「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(241)」 理系で読み解く日本遺産(京都府舞鶴市)

2025年2月9日(日) 配信

会場の海軍記念館(海上自衛隊舞鶴地方総監部)

 暮れも近い12月中旬、久々に京都府舞鶴市を訪ねる機会を得た。日本遺産・鎮守府4市(横須賀・呉・佐世保・舞鶴)が毎年持ち回りで開催するシンポジウムである。

 日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じた日本の文化・伝統を語るストーリーを認定し、これらの活用による地域活性化をはかる制度である(文化庁)。従って、事業を担うのは、主に文化財や歴史など文化や観光系の関係者である。

 しかし鎮守府4市では、これらの活動と並行して、5年前から大学や高専の建築・土木・機械などの分野の学者による研究と発表会を重ねてきた。テーマは「理系で読み解く日本遺産」。発案者は前舞鶴市長で旧運港市日本遺産活用推進協議会会長(当時)の多々見良三氏である。

 4市にある日本遺産の構成資産の多くは、旧鎮守府の司令長官官舎や煉瓦倉庫、ドック跡、防空指揮所などの地下壕、砲台跡、旧水道施設など歴史的建造物が多い。これらを生かすには、その構造とともに強度、建築材料などの解析が不可欠である。これらに携わるのは技術者や大学などの研究者であり、それが「理系で読み解く」である。

 会場は、海上自衛隊舞鶴地方総監部にある「海軍記念館講堂」。午前中は、4市7人の研究者による研究成果の発表と討議、午後からは一般市民向けのシンポジウムが開催された。

 舞鶴は、北吸地区にある赤煉瓦倉庫12棟(うち8棟は重要文化財)、いわゆる「赤れんがパーク」が2012(平成24)年にオープンし、現在の観光拠点の一つになっている。21(令和3)年からは、民間活力によるPFI事業により新たな活用事業もスタートした。このなかで、まだ未着手の6号棟から8号棟(文部科学省所管)には、もともとあった赤煉瓦博物館(1号棟)の移設も含めた、新たな活用構想も検討されている。

舞鶴湾洋上に浮かぶガソリン庫「蛇島」

 さらに20(令和2)年には、湾内でかつてガソリン庫として活用された「蛇島」が、日本遺産の構成文化財として追加認定され、その保全と活用が検討されている。蛇島は、周囲650㍍の無人島だが、中世には洋上に浮かぶ山城があり、舞鶴湾防衛の要衝の島である。その島を貫く4本のトンネルがガソリン庫となっていた。ガソリン庫ということは、かつてこの湾から洋上飛行機も飛んでいたことを意味するが、今後の活用にも大いに参考になる。

 舞鶴はじめ鎮守府4市では、これまでにも4市のガイドが他市の紹介もできるような研修を積むガイド交流や、日本遺産ストーリーに因む物産開発と4市での同時販売、各湾にある民間クルーズ会社による「クルーズサミット」と相互交流など、4市一体で運営できる体制整備も進めている。

 遠く離れた4県にまたがる日本遺産をどのように生かすか。学術交流をはじめ、そのモデルとなる事業化に期待したい。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

津田令子の「味のある街」「ピーナッツソフトクリーム」――木村ピーナッツ館山店(千葉県館山市)

2025年2月8日(土) 配信

館山店(ピネキ)のピーナッツソフトクリーム470円▽千葉県館山市下真倉236-3▽直売所=0470(22)3488。

 千葉県館山市にあるピーナッツ専門店の「木村ピーナッツ」は、お徳用からギフト品までさまざまなピーナッツ商品などを販売している人気店だ。木村ピーナッツだから美味しい、ピーナッツ一筋だからこそのこだわりの味が出せると県内外から観光客が訪れ評判を集めている。

 さらに地元特産のピーナッツを使ったスイーツでも有名で、多くのメディアで繰り返し取り上げられている。看板メニューのピーナッツソフトクリームは絶品だ。その味わいは期待以上で、まさに千葉のピーナッツ文化を感じさせる一品といえる。

