人気温泉地ランキング 白浜温泉が初のトップ3(楽天トラベル)

2022年1月19日(水)  配信

熱海温泉(イメージ)

 楽天トラベル(三木谷浩史会長兼社長)はこのほど、「2021年 年間人気温泉地ランキング」を発表した。1位は熱海温泉(静岡県)、2位は別府温泉(大分県)と8年連続で1位、2位を獲得。白浜温泉(和歌山県)は初のトップ3に入賞した。

 調査は1月5日(水)、楽天トラベルに登録している全国の温泉地を対象に、21年1月1日(金)~12月31日(金)の期間中における宿泊者の人泊数を集計した。

 熱海温泉は、20年7月に発生した土砂災害の影響を乗り越え、8年連続で1位を獲得。「熱海温泉ホテル旅館協同組合」が被災地域のがれき撤去や、住民への物資運搬などを積極的に支援したほか、県内からの宿泊人泊数が前年から約1・7倍に伸長したことも復興の助けとなった。

 2位の別府温泉では、大分県が感染予防対策を行っている宿泊施設を対象とした割引キャンペーンや、大分空港が人工衛星の打ち上げ拠点に選ばれたことから「宇宙人割」を展開するなど、ユニークさが注目されている。

 3位の白浜温泉は、20年7月から継続的に行っている県内旅行促進キャンペーンがランクインに一役買った。県内旅行は同1・7倍となり、コロナ禍中であっても2年連続で堅調に伸長し、初のトップ3入りとなった。また、白浜町は、楽天グループが運営するふるさと納税ポータルサイト「楽天ふるさと納税」で「楽天トラベルクーポン」を返礼品として取り扱いを始め、観光促進に力を入れている。

和倉温泉「虹と海」 レストラン一新 大型窓から七尾湾一望

2022年1月19日(水)配信

吹き抜けで開放感あふれる空間

 石川県・和倉温泉にある加賀屋グループの旅館「虹と海」は昨年11月13日、1階ロビーをメインダイニングとしてリニューアルした。従来の3階にあったレストランより広くなり、七尾湾を一望できる抜群のロケーションのなか、ゆったりと食事を楽しめるようになった。

 新レストラン「シーボー」は、開放感あふれる吹き抜けの天井と、海側に設けた大型の窓から望む七尾湾の景観が自慢だ。

 調理風景を間近に楽しめるオープンキッチンも設けた。広さは1階が650平方㍍、2階が250平方㍍の延べ900平方㍍と従来の約2・5倍に拡大。席数も1階が156席、2階が72席の計228席と約2倍に増やした。

 料理は、新しい食事スタイル「おとなビュッフェ」で提供。能登の食材をふんだんに盛り込んだ和・洋・中の約50種類の料理やオープンキッチンの出来立て料理から、自分だけのオリジナルメニューを作って味わうことができる。フルーツやプチケーキ、アイスといったデザート類も充実している。

 宿泊客の夕・朝食会場として利用するほか、温泉入浴がセットになった夕食日帰りプランも用意する。

「提言!これからの日本観光」 JRバス第1号(車)に思う

2022年1月19日(水) 配信

 旧国鉄の経営改革によって1987年に発足したJR各社は、いずれもそのグループ企業で国鉄バスを承継して「JRバス」を運行している。高速道路バスを中心に営業する。

 旧国鉄が鉄道経営と併せて、国直営のバスの運行を始めたのは約90余年前の1930(昭和5)年のことであった。当時国内のバスは都市内、地方路線共に公民営中心で民業圧迫の声もあったとかで、鉄道路線を先行、代行、短絡する場合に限って運行するなど限定的な役割を果たすものに限って営業を始めた。

 即ち建設予定の鉄道路線完成までの間、バスで代行する場合、道路の開設によって鉄道路線が迂回していたところをバスで短絡でき旅行時間の短縮できる区間ないしは、鉄道駅へのアクセス効果の高い路線に限って運行したのである。

 その第1号路線として「省営乗合自動車」のブランドで東海道線「岡崎駅」(愛知県岡崎市)と中央線「多治見駅」(岐阜県多治見市)・「高蔵寺駅」(愛知県春日井市)までの約50㌔を同年、国産の座席数20(荷物室付き)の大型バス7台で開業した。同区間は鉄道敷設法による鉄道建設予定線で、その開通まで鉄道とほぼ同じサービスを提供するとした。

