今秋は毎日運行、女将が案内する周遊バス(湯田中渋温泉郷)

 長野県・山ノ内町の湯田中渋温泉郷自慢のスポットを女将自らが案内する、話題の周遊バス「湯の郷まるごてら号」が、この秋は10月7日―11月4日まで毎日運行する。

 温泉街、紅葉が目にまぶしい里景色、くだもの狩りなど、どこへ向かうのか、なにが待っているのかはすべてその日の女将任せ。山ノ内町の魅力がたっぷり味わえる半日バスツアーだ。

 ピックアップ便がまず午前10時に角間温泉を出発して、上林温泉 地獄谷野猿公苑→渋温泉渋湯橋→湯田中温泉大湯前→湯田中駅→穂波温泉栄橋→道の駅北信州やまのうちと移動し、午前10時45分から女将便がスタート。帰りは午前11時50分に湯田中駅、正午―12時15分ごろに道の駅北信州やまのうち着で現地解散となる。

 参加料金は大人(中学生以上)500円、小学生以下は無料だが、子供だけでの参加はできない。

 完全予約制で定員20人(定員になり次第締め切り)。発券所は山ノ内町観光連盟、湯田中駅観光ガイドセンター。

 問い合わせ=湯の郷まるごてら号事務局(山ノ内町観光連盟内) 電話:0269(33)2138。 

「100選」の中間集計 1回目

 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」。38回目の投票が今年も10月1日から始まった。締め切りは10月末日。全国の旅行会社からの投票に基づき、「ホテル・旅館100選」と「観光・食事、土産物施設100選」および「優良観光バス30選」をそれぞれ選出する。「ホテル・旅館100選」の中間集計の1回目を紹介する。

(順不同)

 【北海道】
第一滝本館▽登別石水亭▽あかん湖鶴雅リゾートスパ鶴雅ウィングス▽知床第一ホテル▽知床グランドホテル北こぶし▽十勝川温泉第一ホテル▽観月苑▽ニュー阿寒ホテル▽ホテル鹿の湯花もみじ

 【青森県】
浅虫観光ホテル▽奥入瀬渓流ホテル▽ホテルグランメール山海荘▽古牧温泉青森屋▽海扇閣

 【岩手県】
佳松園▽浄土ヶ浜パークホテル▽ホテル志度平▽ホテル紫苑▽結びの宿愛隣館▽長栄館▽滝の湯いつくし園▽山水閣▽ホテル対滝閣▽ホテル森の風鶯宿▽愛真館

 【宮城県】
松島ホテル一の坊▽篝火の宿緑水亭▽鳴子観光ホテル▽ホテル壮観▽伝承千年の宿佐勘▽ホテル松島大観荘▽遠刈田ホテルさんさ亭▽ホテルニュー水戸屋▽鷹泉閣岩松旅館▽ホテルきよ水▽名湯の宿鳴子ホテル▽ゆづくしsalon一の坊

 【秋田県】
海と入り陽の宿帝水▽男鹿観光ホテル▽湯瀬ホテル▽姫の湯ホテル▽セイコーグランドホテル▽男鹿グランドホテル▽さとみ▽妙の湯▽雄山閣

 【山形県】
たちばなや▽八乙女▽日本の宿古窯▽萬国屋▽月岡ホテル▽上杉の御湯御殿守▽展望露天の湯有馬館▽ほほえみの宿滝の湯▽蔵王国際ホテル▽葉山館▽河鹿荘▽仙峡の宿銀山荘▽游水亭いさごや▽蔵王四季のホテル▽深山荘高見屋▽いきかえりの宿瀧波▽おおみや旅館▽海辺のお宿一久

 【福島県】
匠のこころ吉川屋▽八幡屋▽ホテル華の湯▽大川荘▽庄助の宿瀧の湯▽丸峰観光ホテル▽風望天流太子の湯山水▽スパリゾートハワイアンズ▽四季彩一力▽ホテルグランデコ