 館山店(ピネキ)はJR館山駅から車で10分程度とアクセスしやすい。店内には特産の落花生や加工品がずらりと並ぶ。落花生の生産は千葉県が全国の70%とダントツだ。日本の落花生のほとんどは千葉県で栽培されているといっても過言ではない。その千葉県の中でも栽培から製造、販売まで一貫してやっているのは、「木村ピーナッツ」だけだという。

 注文したピーナッツソフトクリームは、一口食べると濃厚なピーナッツの香りがふわっと広がり、口どけは滑らかだ。その濃さにもかかわらず、後味は軽やかで何度でも食べたくなる絶妙なバランスなのだ。この風味は、店内で作られる特製のピーナッツペーストにあるという。素材へのこだわりがしっかり感じられるのだ。さらに、使用されているミルクも高品質で、濃厚さの中にもクリーミーさが際立っている。価格も470円(税込)とリーズナブル。それでいて、巻きもすごい。ボリュームと贅沢な味わいを楽しめ、コストパフォーマンスの高さも抜群だ。ほかにもピーナッツパフェやシェイクなど、多彩なメニューがあり、訪れるたびに新しい発見ができそうだ。

 どこよりも春が早いと言われる南房総館山で、花を愛でながらピーナッツソフトの濃厚な風味をお楽しみいただきたい。個性豊かなピーナッツたちが、皆さんを待っているに違いない。落花生、千葉特産品など、豊富な品物を取りそろえているので、お気に入りの落花生を見つけてみるのも良い。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

24年12月の「スキーチケット・リフト券」寄付額は前年から2倍に 「さとふる」のふるさと納税トレンド

2025年2月7日(金) 配信

1番人気は福井県勝山市返礼品の「スキージャム勝山」リフト券

 ふるさと納税サイト「さとふる」を運営する、さとふる(藤井宏明社長兼CEO、東京都中央区)がこのほど発表した、ふるさと納税返礼品トレンドによると、2024年12月の「スキーチケット・リフト券」返礼品への寄付件数が、前年同月比で約2倍となった。前シーズンは暖冬で雪不足のスキー場も散見されたが、今シーズンは降雪量が平年並みか多くなる可能性が高く、ウィンタースポーツを楽しむ返礼品を選ぶ人が増えたとみる。

 2024年の同返礼品の人気都道府県ランキングによると、1位は長野県、2位が福井県となった。「さとふる」に掲載されている「スキーチケット・リフト券」返礼品数が最も多いのが長野県、次いで福井県のため、選択肢の多さから人気を集めたと考えられるという。人気都道府県ランキングの3位は群馬県、4位は山形県、5位は新潟県。

 3位にランクインした群馬県は「スキーチケット・リフト券」人気返礼品トップ10の4~7位を独占。同県のレビューには「高速道路からのアクセスも良く、景観や建物も綺麗なので満足しました。ゲレンデのバリエーションもバランスが良いので飽きません」などの声が寄せられており、首都圏からの交通アクセスの良さなどが人気の背景にあるとうかがえる。

 「スキーチケット・リフト券」人気返礼品ランキングの1位は、福井県勝山市の「スキージャム勝山」の2024―25シーズン大人リフト1日券。西日本屈指のスキー場で期間限定での受付だったが、人気を集めた。

 2位は長野県・白馬村の「白馬八方尾根スキー場」リフト券1日券、3位は山形県米沢市の「米沢エリアスキー場」の共通1日券となった。

東美濃の中山道旅を発信 岐阜県が同エリアの魅力を神田明神で紹介

2025年2月7日(金) 配信

北村和弘課長

 岐阜県と東美濃歴史街道協議会は2月5日(水)、連携を結んでいる神田明神(東京都千代田区)で「東美濃“中山道旅”魅力発信 メディア交流会」を開いた。東美濃エリアは外国人観光客が増加しており、今後交通アクセスが向上することなどから、今回は「東美濃中山道」に焦点を当て、同地域の文化や食の魅力などを紹介した。

