「経営コンサル」の倒産・廃業が過去最多ペース AI台頭で「転換期」に(帝国データバンク調べ)

2026年6月15日(月) 配信

 帝国データバンクによると、2026年1~5月に発生した経営コンサルティング業の倒産(負債1000万円以上、法的整理)・休廃業解散は242件判明した。前年1~5月の218件を約1割上回るペースで推移している。

 「このペースで進めば、年間では2000年以降で最多となる、600件超のコンサル事業者が市場から退出する可能性がある」とみる。

 242件のうち、26年に発生した経営コンサルティング業の倒産は74件。集計を開始した2000年以降で最多だった前年(167件、1~5月は69件)を上回るペースとなっている。休廃業解散は168件に上り、前年同期の149件を19件上回る水準だ。

 経営コンサルでは、行政向け申請書類の作成といった「代行業」に依存していた事業者や、中古車・LEDを用いた節税スキームの指南など、「実体的な付加価値を提供せず、制度の『さや抜き』を主目的としていた事業者の破綻が目立つ」(帝国データバンク)とし、とくにコロナ禍におけるITツール導入に伴う「IT補助金」(現:デジタル化・AI導入補助金)の申請代行は、審査の厳格化や参入増、顧客需要の一巡によって、「ビジネスモデルとして成立しなくなり、受注環境が急速に悪化した」(同)と分析する。

 また、小規模事業者では、1案件に対する依存度が高く、クライアント側の予算見直しやプロジェクト中断による影響を受けやすい傾向にある。一方で、人件費を削減すれば、優秀な人材が流出し、サービス品質の低下と、顧客の流出も招くことから積極的に切り込みづらい事情がある。

 結果として、売上高の急減や、高コスト体質による業績の悪化を招きやすく、資金繰りが破綻して事業継続を断念するケースが相次いだ。

 国内のコンサルティング市場(事業者売上高ベース)は23年度に4兆円を突破し、従業員数も17万人に達している。しかし、「伸び率は縮小傾向にあり、これまでの急拡大フェーズから明確な転換期を迎えている」(同)。

 顧客ニーズがリスクマネジメントやⅯ&A、新規事業開拓といった高度で本質的な「課題解決」へシフトするなか、足元では基礎的なリサーチや汎用的な研修コンテンツが生成AIによって急速に代替されている状況を指摘する。

 帝国データバンクでは、「生成AIによる業務代替」を直接の倒産理由とするケースはまだ確認できえいないものの、「専門性による差別化がはかれず、労働集約的・制度依存的なビジネスから脱却できない事業者は、生成AIの台頭による下押し圧力に耐えきれず、今後さらに淘汰が加速する」と予想する。

鉄印帳、桃鉄とコラボ第2弾 新たな「桃鉄印」に特別列車も

2026年6月15日(月) 配信 

桃鉄印(イメージ)

 「鉄印帳」事業を共同で展開する第三セクター鉄道等協議会と読売旅行、旅行読売出版社、日本旅行は6月13日(土)、人気ゲーム「桃太郎電鉄2~あなたの町も きっとある~」(桃鉄2)とコラボレーションした「桃鉄印」を売り出した。コラボ記念に、えちごトキめき鉄道(新潟県)が特別版のTOKIトレインを期間限定で運行する。

 「鉄印帳」と「桃太郎電鉄」のコラボは今回で2度目。地方鉄道を応援している桃太郎電鉄の原作者・さくまあきら氏の思いと、地方鉄道の利用促進や沿線地域の活性化を目指す鉄印帳事業の取り組みが重なり、第1弾は2023年4月~25年3月まで実施した。25年11月に「桃鉄2」が販売されたことから、新たなキャラクターなどを加えた第2弾が企画された。

