群馬県旅行業協会、新会長に小林氏 新理事の意見を会員に共有へ

2023年7月4日(火) 配信

政府の支援策や事業に関する情報をいち早く会員に伝える

 群馬県旅行業協会(武井哲郎会長、108会員)は6月30日(金)、前橋市内で2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、小林聡氏が新会長に就任した。今年度は政府や行政の支援策や事業に関する情報をいち早く、会員に伝える。さらに、会員同士の協業化や事業承継などのノウハウを㈲群馬県旅行業センターや㈱全旅と協力し、プラットホームとして推進できるよう事業を展開する。

 小林新会長は「コロナ後の旅行業について考えていくため、新たに5人の新理事が加わってもらった。いろいろな意見を聞きながら、全会員にも共有していきたい」と抱負を述べた。

小林聡新会長

 武井会長は「コロナ禍で大きな影響を受けたことに加え、相次ぐ旅行会社の不祥事でお客様から業界全体の信頼を失い、ネットを利用した直接予約への移行が加速する危機的な状況だ」と語り、これからの業績回復のために「早期の全容解明と再発防止を求めたい」とした。

武井哲郎会長

 会員には「コロナ禍で多くの課題を抱えていると思うが、まずは元気に前を向いてほしい」と呼び掛けた。

 来賓の㈱全旅の中間幹夫社長は「これからも皆様のための会社で在り続けるために、インバウンドとクルーズなどを皆様の新しい生業となるように取り組んでいく」と話した。

中間幹夫社長

 また、「これまで複数の災害に遭ってきたが、不倒の精神で頑張ってきたと思う。来年の総会では、また皆様と顔を合わせて、笑顔を見たい」と語った。

    ◇

 新役員は次の各氏。

 【会長】小林聡【副会長】飯出瑞生【専務理事】小池靖之【理事】小川弘二▽武井哲郎▽福田一樹▽三浦敬二▽青谷佐智夫▽上原克之▽大沢由記▽中井啓之▽羽鳥喜代志【監事】狩野清高▽吉澤毅彦

23~25年度「訪日マーケティング戦略」 市場別・市場横断・MICEの3部構成(観光庁・JNTO)

2023年7月4日(火) 配信

このほど23~25年度を対象とする「訪日マーケティング戦略」を策定した

 観光庁と日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2023~25年度を対象とする「訪日マーケティング戦略」を策定した。今年3月に策定された「観光立国推進基本計画」で掲げた持続可能な観光・消費額拡大・地方誘客促進の実現を目指す。

 この中で具体的な数値として掲げた訪日外国人旅行消費額5兆円、消費額単価1人当たり20万円、訪日外国人旅行者1人当たり地方部宿泊数2泊、訪日外国人旅行者数の19年越え──など、早期での政府目標の達成を目標としている。

 同戦略は、持続可能な観光を念頭に置き、①ビジット・ジャパン重点市場ごとの「市場別戦略」②高付加価値旅行やアドベンチャートラベル(AT)、大阪・関西万博に関する「市場横断戦略」③国際会議・インセンティブ旅行の誘致に向けた「MICE戦略」──の3部構成。

 市場別戦略では、各市場から旅行消費単価や地方訪問意向が高いターゲットを選定し、各ターゲットの興味関心に応じたプロモーションの訴求テーマ・観光コンテンツをまとめる。併せて、各ターゲットが触れているメディアや旅行予約方法を踏まえた効果的なプロモーション手法も、優先順位をつけて記載した。

 市場横断戦略は、高付加価値旅行の誘致に向け、国内関係者のネットワーク化やサービス内容の収集、セールスの強化などを進める。また、ATの国際団体アドベンチャートラベルトレードアソシエーション(ATTA)と連携し、日本各地で取り組みの支援を行い、誘客促進を目指す。大阪・関西万博に向けて、機運醸成を推進しながら、万博を契機とした地方誘客を推進していく。

 MICE戦略では、観光立国推進基本計画に加え、今年5月に策定した「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を踏まえ、万博やポストコロナの新しいニーズに応じた国際会議・インセンティブ旅行の誘致に取り組んでいく。

日本温泉協会が湯原温泉で会員総会開く 日本の温泉文化をユネスコ登録へ 推進委員長に多田氏を任命

2023年7月4日(火) 配信

日本温泉協会が岡山県・湯原温泉で総会開く

 日本温泉協会(笹本森雄会長、1157会員)は6月25日(日)、岡山県・湯原温泉の湯原ふれあいセンターで2023年度会員総会を開いた。今年度は、日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録することを重点目標の第一に据えた。早期登録実現に向けて、多田計介副会長(全旅連前会長)を推進委員長に任命した。