 東美濃エリアは岐阜県の東南に位置する6市1町で構成する。2034年以降、リニア中央新幹線が開通すると、東京・品川から乗り換えなしで約40分で接続可能になるほか、今秋は中央自動車道の神坂スマートICの開通が予定されており、アクセスが向上する。

 また、近年は中山道の馬籠宿から妻籠宿を中心に「サムライロード」として、外国人観光客が増加している。岐阜県観光資源活用課の北村和弘課長によると、インバウンド客から「昔の日本がある」と人気で、日数を掛けてハイキングをする外国人も多く見受けられるという。

 シーズンにはツアーが乱立し、オーバーツーリズムになることもあるというが、北村課長は「スポットに集中しているので、より広く周囲に拡散できればインバウンドの恩恵やさまざまな波及効果も期待できるのではないか」と展望する。

 同エリアの中山道は開発や観光地化されず、当時の姿で保護されている箇所が多い。険しい木曽街道の手前に位置し、人々が滞留する宿場町として、和菓子をはじめとする食文化や商業も栄えた。同地は国内シェアの半数を占める陶磁器の産地で、同地域で生産された焼き物の総称である「美濃焼」の陶芸体験や、地酒の利き酒体験など、観光素材も豊富にそろう。

ベン・ウェラー氏

 情報交換会では、米国出身のフリージャーナリスト、ベン・ウェラー氏が外国人目線でこうした東美濃の魅力について語った。ウェラー氏は自身の旅のようすを紹介したうえで、「タイムスリップしたような体験ができる。これが日本の観光の未来のモデルとなることを望んでいる」と期待。「中山道の美濃エリアを歩く旅は文化や工芸、食、おもてなしとすべてが体験」とし、「人々こそ宝で、この地域に命を吹き込む。地元の人との真の交流が、同エリアの大きな強み」と絶賛した。

五平餅「あまから」の西尾大介代表が実演

 会ではこうした魅力を食で伝えようと、特産の「五平餅」や「栗菓子」「地酒」などを用意。五平餅は同エリアだけで120店舗もの販売店舗があり、各店舗ごとに団子型やわらじ型などカタチがさまざまなほか、タレもベースが味噌か醤油か、クルミやゴマ、落花生を使用するかなど個性に富んでいるという。当日は恵那市の老舗店「あまから」が訪れ、その場で焼き立てを振舞った。

 栗菓子は中津川市の各店舗で販売している多様な商品をそろえ、なかでも干し柿に各店こだわりの栗きんとんを包んだ季節限定の栗菓子が多く並んだ。

九州産交バス、空港リムジンバスの混雑度情報を提供 利用者の快適性向上へ

2025年2月7日(金) 配信

情報提供のイメージ

 九州産交バス(岩﨑司晃社長、熊本県熊本市)は2月4日(火)から、バス停にあるバスロケモニターや熊本県バス協会の運営するWebサイトバスきたくまさんで、阿蘇くまも空港を発着するリムジンバスと同空港を経由する一部の都市間バスの車内混雑情報を提供している。

 訪日客の増加で2024年10~12月の空港リムジンバスの利用者数は、前年同期比18.4%増となった。今後も同空港における外航路線の増加などで、需要拡大が見込まれるという。こうしたなか、利用客に混雑の少ない先発便や後続バスを選んでもらい、車内快適性の向上につなげる。

 具体的には、車内混雑度を50%未満と50~80%未満、80%以上、100%の4段階で表示する。

【HIS】 人事異動(2月1日付)

2025年2月7日(金) 配信

 HISは1月29日(水)に開催した取締役会で、2月1日(土)付の新任執行役員の選任を決めた。

  執行役員兼訪日旅行営業本部長(訪日旅行営業本部長)平澤敦

第7回旅館甲子園  「秀花園」(静岡県熱海市)がグランプリに  全旅連青年部

2025年2月7日(金) 配信

第7回旅館甲子園のグランプリに輝いた「秀花園」(中央右)

