2026年2月2日(月) 配信

国土交通省は2月1日付の人事異動を発令した。
大臣官房付(公益社団法人2025年日本国際博覧会 協会施設維持管理局担当部長)有村真二
航空局安全部付(運輸安全委員会事務局次席航空事故調査官)久保宏一郎
出向〈運輸安全委員会事務局次席航空事故調査官〉(航空局安全部航空機安全課航空機技術基準企画室長)山村肇
2026年2月2日(月) 配信

国土交通省は2月1日付の人事異動を発令した。
大臣官房付(公益社団法人2025年日本国際博覧会 協会施設維持管理局担当部長)有村真二
航空局安全部付(運輸安全委員会事務局次席航空事故調査官)久保宏一郎
出向〈運輸安全委員会事務局次席航空事故調査官〉(航空局安全部航空機安全課航空機技術基準企画室長)山村肇
2026年2月2日(月) 配信

北海道根室市と水産物普及推進協議会は2月6日(金)~8日(日)の3日間、東京都新宿区の新宿駅西口広場イベントコーナーで「~世界に誇る『根室の自然・歴史・食』に魅せられる~『北海道根室まるごとフェア2026』」を開く。
根室市の特産品の対面販売や、観光プロモーション動画「DEEP HOKKAIDO NEMURO」はじめ各種観光PR動画の放映、動物のはく製展示などを行い、市の魅力を発信する。
物産ブースで販売するのは、「花咲ガニ」や「北海しまえび」「ほたて」などの水産物や、地元の銘菓「オランダせんべい」、「ココチーズ」など。
各ブースで実施するクイズラリーやアンケートに答えた人のなかから、1日先着500人限定で景品をプレゼントする。
また、7日と8日の2日間限定で、根室市出身者による落語や芸能パフォーマンスなど、ステージアトラクションを実施する。
2026年2月2日(月) 配信

ジャルパック(平井登社長、東京都品川区)はこのほど、ツアーコンダクターと巡るスペインの旅「【日本航空利用】充実の4連泊!魅力あふれるバルセロナ満喫の旅6日間」を売り出した。慌ただしく移動するツアーではなく、1つの街に滞在して魅力を深く、贅沢に味わう旅を提案する。
ガウディの未完の傑作「サグラダ・ファミリア」のメインタワー「イエス・キリストの塔」が2026年に完成予定となり、注目が集まっている。同社は「今しか見られない姿、そして新たな歴史の1ページをその目に焼き付けてください」とアピールする。
宿泊は、ガウディ建築の代表作「カサ・ミラ」や「カサ・バトリョ」が立ち並ぶ、バルセロナの目抜き通り「グランシア通り」からすぐのAグレードホテル「グラン・ホテル・ハバナ」に4連泊する。落ち着いて滞在できることで、ショッピングやナイトタイムも堪能できる。
ツアーの設定は4~9月出発で、ゴールデンウイークやお盆、シルバーウイークなど大型連休に合わせた出発日を設定している。出発地は羽田空港で、料金は1人54万9900円~74万9900円。
2026年2月2日(月) 配信

国土交通省は1月31日付の人事異動を発令した。
辞職(大臣官房会計課公共事業予算執行管理室長)関義行
大臣官房会計課公共事業予算執行管理室長(大臣官房会計課企画専門官)福田一貴
2026年2月2日(月) 配信

