サービス連合、秋闘結果と春闘方針を発表 冬季一時金は0・07カ月増

2020年1月28日(火) 配信

後藤常康会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(後藤常康会長)は1月27日(月)に会見を開き、2019年秋闘の結果と20年春闘の方針を発表した。昨年12月16日(月)までに集計できた53組合の冬季一時金支給月数の単純平均は、前年同期比0・07カ月増の1・23カ月となった。

 集計できた53組合のうちホテル・レジャー業の24組合は、同0・10カ月増の1・28カ月。ツーリズム・航空貨物業の29組合は同0・04カ月増の1・19カ月となった。

 後藤会長は「19年は台風などの災害があり、旅行業界には大きな影響があった。しかし、前年の水準を維持できたことは各加盟組合が真摯に議論した結果。敬意を表したい」と評価した。

 20年春闘は、14年春闘から掲げていた賃金改善要求0・5%以上を1・0%以上へ引き上げることを基本認識とした。11年に中期的な目標として定めた「35歳年収550万円」の実現を加速したい考え。

 同連合は、すべての加盟組合が実質的な賃金改善に取り組めるように0・5%以上の引き上げを要求してきた。19年春闘では、要求した組合が全体の7割ほどとなり、取り組みは一定度定着していた。

 一時金は年間支給月数を4・0カ月相当とし、すでに4・0カ月以上を確保している加盟組合は前年実績以上を要求する。

 契約社員やパートタイマーなどの待遇改善もはかる。月例給労働者には1・0%以上の実質的な賃金改善分を加えた4500円以上の賃金改善を要望する。時間給労働者には、1・0%以上の実質的な賃金改善分を加えた30円以上の賃金改善に取り組む。

「同一労働同一賃金」に対する考えを表明

 同日には、4月からスタートする「同一労働同一賃金の法整備への対応の考え方」を示した。同連合の取り組みとして①加盟組合の実態把握と必要な支援を行う。一方、加盟組合では、①雇用形態の違いによる不合理な待遇差を是正し、原則として、正社員と同様の待遇をめざす。

 ②雇用形態の違いによって待遇に差を設ける場合には、その理由を明確にすること。

 ③不合理な待遇差の是正に際し、正社員の待遇引き下げは認めない。

 ④不合理な待遇差の是正に向けた団体交渉や労使協議を行う場合は、必ず対象者の声を踏まえて実施する。

 ⑤無期転換後の労働者は今回の法改正では対象とはならないが、同様に取り組む。

 このほか、派遣については「雇用」と「使用」が分離された雇用形態となるため、不安定雇用に陥るケースが多く発生。これを踏まえて、派遣先・派遣元双方で雇用の安定と公正な労働条件の確保に取り組んでいく。

陸前高田「ワタミオーガニックランド」 隈研吾氏設計日本最大級の野外音楽堂を建設

2020年1月28日(火)配信

左から、陸前高田市長・戸羽太氏、隈研吾氏、ワタミ代表取締役会長兼グループCEO・渡邉美樹氏

 ワタミ(東京都大田区)は、岩手県陸前高田市に建設している日本初のオーガニックテーマパーク「ワタミオーガニックランド」内に、建築家の隈研吾氏が設計・デザインする「ワタミオーガニックランド野外音楽堂」を建設する。

 ワタミオーガニックランド野外音楽堂は、ワタミオーガニックランド内の象徴として建設するもので、市民や市外から観光客が集まる施設を目指す。広域から集客が見込む大規模イベントだけでなく、地元の団体や学校の催しなど、さまざまなイベントを実施する。開業予定は「ワタミオーガニックランド」オープン1年後の2022年3月11日(金)。施設規模は、牧草地を一体化した際には最大で5ヘクタール、最大収容人数5万人となり、野外音楽堂としては日本最大級だ。

ワタミオーガニックランド野外音楽堂の概要

施設概要   :野外音楽施設
管理運営   :ワタミオーガニックランド(岩手県陸前高田市)
所在地    :岩手県陸前高田市気仙町 今泉北地区
開業予定日  :2022年3月11日(金)
建築・デザイン:隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所、東京大学教授)
面積     :約5ヘクタール
収容人数   :最大規模で約50,000人
投資額    :約2億円

農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」について

 有機・循環型社会をテーマにしたオーガニックテーマパークで、東日本大震災の発生から10年後にあたる2021年3月11日(木)に開業する。陸前高田市と連携するとともに、段階的に設備を拡充して、約23ヘクタール(東京ドーム5個分)の広大な施設になる予定。畑作や畜産を体験できるとともに、農作物の生産に始まり、加工品を作り、販売までを手掛けることで、ワタミグループが推進する6次産業モデルの拠点と位置付ける。さらに農産加工品を世界に発信していくことで、陸前高田市への注目を高めて活性化につなげる。