 「桃鉄印」は、鉄道会社ごとに桃太郎、貧乏神といったゲームのキャラクターや歴史ヒーロー、名産怪獣をあしらったデザインになっている。実際に日本全国をめぐり、第三セクター鉄道等協議会に加盟する41社の「桃鉄印」を集め、“リアル桃鉄”を楽しめる。今回の販売に合わせて、桃鉄バージョンの鉄印帳「桃鉄印帳」も再販する。

 コラボを記念して、新潟・上越地方を走るえちごトキめき鉄道は、「桃鉄」のヘッドマークや行先標をつけたTOKIトレインを期間限定で運行する。運行日は6月13日(土)~28日(日)までと、7月11日(土)~26日(日)までのそれぞれ土曜・休日。車内は全41社の桃鉄印が中吊りポスターなどで飾られ、桃鉄の記念乗車証明書も配布する。

 販売場所は第三セクター鉄道等協議会に加盟している鉄道会社の指定窓口。桃鉄印(46種)が税込各300円、桃鉄印帳(1種)が税込2200円。なお、鉄印の購入は当日の乗車券などと鉄印帳の提示が必要となる。

埼玉県旅行業協会、旅行業法・約款勉強会を実施へ 「宿泊施設の取消料変更」受け

2026年6月15日(月) 配信

総会のようす

 埼玉県旅行業協会(浅子和世会長、243会員)は6月11日(木)、大宮 清水園(さいたま市)で2026年度通常総会を開いた。今年度は旅行業法・約款勉強会を実施する。

 浅子会長は、「原材料費や人件費の高騰で、宿泊施設の料金が上昇し、標準旅行業約款に基づく取消料で、受け入れの準備に掛かった費用を十分に賄えない宿泊施設も増えている。このため、一部のホテル・旅館は申し込み時点から取消料を100%に設定している」と語った。このため旅行会社は、旅行の取消で標準旅行業約款のキャンセル料を上回る取消料を受入施設へ支払うケースもあることから、「7月に旅行業法・約款勉強会を実施する。個別に取消料を設定する場合、県への届出も必要になるため、参加してほしい」と呼び掛けた。

浅子和世会長

 また、「20~50代の消費者は団体旅行を敬遠する傾向がみられる。とくに、宿泊施設での上げ膳据え膳のサービスや、布団敷のために従業員が客室へ入室することに抵抗感を持つ若者が多い」として、日本独自のサービスが失われることへの危機感を示した。今後は、これらサービスの価値を守りながら旅行需要を喚起していく重要性を述べた。

 来賓として出席した、受入施設で構成する埼玉県旅行業協会協定会員連盟の森田繁会長は「AIなどの新たな技術は情報発信やツアー造成、業務効率化などでさまざまな分野で活用されている。協定会員連盟は最新技術を積極的に取り入れ、生産性やサービスの質向上が重要になる」との認識を示した。

森田繁会長

 また、「若年層の価値観を理解し、新たな旅行需要を創出することは業界の持続的な発展につながる。会員の意識の向上をはかっていきたい」と語った。

 案内所などで組織する埼旅協特別協定会員連盟の酒井禎一会長は「人手不足に伴う宿泊施設の料金上昇など、旅行業界を取り巻く環境は厳しさを増しているが、埼玉県旅行業協会の会員の収益拡大につながるよう、業務を進めていく」と話し、引き続きの利用を呼び掛けた。

酒井禎一会長

 同日には、㈱埼旅(梶田雅彦社長)の営業報告も行われた。

 梶田社長は㈱全旅の取締役も務めることから、下呂温泉観光協会と㈱全旅が協定を結び、5~7月団体送客キャンペーンを実施していることを説明。「申込客数は700人を超えた。通年で行い、補助額を増やせるよう交渉している」と話した。

梶田雅彦社長

JTB旅ホ連、宿泊販売目標4500億円 28年度5000億円を目標に

2026年6月15日(月)配信

会場のようす

 JTB協定旅館ホテル連盟(会長=宮﨑光彦・道後御湯社長、3481会員)は6月10日(水)、京王プラザホテル(東京都新宿区)で2026年度通常総会を開いた。26年度の宿泊販売は、前年度比約2%増の4500億円を目標に設定。3カ年目標を定め、27年度は4700億円、28年度には5000億円達成に向けて取り組みを強化する方針だ。