今号の特集は、昨年11月に環状運転開始100周年を迎えた山手線です。新宿や渋谷、秋葉原といった駅名は、東京を象徴するスポットとして世界的に知られています。本誌では環状線完成に至る歴史とともに、東京の都市自体の変遷を解説しています。「山手線から見る東京」と題した特集記事では、東京・日本橋・銀座・神田に広がる旧江戸の下町エリア、独自の情緒が残る御徒町から日暮里までの北東エリア、そして都市変遷の最前線である原宿・渋谷エリアを重点的に取り上げています。文化面では、12月公開の李相日監督「国宝」、1月公開の三宅唱監督「夜明けのすべて」、3月公開予定の藤元明緒監督「ロストランド」という、今注目の日本映画3作品を紹介しています。旅行ページでは昨年戦後80年を迎えた平和都市広島を取り上げました。
◇
20-Minutes紙のウェブサイトより.png)
ここ数年、フランスで人気の日本食品の一つがお餅だ。フランス語でも「le mochi」として普通にメディアで使われている。◆もち米自体はベトナムやタイの料理にもあるが、日本のお餅特有の食感はグルメなフランス人にとって新鮮で、好意的に受け入れられているようだ。◆ただし、フランス人にとっての「mochi」とは大福を指すことが多く、美味しい物が好きなフランス人には、甘いあんこともち肌の食感が生み出す「マリアージュ」が好まれている。◆今年の年明けに仏メディアが取り上げたのが、日本ではある種の風物詩となっている、お餅を喉に詰まらせる高齢者のニュース。◆フランス人にとっては、この柔らかい食べ物が命に関わる危険を孕んでいることや、騒がしく祝う欧米とは対照的に、厳かに新年を迎える日本が興味深く見えるようだ。◆ところで、フランスでは焼き餅やお雑煮はまだほとんど知られていないのが実状だが、すでにお米の「koshihikari」が浸透し始めているように、大福以外のさまざまなお餅の食べ方もいずれ伝わっていくことだろう。
◇

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旅行新聞 編集部〉
2026年2月2日(月) 配信

観光庁は来年度も引き続き地方誘客に向けて各地の訪日旅行の拡大をはかる。今年度、将来にわたって国内外から旅行者を惹きつけ、継続的な来訪や消費額向上につながる、地域・日本のレガシーとなる新たな観光資源を形成するための支援「地域・日本の新たなレガシー形成事業」を実施。観光庁の村田茂樹長官と同事業を活用する神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社の目黒仁宮司、内閣府地域活性化伝道師で跡見学園女子大学の篠原靖准教授が1月16日、文化財を観光資源として活用する価値を語り合った。
【木下 裕斗】
篠原:2025年は、好調なインバウンド需要が一層拡大し、観光振興が進んだ1年となりました。26年度に向けた観光庁の方針を教えてください。

村田:25年11月末における訪日客数は24年を上回っており、25年は4千万人を超えることが確実となっています。(※25年の訪日客数は約4268万人「26年1月21日公表データ」)消費額は9月末時点で、6兆9千億円(※消費額は暦年で約9兆5千億円「26年1月21日公表データ」)と力強く成長しました。我が国の旅行市場の中心である国内旅行の消費額は25年1月から9月期の累計で20兆円を超え、順調に推移しています。

一方で、観光客が一部地域や時間帯に集中することで、地域住民の生活への影響などへの懸念も出てきました。今後は、観光客の受け入れと住民生活の質の確保を両立していくことに重点を置きながら、地域の課題解決や、地方誘客の促進などさまざまな政策を推進していきます。観光が地域住民に裨益していく姿、観光地が持続的に発展していく姿を国民の皆様に示し、理解してもらうことを念頭に置いて、取り組んでいきます。
今年は、観光立国基本推進計画の改定を年度内に実施する予定となっています。このなかで、①インバウンドの受け入れと住民生活の質の両立②国内交流とアウトバウンドの拡大③観光地・観光産業の強靭化――の柱を掲げます。
そのための財源として、国際観光旅客税を拡充することが昨年末の税制改正の大綱に盛り込まれ、26年度の観光庁当初予算額は約1383億円と大幅に増額されました。関係省庁とも連携しながら、政策を推進していきます。
篠原:訪日旅行について、国は数だけではなく質も追求する高度化した受入体制を構築することになりました。住民との協調をはかる仕組みも整えることが重要です。
一方、コロナ禍など過去の危機的な状況で、国内旅行は観光事業者を下支えしてきました。インバウンドとの両立をどのように推進していきますか。
村田:インバウンドは成長分野ですが、まずは旅行者数と消費額の割合の多くを占める国内旅行の振興をはかり、安定した基盤を築き、そのうえで訪日客向けの施策を進めていきたいと考えております。
篠原:文化庁では、真の日本の魅力を訴求するため、多くの予算を確保しています。
村田:日本各地の文化資源を活用した観光客の誘客のため、文化庁の事業として、約200億円が計上されました。観光庁では、地域資源を活用した観光まちづくりを推進する事業や、広域連携DMOの支援事業など地域の関係者同士が連携して、魅力ある観光地づくりを行うための予算も充実させています。さまざまな事業が活用され、各地域で積極的な誘客が行われることを期待しています。
篠原:大山阿夫利神社は、日本観光の起源といわれます。約2200年の歴史を有する江戸庶民の信仰をベースに〝憧れの旅〟の目的地として繁栄し、日本の文化の発展に大きな役割を果たしてきました。
目黒:大山阿夫利神社は、2200年以上前の崇神天皇のころに創建されたと伝えられている式内社です。

