【第51回旅館100選】山梨県・信玄の湯 湯村温泉 「常磐ホテル」

2026年9月18日(金) 配信

日本庭園を眺めながら贅沢な時間を

創業97年の歴史と伝統を紡ぐ、甲府の迎賓館

庭園から見る、夕暮れ時の幻想的な「離れ」外観

 皇室や多くの文豪も逗留した格調高い湯宿「常磐ホテル」。敷地内には、松を基調とした3000坪の日本庭園が四季折々に彩られ、日本を代表する名園の一つとして親しまれている。庭園を囲むように配された広々とした客室からは、南アルプスや富士山を望める。なかでも、数寄屋造りの「離れ」は、日本建築の粋を集めた趣きあふれる個性豊かな8室。木と畳の温もりを大切にした非日常空間に心なごむ。

庭園の中にあり、四季折々の景色を眺めながらゆったり寛げる「露天風呂」

 開湯1200年の歴史を持つ温泉は、黒い御影石を使用した重厚な雰囲気の大浴場や庭園を愛でる露天風呂などが揃う。客室露天風呂は源泉掛け流し。身も心もつるつるに癒されるだろう。

黒い御影石、開放的な窓と広くゆったりとした湯船の「大浴場」

 夕食は、上質な霜降りが特徴の「甲州牛」や水揚げしてすぐに空輸した「日本近海産生本マグロ」等をメインに、山梨の食材と旬の味覚を器の中に表現した、料理長こだわりの会席料理をゆっくりと五感で味わいたい。

旬の素材を取り入れたこだわりの献立と器の「篝火の膳」(一例)

□銀座老舗の姉妹店「ペントハウス甲州」

 「常磐ホテル」の離れにある食事処を改装し、東京・銀座の老舗ステーキハウス「ペントハウス」の姉妹店として、2021年11月1日にオープン。最上級の甲州牛を厳選し、本家直伝の調理法や味付けで提供している。ステーキに合う山梨県産ワインも豊富に取り揃えているのも素晴らしい。

 

交通:《車》中央自動車道 甲府昭和ICより国道20号・県道富士見バイパス線を約6km(20分)P250台(無料) EV充電器[交流8kW]4基有 《電車》JR 中央本線 甲府駅よりバスで15分、湯村温泉入口下車、徒歩1分
チェックin15:00~19:00 out11:00
食事:《夕食》部屋食、個室食事処 《朝食》個室食事処 
部屋:全47室
風呂:男女別大浴場各1、男女別露天風呂各1 
泉質:ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉
料金:3万〜7万円

〒400-0073 山梨県甲府市湯村2-5-21
☎055(254)3111 FAX055(253)0691
https://tokiwa-hotel.co.jp/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第51回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2027年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

全国旅館政治連盟が懇談会 国会議員130人と業界の発展へ意見交わす

2026年9月17日(木) 配信 

(左から)多田計介全旅連前会長、片山さつき財務大臣、井上善博会長

 全国旅館政治連盟(旅政連、井上善博理事長)は9月16日(水)、東京都内で懇談会「全国旅館政治連盟の集い」を開催した。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)や全旅連青年部の部員が、出席した自由民主党の国会議員約130人と観光産業の発展に向けて意見を交わした。

 井上理事長は「令和8年熊本地震の発生以降、大変スピーディーに九州ふっこう応援割の実施が決まった」と謝辞を述べた。そのうえで、「(対象となる県の部員は)夏休みの繁忙期で受けた損失を取り戻そうと努力している。今後も、国会議員の皆様と連携を深めていきたい」と話した。

 片山さつき財務大臣は、非上場株式の相続評価方法の改正による事業承継時の相続税や贈与税の増税案に懸念を示す陳情内容について、「宿泊業界から最も多く寄せられている」と明かした。税負担は企業の業績に応じて増える可能性があることから「中小企業に中堅企業へと規模を拡大してもらい、そのうえで投資による成長を促していく高市総理の方針に則った改正となるよう、検討を進めていく」と語った。