 即ち鉄道を代替するバスであることを明らかにするための「停留所」は「駅」と呼び、主な「駅」には鉄道並みの「駅舎」も設け「駅員」も配置。乗車券の発売(全国各駅へ)荷物・貨物の取り扱いも鉄道と同じように行った。手小荷物はバス特設の荷物室で、貨物はトラックで最寄り鉄道駅まで輸送し、貨車に積み替え全国各駅に継送した。

 また市販の時刻表では鉄道線と同じ詳細な全便の時刻を、有人駅を中心に掲載。地図上でもほかのバスとは異なり鉄道並みの太線で表示するなど鉄道との一体性を強調した。同線の当時を知る人の話では「道路を走る鉄道ができたと感激した」という。

 バスも大型で乗り心地も良く列車と同じようにダイヤ通り正確な運行をし、前照灯の光度も高く「神々しい感じさえした」など概して好評で営業成績もますまずだった由である。

 この国鉄(JR)バス第1号路線を走った1台は、東京にあった鉄道博物館で保管されていたがJR東海リニア・鉄道館(愛知県名古屋市)が開館したので、同館に移管いわば里帰りを果たし鉄道代行バスとして同館の主要展示物となっている。

 このバスがこのほど、標準型バスとして初めて国の「重要文化財」に指定されることとなった。乗客数如何によるが、鉄道と同じ利用条件(運賃・ダイヤ・販売体制など)であれば、バスがより利用しやすい(戸口から戸口まで)効率的な輸送システムであることを実証したことも今回の指定理由のように思われる。

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

さがMaaS事業実行委員会 佐賀県にMaaS導入 交通の最適経路を提案

2022年1月19日(水)配信

デジタルチケット

 佐賀県の交通を考え、ベストな移動環境を目指す「さがMaaS事業実行委員会」(会長=佐賀県地域交流部交通政策課長)は昨年12月14日に「SAGA Mobility LABO」を発足した。1月11日からは、トヨタファイナンシャルサービスのスマートフォンで複数の移動手段から乗車券などを購入できるマルチモーダルモビリティサービス「my route」を導入した。

 「MaaS(Mobility as a Service)」はスマートフォンなどを活用し、1つのアプリで目的地まで鉄道やバス、タクシー、カーシェアなど複数の移動手段を組み合わせて、最適な経路・検索や観光情報、予約決済などができるサービス。

 佐賀県では人口減少に加え、新型コロナウイルスの影響で公共交通利用者が減少。マイカー依存が増加し、公共交通への認知不足など課題を抱える。

 同プロジェクトには西日本鉄道や九州旅客鉄道に、地元のバス、タクシー、自動車販売会社と自治体など26法人・団体が参画し、課題解決に向けてさまざまなアイデアの実現を目指す。

 具体的には①「my route」を導入して最適経路を提案するマルチモーダルルート検索②県内の観光情報とイベント情報との連携③バス乗り放題と地域クーポンがセットのデジタルチケット販売④2次交通としてのカーシェア導入拡大――などに取り組む。

アクティビティジャパン、2021年予約数ランキング発表 1位は前年比120%増のシュノーケリング

2022年1月18日(火) 配信

オンラインツアーは前年比655%増だった
 HISグループのアクティビティジャパン(陳明明社長、東京都新宿区)はこのほど、2021年における人気アクティビティのランキングを発表した。1位は前年比120%増のシュノーケリング。国内オンライン体験ツアーは655%増となった。
アウトドアアクティビティは10月の緊急事態宣言明け以降、予約数が増加した
 
 アウトドアアクティビティは昨年10月の緊急事態宣言明け以降、予約数が増加した。このうち、シュノーケリングや体験ダイビングなどのマリンレジャーは、沖縄本島にある青の洞窟や恩納村エリアのほか、石垣島や宮古島で好調。予約数は前年比で約1・4倍だった。
 
 また、「船釣り・海釣り体験」は東京都内から日帰りで行ける神奈川県横浜市近郊での体験を中心に、同約1・5倍伸びた。釣り道具を持っていない初心者や女性1人からでも参加できるプランが全国的に増えたことが主な要因。
 
 「オンライン体験・オンラインツアー」の利用者は40代以上の女性が多く、参加者からは「なかなか行きたくても行けなかった」や「どういう場所か事前に知りたい」などの声が挙がった。具体的には、地域の特産品が事前に自宅に届き、ホストと共に料理を作ったり、届いたお菓子やお酒を食べたりしながら楽しむツアーが人気だった。