また自然崇拝の元祖でもあります。山にかかる雲を眺めて、雨を予想し、農作業の日程を調整したりしていました。この雲による雨は飲料水や海の漁場の環境を整えることから、大山は日ごろの恵みに対する感謝を示されていました。
古来では別名「あめふり山」とも呼ばれ、雨乞いや五穀豊穣の祈願の対象でした。武運が長く続くよう、源頼朝公が当社に刀を納めたことから「納太刀」という風習も生まれました。
庶民からの崇敬も厚く、江戸の人口が100万人だったころには、年間20万人を超える人々が大山詣りを行ったと記録されています。さらに、参拝者は日々の感謝の気持ちとして、食料を収めることもありました。現代では、金銭に変わっています。
こうした史実が重なり、1つの山にすがる文化が築かれました。

篠原:このような文化を後世に継承することの価値は高く、将来への伝承に当たって、観光は分かりやすく文化を伝える手段であり、価値があります。
村田:山岳信仰は現代にも引き継がれています。さらに大山阿夫利神社には、先導師が参拝者に提供する宿坊や納太刀などの文化を知ることができる観光素材が多くあります。こうしたなか、大山詣りは2016年、我が国の地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている、文化などを認定する日本遺産に認定され、さまざまな観光資源の一層の充実がはかられています。
今後、多くの人を惹きつけ、文化的価値を認めてもらうことが、伝統を後世に引き継いでいくことにつながります。
目黒:文化の継承については非常に難しく、悩みを抱えています。宿坊は明治―昭和ごろに、100軒以上ありました。現在は40軒ほどまで減少しています。地域の最大の課題である後継者不足を解決するため、宿坊の主人であり、参拝のお世話をする先導師を魅力ある職業に確立する必要があります。神前に奉納する伝統文化「神楽舞」の継承も欠かせません。
篠原:生まれ育った地域に住み続けたいと思っても、安定した収入を得るのが難しいため生活できないと感じ、都市部に移り住む人も多いなか、各地の素晴らしい地域ならではのレガシー(遺産)を活用できる体制を整備する必要があります。
観光庁では、「地域・日本の新たなレガシー形成事業」を展開し、将来にわたり国内外から旅行者を惹きつけ、継続的な来訪や消費額向上につながる地域のレガシー(遺産)となる新たな観光資源を形成することを目的に支援を行っています。大山の宿坊の再生と文化財登録を目指す「江戸から令和、そして未来へ ~令和版大山詣り~甦れ! 宿坊『源長坊』再活用事業」が、24年度にこの事業に採択されています。
目黒:大山の宿坊は廃業によって空き家化が進行していることを受け、観光庁のこの事業を活用し、廃業した宿坊「源長坊」を登山者の休憩と大山ならでは歴史的体験を提供する施設としての活用に向け検討しているところです。大山全体の観光の拠点として機能させることを目指します。
さらに、近隣の宿坊や店舗、歴史的スポットなどと連携し、観光客の周遊ルートを形成することで、地域全体の振興をはかっていきます。
結果として日本の新たな象徴的観光地の拠点となることも目指します。
村田:観光庁では、地域の観光資源を生かした地域活性化を支援する施策を講じています。大事なのは、観光庁の事業への応募によって、地域の方々がそのエリアの将来を考えるために集まることです。大山については、活気に満ちていた宿坊を現代で活用するための議論の場を提供することになります。