 【茨城県】
五浦観光ホテル別館大観荘▽思い出浪漫館▽筑波山江戸屋

 【栃木県】
あさや▽宿屋伝七▽花の宿松や▽鬼怒川グランドホテル夢の季▽きぬ川ホテル三日月▽鬼怒川温泉ホテル▽日光千姫物語▽ホテルニュー塩原▽小槌の宿鶴亀大吉▽ホテルサンシャイン益子館▽ホテルエピナール那須

 【群馬県】
四万やまぐち館▽源泉湯の宿松乃井▽福一▽草津温泉ホテル櫻井▽ホテル木暮▽旅館たにがわ▽万座温泉日進舘▽舌切雀のお宿磯部ガーデン▽望雲▽猿ヶ京ホテル▽別邸仙寿庵

 【千葉県】
満ちてくる心の宿吉夢▽鴨川館▽鴨川ホテル三日月

 【東京都】
水月ホテル鴎外荘

 【神奈川県】
海石榴▽箱根吟遊▽強羅花壇▽強羅花扇

 【山梨県】
銘石の宿かげつ▽ホテル鐘山苑▽若草の宿丸栄▽全館源泉かけ流しの宿慶雲館▽ホテルふじ▽湖山亭うぶや▽秀峰閣湖月▽下部ホテル▽華やぎの章慶山

 【長野県】 
ホテル翔峰▽明神館▽上林ホテル仙壽閣▽旅館花屋▽藤井荘▽街道浪漫おん宿蔦屋▽ホテル白樺荘▽緑翠亭景水▽ホテル木曽路▽ホテルやまぶき▽立山プリンスホテル▽一茶のこみち美湯の宿▽ぬのはん▽白樺リゾート池の平ホテル▽RAKO華乃井ホテル▽あぶらや燈千

 【新潟県】 
白玉の湯泉慶・華鳳▽四季を彩る湯沢グランドホテル▽水が織りなす越後の宿双葉▽ホテル清風苑▽ゆもとや▽四季の宿みのや▽ホテル小柳▽ホテル摩周▽夕映えの宿汐美荘▽風雅の宿長生館▽赤倉ホテル▽岬ひとひら▽大観荘せなみの湯▽ホテル摩周▽ホテル吾妻▽ひなの宿千歳▽ホテル秀山▽ホテル大佐渡

 【静岡県】
いなとり荘▽ホテル九重▽坐漁荘▽稲取銀水荘▽下田セントラルホテル▽季一遊▽ホテルカターラ福島屋▽柳生の庄▽観音温泉▽堂ヶ島ニュー銀水▽稲取東海ホテル湯苑▽桂川▽ホテル伊豆急▽ホテルサンハトヤ▽堂ヶ島温泉ホテル 