 自由民主党観光振興議員連盟の岩屋毅会長、城内実日本成長戦略担当大臣、金子恭之国土交通大臣(当時)、黄川田仁志内閣府特命担当大臣(当時)なども登壇し、観光業のさらなる発展に期待を寄せた。

九州ふっこう応援割、便乗値上げに「趣旨を逸脱」と警告(木村観光庁長官)

2026年9月17日(木) 配信 

観光庁の木村典央長官は9月16日に会見を開いた

 観光庁の木村典央長官は9月16日(水)に開いた定例会見で、令和8年熊本地震や豪雨災害による観光客の影響のほか、10月から開始する観光需要喚起策「九州ふっこう応援割」を説明した。応援割に合わせて宿泊料金を引き上げる“便乗値上げ”について、木村長官は「事業趣旨を逸脱する行為」と強調し、厳正な対処を求める方針を示した。

 熊本地震や豪雨災害による観光客の影響について、観光庁が国内の主要旅行会社などに行った聞き取りを報告した。熊本県では発災直後の旅行予約キャンセル数が昨年の5倍以上になるなど、九州各県で昨年同時期を上回るキャンセルが発生し、全体では前年の2倍を超えるキャンセルが発災直後に発生していると確認した。

 他方、8月に豪雨被害にあった千葉県や北陸地方への旅行予約については、発災日から翌日に一時的なキャンセルが生じたものの、現時点で大きな影響は生じていないとする旅行会社が多かったという。また、各地で豪雨災害が頻発しているため、国内旅行の動向を引き続き注視するとした。

 インバウンドに関しては、日本政府観光局(JNTO)を通じて、重点市場の旅行会社への聞き取りを報告した。熊本県を含むツアー行程の調整が一部の国・地域で見られたものの、全体としてはSNS上や現地メディアでの報道も発災直後と比べると落ち着いていると説明。豪雨災害の影響も、訪日旅行に関連して大きく話題となっている市場は見られず、日本全体のインバウンドへの影響も現時点では限定的との認識を示した。

□九州ふっこう応援割、便乗値上げ対処厳正に

 熊本地震を受けて、九州各県の観光需要の早期回復と喚起を目的に、10月1日宿泊分から「九州ふっこう応援割」が始まる。九州で1泊以上の旅行・宿泊商品を対象に最大50%、熊本県・鹿児島県は最大60%の割引価格で販売する。予約開始日や割引対象期間などは、各県それぞれが地域の状況を踏まえて決める。

 木村長官は、応援割が九州各県の観光復興を着実に進展するものと期待感を示した一方、応援割に合わせて宿泊料金の上昇を懸念する問いに回答した。人件費上昇などによる宿泊料金の引き上げと判別は難しいとしたうえで、「九州ふっこう応援割による需要増を見込み、割引分をあらかじめ上乗せするなどの行為は“便乗値上げ”ではないかと考える。事業趣旨を逸脱する行為であり、認められるものではない」との認識を示した。

 観光庁は実施主体である各県に対し、旅行業者や宿泊事業者などに応援割の実施に合わせて不当な価格設定が行われないように周知を要請。合理的な範囲を上回る高額な価格設定が明らかな場合は、国への報告や補助対象事業者の登録抹消などの措置を含めて厳正な対処を求めている。加えて業界団体を通じて、便乗値上げを行わないよう強く求めていると述べた。

 応援割は9月15日(火)に一部オンライン予約サイトが先行して熊本、長崎県の宿泊予約を始め、開始直後に完売した。今後はこのほかの予約サイトや宿泊施設の直販、旅行業者などを通じて、各県それぞれが地域の状況を踏まえた販売を順次開設される。観光庁は今回の事業効果を検証したうえで、九州の旅行需要の復興状況などを踏まえて必要な支援の検討を行っていきたい考えを示した。

□和倉温泉宿の半分再開、能登入込客数は6割

 震災から2年半余りが経過した能登半島の観光復興について問われ、甚大な被害が発生した和倉温泉では、これまで約半分の宿泊施設が営業を再開するなど復旧が進んでいると答えた。能登半島地域の観光入込客数も回復に向かっている一方、震災前の2023年と比べて6割程度に留めている現状も報告した。