一度に意見をまとめるのは難しいものの、丁寧な議論を重ねることで方向性が定まっていくものと考えます。地域の課題は共通なので、リーダーが具体的な計画を示したうえで、メンバーのサポートや、必要に応じて計画を修正し、合意形成をはかっていくことが重要です。
源長坊は地域の拠点として情報を発信することや、観光の目玉になるポテンシャルを有しています。将来、新たなファンやリピーターの獲得につなげてほしいと思っています。
篠原:長い歴史を有するレガシーのカタチを変えずに受け継ぐことは難しいなか、歴史を守りながら、時代に沿ったアイデアで消費者のニーズに応えた商品を造成することが、持続的な伝承の可能性を高めることにつながります。
村田:新たなファンやリピーターを獲得するには、名所や景観の良さだけでなく、歴史的背景を伝えることが重要です。地域では気づきにくい価値や魅力を掘り起こすため、外部事業者ならではの視点やノウハウも活用してほしいと考えています。
目黒:宿坊に行き、白装束を着て、編み笠をかぶりながら、大山に登ることが大山詣りの原点でした。観光客がガイドから大山詣りの歴史的背景を聞きながら山を登り、頂上で美しい眺望を楽しむ一連の体験を造成できれば、地域ならではの大変魅力的な観光商品になります。この企画の運営には地域外の協力も欠かせません。
篠原:大山地域では日帰り観光客が多く、滞在時間が短いことが課題です。観光庁の「地域・日本の新たなレガシー形成事業」を活用して宿坊を再生し、宿泊需要のある訪日外国人など新たなマーケットの開拓を含め、地域観光のさらなるステップアップをどのように進めていきますか。
目黒:地域らしさを体験に盛り込むため、宿坊のスタッフが一緒に同行するなど、地域の人が観光客とコミュニケーションをはかれる企画の展開を計画しています。
篠原:観光庁はこれまで、地域・日本の新たなレガシー形成事業をはじめ、観光資源を活用した地域活性化のため、さまざまな支援を行ってきました。今後、さらなる地域の発展に向けて、どのように取り組んでいきますか。
村田:我が国の観光地の魅力を高めるためには、既存の資源に付加価値を加えるとともに、魅力を効果的に発信していくことが重要です。こうした取り組みを進める過程で、地域の人々が話し合いを重ねることは、郷土愛の醸成にもつながります。
観光庁は今後も、観光資源の魅力向上に必要な予算の確保やアイデア創出、体制構築などを支援しながら、観光を通じて地域住民の幸福度も向上する地域づくりを進めていきます。
目黒:神奈川県伊勢原市の大山地区は6町から構成され、人口は1千人以下である一方、年間100万人ほどの観光客を迎えています。行政や観光事業者などとの連携を強化することで、伝統と住民の生活の質を維持しながら、大山への登山を含む大山詣りなどの観光体験の提供を通じて、さらなる地域活性化をはかりたいと考えています。
篠原:さらなる誘客には地域内の連携を強固にしたうえで、取り組むことが不可欠です。観光庁の事業を通じて、さまざまな事業体や行政、市民など地域の関係者が協議を重ねて、地域の方向性をまとめることが、持続可能な観光地域づくりにつながります。
多くの地域が観光庁のさまざまな支援策を活用し、一層の発展を遂げることを期待しています。