 【愛知県】
ホテル東海園▽ホテル竹島▽ひがきホテル▽源氏香

 【三重県】
戸田家▽風待ちの湯福寿荘▽ホテル花水木▽鳥羽シーサイドホテル▽サン浦島悠季の里

 【岐阜県】
本陣平野屋花兆庵▽岐阜グランドホテル▽水明館▽高山グリーンホテル天領閣▽穂高荘山月▽ひだホテルプラザ▽ホテルくさかべアルメリア

 【富山県】
金太郎温泉▽宇奈月国際ホテル▽延楽▽ホテル立山▽延対寺荘▽宇奈月グランドホテル

 【石川県】
加賀屋▽瑠璃光▽法師▽ゆのくに天祥▽辻のや花乃庄▽日本の宿のと楽▽花紫▽茶寮の宿あえの風▽花つばき▽たちばな四季亭▽お花見久兵衛

 【福井県】
まつや千千▽グランディア芳泉▽清風荘

 【滋賀県】
びわ湖花街道▽暖灯館きくのや▽里湯昔話雄山荘

 【京都府】
松園荘保津川亭▽嵐山辨慶▽柊家▽旅庵花月

 【兵庫県】
淡路インターナショナルホテルザ・サンプラザ▽佳泉郷井づつや▽ホテル金波楼▽西村屋ホテル招月庭▽有馬グランドホテル▽朝野家

 【奈良県】
さこや

 【和歌山県】
ホテル中の島▽かつうら御苑▽ホテル浦島▽白良荘グランドホテル

 【鳥取県】
華水亭▽皆生つるや▽三朝館▽依山楼岩崎▽皆生グランドホテル天水

 【島根県】
曲水の庭ホテル玉泉▽佳翠苑皆美▽玉造グランドホテル長生閣▽白石家

 【岡山県】
湯郷グランドホテル▽鷲羽ハイランドホテル▽八景▽清次郎の湯ゆのごう館▽せとうち児島ホテル

 【広島県】
宮島グランドホテル有もと▽石亭▽ホテル鴎風亭▽みやじまの宿岩惣

 【山口県】
大谷山荘▽白木屋グランドホテル▽萩観光ホテル▽北門屋敷▽西の雅常盤▽錦帯橋温泉ホテルかんこう

 【香川県】
湯元こんぴら温泉華の湯紅梅亭▽琴平グランドホテル桜の抄▽石灯りの館花樹海▽湯元ことひら温泉琴参閣

 【愛媛県】
ふなや▽大和屋本店▽
道後舘▽道後プリンスホテル 

 【高知県】
城西館▽三翠園▽土佐御苑

 【佐賀県】
萬象閣敷島▽和多屋別荘▽

 【長崎県】
ゆやど雲仙新湯▽雲仙宮崎旅館▽東園▽雲仙福田屋

 【熊本県】
清流山水花あゆの里▽三愛高原ホテル▽杖立観光ホテルひぜんや▽黒川荘

 【大分県】
由布院玉の湯▽ホテル白菊▽杉乃井ホテル▽花菱ホテル▽亀の井別荘

 【宮崎県】
酒泉の杜綾陽亭

 【鹿児島県】
ホテル秀水園▽指宿白水館▽霧島山上ホテル▽霧島国際ホテル▽指宿フェニックスホテル▽旅館吟松▽霧島いわさきホテル▽指宿海上ホテル▽城山観光ホテル 

中国PR予定通り実施

観光庁 井手長官“中長期で影響ない”

 観光庁の井手憲文長官は9月27日の会見で、尖閣問題の影響で落ち込みが懸念される中国人訪日客数の動向について、「中長期的にみて大きな影響はない」という見解を示した。

 中国との間で起こっている尖閣問題での軋轢により懸念される中国人の訪日客数への影響について、井手長官は「団体旅行のキャンセルは出ているが、FITは順調に伸びている」との現状を報告。「航空機の減便やクルーズ船のキャンセル、交流イベントの中止など短期的な影響は出ているが、中長期的な視点でみた場合に大きな影響はないだろう」と語った。

 ビジット・ジャパン事業関連のプロモーションについては、ようす見などすることなく、予定通りキャンペーンを展開していくことを明かした。上海や大連などで多くのイベントに参加・PRするほか、11月20日から横浜で始まるトラベルマートや、在外公館と連携した「ALL JAPAN」での取り組みなどを予定。在外公館との連携では、年度計画で61件を計画しており、10月以降年度末までに36件を予定する。

 東南アジアも重点地域 MICEに注力

 また、先日発表された2013年度概算要求に触れ、とくに重視したポイントについて、重点要求で6億円弱を要求した「東南アジア・訪日100万人プラン」をあげ、「ASEANは中国と同等以上の成長の可能性がある将来性のあるマーケット。今のうちからきちんと取り組んでおく」と語った。そのほか、「観光庁・日本政府観光局(JNTO)・各自治体とも今まであまり力を入れていなかった」と反省するMICEや、2億5千万円弱を要求した新規事業「観光地域ブランド確立支援事業」をあげた。

 JNTO海外事務所 経費増やさずに増設

 国際交流基金との連携強化をすすめ、14年4月をめどに本部事務所の共用化を目指す方針が発表されたJNTOについては、13年度中に同基金のジャカルタ事務所スペース内にJNTO事務所を開設する方針に触れ、「インドネシアの人口や経済力を考えた場合に、ジャカルタは重要な拠点」と話し、「経費が増えないかたちでの事務所増設」になったことを報告した。

 今後も「経費が増えないかたちでの事務所増設」を検討していく方針で、うまくいけば以前より指摘のあった海外事務所の少なさを今後改善できるかもしれない。また、現在半数以上が本部に所属するJNTOの人員を、海外事務所へシフトしている方針を紹介し「本部の方が人数が多いのは組織の役割を考えるといびつ」とした。