 観光庁は、能登半島地域の復興に向けて「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」の2次公募を開始。木村長官は「令和6年能登半島地震の発災直後にも、大規模な需要喚起策として北陸応援割を実施したが、地元の意見も聞きながら改めて旅行需要喚起策を行うことも検討していきたい」と話した。

 このほか、「ツーリズムEXPOジャパン2026」の開催が9月24日(木)~27日(日)までの4日間、東京都で2年ぶりに開催される。木村長官は「多くの人に最新の旅の魅力に触れてもらうことで、一層の旅行振興につながる機会になることを期待している」と語った。

ロケツーリズム協議会、2026年度3回目の会合開く ロケ実績の活用へ撮影規約の必要性紹介

2026年9月17日(木) 配信 

会合のようす

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長、東京都港区)は9月9日(水)、渋谷キューズ(東京都渋谷区)で2026年度3回目の会合を開いた。自治体や企業が、ロケ実績の持続的な活用による地域への誘客や観光消費額の拡大に向けて、撮影のトラブルを未然に防ぐための「撮影規約書」について学んだ。約120人が参加した。

 冒頭、観光庁の香取雄太室長補佐は「地方の誘客促進や地域内での消費拡大をはかるうえで、ロケツーリズムは極めて効果的な取り組みだ。地域の新たなファンの創出につながることを期待している」と話した。

 当日は、実践的な提案・見せ方の方法や活用を見据えたロケ対応を学習する初級のロケーションサービスコース、撮影実績の活用やタイアップに向けて、交渉方法や権利処理のノウハウを学ぶ上級のプロモーションコースなどに分かれ、実践的なワーキングを実施。このなかで、同協議会は事業の成果を測るKPI(重要業績評価指標)として公表すべき内容として、経済波及効果や広告換算効果、ふるさと納税寄付額、聖地巡礼、聖地移住を示した。

 今回は、鼎談「知らなきゃ損!俳優の写真を正しく活用する方法~権利処理対談part2~」も実施。TMI総合法律事務所弁護士の中山茂氏とTBSメディアライツ推進事業元部長の田中康之氏、ロケツーリズム協議会会長の藤崎氏の3人が登壇した。

 茨城県行方市の関野健一課長補佐は「ロケ実績も多く、経済効果も上がっている。地元の理解をさらに深めるため、ロケツーリズム協議会と協働し、セミナーを実施した。引き続き、学びながら連携していきたい」と 述べた。

メズム東京、10月から「くるみ割り人形」題材のディナー提供 新国立劇場とのコラボ第3弾

2026年9月17日(木) 配信

シェフズ・シアター特別メニュー「くるみ割り人形」

 「メズム東京、オートグラフ コレクション」(東京都港区)は10月1日(木)から、の16階フレンチダイニング「シェフズ・シアター」で、バレエ「くるみ割り人形」を題材にしたディナープログラムを始める。新国立劇場とのコラボレーション企画の第3弾。提供期間は2027年1月31日(日)まで。

 同ディナーは、新国立劇場バレエ団が12月18日から上演する「くるみ割り人形」をイメージしたもの。物語をフレンチコース5品で表現する。メズム東京はこれまで、2024年12月のオペラ「魔笛」、2025年10月のバレエ「シンデレラ」でも新国立劇場と企画を実施しており、いずれも好評だった。

 今回のメニューは同ホテルクリエイティブディレクターの小泉堅太郎氏が5つの場面展開をイメージし、5皿をデザイン。それを隈元香己キュリナリーマイスター(総料理長)率いるシェフチームが料理に落とし込んだ。

©Takashi Shikama

 アミューズのテーマは「夢の幕開け」。小松菜パウダーでクリスマスツリーを表現し、一口サイズのアミューズをツリーを彩るオーナメントに見立てた。

 前菜「真夜中の戦い」は、おもちゃの兵隊とねずみの女王軍団が衝突するシーンを表現。食材を色分けすることで1皿のなかで両陣営を構成した。車エビと野菜が使われており、隈元シェフによると、紫色の食材集めに苦心したという。