宮﨑光彦会長

 宮﨑会長は「ツーリズム産業の持続可能な発展を実現していくために、JTBと会員がタッグを組み、26年度は宿泊販売目標である4500億円の達成に向け、ともに頑張っていきたい。そのためには、会員施設の商品力や販売力の強化はもっとしていかなければならない」と力を込めた。

 同連盟は、1956年の創立から今年度で70周年の節目を迎えた。宮﨑会長は「100周年に向け、これからの10年間が大きな課題と解決の年。お客様に選ばれるとともに、いかにAIに選ばれるかという時代が来ている。DXとデータ活用により、地域振興と体験を融合させ、最後は人の力で新しい観光の価値を高める作業に移りたい」と語った。

JTBの山北栄二郎社長

 JTBの山北栄二郎社長は、25年度を振り返り「コロナ禍で大変なダメージを受けてから、ようやく利益をしっかり出せる構造に戻ってきた。純資産レベルでは、コロナ前まで回復してきた1年になった」と話し、連盟と会員に向けて感謝の言葉を贈った。

 山北社長は6月30日付の定時株主総会を持って退任し、代表取締役会長に就任を予定する。引き続き、「JTBとツーリズム産業の発展のため、業界団体それから未来に向けて、世界に日本を発信していきたい」と山北社長は締め括った。

JTB新社長に内定した青海友常務執行役員長期ビジョン戦略推進担当

 新社長に内定した常務執行役員長期ビジョン戦略推進担当の青海友氏も登壇し、「山北から114年のバトンを引き継ぐ。会員皆様とともに歩んできた歩みのバトンでもあり、しっかりと受け取って未来につないでいきたい」と決意表明。そのうえで、「ともに旅行文化の向上、観光産業の発展に全力で取り組んでいく」と強調した。

 26年度事業計画では、基本テーマを「JTBとの戦略的パートナーシップの深化による宿泊増売と会員施設の安定経営実現への貢献」に定めた。「四方よし(お客様・地域・JTB・旅ホ連会員)」の精神で、ツーリズム産業の持続的な発展を成し遂げるとして、①宿泊増売②地域振興・観光振興③人財育成④組織強化――の4本柱を掲げた。会員数の拡大に向けた連携強化と、JTB宿泊販売における旅ホ連会員施設シェアの維持拡大に注力し、定率会費収入向上の実現を目指す。

 このほか、次期27年度の通常総会は、27年6月9日(水)に神奈川県・横浜での開催を決めた。

和倉温泉「白鷺の湯 能登 海舟」の営業を再開へ 共立メンテナンスが7月16日から

2026年6月15日(月) 配信

1階ロビーからの現在の景観

 共立メンテナンス(中村幸治社長、東京都千代田区)は7月16日(木)から、石川県七尾市・和倉温泉の「白鷺の湯 能登 海舟」の営業を再開する。令和6年能登半島地震の影響で一部設備が損傷し、休館していたが、施設の修繕や体制整備を進めてきた。宿泊予約はすでに受け付けている。

 周辺では護岸工事が続いているが、和倉温泉では人の往来や交流が地域の再生に向けた取り組みが地域の活力につながると、観光を通じた地域再生に向けた取り組みが進められている。「のとじま水族館」が営業を再開したほか、「和倉温泉総湯」や「和倉温泉お祭り開館」、地域の飲食店なども営業を行っている。

 同館では営業再開に伴い、1階ロビーで石川県が運営する「令和6年能登半島地震アーカイブ」と連携した写真展示を行う。来館者に能登が歩んできた復興の軌跡を知ってもらいたい考え。