笹本森雄会長

 笹本会長は冒頭、地熱開発の安全性に強い関心を寄せている協会の姿勢を示し、「日本の温泉源に影響を与えないように、地熱発電の開発は秩序を持って行うよう要望する」と語った。

 「2020年3月現在、全国70カ所で地熱発電が行われており、出力1千㌔㍗以上の地熱発電所が24カ所ある」と述べ、「大深度掘削による地熱開発が近隣の温泉源に影響を与える可能性は否定できない」(笹本会長)と強調した。

 そのうえで、①地元(行政や温泉事業者)の合意②客観性が担保された相互の情報公開と第三者機関の創設③過剰採取防止の規制④継続的かつ広範囲にわたる環境モニタリングの徹底⑤被害を受けた温泉と温泉地の回復作業の明文化――という5つの条件を国や開発業者に求めていると、地熱開発に対する協会のスタンスを報告した。

多田計介推進委員長

 さらに、「日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録」推進事業については、「19年に鹿児島県・指宿温泉で開催した会員総会で登録推進が全会一致で決議された」とし、「ユネスコ登録までの道は長いが、早期の登録を目指す」と力を込めた。

 来賓には環境省自然環境局温泉地保護利用推進室の北橋義明室長をはじめ、伊原木隆太岡山県知事、太田昇真庭市長らが出席した。

 今年度は、日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産登録推進に加え、入浴エチケットポスター販売による入湯客のマナー向上や、温泉モニタリング装置開発普及への協力、レジオネラ属菌対策と温泉に関わる新しい課題の検討――などに取り組む。

 24年度の会員総会は宮城県仙台市の秋保温泉での開催が決まった。

パネルディスカッションのようす

 総会後には、温泉文化シンポジウムが開かれた。高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏がコーディネーターを務め、パネリストには、古林裕久氏(プチホテルゆばらリゾート)、鈴木治彦氏(奥津荘)、金井啓修氏(陶泉御所坊)、佐藤和志氏(乳頭温泉郷鶴の湯温泉)の4氏が登壇。各温泉地に古くから継承されている文化や、今後の課題などを語り合った。

 夕刻からは、湯原国際観光ホテル菊之湯で情報交換会を開いた。

 翌6月26日(月)は、「第37回湯原温泉露天風呂の日」として、温泉之祖神参拝や、露天風呂(砂湯)の大掃除、お湯取りの儀、温泉感謝の集いなど、神事やイベントも行われた。

全旅協、二階会長が再任 「会員の事業継続が最重要課題」

2023年7月4日(火) 配信

更新要件の弾力的運用や、過重債務の救済措置などを求めていく

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長、5328会員)は6月29日(木)、東京都内で2023年度定時総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、二階会長の再任を決めた。副会長の近藤幸二氏(岡山県)と駒井輝男氏(東京都)、北敏一氏(石川県)は続投する。

 二階会長は「団体旅行の回復は緩慢で、未だに予断を許さない状況だ」との認識を示し、「会員の事業継続に向けた環境整備が最重要課題」と語った。旅行業登録の更新の要件となっている基準資産額をコロナ禍前の決算書類で算定することや、過重債務の救済措置、国内旅行の需要喚起などを政府や官公庁に要望。とくに自由民主党には、強く求めていく考えを示した。

二階俊博会長

 今年度は来年2月に、愛知県名古屋市で第18回国内観光活性化フォーラムを開催する。地元が誇る観光資源の魅力を全国に発信し、国内観光の活性化につなげる。さらに、地元自治体などとの連携も強める。

 二階会長は「観光産業は日本の成長戦略の柱で、地方創生の切り札。約5400の会員が協力し合うことで、いかなる困難も乗り越えることができる」と鼓舞した。

 また、人命を失う事故が昨年、相次いだことに触れ、「安全こそ全力で取り組まなければならない。業界の存続に関わる問題だ。ANTAとして貸切バス業界と連携し、安全体制を構築していく」と語った。

 来賓の和田浩一観光庁長官(当時)は観光立国推進基本計画が3月31日(金)に閣議決定されたことを説明。基本方針として持続可能な観光地域づくりとインバウンドの回復、国内交流の拡大を掲げたことを語り、「目標の達成には、官民の関係者が一丸となることが必要」と協力を呼び掛けた。

 その後懇親会が開かれ、斉藤鉄夫国土交通大臣が登壇し、全国旅行支援について7月以降も実施することを報告。「多くの旅行者に活用してほしい」と利用喚起を求めた。

斉藤鉄夫大臣

 小池百合子東京都知事は「東京の強みは観光を通じて誘客できること。これからも皆様の声を聞きながら、コロナ禍前に戻すだけでなく、質も向上させたい」と話した。

小池百合子知事

23年夏休みの旅行動向 海外は台湾、国内は近畿が人気(阪急交通社)