 一転し、メインの魚料理は「雪の国のワルツ」のテーマのもとで白を基調とした。白銀の世界で行われるコール・ド・バレエ(群舞)の統一感を繊細さのある盛り付けで表した。とくに、米をベースにしたペースでかたどった雪の結晶など細部にこだわっている。

 肉料理のメインは「お菓子の国の祝宴」。鴨にフォンドボーと赤ワインのソースを合わせた。お菓子の表現にこだわり、キャンディーケーンやポップコーンなどカラフルで華やかな付け合わせが周囲を彩っている。

 デザートは「夢から覚める朝」がテーマ。物語の主人公である「くるみ割り人形」をかたどった、遊び心ある一品。キャラメルとクルミのムース、マンゴーとパッションフルーツのジュレを組み合わせた。

新国立劇場バレエ団・小野絢子さん(左)と水井駿介さん

 提供開始にあたり、新国立劇場バレエ団で今回のくるみ割り人形に出演するプリンシパルの小野絢子さんとペアを組むファースト・ソリストの水井駿介さんが同コースを試食。各シーンが忠実に再現されたカラーや細部までこだわった料理の数々を前に「バレエを見てから、もしくは見る前と後にぜひ食べてほしい」「この料理のように妥協なく頑張りたい」など感嘆の声をあげた。

 料理の提供時間は午後5時~10時までで、ラストオーダーは8時30分。料金は1人1万5800円で、消費税と15%のサービス料を含む。12月24~26日までは、特別な食材を使ったコースのみの提供で料金は1人2万6000円。予約は専用ページで受け付ける。

 新国立劇場バレエ団の「くるみ割り人形」は12月18日~2027年1月3日まで、新国立劇場オペラパレスで全18回上演される。なお、小野さん・水井さんの出演は12月19・27・31日。

人気の夜の格納庫フォトウェディング企画 ANA Xが10月30日に7回目を開催

2026年9月17日(木) 配信

「ANA Blue Hangar Wedding Photo」

 ANA X(神田真也社長、東京都中央区)は10月30日(金)に、羽田空港のANA格納庫(ANA Blue Hangar)でウェディングフォトツアー「ANA Blue Hangar Wedding Photo」を行う。1組2人限定。2024年の春に1回目を開催し、今回で7回目となる。毎回多数のエントリーがある人気の企画で、抽選で参加者を決定する。

 ANAの航空機を2人のために1機貸切で用意し、普段入ることができない「夜の格納庫」でダイナミックな撮影ができる。また、羽田エクセルホテル東急の「ANA ROOM」と「スーペリアコックピットルーム」の2つの特別室での撮影も付く。

 撮影後は「ANA ROOM」に泊まる1泊2日、夕朝食付きのプランで、ホテルと格納庫間の移動はタクシーを用意する。衣裳は全国のワタベウェディングのドレスショップで事前フィッティングが可能。

 過去の参加者からは「スタッフ皆様のご協力により、私共の人生での貴重な1ページを記すことができました。一般には体験することができないロケーションでの撮影やサービスも最高でした」「スタッフの皆様にお祝いしていただけたようで本当に嬉しかったです。普段入れない場所でウェディングフォトを撮るという貴重な体験ができ良い思い出になりました」などの声があがっている。

 申し込みは専用サイトから。エントリーは9月23日(水)までで、24日に当選の連絡をする予定。料金は60万8000円(1組分)。100円ごとに1マイルのANAツアーマイルが貯まる。

【第51回旅館100選】茨城県・五浦温泉 「五浦観光ホテル 和風の宿本館/別館大観荘」

2026年9月17日(木) 配信

 
「別館大観荘」全景

今なお芸術家を魅了する、日本美術の聖地にたたずむ温泉宿

本館

 日本画の巨匠、横山大観が好んで描いた老松の緑、五浦の日の出、月の出。「五浦観光ホテル」は大観の師、岡倉天心が沈思黙考した六角堂を臨む文化の香り高い地に建つ宿。

「旧横山大観邸離れ露天風呂付特別室」大観画伯のアトリエ兼住まい。親子三世代、友人との集いの機会に
「旧横山大観邸離れ露天風呂付特別室」大観画伯のアトリエ兼住まい。親子三世代、友人との集いの機会に