2011年から始まった陸前高田市とワタミのつながり

 2011年から渡邉氏が陸前高田市の参与を務めている。イベントの開催、コールセンターの設置、渡邉氏の経営塾開催などを実施し、経済の活性化や雇用の促進に取り組んでいる。「ワタミオーガニックランド」の設置で、国内外から人を呼び込める魅力ある場所をつくるとともに、陸前高田市でできたオーガニック商品を販売していく。

演劇×街あるき 3月4日、日本橋で弥次さん・喜多さんと巡る没入型街歩きツアー始まる

2020年1月28日(火) 配信

案内人のガイドの藤川さん、弥次さん・喜多さん

 東京都・日本橋で3月7日(土)から、演劇と街あるきを組み合わせた「日本橋シアトリカルツアー」が始まる。

 物語から現れた登場人物たちと一緒に舞台となる街や建物を巡り、まるで1本の映画・演劇の中に入り込んでしまったかのような体験を味わえる新感覚の没入型街歩きツアー。十返舎一九「東海道中膝栗毛」の主人公の弥次さん・喜多さんとともに、日本橋周辺に残る江戸の面影巡りを楽しむ。

ツアー途中に芝居が始まる

 ツアーでは、「名橋」日本橋や千疋屋総本店日本橋本店などを巡る。特別な食体験として、日本橋仲通りに設置される寿司屋台で江戸時代に食べられていた特大サイズの寿司も味わえる。

 企画・制作を行う松竹が、三井不動産の特別協力のもと立ち上げる同ツアー実行委員会が主催する。

 1月24日には、東京都内でメディア先行体験イベントが行われた。松竹事業開発本部開発企画室、演劇企画開発室の京井勇樹氏は、「キャストとのコミュニケーションが楽しめる、アドリブ満載の120分」と魅力をPR。「今後は、舟運と連携したキャンペーンや、日本橋エリア全体に範囲を拡大したコラボレーションなど、さまざまな話題を提供していきたい」と力を込めた。

 シアトリカルツアーは、3月7日の初回公演から約1年間の開催を予定。全国各地への展開も計画している。

ここでしか見ることができない貴重な人形も多数展示 2月22日、「岩槻人形博物館」がオープン

2020年1月28日(火) 配信

犬筥

 埼玉県・岩槻に2月22日(土)、「岩槻人形博物館」がオープンする。日本の人形文化の魅力とその奥深さを発信。ここでしか見ることができない貴重な人形も多数展示される。

 併せて同館敷地内に同時オープンする「にぎわい交流館いわつき」とも密接に連携し、東部地域(岩槻、春日部など)の観光を盛り上げる拠点にも活用する考えだ。

 収蔵数は、日本画家西澤笛畝の人形コレクションを中心に、人形に関係する浮世絵や古典籍などの関連資料を含む約5千点。館内は3つの展示室で構成される。

 展示室1では、日本最大の人形の産地である埼玉県の人形づくりを、制作道具や映像などを通し紹介する。

 常時30~50点の人形を展示する展示室2では、日本の古典様式の人形を中心にジャンルごとに展示する。展示作品は、保護の観点から定期的に入れ替えられる。

展示室2

 展示室3では、収蔵品で構成される企画展を年3回、他の博物館などから資料を借りて行う特別展を年1回開催。幅広い人形の変遷を発信するため、世界の人形や創作作家の作品の展示なども計画する。

 2月22日(土)~4月12日(日)までは、開館記念名品展Ⅰとして「雛人形と犬筥・天児・這子」を開催する。同館が収蔵する雛人形の名品を一堂に展示。人形のルーツとされる犬筥・天児・這子も見ることができる。

展示室3

 「さいたま岩槻人形博物館」は、人形をテーマにした日本初の公立博物館として開館する。「服飾文化」と「民俗学」、「歴史」、「技術」の専門家である学芸員4人を配置し、「人形学」という新たな学問を構築。学芸員の調査研究に基づき、展示事業と普及事業を展開し積み重ねることで、地域文化としての定着をはかることも狙いだ。

 1月22日(水)、同館で内覧会が行われた。林宏一館長は「コレクションは、全国にある人形関係の博物館施設のなかでもトップだと自負している」と力を込め、「岩槻のまちの拠点として運営していきたい」と意気込みを語った。

