日本版DMOの取り組みが活発! 神戸観光局がJTB、アソビューと連携

2018年4月2日(月) 配信

日本版DMOの取り組みが活発化している。昨年12月に設立の神戸観光局では、JTB、アソビューの2社と連携。ローカル地域の観光商品の販路拡大をサポートする(写真はイメージ)

日本版DMO(デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の輪郭がより明確になってきた。とくに、地域事業者らの販路拡大をサポートする取り組みが活発だ。

 神戸観光局(17年12月設立、神戸DMO)は4月2日(月)より、多言語によるオプショナルツアーの販売支援を実現する取り組みを始めた。JTB、アソビュー両社との連携によるもので、運営する観光サイト「FEEL KOBE」がプラットフォームとなり、地域事業者が主体となって体験型商品の販売を行う。4言語(英語・韓国語・中国語・日本語)に対応する。(下記は英語サイト)

 DMOの目的は、地域の観光産業にマーケティングといった経営マインドを導入し、ローカル事業者の稼ぐ力を育てること。16年4月から活動をスタートしたせとうちDMOでは、地域事業者の部会組織「せとうちDMOメンバーズ」を立ち上げ、事業者自らが旅行商品や特産品を販売できるプラットフォーム(せとうちブランド.JP)の運営にも力を入れてきた。地元に住むライターを取り込んだオウンドメディア(瀬戸内Finder)と連動し、情報発信の活性化や消費増を狙う。

 昨年12月に設立された神戸観光局。JTBとアソビュー両社とは、昨年秋より設立準備と平行して連携に向けた協議を重ねてきた。本紙の取材に対し、オプショナルツアーをはじめとした体験型商品の充実は長期滞在に結びつくだけに、地域事業者の情報発信をサポートする仕組みは必要不可欠との見解を示した。

 現時点では、アソビュー社のシステムを用いれば、賛助会員でなくとも「FEEL KOBE」上に商品を掲載できる仕組みとなっている(参画事業者の許可を得て掲載)。大規模なプラットフォーム構築は一事業者では予算的に難しいため、今後は賛助会員を募るツールとしても活用する考え。

山形県・最上の「幻想の森」へ シャトルバス運行

2018年4月2日(月) 配信

森のなかに足を踏み入れるとその名の通り「幻想的な世界」が広がる。

「ブナと巨木のもがみ回廊」をキャッチコピーとする山形県の最上地域。6月2日(土)~7月1日(日)までの週末、戸沢村にある「幻想の森」へシャトルバスが運行される。

 幻想の森に生い茂る山ノ内杉は、最上峡一帯だけに見られる天然杉だ。樹齢1千年を越えていると思われる老木が数多くみられる。大きなコブのあるねじれた幹が複数伸びていて、周囲の植林された杉との違いは一目瞭然だ。

川の駅・最上峡くさなぎからシャトルバス運行

運行日:6月2日(土)~7月1日(日)までの毎週土・日曜日

    ※雨天など、悪天候の場合は中止となる場合がある。

運行時刻:

 午後1:00 最上川芭蕉ライン舟下り「川の駅・最上峡くさなぎ」(発)

    1:20 幻想の森(着、20分間滞在)

    2:00 最上川芭蕉ライン舟下り「川の駅・最上峡くさなぎ」(着)

料金:大人1千円、子供500円

その他:事前申し込み必要、添乗員はなし

旅行企画実施、申込み: 最上川交通 TEL:0233-34-7051

全国1位、最上川芭蕉ライン舟下りも

日本三大急流をめぐる船旅

 シャトルバスが発着する「川の駅・最上峡くさなぎ」は、旅行新聞新社が主催する「第1回プロが選ぶ水上観光船30選」(2017年12月発表)で全国第1位に選ばれた「最上峡芭蕉ライン舟下り」の降船場になっている。

 奥の細道の松尾芭蕉ゆかりの地として知られ、山形県立自然公園に指定されているこの地を、船頭が唄う「最上川舟唄」を聞きながら、ゆったりと下る1時間の旅も併せて、楽しんでみては。

明治時代の京町家をフルリノベ、1棟貸切の宿泊施設へ

2018年4月2日(月) 配信 

正面外界

マック(城守茂右衛門代表、京都市左京区)は2018年4月1日から、1棟まるごと貸し切ることができる古民家「京都漆楼わかさや」を開業した。明治時代の京町家をフルリノベーションした。以前の居住者は70年間を過ごしていた。家にまつわる思い出などを物語にし、宿泊体験の1つとして提供する。川端二条にも位置し、地下鉄三条京阪駅から徒歩7分と好立地。観光名所である平安神宮や京都御所などへも徒歩圏となっている。

京町家カルテについて

 「京町家カルテ」は、京都市関連事業の「京都市景観・まちづくりセンター」が、大学教授など建築専門家の調査のうえ、一定の基準を満たす町家だけに発行する。当該物件には、このカルテが発行されている。調査の中で、西暦1901(明治34)年ごろ、120年ほど前に建てられたことがわかった。