 館内では、天心の名著『茶の本』にちなみ、夕方ロビーにて抹茶のサービスを提供し、一期一会のおもてなしの心を伝えている。温泉は、評論家も絶賛する源泉掛け流しの贅沢な湯。本館「五浦の湯」の庭園露天風呂では、風情ある滝を臨み、別館「大観の湯」は一幅の日本画のような海の景色に溶け込む一体感を満喫できる。

別館大観荘「大観の湯」

 10~3月の期間は、あんこう料理が旬。11月からは、週末の吊るし切り実演も見応え抜群だ。このほか、新鮮アワビや目光の唐揚げ、あん肝など、多彩な地元の恵みをぜひ堪能したい。

 また、2026年で創業90周年を迎え、感謝の気持ちを込めたプランを用意している。

□五浦名物 あんこう鍋セット

 当館名物の「あんこう鍋」をお土産や贈り物として楽しめる商品。北茨城の港で水揚げされたばかりの新鮮なあんこうのみで作った逸品で、老舗の味覚をそのままに、あん肝たっぷりの濃厚なお出汁は絶品。冷凍商品で売店またはHP から通販にて購入できる。

 

交通:《車》常磐自動車道 北茨城ICから国道6号をいわき市方面へ12km、P100台(無料)
   《電車》JR常磐線 特急スーパーひたちで、品川・東京・上野から磯原駅または勿来駅まで約2時間
チェックin15:00 out10:00
食事:《夕食》《夕・朝食》大広間
部屋:全103室
風呂:《和風の宿本館》男女別大浴場各1、庭園露天風呂各1《別館大観荘》男女別大浴場各1、太平洋眺望露天風呂各1
泉質:ナトリウムカルシウム塩化物泉
料金:2万900円~8万9,100円

〒319-1702 茨城県北茨城市大津町722
☎0293(46)1111 FAX0293(46)5748
https://www.izura.net/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第51回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2027年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

【全旅連青年部】次期部長は上村領佑氏(三重県鳥羽市、季さらホテル&リゾーツ)に決まる

2026年9月16日(水) 配信

臨時総会の冒頭、塚島英太部長があいさつ

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(塚島英太部長)は9月16日(水)、東京都内で2026年度臨時総会を開き、27~28年度の次期部長に立候補していた、流通DX担当副部長の上村領佑氏(三重県鳥羽市、季さらホテル&リゾーツ)を賛成多数で承認した。上村次期部長は所信表明演説でスローガンを「Beyond New Standard―新たな時代のその先へ、伝統を繋ぎ、未来を創る―」とし、宿泊観光産業の「真の収益性向上」など、5つの基本方針を表明した。

 次期部長選出の決議に先立って、部長選挙管理委員会の大平修司委員長から経緯説明があった。

 7月1日に次期部長選挙に関する通知を行い、立候補の受付期間7月22~31日に届け出があったのは、上村領佑氏1人だった。本人が提出した必要書類を選挙管理委員会が精査し、立候補者の資格を適正と認めた。

 8月4日、上村氏を当選人としてラインワークス掲示板に告示。選挙名簿の閲覧期間を8月10~12日まで設けたが、異議がなかったため、上村氏を次期部長予定者とした。

 臨時総会では、上村氏による所信表明演説のあと、出席した47都道府県部長らが賛成多数で承認した。

 上村次期部長は、1991年三重県生まれ、35歳。鈴木治彦部長体制で初出向した。

所信表明演説する上村領佑(うえむら・りょうすけ)次期部長

 演説では、激変する新しい経済環境のなか、「私たちが主導権を握り、その先にある輝かしい未来を自ら創り出していく強い意志をスローガンに込めた」と述べ、「守るべき伝統や青年部の固い絆を守り抜きながら、変えるべき構造や古いシステムは大胆に変革していく」と力を込めた。