日本旅行、沖縄資源視察など行うプログラムの参加者募集中 バイオ関連企業向けに

2020年1月28日(火)配信

視察する「沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター」

 日本旅行(堀坂明弘社長)は、内閣府「沖縄力発見創造事業」の運営事務局として、2020年2月19(水)~21日(金)に沖縄県の資源の視察や企業と情報交換などを行う「企業進出・事業連携推進プログラム」に参加するバイオ関連企業の募集を始めた。

 内閣府「沖縄力発見創造事業」企業進出・事業推進プログラム(バイオ編)は、沖縄資源とバイオ分野の研究を活用したい医療や食品、化粧品、環境、エネルギーなど企業に勤める人を対象にした。沖縄の資源と研究機関の視察のほか、在沖縄企業と情報交換を行う。

 沖縄の魅力と感心を高め、在沖縄企業との情報交換を通じて、新たな事業連携などを結んでもらうことが狙い。参加費は無料。旅費や宿泊費などは内閣府が負担する。

開催概要

催事名:「沖縄力発見創造事業」企業進出・事業連携促進プログラム バイオ編

実施日程:2020年2月19日(水)~21日(金)

参加対象:沖縄資源やバイオ分野の研究を活用したい企業など(医療・創薬・健康・食品・化粧品・環境・エネルギーなど)

募集人数:20人(20社程度)

参加費用:全額内閣府負担(各地~沖縄間の航空券、宿泊、現地の移動に要する費用)

ツアー内容:研究機関等の視察、在沖縄企業との情報交換・セッション、公的機関への個別相談ほか

申込締切:2020年2月3日(月)

行程

行程
1日目は、全体の対沖縄投資セミナーやキックオフセッションを予定
2~3日目は、関心・ニーズなどに応じ、複数のグループに分けたプログラムを実施
1日目
オリエンテーション
対沖縄投資セミナー(内閣府、沖縄県担当者から沖縄の投資環境の概説)
キックオフセッション(在沖縄企業による現状と課題の説明、参加企業による構想の提示)
交流会
2日目
主要機関見学
沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターや沖縄バイオ産業振興センター、沖縄ライフサイエンス研究センター、琉球大学、グループ別見学など
3日目
ラップアップセッション
沖縄科学技術大学院大学(OIST)見学
※行程は予告なく変更となる場合がある

 

人力車と貸切舟から夜桜を楽しむ 「星のや東京」、「東京・夜桜舟あそび」を実施

2020年1月28日(火) 配信

ナイトクルーズ イメージ

 日本旅館「星のや東京」(東京都千代田区)は3月25日(水)~4月10日(金)まで、人力車と貸切舟から夜桜を楽しむ「東京・夜桜舟あそび」を行う。

 人力車で舟の乗り場である日本橋桟橋へ向かい、舟で隅田川を下りながら夜桜と夜景の見所を巡る60分間のナイトクルーズ。花見弁当とスパークリング日本酒を味わいながら、夕闇に浮かび上がる桜が都会の夜景とともに川の水面に映る、幻想的な景色を眺めることができる。

「東京・夜桜舟あそび」を楽しむ3つのポイント

1・舟の上から夜桜と東京の夜景を鑑賞

 貸切舟で日本橋川から隅田川へ向かい、佃島沿岸や大横川沿いなど、数ある桜の見所の中から、潮位や開花状況に合わせて、その日に見頃となっているスポットを舟で巡る。日が暮れるにつれて、川沿いの夜桜とともにライトアップされた永代橋や東京スカイツリーなど、観光名所の夜景も楽しめる。また、舟を運航する「舟遊びみづは」のガイドが、橋や町の歴史など周囲の観光名所について解説する。

2・非日常感を味わえる人力車からの花見

 往路は、星のや東京から日本橋桟橋まで人力車で移動する。日本銀行などの歴史的建造物が建ち並ぶ「江戸桜通り」などの桜の見所を巡る片道約30分の道のりで、人力車の上から普段とは違った目線の高さで桜を眺められる。

3・老舗の花見弁当と花見酒

花見弁当(イメージ)

 夕食は、神田明神下に店を構える老舗料亭「新開花」の花見弁当が味わえる。ほんのりと桜色をした鯛の昆布じめと、黒酢を使った酢飯の入った弁当の軽やかな味わいに合わせ、口当たりの良いスパークリング日本酒も用意。また、復路では点出しの抹茶と茶菓子を楽しめる。