   同社は「(オンラインツアーは)観光を学んでいる学生に対して授業の一環や忘年会イベントなど、利用目的が多様化している。ニーズは今後も高まる」と予想する。 

クラツー、美術検定1級が同行 新たな美術館ツアー始める

2022年1月18日(火)配信

美術検定は美術・アートの総合的な知識を測る日本で唯一の検定

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)は、美術検定1級「アートナビゲーター」が講師として同行する美術鑑賞ツアーを新シリーズとして始める。美術検定協会(井上智治代表理事、東京都千代田区)協力のもと、同協会主催の美術検定1級合格者を招き、美術館での作品ガイドやツアーを実施する。

 第1弾は、首都圏出発の関西美術館巡りの宿泊ツアーを企画した。バス車内で美術検定1級・アートナビゲーターの中村宏美講師が絵画の楽しみ方をレクチャー。「印象派の誕生とその後の美術」「仏教美術を楽しむコツ」「日本画の動物たち」の3テーマで講座を開き、各講座で「鑑賞の手引き」を用意する。このほか、2月2日(水)開館の大阪中之島美術館をはじめ、関西の必見の美術館・展覧会を巡る。

 出発日は3月5日(土)、9日(水)の1泊2日で、旅行代金は1人当たり7万9800円~8万4800円。

 今後は対象地域を広げ、美術のテーマも絵画鑑賞だけでなく建築など広げていく。また、オンライン講座(西洋美術史講座など)を展開予定。

福井県観光連盟 「稼ぐ」地域づくりへ 雪板滑走や製作体験支援

2022年1月18日(火)配信

滑走風景

 福井県観光連盟はこのほど、大野市の「奥越前まんまるサイト」が取り組む「雪板(スノートイ)滑走・製作体験による六呂師高原ホットスポット形成事業」について、初めて「観光地域づくり推進事業補助金」で支援すると発表した。

 北陸新幹線福井・敦賀開業や、中部縦貫自動車道全線開通に向け、観光で「稼ぐ」地域づくりの推進に取り組んでいる。

 同補助金制度は福井県内の事業者を対象に、商品や観光コンテンツの開発、情報発信などのソフト事業において、新規性があり、地域の稼ぐ力の向上につながるモデル的事業となるものに対し、事業費の半分以内を補助するもの(最大1千万円まで)。昨年11月に着任した観光スーパーバイザーの指導・助言のもと実施する。

 今回は、先駆的な体験・アクティビティのプログラムモデルを構築できる事業として、73万5千円を交付する。

 奥越前まんまるサイトは、大野市でグリーンツーリズムやエコツーリズムに基づく各種体験・アクティビティ事業を展開している。今回採択された事業は、シンプルな板で雪上をサーフィンのように滑る滑走体験や、荒天時にも影響を受けない雪板製作体験を実施することで、六呂師高原を北陸初の雪板ホットスポットにしようというもの。事業期間は3月15日まで。滑走体験は2月中旬から本格的に開始する予定。

「観光人文学への遡航(19)」 安心保障関係とは(1)

2022年1月18日(火) 配信

 経済学の用語に「レモン市場」という言葉がある。レモンとはまさに柑橘類のレモンであるが、別義で役に立たないものや人、欠陥品、ポンコツ車といった意味がある。なぜレモンというか。それは、レモンが厚い皮に覆われているので、中身が腐っていることが外見を見ただけではわからなくて、持ち帰って切ってみて初めて粗悪品だということがわかることに由来する(逆に、中身の品質もちゃんといいことが購入時からわかるものをピーチと呼ぶらしい)。

 
 買い手にばれないことをいいことに、故障が内在する中古車(それ自体をレモンと称する)を、故障があることを黙って販売しようとするセールスマンばかりだと、市場には質の悪い中古車ばかりになってしまう。買い手はそれから逃れるすべを知る由もなく、買い手は中古車そのものを敬遠することになり、中古車市場が成り立たなくなってしまうことのように、財やサービスの品質が買い手にとって未知であるために、不良品ばかりが出回ってしまう市場のことをレモン市場という。

 
 世の中はまさにレモン市場にあふれていて、欠陥品をつかませられないか、騙されないか、裏切られないか、不安に思うことが多い。かつて世間を騒がせた中国製の食品偽装の問題はまさにそのレモン市場の様相だったといえよう。

