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金融、耐震問題を相談、金融経営セミナー開く(全旅連)

2014年3月21日
編集部

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の経営・金融委員会(岡本厚委員長)は3月11日、東京都内で金融経営セミナーを開き、金融機関を取り巻く環境や今後の動向、耐震問題の見通しなど旅館業界の関心事について、出席者と相談や意見交換を行った。

渡邉清一朗氏
渡邉清一朗氏

 基調講演「宿屋の悩み解決します!!」では、全旅連経営コンサルタントの渡邉清一朗氏が登壇。冒頭、「債務をいかに減らしていくかを考えると、取引相手である銀行の動きや、金融機関を取り巻く環境を知らないと、交渉のタイミングや交渉方法を間違ってしまう」と警告した。渡邉氏は「中小企業金融円滑化法が昨年3月に終了し、それ以降、各金融機関は金融庁の指導のもと、自分たちの判断によって融資先のリスケジュールに応じている」とし、金融庁がとくに弱小の金融機関に対して経営統合を進め、実際に動き始めている状況を説明した。

 過疎化が進む地域などに地盤のある金融機関で取引先の中小企業が厳しい経営状況にある銀行は、金融庁から「黄色信号の銀行」だと言われ、血を流す覚悟で経営統合を行わざるを得ない。このため、「取引先の旅館・ホテルにも『血を流す覚悟で経営改善に取り組んでほしい』と間違いなく迫ってくるはずだ」と強調した。

 そのうえで、「経営改善に取り組んで実績が上がらない場合には、(銀行は)次の手段も考えている。金融円滑化法の期間とは違う、辛口の展開が予想される」と語った。

 また、旅館・ホテル業界で関心の高い耐震問題についても、会場の参加者と意見交換を交わした。渡邉氏は「2015年12月末までに所管行政庁に耐震診断結果の報告義務があるが、どの行政に聞いても『対象となるすべての機関の報告がすべて出そろってから公表する』という。15年12月31日にすべて出そろうかというと難しい。その一番大きな理由は、建築構造物の構造計算をする資格者の絶対数が足りない状況にあり、現在申し込んでも診断は半年後というような状態にある。来年になると、1年後というような状況も十分考えられ、物理的に無理という理由で公表時期が延びる可能性は十分ある」とした。

 また、現在、耐震診断の対象となっている5千平方メートルの基準が、4千平方メートル、3千平方メートルと下がってくるのではないかとの声には、「予算がないことや煩雑さを理由に基準を広げることはない」と断言。「当初、対象施設は全国で400―500軒あると言われていたが、どんどん減っている。5千平方メートルでも3千と2千平方メートルのように2つに分けられる場合には対象外となるほか、最後の建築基準申請をした改修工事が1981(昭和56)年6月以降であれば過去のものは問わないというかたちで動いている」と語る一方で、「耐震改修促進法の目的は生命を守るためなので、耐震診断・改修は行うべきだ」と強調した。

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