2026年2月1日(日) 配信

本紙1月1日号(前号)の新春特集で、「清掃・洗濯の内製化」をテーマに、工学博士・内藤耕氏のインタビュー記事を掲載した。これにあわせて、宿の経営者らに「清掃や洗濯の内製化」について話を伺った。すると、口をそろえて「外注コストの高騰に頭を悩ませている」と話された。さらに、「自館で洗濯の内製化を検討している」という声も幾つか聞かれた。
物価高騰や人手不足の問題が、宿泊業界の現場に大きな影響を与えており、多くの宿泊施設ではIT化やDX化を進め、コストの削減に努めている。
例えば、予約やチェックイン・アウトは人を介さずタッチパネルやスマートフォンで行われる施設が増えた。浴衣やアメニティグッズは、フロント近くのスペースから宿泊者が必要なものを客室に持参する。最近の傾向として、宿泊料金システムの「オールインクルーシブ」化によって、ラウンジにアルコールやソフトドリンク、お菓子やおつまみなどが並び、夕食後もコーヒーやデザートなどを楽しめるようになった。ラウンジだけでなく、大浴場近くでは冷たいハーブティーやアイスクリームなどもフリーで提供される。
宿側はモニターなどで確認しながら補充すればよく、少人数での対応も可能となる。宿泊客にとっても、滞在中にいつでも自分の好きなものを気軽に飲食できるため、その自由度の高さから満足度も高い。このようなスタイルは今後もさらに増えていくことが予想される。
¶
しかし問題は、宿泊業にとって宿命的に必要な客室の清掃と、タオルやシーツ、浴衣・作務衣などの洗濯である。これはいくらIT化やAIが進展しても、省人化は難しい。東京都心のある大型ホテルでは、客室清掃が間に合わず、夜間に清掃をせざるをえず、宿泊需要はあるのに相当数をクローズしなければならないことも耳にした。極言すれば、今や清掃や洗濯業務を上手く機能させることが可能な宿のみが運営を維持できる時代になったことを感じる。
¶
先日、神奈川県・箱根の旅館に取材で訪れた。この宿はスタッフが増えたため、社員寮を1棟拡充した。その社員寮内に業務用の洗濯機と乾燥機を備え付け、自社が運営する2館のバスタオルやフェイスタオル、作務衣などを洗濯している。
以前は外注していたが、稀に生乾きの匂いなどのクレームがあり、それであれば「自分たちで洗濯した方が高品質を保つことができる」と決断した。将来的には自社の宿だけでなく、近隣宿泊施設の洗濯業務を請け負うことも視野に入れている。
この宿は、パティシエの手作りした洋/和菓子を各客室に置くサービスが、とても好評だという。バースデーケーキも自館で作り宿泊客の誕生日を祝う。ケーキも近隣のホテルや旅館に販売することも計画中だ。
¶
高付加価値化事業が進む旅館・ホテルの宿泊料金は軒並み高くなった。高価格帯のラグジュアリーホテルも増えた。しかし施設の素晴らしさに頼って、人の温もりが希薄な宿には虚しさが漂うのはなぜだろう。人が試行錯誤を繰り返すなかに“見えない力”が蓄積されていく。その力とは、地道なメンテナンス業務を外部に丸投げするのではなく、可能な限り自分たちで担うことではないか。宿への“想い”も培われる。これこそが宿の真の実力なのだと最近強く思う。
(編集長・増田 剛)
2026年2月1日(月)配信