オプション・春を彩る着物の貸出しと着付け

 特別なひとときを着物で楽しみたい人向けに、正絹着物一式の貸出しと着付けを行う。事前に選んだ着物を星のや東京の館内で着付けるほか、ヘアメイクも行う。また、早めの時間から着付けをしてもらい、日中に着物で東京の桜の名所を巡ることも可能だ。

「東京・夜桜舟あそび」概要

期間:3月25日(水)~4月10日(金)

時間:午後5:30~午後7:15(乗船時間60分)

集合・解散場所:日本橋桟橋

定員:1日1組(2~4人)

料金:2人、10万2千円、3人、13万2千円、4人、14万2千円 (税・サービス料別、宿泊料別)

※上記料金には、ナイトクルーズ(貸切)、人力車(片道)、花見弁当、スパークリング日本酒、お茶菓子、抹茶代が含まれる。桟橋から星のや東京までの移動は料金に含まれない。

着物の貸出しと着付け料金:1人、5万円~(要予約)

※着物によって料金が異なる

予約方法:公式サイトで、14日前までに予約

対象:星のや東京宿泊者

※状況によりスケジュール、内容が一部変更になる場合がある。開花状況により、桜を見られない場合がある。

淡路夢舞台、開業20周年記念「謝恩ランチCP」開催

2020年1月27日(月) 配信

淡路夢舞台

 複合リゾート施設・淡路夢舞台(兵庫県淡路市)は4月5日(日)まで、施設内のテラスレストラン&ショップで「謝恩ランチキャンペーン」を行う。同キャンペーンは、2020年3月に開業20周年を迎えることを記念して、レストラン2店舗で2000円(税別)のランチを提供する。

淡路牛手ごねハンバーグ150g&淡路牛サイコロステーキ(ライス付)

 「淡路島Kitchen ハッピーハンバーグ」では、「淡路牛手ごねハンバーグ150g&淡路牛サイコロステーキ(ライス付)」を用意する。甘味と旨みが特徴である淡路牛を手ごろな価格で楽しめる。

釜揚げしらす御膳

 淡路島近海の海の幸が自慢の「海鮮料理きとら」では、「淡路島産 釜揚げしらす御膳」を用意する。新鮮なしらすを釜揚げにしてご飯の上に乗せて丼にした一品だ。

「花のタネ」や割引券をプレゼント

 キャンペーンメニューの利用者全員に「花のタネ」のプレゼントも実施する。また、特典として花柄ミニポーチや施設内ショップと日本最大級の温室「奇跡の星の植物館」で利用できる館内共通割引券を先着順で用意する。会計時に、ポーチか割引券のどちらかを選んで受け取ることができる。

 温室「奇跡の星の植物館」では、キャンペーンと同期間、「特別展 淡路夢舞台ラン展2020」も開催している。食事後の「ラン展」観賞やショップでの土産品購入にも使用できる。

「百段雛まつり2020 出雲・因幡・萩ひな紀行」、ホテル雅叙園東京で開催中

2020年1月27日(月) 配信

「おぼこ雛」

 ホテル雅叙園東京(東京都目黒区)は3月15日(日)まで、「百段雛まつり2020 出雲・因幡・萩ひな紀行」を開いている。鳥取・島根・山口の3県のさまざまな雛人形を、同ホテル館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」で見ることができる。

 令和第一回の開催を記念し、江戸・明治・大正・昭和・平成・令和の各時代を象徴する「時代雛」も展示している。

明治天皇雛(明治時代)

 今回展示されるのは、1893年に創業したエンナヤ人形店から寄贈された「おぼこ雛」や、米子の旧家坂口家11代目夫人の坂口真佐子氏が蒐集した「素鳳コレクション」など約1千点のひな人形。

 鳥取県・智頭町からは、外部での公開は同展が初となる石谷家のお雛さまが出展されており、裳の刺繍も鮮やかな明治期の雛人形や、華やかな段飾りを観ることができる。

石谷家のお雛さま

 「百段雛まつりメモリアル」と題し、過去2回の展示で人気を集めた座敷雛(福岡県飯塚市)の展示も行われる。今年のひな紀行のテーマに合わせた、出雲や因幡の神話モチーフが随所にちりばめられた座敷雛の世界が堪能できる。

座敷雛(福岡県飯塚市)

