教養あるリーダーに

 都道府県の知事や市町村の首長が観光PRのトップセールスを行うことが近年増えている。「自分たちのまちの魅力を知ってほしい」という真摯な気持ちが、取材側にもストレートに伝わることが多く、その熱意にほだされて、旅行先として足を運ぶことも実際によくある。これは何も首長に限らず、観光行政の一担当者も同じ。熱を込めて語られる「まちの魅力」についつい引き込まれ、いつのまにかその土地のファンになっていることもたくさんあった。

 いまや観光振興は国、そして多くの地域にとって重要な施策の柱となっている。けれど、国や地方自治体のリーダーを決める選挙では「観光立国」や「観光による地域活性化」を公約に掲げ力強く訴えても、あまり票にはつながらない。選挙で焦点となるのは、身近でより切実な問題であり、観光振興のように短期間で結果が見えるものでない事業を一生懸命訴えたところで、よほどの場合でない限り、地域住民の心に響くものではない。また、選挙では地元の大企業や、有力企業の組織票が、企業の意向に沿った特定の人に流れる傾向もあり、難しい。

 観光やまちづくりを考えるうえでは、建築や美術、音楽、文学、歴史といったありとあらゆる分野の教養が必要である。理想はビジネス的なセンスを持ちながら、これら教養を十分に備えた知性ある人がリーダーとなり、まちづくりの長期的なビジョンを示すことである。

 地域活性化や、観光による地域振興が議題に上がると、有効な取り組みとして最初に出てくる案は、「眠っている観光資源の掘り起こし」などがある。これとセットのように、「でも、うちには誇れるものはないし……」という否定的な回答が現れる。そんなことは絶対にないのだが、もし、誇れるものが簡単に見つからないのであれば、「これだけはやらない」という抑制の方向により大きな力を注いではどうだろう。

 長閑な田園風景には誰の目にも不似合いな大きな工場や倉庫、マンションなどは作らない方がいい。しかし、財政的な面から見ると、大きな産業を持たぬ過疎地域は、都市部の「負」の部分を請け負わなければならない事情もあるかもしれない。たとえ受け入れるにしても、デザインについては地域にマッチするように求めることは、目立たなくても、とても大切なことである。一方、人気観光地には大手チェーン店や不動産会社の食指が動き、魔の手が伸びる。

 自社の利益を最優先する経営者と、街並みや風景の調和に理解の深い経営者との違いがどこにあるか。それは、やはり教養であり、知性である。インバウンド1千万人を突破したグローバル化の時代には、外国人観光客の眼にも、日本の観光地のありのままの姿が晒される。利己的な企業経営者や、教養がまったく感じられない首長が主体となったまちづくりばかりではあまりに味気ないではないか。

 美味しいお米、美味しい魚介類、美味しい山の幸、美味しい果実、美味しい日本酒やワイン、美しい田園風景、美しい市街地の街路樹や花、美しい漁村。これら地域の宝は脆く、壊れやすい。美味しいレストランや、心落ち着く温泉、癒しの宿なども同じく、儚い。これら小さなまちの宝物が、一部の利己的、無教養な人の利益のために、台無しにならないことを願う。

(編集長・増田 剛)

No.366 ヤフー!トラベル - 手数料無料で直販へ参入

ヤフー!トラベル
手数料無料で直販へ参入

 ヤフーはこのほど、宿泊施設と直接契約を結び「ヤフー!トラベル」に施設情報を掲載する直販ビジネスへ参入することを発表した。10%程度の手数料を取る宿泊予約サイトが多いなか、同サイトはシステム利用料や成約手数料などを無料に設定。トラベルやeコマースなどショッピング事業のトップである小澤隆生ヤフー執行役員ショッピングカンパニー長に、直販ビジネス参入の経緯やサービス内容、今後の展望などについてうかがった。

【伊集院 悟】

 
 