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(塚島英太部長)は、第3回宿観光旅博覧会(宿フェス)開催中の2月6日(木)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で第7回旅館甲子園を実施した。ファイナリストによるプレゼン終了後、審査員と全旅連青年部員の審査、来場者の投票によって、「秀花園」がグランプリを獲得した。

 旅館甲子園への参加資格は全旅連青年部に所属する1500施設。全旅連青年部と観光系メディアの有識者、OTA各社による審査を突破した「扇芳閣」(三重県鳥羽市)、「みたけ」(神奈川県・箱根町)、「秀花園」(静岡県熱海市)の3施設がファイナリストに選出。20分間、さまざまなスタイルで経営ビジョンや、スタッフの接客への想い、従業員の定着に向けた取り組み、地域貢献などをアピールした。

 審査委員長は、第20代全旅連青年部長と第1回旅館甲子園大会会長であり、高知市市議会議員の横山公大氏。審査員は観光庁審議官の鈴木貴典氏と、日本政府観光局地域連携部長の大川戸修二氏、全旅連女性経営者の会(JKK)会長の高橋美江氏、日本学生観光連盟顧問で日本大学国際関係学部教授の宍戸学氏、第2、3回旅館甲子園グランプリのホテルさかえやの社長湯本晴彦氏、温泉ビューティ研究家の石井宏子氏が務めた。

「TRAIN SUITE 四季島」で新潟と長野を巡る ジャルパック、9月5日出発限定のツアーを販売

2025年2月7日(金) 配信

画像はイメージ(JR東日本提供)

 ジャルパックはこのほど、9月5日(金)出発限定で東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する観光列車「TRAIN SUITE 四季島」に乗車する3・4日間のツアーを売り出した。同社では初めて、四季島で新潟県・長野県を巡る「みなとまちが育んだ豪商の粋と、豊かな里山の恵みを味わう旅。」を設定。同社のツアー客のみで貸切運行する。

 ツアーは1日目、「帝国ホテル東京」に宿泊。「東京なだ万」でウェルカムディナーを開催する。翌日はハイヤーで上野駅に向かい、四季島に乗車する。車内では、その土地ならではの旬の食材を使用した食事や、車窓からの風景を楽しむ。新潟の新津駅に到着後は、1918年に建てられた優れた技術と美しい庭園が特徴の「旧齋藤家別邸」を案内付きで見学する。

 3日目の早朝は長野の姨捨駅から、「日本三大車窓」の1つである、善光寺平を楽しんだあと、ワイナリーへ。夕方、上野駅に到着後は専用ラウンジ「プロローグ四季島」で旅の思い出や感想を語らうフェアウェルパーティーを行う。

 出発地は全国で設定しており、出発地によって値段は異なる。例として、小松発の3日間、2人1室利用時の1人料金は76万円。

 同ツアーは抽選販売となり、申し込みはWebで受け付けている。

観光庁「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」、2月25日まで公募

2025年2月6日(木)配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は2月3日(月)、2025年度の「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」の公募を始めた。文化財や国立公園などを対象に、観光資源の解説文作成に係る英語ネイティブ専門人材のリスト化、派遣体制の構築、地域観光資源の解説文作成などを支援する。

 これにより、旅行者にとってわかりやすい面的観光ストーリーを伝える魅力的な解説文の整備を促すとともに、解説文作成に関するノウハウを蓄積し、地域における多言語解説の整備を目指す。

 公募要件には、地域協議会の設立のほか、作成した解説文の媒体化、専門人材による現地取材時の受け入れ態勢などを含む事業計画書の作成が必要となる。提出した申請書を基に審査を行い、3月下旬ごろに地域を選定予定。選定後は、英語のネイティブ専門人材を派遣するなど、解説文作成に関する支援を行う。