 主要な基本方針は①宿泊観光産業の「真の収益力向上」と持続可能な経営基盤の確立②流通の適正化と安心・安全な宿泊環境の防衛③青年部事業の持続可能性の模索④AI活用とDX推進による宿泊業の「生産性革命」⑤深刻な人手不足に立ち向かう「外国人材の戦略的活用」と法的・実務的サポートの確立――の5本柱を掲げた。

 塚島部長は来年3月まで2期目の任期を全力で取り組んでいく姿勢を示し、「長い歴史のなかでさまざまな課題を青年部長を中心に全国の部員が一丸となって乗り越えてきた。今日は次の未来へつないでいく決意の日」と強調した。

井上善博全旅連会長

 全旅連の井上善博会長は「次のリーダー(上村氏)は塚島部長からしっかりとバトンを受け継いで、新しい宿泊観光産業の時代を築いてほしい」とエールを送った。

上村領佑次期部長(左)と塚島英太部長

【速報】2026年8月の訪日外客数 9.6%減の309万8900人(JNTO推計値)

2026年9月16日(水)配信

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)が発表した2026年8月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比9.6%減の309万8900人と前年を下回った。

 JNTOは先月に続いて「東アジアや欧米豪、中東を中心に夏期休暇や祝日に合わせた訪日需要の高まりが見られ、多くの市場で訪日外客数が増加した」と報告。一方で「東南アジアを中心に訪日需要が落ち着く時期であるほか、航空便の減便や台風による欠航などもみられた」と分析した。

 市場別では、韓国、マレーシア、メキシコなど14市場で8月として過去最高を記録。そのうちイタリア、スペインで単月過去最高を記録した。

 一方、出国日本人数は同3.6%減の158万8600人と下回った。

日本旅館協会 函館で金融懇談会、投資と災害多発で意見交わす 官・民・金融の連携強化へ

2026年9月16日(水) 配信

宣言の採択後のフォトセッション

 日本旅館協会(桑野和泉会長)は9月7日(月)、北海道函館市で「宿泊業界における観光と金融に関する全国懇談会in函館」を開いた。会員をはじめ、観光庁や金融庁、中小企業庁、金融機関など約700人が参加。コロナ禍での債務に加え、多発する災害や、時代に合わせた投資に対する費用の高騰といった金融課題を受け、関係省庁や金融機関と意見を交わした。官・民・金融の共創で切り拓く持続可能な観光と地方創生に向けた行動宣言を採択した。

 桑野会長は「近年、災害が相次ぎ宿泊業界を取り巻く環境は大変厳しい状況。これに加え、コロナ禍における金融面での負担など、我われが抱えている課題は多く残されている」と話し、「懇談会では、金融庁や観光庁による基調講演ほか、財務省や金融機関とのパネルディスカッションで多角的な議論を行い、官民・金融の連携による地方創生を実行していく」と語った。

桑野和泉会長

 来賓には、長谷川岳参議院議員をはじめ、鈴木直道北海道知事、大泉潤函館市長らが出席した。

 「地域金融の役割」と題した基調講演では、金融庁の伊藤豊長官は「地域経済の発展には金融機関と宿泊業をはじめとした地域事業者が互いに協力することが大事」とし、「観光は日本の戦略産業であるため、地域の独自のまちづくりや魅力などを金融機関として応援することで、相互に利益を得ることができるウインウインの関係を築いていける」と語った。

 中小企業庁の野原諭長官は「地域再生と中小企業政策について」をテーマに登壇。「現在、経営者が60歳以上の中小企業が全体の50%以上となり、半数は後継者が決まっていない。全体で約860万人を雇用しており今後、事業承継が大きな課題になる」との考えを示した。こうしたなか、国税庁で非上場株式を承継する際の増税が検討されていることを紹介し、「中小企業庁は企業の事業拡大を支援しているため、深く議論したい」と話した。

 観光庁の木村典央長官は「観光を巡る状況と観光政策」について語った。「オーバーツーリズムが課題となるなか、分散の受入先として、北海道に期待を寄せている」との考えを示した。