2023年7月4日(火) 配信

各部門で人気を集めた地域

 阪急交通社(酒井淳社長)はこのほど、2023年夏休み(7月15日~8月31日出発)の海外旅行・国内旅行の予約状況をまとめた。調査によると、海外旅行の人気旅行先ランキングは1位が台湾、2位がヨーロッパ、3位が韓国となった。

 出発日のピークは1位が8月16日(水)、2位が7月27日(木)、3位が8月23日(水)。

 海外旅行は検査証明書の提示などが不要となり、4年ぶりに渡航制限が解除された。近距離で旅行日数が短い台湾や韓国、グアム・サイパンが人気を集めた。このほか、外国船による日本発着クルーズは、19年比2・2倍になるなど、コロナ前を上回る予約数となっている。旅行日数の長いヨーロッパもリピーターから選ばれており、なかでもスイスが1位となった。

 国内旅行では、1位が近畿、2位が北陸・甲信越、3位が東北となった。

 出発日のピークは、1位が7月23日(日)、2位が8月3日(木)、3位が8月5日(土)。

 4年ぶりに開催される花火大会や夏まつりもあり、コロナ前と比較して夏まつりが1・2倍、花火大会が1・7倍の予約数となっている。また、「飛鳥Ⅱ」や「にっぽん丸」など、邦船による国内クルーズも、夏まつりや花火開催の地を巡る内容となっており、コロナ前の1・4倍と好調に推移している。

 また、人気旅行先で1位となった近畿は、日帰りバスツアーが牽引した。2位の北陸・甲信越では、長野県・長岡の花火大会を観賞するツアーや、高原リゾートで過ごすツアーなど、夏の季節感や自然をテーマとした旅が人気を集めている。

東武トップツアーズ、東武日光駅と鬼怒川温泉駅にツーリストセンターを開設

2023年7月4日(火) 配信

東武日光駅ツーリストセンター

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は7月1日(土)、新たに「東武日光駅ツーリストセンター」と「鬼怒川温泉駅ツーリストセンター」を開設した。東武ステーションサービス(大阿久信二社長、東京都墨田区)から事業譲渡を受け、それぞれの駅構内に設けた。

 浅草駅で運営する「東武ツーリストインフォメーションセンター浅草(TIC浅草)」や「浅草駅トラベルサロン」と併せた発着地一体運営によるサービスの向上をはかる。また、日光・鬼怒川エリア着地型旅行商品の開発や販売を行うことで、地域との関係強化および同エリアへの誘客促進を目的としている。

鬼怒川温泉駅ツーリストセンター

 両センターではこれまで行ってきた日光・鬼怒川地域の宿泊手配、観光施設などのチケット販売、乗車券類販売などに加え、新たな取り組みを行う。

 新たな取り組みの1つ目は「発着地一体となった情報発信」。発地である浅草、着地の日光・鬼怒川、両者を結ぶ東武鉄道新型特急スペーシアX(7月15日運行開始)が三位一体となり、日光・鬼怒川のリアルな情報を「出発前・移動中・到着後」それぞれのシーンに合わせて発信する。

 2つ目は「高付加価値着地型商品の開発・販売」。日光・鬼怒川エリアで新たな取り組みを行っている事業者との連携強化なども行い、今までに無い高付加価値着地型商品の開発に注力する。開発した商品は、発地での情報発信も行って販売を促進し、海外旅行会社とも連携して地域におけるインバウンド誘客の中核的役割も担っていく。

 今後、両センターの開設を通じ、日光・鬼怒川エリアとの連携を一層深め、引き続き同エリアへの誘客促進をはかる。

はじめてのフェリー旅キャンペーン 阪神国際港湾、フェリー6社共同で開始

2023年7月4日(火) 配信

「ARE YOU FERRY?」

 阪神国際港湾(木戸貴文社長、兵庫県神戸市)は7月3日(月)、大阪・神戸から四国・九州間を運航するフェリー事業者6社による共同キャンペーン「ARE YOU FERRY? はじめてのフェリー旅」キャンペーンを開始した。令和になり各社からデビューした新造船の就航を機会に、若い世代へ「はじめてのフェリー旅」の魅力や情報を発信して利用を促す。対象は10航路のフェリー。

 同社はフェリー旅の魅力として、コストと時間のパフォーマンスの良さをあげる。大阪や神戸から四国・九州を結ぶ長距離フェリーのほとんどが夜出発して朝に到着するため、フェリーは移動と宿泊を兼ねられる交通手段だとアピールする。毎日、定期運航していることから日程調整も立てやすい。