 
観光業界の活性化へ、収益は事業の多様性で

 ――「ヤフー!トラベル」のこれまでについて教えてください。

 「ヤフー!トラベル」は1997年にスタートしました。リスティング広告がメインのサービスで、取り扱いは旅行と出張手配の2本柱。旅行エージェントが作ったプランを掲載し、掲載料や成約による成約手数料をもらっています。

 立ち上げ当時は、消費者や業界に対して一定の存在感を示せていたかもしれませんが、だんだんと薄れてしまい、サービス価値が下がってきていたので、何とかしなければいけないという状況でした。

 そんななか、一昨年にヤフーの経営陣が変わり、メイン事業である強みの広告ビジネスのテコ入れを実施。広告ビジネスのさらなる強化が一段落したあと、昨年10月には“eコマース革命”と題して、弱かったショッピングの改革に乗り出しました。「ヤフー!ショッピング」や「ヤフオク!」のストア出店料を無料にし、「売り手が摩擦係数ゼロで商品を売れる世界」実現へ一歩を踏み出しました。

 また、インターネット予約においても“予約革命”を起こすため、売り手とユーザー双方の利便性の飛躍的向上を狙う「ヤフー!予約」をスタート。第1弾としてサービス利用料を無料にした飲食店予約サービスを開始しました。今回の宿泊予約事業の新戦略はこの流れを受けたものとなります。

 

※ 詳細は本紙1538号または3月27日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

金融、耐震問題を相談、金融経営セミナー開く(全旅連)

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の経営・金融委員会(岡本厚委員長)は3月11日、東京都内で金融経営セミナーを開き、金融機関を取り巻く環境や今後の動向、耐震問題の見通しなど旅館業界の関心事について、出席者と相談や意見交換を行った。

渡邉清一朗氏
渡邉清一朗氏

 基調講演「宿屋の悩み解決します!!」では、全旅連経営コンサルタントの渡邉清一朗氏が登壇。冒頭、「債務をいかに減らしていくかを考えると、取引相手である銀行の動きや、金融機関を取り巻く環境を知らないと、交渉のタイミングや交渉方法を間違ってしまう」と警告した。渡邉氏は「中小企業金融円滑化法が昨年3月に終了し、それ以降、各金融機関は金融庁の指導のもと、自分たちの判断によって融資先のリスケジュールに応じている」とし、金融庁がとくに弱小の金融機関に対して経営統合を進め、実際に動き始めている状況を説明した。

 過疎化が進む地域などに地盤のある金融機関で取引先の中小企業が厳しい経営状況にある銀行は、金融庁から「黄色信号の銀行」だと言われ、血を流す覚悟で経営統合を行わざるを得ない。このため、「取引先の旅館・ホテルにも『血を流す覚悟で経営改善に取り組んでほしい』と間違いなく迫ってくるはずだ」と強調した。

 そのうえで、「経営改善に取り組んで実績が上がらない場合には、(銀行は)次の手段も考えている。金融円滑化法の期間とは違う、辛口の展開が予想される」と語った。

 また、旅館・ホテル業界で関心の高い耐震問題についても、会場の参加者と意見交換を交わした。渡邉氏は「2015年12月末までに所管行政庁に耐震診断結果の報告義務があるが、どの行政に聞いても『対象となるすべての機関の報告がすべて出そろってから公表する』という。15年12月31日にすべて出そろうかというと難しい。その一番大きな理由は、建築構造物の構造計算をする資格者の絶対数が足りない状況にあり、現在申し込んでも診断は半年後というような状態にある。来年になると、1年後というような状況も十分考えられ、物理的に無理という理由で公表時期が延びる可能性は十分ある」とした。

 また、現在、耐震診断の対象となっている5千平方メートルの基準が、4千平方メートル、3千平方メートルと下がってくるのではないかとの声には、「予算がないことや煩雑さを理由に基準を広げることはない」と断言。「当初、対象施設は全国で400―500軒あると言われていたが、どんどん減っている。5千平方メートルでも3千と2千平方メートルのように2つに分けられる場合には対象外となるほか、最後の建築基準申請をした改修工事が1981(昭和56)年6月以降であれば過去のものは問わないというかたちで動いている」と語る一方で、「耐震改修促進法の目的は生命を守るためなので、耐震診断・改修は行うべきだ」と強調した。