 観光産業政策検討会 内的要因の議論へ

 9月に行われた第1回観光産業政策検討会では、国のプロモーションなどの外的要因と、企業経営などの産業自体の内的要因の課題が出された。「ALL JAPAN」での取り組みが弱いという指摘があがったことについて井手長官は「すでに観光庁で取り組んでいることを知らない委員の発言も多かった。活動のPRが足りなかったのは反省点」とし、「この検討会では外的要因ではなく、産業自体が強くなれるよう内的要因に的を絞った議論にしていきたい」と今後の方向性を示した。 

反日の影響に言及(JATA)

中・韓ツアー日程の変更も

 日本旅行業協会(JATA、菊間潤吾会長)の長谷川和芳事務局長は、9月26日の定例会見で、反日気運で揺れる中国・韓国へのアウトバウンド状況について、「ツアー日程の変更を余儀なくされるところも出ている」と触れた。

 長谷川事務局長は、「具体的な数字は把握していない」としたうえで、修学旅行・交流事業・公式行事の取消、キャンセルが出ていることを報告した。

 パッケージツアーの予約に関しては「長期化すれば先の旅行の手控えや、訪問国の変更など影響が大きくなる」と懸念を示し、「非常に残念。1日も早く通常通りに戻ってほしい」と話した。

 また、「各社、現地オペレーターと連絡を密にツアーを続けているが、日程に支障出ているところもあると聞いている」と報告した。なお、大きな災害や世界情勢の変化などの際は、観光庁で数字発表などを一元化することになっており、JATAでは今後もキャンセル数の把握・発表の予定はないという。

グランプリは宮崎朗子さん(ツアー・コンダクター・オブ・ザ・イヤー2012)

受賞者と選考委員会
受賞者と選考委員会

事故に迅速な対応

 日本添乗サービス協会(TCSA)は9月21日、JATA旅博2012(東京ビッグサイト)で、「〝ツアー・コンダクターオブ・ザ・イヤー〟2012」を開き、グランプリの国土交通大臣賞にTEI所属の宮崎朗子さんが選ばれた。

 宮崎さんは、12年1月に起こったイタリア中部トスカーナ沖の大型クルーズ座礁事故の際、乗船客約4200人のうち28人を当人が添乗していた。事故当時、日本へ緊急連絡を入れると同時に避難経路を確保しながらお客様の安否を確認。帰国の手続きやさまざまなケアを行いながら4日後にお客様全員と無事帰国した。ツアー参加のお客様や企画旅行会社役員、伊日本大使館からの感謝状や礼状も届いている。

 早稲田大学名誉教授の吉村作治選考委員長は講評で「今回は皆さん優秀で選ぶのが大変だった。お客様はツアーコンダクターに命を託しているが、信頼と安全性を保っていることに深く感動した」と話した。

 グランプリ以外の受賞者は次の各氏。

 【準グランプリ(観光庁長官賞)】天倉昌絵(ツーリストエキスパーツ所属)【委員長賞】山田浩子(JTBサポート中部所属)【会長賞】中塚淳さん(ジャッツ所属)【会長特別賞】篠原恵理子さん(フォーラムジャパン所属)【優秀賞】勝澤正人(ツーリストエキスパーツ所属)▽安井浩和(フォーラムジャパン所属)▽品川志保(ジャッツ所属)▽齋木勝久(JTBワールドバケーションズ所属)【奨励賞】樫村衣子(ANAセールス所属)▽村岡拓郎(ツーリストエキスパーツ所属)▽新井里江子(同)▽堀田美樹(JTBサポートプラザ所属)▽西口晴雄(JTBサポートプラザ所属)▽久連松圭子(阪急トラベルサポート所属)▽齋藤恵(旅行綜研所属)本多利衣(トップ・スタッフ所属)▽松下朋子(同)▽伊藤かおり(エスティーエス所属)▽森廣隆志(TEI所属)