 また、新造船は個室が中心でさまざまな部屋タイプを用意。ビュッフェ形式の食事や展望浴場を備えた船もあり、豪華客船さながらの体験ができる。なお、揺れを軽減するための最新技術が導入されているフェリーは、船酔いの不安も軽減されている。

 CPは同社の公式アカウントをフォローしたうえで、はじめてのフェリー旅体験を、インスタグラムかツイッターでハッシュタグ「#はじめてフェリー」を付けて投稿すると、毎月抽選でペア乗船券や就航地の名産品が当たる。期間は12月31日(日)まで。

大阪観光局 485カ所以上の予約 7月3日から観光アプリ運用

2023年7月4日(火) 配信

(右から)溝畑理事長、川上千尋さん、小嶋花梨さん

 大阪観光局(溝畑宏理事長)は7月3日、国内外から大阪に訪れる観光客に、高付加価値な旅行体験を提供する観光アプリ「Discover OSAKA」のサービスを始める。

 JTBの体験商品や観光施設の入場券などを電子チケットとして販売する「Torism Platform Gateway」と連携し、旅ナカコンテンツの予約・決済がアプリ1つでできる機能を搭載する。府内の観光施設485カ所以上の入場や体験商品の購入が可能だ。日本語と英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応する。

 仮想世界と現実世界を融合させる技術「XR」を使い、観光スポットなど特定の場所でスマホをかざすと、大人気アニメキャラクターと記念撮影ができる機能も搭載する。第1弾として人気アニメ「SPY×FAMILY」が登場し、アーニャなどのキャラクターと撮影できる。対象スポットは梅田スカイビルや通天閣など13施設。順次施設数を増やしていくという。

 6月20日に梅田スカイビル空中庭園展望台で開いた記者発表会で、溝畑理事長は「このアプリは大阪周遊だけにとどまらない。(今後のコンテンツ追加で)大阪発で北海道から沖縄まで日本中を楽しめるアプリにしていきたい」と述べ、全国を紹介する「日本観光アプリ」にまで拡大させる構想を示した。

 特別ゲストのNMB48の小嶋花梨さんと川上千尋さんがXRの機能を体験。「私たちが毎日公演しているNMB48劇場でもこの機能で写真撮影ができれば」と話していた。

鍋屋が全面復旧 屋号変更し施設モダンに

2023年7月4日(火) 配信

球磨川を望む客室

 熊本県・人吉温泉の旅館「鍋屋本館」(富田峰子女将)が6月2日、屋号を「人吉温泉 鍋屋」(同)に変更し、施設を全面改修してグランドオープンした。

 同館は、2020年の熊本豪雨で大きな被害を受けたが、約3年を経て江戸時代から続く老舗湯宿として、全面復旧再開した。

 宿は城下町人吉の象徴・人吉城址と球磨川を一望。37の全客室や大浴場、レストランなどから、その景色が楽しめる。

 客室はナチュラルモダンなインテリアで演出。最上階のスイートルーム(定員4人)は86・4平方㍍の広さと夏は冷水、ほかの季節は温泉で楽しめるインフィニティプールプールやキッチン、堀込ソファーを設置する。

 セミスイートでは、信楽焼の浴槽や檜風呂、イタリア製バスタブの浴室など、部屋ごとに特徴を持たせる。

 レストランはダイニングとテラス席、個室も設置。席数は52席で、個室は7室42席。球磨川の鮎や山菜、九州の食材などが中心のフレンチを基調にした料理を提供する。

 最上階にある大浴場は、展望温泉のほか、露天風呂、展望サウナを設置する。

高旅協協力会 佐々木会長を再任 「団体予算で活性化期待」

2023年7月4日(火) 配信

佐々木政夫会長

 高知県旅行業協同組合(高旅協、笹岡希吉代表理事)の受入施設で構成する高知県旅行業協同組合クーポン協力会(会長=佐々木政夫・エスアールシー社長)の2023年度通常総会が6月6日、高知県高知市の城西館で行われた。任期満了に伴う役員改選では、佐々木会長の再任を決めた。

 佐々木会長は「全国旅行支援などの助成があり、受入施設の宿泊関係の稼働は、コロナ禍前の8割台まで回復してきている。全国旅行支援はまもなく終了するが、貸切バスを利用した団体客向けに、各県が専用の予算枠を設定しているケースもあり、今後の活性化に期待がもてる」とあいさつした。

 議事では事業計画など所定の議案をすべて決定した。

 総会後には、高知県旅行業協会と高旅協、協力会による合同懇親会が行われた。山脇深県観光振興部長などが来賓として駆けつけた。