 公募期間は2月25日(火)午後6時まで。応募方法や詳細は観光庁ホームページ内の公募情報から。

ロイヤルHD、マイナー・ホテルズと合弁会社設立に向け調印 アナンタラなど富裕層向けホテルを日本で展開へ

2025年2月6日(木) 配信

阿部正孝社長(左)とディリップ・ラジャカリアCEOが調印結ぶ

 ロイヤルホールディングス(阿部正孝社長、東京都世田谷区)は2月5日(水)、世界的にラグジュアリーホテルなどを展開するマイナー・ホテルズ(ディリップ・ラジャカリアCEO、タイ)とホテル事業の合弁会社を設立することで同意。同日、東京都内で調印式と今後の事業戦略発表会を開いた。ロイヤルHDとマイナー・ホテルズの子会社が50%ずつ出資し、「ロイヤルマイナーホテルズ」(本山浩平社長、東京都世田谷区)を3月を目途に設立する。新会社は、マイナー・ホテルズのホテルブランド3つを日本で初進出させる。出棟数の目標は2035年までに21棟。

 ロイヤルHDは外食チェーン「ロイヤルホスト」や、子会社のアールエヌティーホテルズが全国で運営するビジネスホテル「リッチモンドホテル」などを手掛けており、食とホスピタリティ事業を展開してきた。今後のホテル事業戦略においては、急増する訪日外国人観光客のうちの富裕層旅行者に対し、日本で不足していると言われているラグジュアリーホテルの供給が必要不可欠と判断したことから、今回の新会社設立に至った。

 阿部社長は「ロイヤルグループは今年設立75周年、ホテル事業は30周年を迎える。この大きな節目に新たな取り組みができることは喜ばしい。両社だからこそできる新たな体験価値の提供を目指していく」と意気込んだ。

左端が新会社社長に就任する本山浩平氏

 新会社の社長を務める、ロイヤルHDホテル事業担当の本山執行役員は「単独で富裕層向けのホテルを展開する道もあったが、ノウハウやブランド力が重要な要素になる。しっかりこうした経験や価値を持っているパートナーと組むのが成功のポイントだと考えた」と述べた。なぜマイナー・ホテルズを選んだかについては、「メガチェーンにはない価値の提供、その土地の魅力を生かした画一的ではないスタイルを持つ反面、世界的ネットワークがあるところが決め手となった」と話した。両者はすでにサラダバー&グリルレストラン「シズラー」ブランドの日本でのフランチャイズ契約・店舗運営を通じて、パートナーシップを築いてきた歴史もある。

 マイナーグループはタイを拠点にホテルやレストラン事業をグルーバルに展開。中核を担うマイナー・ホテルズは1978年に初のホテルを開業し、現在、58カ国・6大陸で562のホテルを運営している。世界最大の独立系ホテルブランド会員プログラムである「GHA DISCOVERY」の加盟ホテルで、同会員は世界に約3000万人という。

 新会社の副社長に就任する、マイナー・ホテルズのラジャカリアCEOは「高成長市場の日本に参入できて嬉しい」と喜びを語り、「日本独自の文化を反映した、これまでにない最高のホスピタリティ体験を提供し、当社の世界的に評価されているホテルブランドの魅力を届けていきたい」と述べた。

 新会社はマイナー・ホテルズの8ブランドのうち、最上位の「ANANTARA(アナンタラ)」と近代的な「AVANI(アバニ)」、独自の個性を持った「TIVOLI(チボリ)」の3つを日本で展開していく。大都市圏はもとより、リゾートや温泉地含めた観光地、地方都市での出店も幅広く視野に入れる。ブランドの内訳は開示していないが、会見ではアナンタラは2軒ほどの予定との発言もあった。明確な出店形態や開業時期などは未発表だが、2035年までに21棟、210億円の売上規模を目指す。本山氏は、「リブランドなら1~2年でオープン可能」とし、スピード感を持って取り組んでいきたい考えを示した。