観光庁長官表彰、レディー・カガも受賞

第4回観光庁長官表彰の受賞者
第4回観光庁長官表彰の受賞者

「大阪あそ歩」など6件

 観光庁は10月1日、第4回観光庁長官表彰を国土交通省内で行い、大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会や石川県加賀温泉郷のレディー・カガなどが、井手憲文長官から表彰を受けた。4回目となる今回は、50件の選考対象のなかから、国内外6件の個人・団体が選ばれた。

 大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会は、市民が観光客を案内する大阪観光の新しいスタイルとして、市民全体のまち歩きイベント「大阪あそ歩」を定着させるなど、観光振興と地域の活性化に貢献したことが高く評価された。

 この日代表して表彰を受けた同協議会幹事で大阪あそ歩委員会代表理事の茶谷幸治氏は、「まち歩きの取り組みは今までの観光の仕組みや取り組みとは違う、非常にベーシックなもの。派手さのない地道な取り組みが国に評価されてうれしい。今回の大阪の受賞はまち歩きを行う全国の取り組みを代表しての受賞だと思う。大阪は全国の取り組みのモデルの1つになったのではないか」と喜びを語った。

 「レディー・カガ」は、石川県加賀温泉郷で働く女性たちが、温泉郷の情報発信とおもてなしの向上を目指し、発想力豊かなアイデアで結束した観光PRプロジェクトチーム。現在220人の女性が登録され、会員番号を持っている。山代・山中・片山津・栗津の4温泉地が連携し、一体となった取り組みで地域の観光振興に貢献したことが高く評価された。

 会員番号1番の代表、甘池英子さん(山代温泉 瑠璃光・女将代理)は「北陸新幹線が通る金沢だけでなく、加賀もあることをアピールするために始まった」と経緯を話し、「加賀の最大の魅力はおもてなし。北陸のおもてなしはきめ細かい。付かず離れず、かゆいところに手が届くおもてなしにぜひ触れてほしい」とPRした。また、会員番号8番の岸田沙織さん(ゆの宿 白山菖蒲亭・若女将)は4温泉地での連携に関して、「車で10、15分と近い距離なのに、今まで一緒に活動することがほとんどなかった。今回『加賀』として連携し、一緒に活動することで横のつながりができたこともうれしい」と語った。

 そのほかの受賞者(個人・団体)は次の通り。
【国内観光振興】東北六魂祭実行委員会
【国際観光振興】高山市▽シン・チャンヨン▽チャルン・ワンアナノン

当事者は知識と力を(第3回県温泉協会連絡会議)

第3回県温泉協会連絡会議のようす
第3回県温泉協会連絡会議のようす

 日本温泉協会(廣川允彦会長)は10月2日、環境省の担当官や各県温泉協会の代表者が意見交換する「第3回県温泉協会連絡会議」を開き、地熱問題や温泉排水規制の課題などについて議論した。

 地熱対策特別委員長の佐藤好億氏は、今年3月に環境省がまとめた「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」には、500メートルを超える深い部分での〝曲がり掘り〟に関する記載がないこと、さらに曲がり掘りによって地元といっても境界を確定できない点を指摘。そのうえで、「今後、国立・国定公園内など国の所有地の中で地熱開発が行われることが増えてくるのではないか。所有権のない我われがどこまで発言できるのか」と危機感を示した。また、開発前の試験井でのモニタリングを開発事業者に任せないことなどを強調した。

 出席した各県温泉協会からは、発電後の熱水を還元井から地層の割れ目などに戻すため、地震が多発している事例などを紹介し、「地熱開発の問題点や危険性などを、一般の温泉利用者、世論にもっと訴えるべき」との意見も出された。

 日本温泉協会副会長の森行成氏は「協会としては、地熱発電の必要性は認めつつ、『無秩序な開発はやめてほしい』というほんのささやかな願い。この声に、国や開発業者が聞く耳を持たない態度ならば、態度を硬化せざるを得ない」とした一方で、「当事者である我われが知識と力を持たない限り戦えない。(国や開発業者から)温泉関係者の分断というやり方で付け込まれてしまう恐れもある」と語った。