 榧森修一支配人は「能登半島地震の発生以降、長期間にわたり休館することとなりましたが、その間も多くのお客様より温かいご支援と励ましのお言葉を頂戴し、心より感謝申し上げます。営業再開に向けた準備を進めるなかで、改めて和倉温泉や能登という地域の魅力、人と人とのつながりの大切さを実感しております。現在も地域では復旧・復興に向けた取り組みが続いておりますが、お客様に安心してお過ごしいただけるよう受入体制を整え、再び皆様をお迎えできる日をスタッフ一同心待ちにしております。当館を拠点に、和倉温泉の街歩きや地域の食・文化・温泉など、能登ならではの魅力をお楽しみいただければ幸いです」とコメントしている。

ANA X、北海道2湯巡る「美容旅」を販売 「川湯温泉×十勝川モール温泉 美肌の湯満喫ツアー」

2026年6月15日(月) 配信

泉質の異なる2湯を巡る

 ANA X(神田真也社長、東京都中央区)は北海道・音更町十勝川温泉観光協会、摩周湖観光協会、川湯温泉旅館組合と共同で「川湯温泉×十勝川モール温泉 美肌の湯満喫ツアー」を売り出した。20代後半から50代の女性をターゲットに、2つの温泉を巡る「美容旅」として企画した。道東地域との提携で、地域活性化に貢献する新しい観光モデルを目指す。

 同ツアーは通常、一度の旅行では訪れることが難しい、少し離れた2つの異なる名湯を専用車で巡る。効能の異なる美肌の湯を入り比べることができる。また、入浴剤市場の知見を持つ、アース製薬が協力しており、滞在中は社員による美容と温泉の特別講話も予定している。

 出発日は9月6日、10月22日、11月7日、12月4日の計4回のいずれも2泊3日。JR釧路または釧路空港からの現地発着ツアーで航空券は含まれない。料金は7万2500円から。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その62- 猿島(神奈川県横須賀市) “想い”は場所に根差す 世代を越え、メッセージを受信

2026年6月14日(日) 配信

 ここのところ、なぜか横須賀に心惹かれている。

 今は横浜に住み、横浜の大学に通勤しているが、横須賀へは横浜から約30分で行けるにもかかわらず、横浜市民はなかなか横須賀に遊びに行くという発想がない。東京都内や千葉県西部に住んでいたときは30分くらいのアクセスはなんともなかったのだが、どうも横浜に住み始めると、電車で30分が億劫になってしまう。それが最近なぜか横須賀へだけは体が向かって行くようになった。

 横須賀の中心市街の沖に無人島「猿島」がある。猿島は東京湾内唯一の自然島で、面積は約0・055平方㌔、周囲約1・6㌔の小さな島である。

 

 

 江戸時代後期、各所で外国船が現れるようになり、幕府は「異国船打払令」を出した。横須賀の観音崎と房総半島の富津岬の間を結ぶ海上を「打ち沈め線」とし、この防衛線よりも江戸湾の内湾に侵入をする異国船には攻撃するべしと定めた。そのようななかで猿島も首都を守る要塞としての機能が強化されることとなり、1847年猿島に国内初の砲台のための台場が築造された。

 明治時代に入ると陸軍省・海軍省の所管となり、1881年に陸軍が東京湾要塞を建設した。第2次世界大戦後は、アメリカ合衆国に横須賀軍港とともに接収された。1961年に返還されたが、その後、航路も廃止されて、長い間立ち入り禁止となっていた。

 1995年、横須賀市は当時の大蔵省から猿島の管理を委託されたことから、当時荒れ放題だった島内を整備することとなった。横須賀市は、散策路などを整備し、航路を復活させた。