 さらに、会場内全会場で写真撮影を可能としたほか、雛インテリアのなかでお茶とお菓子を味わえる雛のしつらえ「ひな茶房」も2月14日(金)まで行われている。

19年出国者は2000万人達成 訪客、消費額も過去最高を記録

2020年1月27日(月)配信

1月17日に会見が開かれた

 観光庁の田端浩長官は1月17日に会見を開き、2019年の出国日本人数は前年比5.9%増の2008万人で過去最高だったと発表した。LCC(格安航空会社)を中心とした直行便就航都市や運航便数の拡大、ゴールデンウイークの10連休などが寄与したとみられる。19年の訪日外国人旅行者数も3188万2000人で7年連続の過去最高を更新した。訪日外国人旅行消費額も4兆8113億円で過去最高となり、国内外で旅行需要が高まっている。

 20年までに出国日本人数2000万人を政府目標に掲げていたが、1年前倒しで達成したことになる。観光庁の田端浩長官は「関係者の努力で達成できた。達成できるということが業界に元気を与え、新たなチャレンジを進められるステップになる。皆さんの努力に敬意を表したい」と述べた。

 20年は羽田空港の発着枠拡大など、観光交流の基盤である航空便の拡大が見込まれる。これらの機会を捉え、田端長官は「アウトバウンドのさらなる促進に向けて加速化したい」と語った。

 19年の訪日外国人旅行者数は、韓国が訪日旅行控えなどの影響で対前年比減となった。一方で中国は同14.5%増、東南アジアは同15.2%増、欧米豪は13.9%増と全体としては堅調に推移したと考えられる。

 4000万人の目標達成に向けて、引き続き各市場の動向を注視し、旅行ニーズに応じたきめ細やかなプロモーションなどを実施すると伝えた。

 加えて、20年はオリンピック・パラリンピック東京大会の開催年で、「日本への関心がかつてないほど高まる年」と強調。この絶好の機会を捉え、日本政府観光局(JNTO)を中心に、全国のキーコンテンツ情報を世界中に戦略的に発信する「Your Japan 2020」キャンペーンを官民挙げて展開する。

試験運用から半年 ツアーセーフティーネット

 観光庁は昨年7月、海外旅行者の緊急時に迅速な安否確認を実施するシステム「ツアーセーフティーネット」の試験運用を開始した。対象は旅行会社を利用したツアー客。外務省で運用している海外安全情報配信サービス「たびレジ」からの情報提供なども行える。

 現在の参加旅行会社は日本旅行、JTB、ANAセールス、ワールド航空サービスの4社。このほかに、参加の意向を示している旅行会社が8社あると明かした。クラブツーリズム、東武トップツアーズ、阪急交通社、ジャルパック、郵船トラベル、グローバルユースビューロー、読売旅行、日通旅行。海外ツアーを手掛ける大手や中堅の旅行会社30社から40社の参加を目指す。なお、参加には各社がシステム改修を実施する必要があり、改修費用は各社負担とする。参加の意向を示す各社は、改修のタイミングに合わせて調整を進めている。

 「ツアーセーフティーネット」は19年度中に、①医療・警察・交通機関などのサービス内容や対応言語などを都市別安全情報として収集し、旅行者へ提供する②緊急時における旅行者の迅速な安否確認に加えて、旅行者が登録した家族の連絡先へ安否確認結果を提供する――といった機能の強化を行うとしている。

 20年度は同システムの本格的な運用に向け、より多くの利用者を確保する。あわせて、課題の整理・検証などを実施し、さらなる機能の改善・拡充について検討することとしており、引き続き、旅行者の安全の確保をはかっていく。

リニューアル中の大阪国際空港ターミナル 2020年7月グランドオープンへ

2020年1月27日(月)配信

ウォークスルー型商業エリア(イメージ図)

 リニューアル工事中の大阪国際空港が、2020年7月にグランドオープンする。2018年4月に中央及び屋上エリアが先行オープンし、現在、南北出発エリアの新装工事を行っている。

 今回のリニューアルで、保安検査場の先に新たに商業エリアを設け、搭乗までの待ち時間に買い物や食事を楽める、より魅力的な空間に生まれ変わる。国内線として日本初となるウォークスルー型商業エリアも導入する。商業エリアから続く飲食ゾーンの中心には、自由に食事や休憩のできるオープンスペース、キッズスペースを設ける。

 保安検査後のエリアに新たに出店するのは、大阪国際空港でしか買えないアイテム・体験を提供する関西色豊かな31店舗。空港を頻繁に利用するリピーターや、時間に制約のある利用者も楽しめるよう、新しい発見のある商品ラインナップ、スピーディーなサービスの提供を目指す。さらに、保安検査前の一般エリアには、飛行機を利用しない人も楽しめる5店舗を新たにオープンする。