 温泉排水規制については、環境省がこれまでの経緯と今後の予定を説明した。旅館業は、温泉を利用する施設に限り、ほう素、ふっ素について暫定排水基準が設定され、2004年、07年、10年と3年ごとの見直し後も、ほう素は1リットル当たり500ミリグラム、ふっ素は同15ミリグラムとする暫定排水基準が設定されているが、今年11月を目途に、排水中のほう素・ふっ素濃度が高い温泉旅館を対象に、排水処理施設の実証実験を実施する予定だ。実証試験を行う施設は民間から公募し、処理能力やコストの評価を行い、温泉旅館における導入の可能性を検証する。

 さらに、11月から来年3月にかけて検討会を設置し、さまざまな情報収集を行いながら新たな暫定排水基準について検討する。来年6月には新基準の制定を予定している。

新たに5地域認定、日本ジオパーク25地域に

 日本ジオパーク委員会は9月24日に開いた第15回委員会で、新たに5地域を日本ジオパークに認定した。今回の認定で、日本ジオパークは25地域となった。

 新たに認定されたのは、「八峰白神」(秋田県)、「ゆざわ」(同)、「銚子」(千葉県)、「箱根」(神奈川県)、「伊豆半島」(静岡県)の5地域。4月の公募から書類審査やプレゼンテーション、現地審査などを経て応募のあった5地域すべてを認定した。

 なお、世界ジオパークネットワーク加盟申請を出していた「阿蘇ジオパーク」(熊本県)については、今年度の推薦を保留した。

 新ジオパークの特徴は次の通り。

 【八峰白神】世界遺産白神山地の地質を海岸で見られる場所。白神山地を作った火山活動と、今でも地面が盛り上がり続ける動きが実感できる【ゆざわ】岩の割れ目から熱湯が噴き出す子安峡大噴湯や、熱水が作った景観の川原毛地獄など地球の熱を感じる見どころが特徴。院内銀山の史跡では鉱山の歴史を見ることができる【銚子】国指定天然記念物の犬吠埼の白亜紀層や、関東盆地の地下にある地層が海岸で観察できる屏風ヶ浦など海岸に沿って美しい見どころがある【箱根】箱根カルデラの風光明媚な景観や大涌谷、カルデラ内外の温泉群など地球科学的な見どころに加え、江戸城の石垣の石を出した真鶴半島の採石場跡など、歴史・文化の名所も多い。11月23日まで認定キャンペーンとして、各種イベントなどを開催中【伊豆半島】南の海から北上して日本列島に合体した、伊豆半島の2千万年の歴史を実感できる多くの美しい崖が海岸線沿いにあり、生物分布にも特異性がある。大室山など最近の火山活動が作った地形も見どころ。 

横山体制の集大成の場に

現体制と次期予定者が壇上に
現体制と次期予定者が壇上に

沖縄で全国大会、新潟県が褒賞グランプリ(全旅連青年部)

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(横山公大部長)は9月27日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで「利他精神~夢を語り背中を魅せる」をテーマに「第21回全旅連青年部全国大会in美ら島沖縄」を開いた。全国から800人を超える部員が一堂に集い、第20代青年部長・横山体制の集大成の場として、各委員会が1年半の活動報告などを行った。

グランプリを受賞した新潟県青年部
グランプリを受賞した新潟県青年部

 第21回全国大会アワード(褒賞)では、総額240万円をかけて、各ブロック、都道府県の青年部による53事業が応募した。審査の結果、「グランプリ」には新潟県青年部の「【にいがた朝ごはん】プロジェクト~私たちは地域の食文化を継承します~」が選ばれた。

 全国大会の冒頭、横山部長は「初めて参加した神戸の全国大会で先輩たちの輝く姿に心を打たれ、ときめきを感じた。今回はぜひ初めて参加した青年部員にも同じようなときめきを持ち帰ってほしい」とあいさつ。また、「旅館業界は夢が少なくなってきているのではないか。目の前にあるすべてのものは、誰かが夢に描き実現したもの。もう一度我われも大きな夢を語り合い、旅館業界を盛り上げていきたい」と語った。