島に張り巡らされているトンネルと繁茂する樹木

 2003年には、横須賀市が国から猿島の無償譲与を受け、「猿島公園」としてさらに本格的に公園として整備することとなった。

 そのような経緯を経てきた猿島は、長い間放置されてきたことで樹木が繁茂し、要塞の遺構と自然とが混在している、なんとも独特な景観が広がっている。若い人たちはジブリ作品のラピュタの世界観を想起させると言っている。テレビドラマや映画のロケ地としても利用されており、仮面ライダーのショッカーの基地であったり、西部警察では犯人のアジトとして登場したりしたことがある。

 猿島に行くには、戦艦三笠が保存されている三笠公園横の桟橋から毎日運航している船に乗ると約10分で到着する。入島したらいきなり要塞施設が始まる。煉瓦造りのトンネルや切通しなど、ここを散策するだけで、要塞として機能していたときのことを想像することができる。

 猿島に入島して気づくのが、鳥のさえずりが近いことである。多くの鳥たちが来訪者からかなり近い距離に生息していることがわかる。天気のいい日には富士山も眺めることができるが、東京湾は大小さまざまな船が行き来しているので、それをのんびり見ているだけでも十分だ。なぜかここに導かれるようにやってきて、ここにいることがやけに心地よい。

 かつてもこの猿島に惹かれた人がいた。1853年、日本を開国するために浦賀沖にやってきたペリーは、江戸湾の測量を行った際、この島をいたく気に入り、「ペリーアイランド」と名付けた。猿島はなぜここまで人を惹きつけるのだろう。

 猿島は、海軍・陸軍が接収する前は、春日神社という地元の神社の土地であった。軍事上の重要地点になったので、要塞に土地をすべて明け渡し、神社はもう跡形もない。

海側から見た猿島。右手に見える岩場に日蓮は白猿に導かれて漂着したようだ(撮影:庄司優也氏)

 ペリーはペリーアイランドと名付けたが、定着しなかった。それは、もともと「猿島」の名前が定着していたからだ。猿島の名前は、日蓮が東京湾を渡ってきたときに遭難した際、突然現れた白い猿に導かれてこの島に辿り着いて一命をとりとめたという伝説による。島の北側に岩場があるのだが、日蓮はそこに漂着したようだ。この岩場には今は行くことができない。

 そんな先人たちの想いがこの場所に伝わっている。場所の記憶が、訪れた人の感性に直接響いてくる。

 もともとの観音崎から富津岬までを打ち沈め線としたのなら、防衛するためには、第1海堡・第2海堡はそのライン上にあるはずだ。それが第1海堡、第2海堡は、富津岬と猿島とを結んだ線上に並んでいる。これはきっと猿島が神の島だから、その験を担ぐためにわざわざ防衛線に猿島を含めたのではなかろうか。

 “想い”は場所に根差し、世代を越えて伝わっていく。神社や寺院の建造物に頼らずに、その場所性からのメッセージを受信することで精神性を見出していきたいものだ。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

「観光革命」地球規模の構造的変化(295) 京都とバルセロナ

2026年6月13日(土) 配信

 京都市は日本有数の歴史文化都市であるが一方で少子化と人口減少に悩まされる大都市でもある。さらに市民の生活空間が訪日観光で侵害され、子供を健やかに産み育てる環境が損なわれ、少子化と人口減少が加速している。とくに市内中心部(上京・中京・下京・東山の各区)は全国1887市区町村のなかでも突出した少子化地域で、京都の歴史文化の持続可能性を担保できなくなっている。その原因の一つがオーバーツーリズムだ。

 オーバーツーリズムは世界の歴史文化都市をことごとく呑み込み、歴史・文化の存続のみならず、市民生活も脅かしている。スペインのバルセロナ市は人口の10倍相当の1600万人の外国人旅行者が訪れる歴史文化都市であるが、19年以降の市中心部のホテル建設禁止に続き、28年以降の民泊全面禁止という思い切った対策を表明した。すべてを市場原理に任せるのではなく、「富の源泉」である観光を守るために宿泊施設規制を行い、市民生活と観光の両立をはかっている。