2024年度、岐阜県・下呂温泉の宿泊客数は5年ぶりに100万人を超え、コロナ禍からV字回復した。25年度も昨年12月末までに74万6229人(前年同期比99.9%)と、昨春の大型施設リブランドに伴う休館や中国の訪日自粛があるなか、100万人を超えるペースで集客している。実績の華々しさとは逆に、下呂温泉観光協会の瀧康洋会長(水明館社長)は「誘客は、地に足のついた地道な取り組みの繰り返し」と語る。下呂温泉で実践する誘客について、瀧会長に聞いた。
【営業統括部長・鈴木 克範】
◇
――下呂と言えば、緻密なマーケティングに基づいた誘客です。始めたきっかけは。
マーケティングに本格的に取り組むようになったきっかけは、2011年の東日本大震災です。社会全体が自粛ムードに包まれた結果、団体旅行のキャンセルが相次ぎました。危機感を感じた私たちは、発災直後に行政、観光協会、旅館組合、商工会が合同で、緊急会議を開きました。このとき最初に行ったのが、中小の旅行会社やOTA(オンライン旅行会社)からの情報収集です。並行して「地域を盛り上げるために何ができるか」を議論しました。
スピード感を持って動けたのは、「観光が地域にとって大きな産業」という共通認識があったからです。会議では「不安や疲れを感じている人たちにとって、温泉が心身のリフレッシュになるのでは」という意見が出ました。そこで、多くの観光地が慎重な姿勢を続けるなか、「今こそ温泉に浸かり、心身を癒してください」というメッセージを、いち早くテレビやラジオで発信しました。イメージだけでなく「震災復興応援」と題した宿泊プランも造成しました。
一連の取り組みで、3月の発災からわずか2カ月後には、宿泊者数が前年同期を上回るまでに回復しました。一方、その中身は従来主流だった団体に代わり、個人客が大きな割合を占めるようになりました。この成功体験が、温泉街におけるデータ活用や定期的に会議を行う契機となりました。
――その後、どのような過程を辿りましたか。
月に1度の「誘致宣伝委員会」を継続開催しています。メンバーは行政や観光協会、旅館組合、商工会など主要団体の関係者30人ほどです。議題は「現在の情報共有」と「今後のプロモーション」の2つです。全員で宿泊者の年齢層や旅行形態、交通手段などを共有し、具体的なプロモーションにつなげています。それまで個々に活動していた組織が同じ目標を見据え、誘客に取り組むことで、重複などのムダも無くすことができました。
決めた方針に則り活動するなか、想定より集客が少ない、あるいは社会情勢に変化などあった場合は、翌月の会議で再度議論し修正を加えます。これを地道に繰り返すことで、24年度は年間宿泊者数が5年ぶりに100万人を超えるなど、温泉街は活気を取り戻しています。
――温泉街での食べ歩き企画「素肌美人スイーツ」も顧客ニーズを知ることから生まれました。
きっかけは15年、観光客1万人に実施したアンケートです。温泉街に求めることとして、1位が食べ歩き、3位はスイーツでした。当時は温泉街でスイーツを提供する店がほとんどありませんでした。そこで「食べ歩き用スイーツ」をゼロから企画し、16年度に4店舗で販売を始めました。
このプロジェクトでは、各店舗が開発した地元特産品スイーツを、持ち歩きしやすい透明カップに入れて提供しています。19年度には販売11店舗、売上も約6倍に拡大し、街の新たな収益と雇用を生み出しました。現在は12店舗で販売し、食べ歩きは温泉街の風物詩になっています。
スイーツ開発のポイントは「街を歩いてもらう仕掛け」をつくれたことにあります。温泉街の回遊性が高まり、若者や女性グループを中心に飲食店や土産物店への立ち寄りが増加しています。観光客が街歩きを楽しむことで、商店街などで地元住民同士や住民と観光客の交流も活発化しています。新しく開業した店舗が住民向けの割引サービスを提供するなど、観光と日常生活が上手く共存するようになりました。
――24年度の国内プロモーションでは、遠方からの集客を伸ばしています。
観光協会のホームページにアクセスした人の居住地をみると、47都道府県のなかで、21年に10位だった北海道が22年には6位、23年には5位と年々順位を上げていました。コロナ禍をきっかけに(近距離で旅行を楽しむ)「マイクロツーリズム」が注目されましたが、北海道から「行ってみたいという潜在需要」があるということが判りました。
一方、地元客は中部圏から出ていく傾向も予測していました。この見立てに基づき、遠方に加重したプロモーションを行うことで、中部圏の集客は減りましたが、北海道や東北、関東、北陸、関西、中四国、九州・沖縄からの誘客を合わせると前年度比で2万人ほど増えました。結果、国内総計もプラスになりました。
――エコツーリズムの理念にDMOをプラスした「E―DMO」も下呂の特色です。
地域の自然や文化、歴史といった資源を生かしながら、観光振興と環境保全を両立させたいという強い思いがE―DOM誕生のきっかけです。観光協会は、下呂市全体のDMOとして活動しています。そのエリアは下呂地区をはじめ、萩原、金山、小坂、馬瀬の5地区で構成されています。
5つの地区は04年に下呂市として合併する以前は、別々の自治体でした。このため、住民の多くは近隣地区の観光資源を知らない状況でした。行政区分上は1つになりましたが、全体の活性化に向けては一致団結していなかったように思います。