被災地経験を分けてもらう

 大手企業の復興支援や事業継続計画(BCP)、社員研修の担当が参加した「管理職向け研修ツアー」が2月、岩手県沿岸被災地で開かれた。

 発災直後や復興現場で、選択・決断を下した体験を聞いた後、参加者同士で振り返り、普段の仕事で何が大切かを学んだ。統括役の講師も同行するが、参加者の答えを引き出す「伴走者」に徹した。

 いわて復興ツーリズム推進協議会が今年度、復興庁の支援を受け、複数回催行した。今後、補助なしの「自走」を求められるなか、東京都内での座学と組み合わるなどして、企業研修にと提案する。

 被災地訪問が「目的」でなく、研修の「手段」である点が新鮮だった。「被災地の経験を分けてもらう」という参加者の声に、復興ツーリズムのあり方の手がかりがあるように思う。

【鈴木 克範】

初めて賃金問題にメス、添乗員の処遇改善を(TCSA)

 日本添乗サービス協会(TCSA)は2012年度から、厚生労働省労働基準局の「中小企業最低賃金引上支援対策補助金事業」を受け、添乗員の処遇や社会的地位の向上に取り組んでいる。添乗員の労働環境の改善は以前から抱える大きな問題だが、解決には困難を極めている。このため、今年度は同補助事業でガイドブック「ESなくしてCSなし」を作成。このなかでは初めて賃金の問題に大きく切り込み、「もはや『添乗員の賃金』の論点抜きでは立ち行かない」と危機的な現状を訴えた。
【飯塚 小牧】

“ESなくしてCSなし”

 TCSAは2月27日、東京都内で旅行会社や添乗員派遣会社を対象に「添乗シンポジウム」を開き、添乗員の生の声や仕事への意識を紹介。今年度作成したガイドブック「より良い添乗サービスを目指して ESなくしてCSなし」と添乗員育成のための「OJTマニュアル」の説明などを行った。

小倉千佳氏
小倉千佳氏

 同事業を担当した企業の研究調査やコンサルティング事業などを展開する「マネジメント・デザインズ」の主任研究員・小倉千佳氏はTCSAと仕事を始めて約10年になるというが、これまでに100人を超える添乗員に話を聞いてきた。「仕事上、さまざまな産業の方のお話を聞くが、添乗員のグループインタビューでまず感じたのは“負のオーラ”。『私は駒』『使い捨て』という言葉が飛び交い、仕事に従事するなかで、ここまで誇りや自信と相反することがあっていいのか、ととても衝撃を受けた」と率直に語った。

 自身が手掛けたガイドブック「ESなくしてCSなし」については、「ESとは従業員満足だが、一般的に自分の仕事や商品、会社に自信と誇りを持っている状態を指す。添乗員は添乗サービスを通じてお客様の満足度をいかに高めていくかという仕事で、いうまでもなく人を介して行われるサービス」と語り、添乗員の満足度を上げることが旅行者の満足度に直接つながることを訴えた。「添乗員の満足度を上げるには派遣元の会社と派遣先の旅行会社のサポートが非常に求められる」とし、「添乗そのものにやりがいを持つ、充実感を持つことが一つの重要な要素だが、その仕事に対する対価があるかがもう一つ大きなポイントになる」と強調した。

 満足度の向上に賃金を大きく取り上げたのは、人材ビジネス業である添乗サービスにとって人材を育成し、定着させるといった「人材の好循環サイクル」が重要なのに対し、現状は若手の人材不足が深刻になっていることもある。添乗員アンケートでは添乗員という職業に魅力を感じ長く継続していくのに必要なものとして、「日当の引き上げ」など処遇面の項目が圧倒的に多いのに対し、「教育の支援」といった自己成長に関する項目は少ない。小倉氏は「他産業ではありえない結果。添乗サービス業はこれを真摯に受け止め、大いに反省すべき」と述べた。