 
 パッケージツアーを嫌う学生が多いことに驚くが、これもまさにレモン市場の様相である。

 
 そこで、買い手の不安を解消するために、ちゃんとした商売をしているように伝えることが必要となる。それが、マナーを徹底したり、敬語を使ったり、マニュアルを通して品質の均質化をはかったり、人によってクオリティが変化するといけないので、サービスのパッケージ化をはかったりする行為に結びつく。

 
 そのような仕掛けを加えることで、買い手が抱く心配事を除去し、安心を保障する。そこで得られる関係のことを「安心保障関係」と言う。安心保障関係では、サービスは固定化され、誰がサービスを行っても均質的となり、不確実性が低減されていく。

 
 就職活動で、学歴を見たり、資格の有無を問うたりするのは、まさにこの安心を保障するためのプロセスだと思うと納得がいく。人事部の採用担当者は、自分の上司(採用担当責任者)から、目前に並んだ同じような就活生の中で、なぜこの人に内定を出すか問われたときに、学歴や資格を語ると説得力が増すことからも、この安心保障関係が初対面とか初期段階での関係性構築では有効に機能する。

 
 相手のことが分からないときに、相手を安心させるツールこそが、学歴だったり資格だったり丁寧な言葉遣いだったり身だしなみだったりといった、パッケージ化されたマニュアル的なものだといえる。

 

コラムニスト紹介 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。日本国際観光学会会長。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

全国に先駆け「九州割」 7県と機構一体で実現を

2022年1月18日(火)配信

(左から)唐池会長、広瀬知事、服部知事

 九州地方知事会会長の広瀬勝貞大分県知事と福岡県の服部誠太郎知事、九州観光推進機構の唐池恒二会長は昨年12月22日、福岡市内で記者会見し、国の地域ブロック割開始のタイミングで九州7県が連携して全国に先駆け「九州割」を開始すると発表した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けた観光業界を支援するため、九州域内の交流を活発にして、観光事業者の救済と消費マインドの回復を目指す。

 九州観光は2021年1―9月実績で、観光消費額がコロナ禍前の19年比で31%、延べ宿泊者数は同46%と依然厳しい状況が続いている。

 九州各県では現在、12月16日以降、1人1泊当たり代金の最大50%(上限5千円)の割引と、地域クーポン1人当たり最大2千円を提供する県民割を拡大した「隣県割」をスタートさせている。

 「九州割」も同程度を予定し、国が拡大を決定すれば1月中旬には開始したい考えだ。

 広瀬知事は「県内割だけでは旅行需要に限界がある。域内移動が盛んな九州割が必要だ」と強調した。

 唐池会長は「九州の19年の宿泊者数5千万人泊のうち、半分の2500万人泊が九州在住。他の地域の30―40%と比べても、九州だけがダントツに高い」と話し、「ロケットスタートできる準備ができている。九州が最初にブロック割り、九州割りをスタートさせる」と意気込みを示した。

いぶすき秀水園 和洋室で商品力アップ バリアフリーにも対応

2022年1月18日(火)配信

テーブル席で部屋食提供

 鹿児島県・指宿温泉の「いぶすき秀水園」(湯通堂温社長)は、旅館5階の10畳和室2部屋を1部屋にし、高齢化に対応したバリアフリー和洋室として改装し、1月から稼働を開始した。同階は特別室クラスの広い部屋が集中し、商品として付加価値を加える。

 新客室は間仕切壁を挟んで、和室6畳+リビングとツインルームの2部屋で構成。入口の踏み込みは、ゆるい傾斜にして車イスのまま入室でき、室内の床材も硬く高級感ある赤系統の「かりん」の木を使用した。

 入口の左右2カ所にトイレを配置。洗面室は上品なタイル張りで、正面に大きな一面鏡を設置した。洗面台の高さも通常より約5㌢低くし、障害のある人や高齢者にも配慮し、浴室はタイル張りで清潔感を出した。

 6畳和室は障子で囲めば、独立した部屋にもなる。浴衣を飾り棚に並べ、クローゼットもコートが収納できる高さを確保。リビングのイス・テーブル席では、朝夕の食事も提供する。

ワーケーション対応のツイン

 ツインルームは、シモンズ製のベッドを配置。壁クロスに金の波模様をあしらい高級感を演出している。窓際に設置した鏡台にもなるデスクは、ワーケーション利用も想定する。

【有島 誠】