地域全体で旅行者に魅力的な資源を提供することで、地域が活性化し、資源も守られていくというエコツーリズムの理念を取り入れることで、全体の合意が得られると考えました。地元自治体や旅館組合、各観光協会・商工会などに声を掛け、16年9月に下呂市エコツーリズム協議会を設立しました。DMOとエコツーリズム協議会を融合させた取り組みが「E―DMO」です。
――取り組みでは住民が地域に誇りを持てることを目指しました。
E―DMO最大のテーマは、市民に新しい観光資源「地域の宝」を発見してもらい、自らの暮らしに誇りを持ってもらうことでした。具体化するために取り組んだのが、18年度に実施した「宝探し事業」です。
全市民を対象に「あなたが思う地域の宝」を推薦してもらうもので、実に1054人の市民が地域資源2714種類を発掘してくれました。地域の宝を活用したフェノロジーカレンダー(暮らし暦)や宝の地図を作成し、各地区が発表することで、連携や地域の誇りの醸成につながりました。
旅行商品も開発しました。温泉以外の資源を掘り起こせたことで、「新しい下呂市の価値」が生まれました。市民向けには500円と低価格で参加できるワンコインツアーも催行し、地域の魅力を体験してもらいました。参加者にはアンケートに協力してもらい、事業改善に役立てたほか、ツアーの質を上げるため人材育成講座も開講しました。
このほか24年度は、市民向けに観光が市の経済に与える影響や、観光にまつわるさまざまなデータを小中学生向けにまとめた冊子「ここがスゴイよ 下呂温泉郷」を発行し、全戸配布しています。
――官民連携も下呂の特徴です。
観光振興には官民連携が不可欠です。双方が対等な立場で議論し合い、それぞれの強みを生かして補完し合うことが重要です。下呂温泉の場合、観光協会が民間主体であるからこそ、宿泊客の動向や飲食店の利用状況など、現場の動きを敏感に捉えることができます。
一方、広域観光やインフラ整備などは、行政のサポートなくしては進まない局面もあります。民間が主体的にデータを示し、「なぜこれをやる必要があるのか」を明確に提案しながら行政を巻き込むことが重要です。
行政が進める観光施策に対しても、やみくもに乗っかるのではなく、マーケットの動向を踏まえ、「効果が見込めるか」を見極めることが重要です。データを活用し、民間主導で行ってきたプロモーションが結果を残し続けたおかげで、「街づくりは行政で、誘客は民間に」という役割分担ができました。
現在は、行政と民間が対等な立場で協力し合い、それぞれの強みを最大限に生かせるようになりました。民間が計画し、行政がそれをサポートする。そこに市民が関与し、互いを尊重しながら企画を練り上げていく。この流れは、多くの地域が学ぶべき観光振興の在り方だと思います。
――現在、注力していることは。
全体の宿泊単価が漸減傾向にあることを受け、国内団体の誘客に取り組んでいます。
25年4―8月実績ですが、宿泊単価が前年度同期比で88・5%と落ち込みました。1泊2食、1泊朝食、素泊まり、それぞれの単価は上がっているが、全体でマイナスになるのは、単価の低い1泊朝食、素泊まりでの受け入れ比率が増えているからです。
このような傾向が続き、価格競争に陥ると、経営的に厳しくなるのは小規模の宿泊施設です。負のスパイラルは宿泊施設だけでなく、取引業者にも及び、やがて地域が疲弊することになります。
昨年9月からは下呂温泉旅館組合が「団体受け入れリスト」を作成しました。会員の6割にあたる22施設が担当者名付きで、団体(15人以上)の受け入れを表明しています。旅行会社からは「問い合わせの段階で(団体を)受け入れているのか分からないことも多いなか、ありがたい」という声をいただいています。団体なので動いてくるのは少し先になりますが、「下呂温泉の姿勢」を旅行業界に伝えていきます。
もう1つ。昨年11月から観光協会のホームページにAI(人工知能)を活用したモデルコース提案を実装しました。観光地情報をAIに学習させ、閲覧者が選んだ選択肢に応じてモデルコースを生成する仕組みです。旅の形態や好みなど、3つの項目それぞれに当てはまるものを選択するだけで、おすすめコースが示されます。
イベントやグルメ情報など、ホームページ上のさまざまなコンテンツがあるなかで、「モデルコース」の閲覧が多いことから、旅行者側のニーズを加味した提案ができるよう、開発しました。「穴場」と「定番」、どちらが好きかを調整できるなど、遊び心も持たせています。
――最後にひと言お願いします。
観光協会では現在、地域内総生産のうち、観光や旅行による需要で生み出された付加価値の総額「観光GDP」の算定を進めています。これを把握することで、観光産業が地域経済全体にどれだけ貢献しているのかを定量的に示すことや、その増減から観光産業の成長性評価なども可能になります。地域の観光の力を最大限活用し、持続可能な観光地づくりを目指してまいります。
観光の力で地域を活性化するという世界が本当にあるのか。まだ明確な成功事例は無いように思うなか、とことんやりきりたいと思います。
――ありがとうございました。
【本紙1967号または2月5日(木)以降日経テレコン21でもお読みいただけます。】
2026年1月31日(土)配信