 ただ、派遣会社としても処遇の改善は重要な課題と認識している一方、旅行会社からの派遣料金が上がらない限り、改善は難しい。小倉氏は「添乗派遣会社は経営の質や経営効率を高め、派遣料金のなかから1円でも高い添乗員賃金を捻出する努力が必要」と前置きをしたうえで、旅行会社に対し「国内の日帰りの派遣料金は1300円だと聞いて、始めは時給だと思った。派遣料金は基本給をもらっている旅行会社社員の社内添乗の日当がベースになっているというが、それを派遣会社に適用するのは理解に苦しむ。ぜひ、派遣料金の抜本的な見直しを検討してほしい」と呼びかけた。

平田進也氏
平田進也氏

 シンポジウムでは、顧客満足度を上げるために旅行会社や添乗員に求められる取り組みについて日本旅行・おもしろ旅企画ヒラタ屋代表の平田進也氏が講演を行い、自身の経験から本音で熱い想いを語った。“ナニワのカリスマ添乗員”と呼ばれる平田氏は33年間、日本旅行に勤めるサラリーマンだが、ファンクラブの会員数は2万2千人、1人で年間約8億円を売り上げる。

 そのなかで、平田氏は現在の旅行会社や旅行商品について持論を展開。「私が何をするかというと『人をとことん喜ばせる』ということ。もてなしはサプライズ。第3次産業の旅行産業に携わっている皆さんは人のお世話が好きで、自分が喜ぶより人を喜ばせたいからこの仕事をしていると思う。そうでなければ旅行会社にいてもらっては困る」と切り出した。

 平田氏は現在、部長職にあるが、年間100日は添乗に出る。「旅行会社は企画から一貫して行うべき。企画者が添乗に出ない今の分業化では最も大切な部分が抜けている。それはお客様からの本当の『ありがとう』だ。自分の会社が現場と直結しているか考えてほしい。そうでない企業は潰れる。社内ではなくお客様と会議をしてほしい」とし、「価格破壊、激安に未来はない。旅行会社は“幸せ配達人”で三方よしの商売なのに、ホテル・旅館、観光施設を叩きあげて、これが旅行と呼べるのか。お客様が喜んだあとのお金であって、先にお金から取りにいくような商売ではダメ」と訴えた。

 また、平田氏のフェイスブックには、各社の添乗員からさまざまな悩みが毎日のように寄せられることを紹介し、添乗員の立場について言及した。アンケートを引用し、「『10年働いて手取り15万円。生きていけない』というのは切実。これに応えてあげないと。『これで納得しないなら仕事切るよ』というやり方は間違っている。確立された産業にするためには、ツアー料金を上げて適正な賃金を支払う仕組みをつくる必要がある」と強調。添乗員から無理な旅程の改善要望があっても、何年も同じツアーを作り続けることについては「現場の添乗員がかわいそう。これはお客様の声を聞いていないことになる」とした。さらに、旅行会社には添乗員への予備金を要求。「5千円でもいいので、誕生日のお客様にケーキを買うなど、皆が喜ぶことに自由に使えるお金を渡してほしい。それは10万円になって返ってくる」と語った。

 一方で、「低い日当だからそれなりの仕事しかしない」「マナーのない客のアンケートで人生を決められるのは悲しい」などのアンケートの声に対しては「これは添乗員の被害妄想。目の前のお客様にも失礼だ」と意見。「ここまで追い詰めたのは旅行会社の責任でもある」としたうえで、「(添乗員に)もっと大局をみてほしい」とアドバイスした。

 最後に、「旅という非日常を通じて人の心を癒すことが私の仕事だと思っている。添乗員とは素晴らしい。旅行会社は素晴らしい。このことを肝に銘じてこれかも頑張っていきましょう」と呼びかけた。

地熱問題など情報交換、県温泉協会連絡会議開く

地熱問題など情報交換
 日本温泉協会(大山正雄会長)は3月7日、東京都内で第4回県温泉協会連絡会議を開き、全国の各エリアで課題となっている地熱開発問題や、温泉地の地域振興などの現状報告と今後の課題について意見交換した。