 都市計画学の大家として長年に亘って京都に尽くしてこられた広原盛明氏(元・京都府立大学学長)は今年5月発行の最新著「京都はオーバーツーリズムか:暮らしに寄り添う観光型まちづくりへ」(実生社)で重要な提言を行っておられる。

 京都市は人口の8倍近い1100万人の外国人旅行者が訪れる観光都市であるが、ホテル建設や民泊拡大に効果的対策を講じていない。広原氏は緊急対策が必要な京都中心市街地の宿泊施設や観光施設を総量規制して観光開発に歯止めをかけ、バランスのとれた「職住共存のまち」の再生こそが京都の「21世紀型都市再生モデル」であると提言している。

 実現方策として「都市再生特別措置法」の適用を提案している。

 具体的には中心市街地の一定部分を「都市再生緊急整備地域」に指定し、そのうえで「都市再生特別地区」を指定して土地利用や建築形態を独自に定めて宿泊施設や観光施設の総量規制を行う。その際に建築物に「住宅付置義務」を課して若者世代の居住を可能にするアフォーダブル住宅(適正家賃で居住可能な賃貸住宅)を確保して少子化を食い止め、地域社会の存続をはかるという提案である。

 観光は「富の源泉」であり、広い視野の元で京都再生を検討すべきだ。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

「コンラッド神戸」2030年開業予定、ヒルトンが兵庫県初進出へ

2026年6月12日(金)配信

ホテルが入るビルの外観イメージ

 ヒルトン(クリストファJ.ナセッタ社長、米国バージニア州)は6月12日(金)、神戸市役所本庁舎2号館再整備事業におけるホテル事業として、オリックス不動産(北村達也社長、東京都港区)と「コンラッド神戸」の開業に向けた契約を締結したと発表した。開業は2030年を予定しており、ヒルトンにとって兵庫県初進出となる。ラグジュアリーブランド「コンラッド」としては国内5軒目の展開となる。

 同ホテルは、オリックス不動産を代表企業とし、阪急阪神不動産、関電不動産開発、大和ハウス工業、芙蓉総合リース、竹中工務店、安田不動産で構成するコンソーシアムが開発を進める。ヒルトンが運営を担い、同館跡地に建設される高層複合ビルの地上4階および20~28階に入居する。

 客室数は136室。スイートルームを含む客室のほか、オールデイダイニング、スペシャリティレストランなどを完備する。約500平方メートルのボールルームやミーティングスペースを整備し、国際会議やMICE需要の取り込みもはかる。

 ホテルが入るビルは地下鉄海岸線「三宮・花時計前駅」と地下で直結する計画。旧居留地や南京町など神戸を代表する観光エリアへのアクセスにも優れ、国内外の富裕層旅行者やビジネス客の需要獲得を目指す。

 オリックス不動産の北村社長は「神戸市と民間事業者7社が連携する本事業は、都市機能の高度化とにぎわい創出を両立させる意義あるプロジェクト。『コンラッド神戸』を通じて神戸の新たな交流拠点形成に貢献したい」とコメントした。

 ヒルトンは現在、日本で9ブランド・35軒のホテルを展開。コンラッドブランドは東京と大阪で営業しており、名古屋が26年7月、横浜が27年に開業予定となっている。

むさしの手配センターとむさしの会 「第2回旅創り人の会」7月14日(火)、東京・立川市で開催

2026年6月12日(金) 配信

 むさしの手配センター(小原寛信代表)と、むさしの手配センターむさしの会(会長=青木由記子・よろこびの宿しん喜若女将)は7月14日午後1時から、ホテルエミシア東京立川(東京都立川市)で、「第2回旅創り人の会」を開く。

 第1部の講演会には、トラベルマスターズ会長の鹿島純一氏が登壇。「なぜ旅行業で高収益は実現できたのか。30年で築いた“真似されない仕組み”の正体」をテーマに講演する。

 第2部は2時20分から、懇親交流会を開く。