3月29日まで、中之島香雪美術館(大阪市)で特別展「大原美術館所蔵 名画への旅―虎次郎の夢」が開かれている。改修工事で大原美術館(岡山県倉敷市)が休館することから、企画が実現した。
目玉の1つ、エル・グレコの「受胎告知」は、聖母マリアが大天使ガブリエルからイエスを身ごもったことを告げられる、聖書の場面を描いたもの。昨年、黄ばんだ古いニス層や後世の加筆部分を取り除く修復が行われ、当初の姿を取り戻した。その過程では、他者が描いたとされる、マリアの頭上に描かれた12の星の冠をあえて残すなど、修復作業への興味は尽きない。
企画展では1900年代初頭、単身欧州に渡り絵画や彫刻を買い付けた洋画家・児島虎次郎の足跡を辿りながら、西洋絵画の傑作を紹介している。
【鈴木 克範】
2026年1月31日(土)配信

京都府旅行業協会(森野茂会長)は1月20日、京都府京都市内のホテルで、会員や協定機関などを集め、新春賀詞交歓会を開いた。
森野会長は「昨年の紅白歌合戦のテーマが、“つなぐ、つながる”だった。これは私たち旅行業者の仕事そのもの。地域と人をつなぐ、人と人をつなぐ、旅行を通じて何かと何かをつなげる。まさに私たちの役割だ。今回、京都のDMOと観光協会の皆さんと、私たちの旅行業者が集まって商談会をするという新しい試みを行ったところ、地域の熱い想いと旅行業者の知恵が混ざり合って、すごい熱気に包まれた。今年の京都の観光の盛り上がりにつながると確信している」とあいさつした。
来賓の西脇隆俊京都府知事は「昨年は大阪・関西万博で大変盛り上がり、2025年の訪日外国人数が4270万人と国土交通大臣から発表された。京都市の松井市長とは2年前からトップミーティングを重ねており、『まるっと京都』というキャッチフレーズのもと周遊観光を促進している。今日のDMOとの商談会という新しいチャレンジも周遊観光につながっていくと感じている」と述べた。
松井孝治京都市長は「私の実家は旅館で、観光や旅行というのは、人と人をつなぎ、日常とは違う出会いや気づきを生む仕事だと、子供のころから感じてきた。3月1日から宿泊税をいただき、市民にとっても本来の観光の喜びを再発見する機会をつくっていきたい」と話した。
【土橋 孝秀】
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