 北海道は東アジアからの訪日客が中心であり、宿泊日数の多い欧米豪の集客が課題であることから、「観光庁から10億円の補助を受けた北海道観光機構が情報発信、2次交通の整備などが実施される予定だ。今後もさまざまな施策を講じていく」と述べた。

□3テーマで分科会 宿と金融の連携確認

 分科会は①宿泊業と地域金融機関との連携推進②テーマ型ツーリズムの推進③まちづくりでの観光関係者の役割について――の3テーマでディスカッションを行った。

 第1分科会の「宿泊業と地域金融機関との連携推進」では、金融庁長官の伊藤氏、中小企業庁長官の野原氏、財務省大臣官房総括審議官の中山光輝氏、北洋銀行頭取の津山博恒氏、北海道銀行頭取の兼間祐二氏、北國銀行社長の米谷治彦氏、函館商工会議所会頭の久保俊幸氏、日本旅館協会の副会長で北海道支部連合会会長の濱野清正氏が登壇。ファシリテーターは日本旅館協会副会長の相原昌一郎氏が務めた。

(左から)相原昌一郎氏、濱野清正氏、野原諭氏、伊藤豊氏
(左から)中山光輝氏、津山博恒氏、兼間祐二氏、米谷治彦氏、久保俊幸氏

 相原氏は冒頭、緊急セッションで「近年、災害が頻発し、逃れるのは不可能」と問題を提起したうえで、能登半島地震の復興に携わる米谷氏へ復興における金融機関の役割について問いかけた。

 米谷氏は震災後、ホテル・旅館の営業再開に向け、宿泊施設の経営者と和倉温泉創造的復興プランを策定。「和倉温泉は奥能登への入口であり、復興によって観光客が増え、地域活性化を見込める」と理由を説明した。

 また、珠洲市の人口は震災前の約6割に減少したため、「定住人口の増加を見込むのが難しいなか、地域のあらゆる企業を持続するうえで必要となる交流人口を増やすことができる宿泊など観光業は大事な存在だ」と強調した。

 その後、北海道の観光事業者の現状を聞かれた濱野氏は「ホテル・旅館は建物と設備を抱え、時代に合わせた継続的な投資は欠かせない」として、「北海道は冬と夏の寒暖差が激しく、建物と設備の老朽化が早い。このため、北海道の多くの宿は金融支援が欠かせない」と説明した。

 これに対し、北洋銀行の津山氏は、従来の融資では不動産の担保や経営者の保証などに依存しており、資産の評価額などが低い事業者は資金調達が難しかったことを振り返った。これを受け、「宿泊施設の立地やブランド力、収益力などの企業価値を担保として融資する制度を始めた。企業価値の強化に向けたサポートも実施している」と説明した。

 北海道銀行の兼間氏は「宿泊業は北海道の基幹産業で道内の雇用、食、交通を支える重要な産業だ。こうしたなか、後継者は前の経営者による債務を抱えるなど、事業承継は大きな課題となっている」と語った。そのうえで、道内の取引先である旅館が事業を承継する際、事業再生ファンドの支援を受けながら、創業家と常に話し合い再生した事例を紹介し、「今後も融資だけでなく、事業推進も支援していく」と述べた。

 宿泊事業者と金融機関の取り組みを踏まえ、金融庁の伊藤長官は、金融機関が取引先企業において、事業を深く理解し、必要な資金を調達するCFOの役割を担うことを促した。そのうえで、「事業者もCFOのような発想で金融について考える人がいることで、両者は充実した融資・資金調達ができる」とした。さらに、地域でもCFOの役割を発揮する人を置くことで、「金融機関と地域が一体となって戦略を立てることが大事だ」と話した。

 野原長官は「宿泊業が成長取り組みを全力で支援する。地域課題の解決に取り組む企業には十分な資金調達ができるよう、金融庁と連携していく」と方針を示した。

 懇談会の最後には、「函館から未来へつなぐ行動宣言~官・民・金融の共創で切り拓く持続可能な地域観光と地域創生~」を採択。参加した関係者が、地域観光を共に創るパートナーとして持続可能な地域の発展に取り組むことを確認した