 大山会長は「温泉が日本の観光産業に大きな役割を果たしている一方で、地熱開発などの問題について各地域の温泉地がどのように対応していけばいいのか、この会合でお互いに情報交換をしながら、今後ますます重要になる温泉資源の保護や観光産業を支えていくうえでの対応を探っていきたい」とあいさつした=写真。

 同会には環境省の担当官も出席し、14年度予算に新規事業として16億円を計上している「地熱・地中等の利用による低炭素社会推進事業」を説明した。また、今年1月から2月にかけて温泉法における禁忌症、入浴や飲用上の注意などに関するパブリックコメントを行い、約50件の意見が集まったことを紹介。温泉の一般的禁忌症については、現行では「妊娠中(とくに初期と末期)」が含まれているが、科学的な根拠が認められないことから、削除される見通しであることも報告した。

 さらに、「温泉資源の保護に関するガイドライン」の改訂案についても今年2月にパブリックコメントを実施。今後、3月に検討会で取りまとめを行い、4月に中央環境審議会温泉小委員会に報告したのち、各都道府県に地方自治法に基づく技術的助言として発出していくことなどを報告した。一方、日本温泉協会の佐藤好億副会長は「高齢化、人口の大幅減少時代を迎える状況にあって、(温泉資源枯渇の危険性のある大規模な地熱開発による)再生可能エネルギーの必要性が本当にあるだろうか」と根本的な疑問を投げかけた。

グラバー園40周年、記念さるくが登場

世界遺産候補の構成資産となった「旧グラバー住宅」
世界遺産候補の構成資産となった「旧グラバー住宅」

春満喫のイベントも

 今年で開園40周年を迎える長崎県のグラバー園。その中心施設が、1863年に建てられた独特のバンガロー風様式が特徴的な日本最古の木造洋風建築である「旧グラバー住宅」。世界遺産候補として2015年の登録を目指す「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産にもなっている。

 今年4月からは、長崎市のまち歩き観光「長崎さるく」に「グラバー園開園40周年記念さるく」として、旧グラバー住宅をはじめ、市内にある8つの構成資産などを紹介する「長崎『明治日本の産業革命遺産』―世界遺産候補探訪―」コースが登場する。

 園内にあるドッグハウスや旧リンガー住宅、旧グラバー住宅など、幕末・明治期の貴重な洋館群を散策し、長崎港や三菱重工業長崎造船所にある構成資産を園内から望む、同園ならではの魅力が詰まったコースだ。トーマス・ブレーク・グラバーをはじめ、日本の産業革命に先駆的な役割を果たした長崎ゆかりの人物の秘話なども、さるくガイドが紹介してくれる。

 参加費は、中学生以上で1人1千円。数量限定の記念グッズももらえる。

 また、同園では4月1日から6月30日まで、「春浪漫フェスティバル」を開催する。期間中の土日祝日には、キャンドル作り体験や園内ツアーなどを行うほか、4月5日にはパレードや龍踊りステージ、4月26日から5月5日までは夜間開園を実施する。4月20日、5月18日、6月15日には、バックヤードツアーも開く。

 期間中は、南山手グラバー通りの参画施設で割引などの特典が受けられるクーポンを配布。長崎市内では「帆船まつり」(4月27日―5月1日)や、「紫陽花まつり」(5月24日・6月15日)など、イベントも目白押しだ。

慶良間が国立公園に、27年ぶりの国公認定

 慶良間諸島が国立公園に――。沖縄県の慶良間諸島とその周辺海域が3月5日、慶良間国立公園として認定された。国立公園の認定は1987年の釧路湿原国立公園以来、27年ぶり。国立公園の数は31になった。

 慶良間諸島国立公園は陸域が3520ヘクタール、海域が9万475ヘクタール。「ケラマブルー」と称される透明度の高い海やサンゴ礁、さらにザトウクジラの繁殖地としても知られている。