横山部長(右)が「部長バッジ」を山口次期部長に
横山部長(右)が「部長バッジ」を山口次期部長に

 そして今回初めて、横山部長から山口敦史次期部長に「青年部長バッジ」を渡すセレモニーを行った。

 山口次期部長は「来年4月から第21代青年部長として青年部の発展、業界の発展のために精一杯頑張っていく」とあいさつし、次期活動の3つの方針として(1)組織力の強化(2)魅力ある事業の創出(3)災害支援ネットワークの構築――について説明した。

 今大会のブロック別参加登録者数は、北海道ブロックは7人、東北ブロックは90人、北関東信越ブロックは147人、首都圏ブロックは57人、東海ブロックは76人、北陸ブロックは27人、近畿ブロックは75人、中国ブロックは56人、四国ブロックは64人、九州・沖縄ブロックは219人の計818人。来賓や協定商社関係者などを合わせると約1100人が参加した。

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旅行新聞新社賞は 群馬県草津支部に
旅行新聞新社賞は 群馬県草津支部に

 褒賞の受賞組織・事業は次の通り。
【全旅連青年部長賞・グランプリ】 新潟県青年部「『にいがた朝ごはん』プロジェクト~私たちは地域の食文化を継承します~」
【全旅連青年部長賞・準グランプリ】 石川県加賀支部「レディー・カガによる加賀温泉郷のおもてなし全国発信~地域連携とソーシャル・メディアの活用によるPR作戦」
【特別功労賞】 岩手県青年部「お客様と被災者を繋げるいわて被災地復興支援企画『絆!いわて福幸玉(ふっこうだま)プレゼント』」▽福島県青年部「希望のひまわり大作戦」▽山形県小野川・白布支部「旅館組合から米沢八湯へ! 地域を絆で結ぶ温泉・異業種連携」
【旅行新聞新社賞】 群馬県草津支部「湯畑キャンドルイベント『夢の灯り』」
【観光経済新聞社賞】 鳥取県皆生温泉旅館組合「皆生温泉から元気を送る!東北の酒蔵を応援キャンペーン」
【トラベルニュース社賞】 新潟県湯沢貝掛・松之山支部「『地域の食文化を食産業に』雪国フードアライアンス構築事業」
【柴田書店賞】 佐賀県古湯温泉支部「大胆『素敵』に、古湯フォンデュが創造する地域づくり、まちづくり」
【オータパブリケイションズ賞】 高知県高知市旅館ホテル協同組合「土佐の幸を食いつくせ!!市場de朝ごは~ん♪」
【全旅連青年部OB賞】 長野県青年部「飛び出せNAGANO!飛び出せJAPAN!~長野県青年部インバウンド事業」

No.323 「いい旅館にしよう!」座談会 - 旅館の生産性向上へ経営改革

「いい旅館にしよう!」座談会
旅館の生産性向上へ経営改革

 「いい旅館にしよう!」プロジェクトが本紙の紙面でも対談シリーズとしてスタートしているなか、7月26日、神奈川県箱根町・塔ノ沢の「一の湯本館」(小川晴也社長)で、「いい旅館にしよう!」プロジェクトにかかわるメンバーと座談会を開いた。それぞれの立場から旅館業界の現状をどのように見ているか、また、課題や問題点はどこにあるのかを語り合った。座談会終了後には一の湯グループの厨房などバックヤードを小川社長とともに視察した。

【増田 剛】

「集客」の前に「品質向上」を

 「いい旅館にしよう!」プロジェクトの発端となった「旅館の経営改革」の必要性について。

内藤:旅館は地方の雇用の受け皿として、地域経済活性化に大きな貢献をしています。裾野がとても広く、食材などを地元から購入しお金を落としているほか、日本の文化、国民に余暇も提供しています。旅館業は単純にサービス産業、余暇産業というだけでなく、日本の経済のなかで、確固とした産業として認知を受けていくことが大事だろうと思います。

 観光庁から見た旅館業界はどのように映っていますか。

寺田:旅館に対する期待はとても大きなものです。

中島:中小企業が多い旅館は過去の多大な投資が重くのしかかり、そのことが旅館の経営者が前に進んでいくことを妨げているという印象を受けています。

 

※ 詳細は本紙1479号または10月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。