 周辺は江戸・明治時代にかけて「二条新地」と呼ばれた大きな遊郭があった。「京町家カルテ」の地図にもあるように、並びは「茶屋」の造りであり、この家の近辺に昔の遊郭建築の名残が見られる家が残っている。

 現在、京都では保存の大変さから、年に800軒もの町家が消えていっているという。京都らしい風情ある街並みを守るため、京都市も助成金などを出し、保全活動に力を入れている。

 「京都漆楼わかさや」は市の助成金も利用し改装している。以前のオーナーであり、70年間住んでおられた千代子おばあちゃんに会い、家の歴史や思い出話を聞いた。これらをとりまとめたストーリーを家の物語として設置している。「家の思い出話を知ることで、さらに心に残る宿泊ができる」(同社)。

※予約はBooking.comから

ジェットスター・ジャパン、カラオケ便就航!?エイプリルフールCP

2018年4月2日(月) 配信

機内でまさかのカラオケ熱唱体験(エイプリルフール企画)

ジェットスター・ジャパンは現在、お得なジェットスター・フライトバウチャーをプレゼントするキャンペーンを行っている。エイプリルフール企画を楽しんでもらうためのもの。

キャンペーン概要

 エイプリルフールの企画をWebサイトで楽しみ、ジェットスター公式サイトまたはモバイルアプリから「おトクな熱唱カラオケ便を予約する」体験をした人の中から抽選で41人に、1千円分のジェットスター・フライトバウチャーをプレゼントする。

応募期間:2018年4月1日(日)午前12:00~4月5日(木)午後11:59

応募資格:日本国内在住の方

応募方法: 要事項をフォームに記入

※以下の内容はエイプリルフール企画で、実際にサービスは開始されない

 通信カラオケシリーズ「JOYSOUND」を全国に展開するエクシングとジェットスター・ジャパンはこのほど、機内でカラオケが楽しめる世界初の「熱唱カラオケ便」を就航することを発表した。片道運賃4010円~で、ジェットスター公式サイトとモバイルアプリ、JOYSOUND公式サイト、その他旅行会社のJOYSOUND TRAVELと熱唱トラベルで販売。

 離陸後、高度が上がるにつれテンションも上がり、つい歌いたくなってしまった人。今から会いに行く恋人への気持ちを抑えられず、歌で愛を熱唱したい人。実家を離れるときの、故郷を離れる寂しさを紛らわせたい人。出張先の取引先へのプレゼンに備え、歌で自分を奮い立たせたい人。「熱唱カラオケ便」では、高度1万㍍の上空で、思いのままに歌い、楽しむことができる。

熱唱カラオケ便運航情報

便名:GK4010

片道運賃:4010円~

サービス概要:

機内でキャビンクルーに曲をリクエスト(先着順) 。利用料金は1曲につき401円(税込)。

機内オプションサービス:

熱唱カラオケ便でもゆっくりおやすみになるための耳栓(1セット、4万100円)

搭乗客の拍手による採点(1曲、401円)

□ジェットスター公式サイトだけ!就航記念セール実施

 片道運賃4.1円~(税込)で航空券を提供する就航記念セールを実施(完売次第終了)。価格エコノミークラス「Starter」の片道運賃で、支払手数料、空港使用料などが別途必要になる。受託手荷物の料金は含まれない。セールには諸条件が適用される。

国内初、女性バス運転手ら交流

2018年4月2日(月) 配信

「第1回女性バス運転手の会」を開催。バス運転手不足へ取り組み

女性バス運転手協会(中嶋美恵代表理事、東京都港区)は3月28日(水)、東京都内で「第1回女性バス運転手の会」を開いた。現在、深刻な運転手不足を抱えるバス業界。運転手は高齢化が進み、10年後には約半数が定年を迎えるといわれる。同協会は問題の打開策として、「女性運転手の積極的な採用」に注力している。

中嶋美恵代表理事によるあいさつ

 女性バス運転手の比率は、全体のわずか1・5%と少ない。そこで、普段なかなか会う機会のない現役女性運転手同士、またバス運転手を志す女性が交流する機会が設けられた。

 5人の現役バス運転手によるトークセッションでは、それぞれの業務内容やバス運転手を志したきっかけ、やりがいや課題点など仕事への思いが語られた。

5人の現役女性バス運転手が仕事への思いを語った。

 羽田京急バス所属のさとみさんは、同社が積極的に女性の採用に取り組んだ3年前に就職した。羽田空港内のターミナル間を移動する連絡バスに乗務している。「道路が広く、一方通行で歩行者や自転車が他路に比べて圧倒的に少なく、運転がしやすい」と語った。

 日立自動車交通のあきこさんは、小型のコミュニティバス(地域住民の移動手段を確保するために地方自治体などが実施するバス)を運転している。高齢者やベビーカーを押した方が利用者に多いため、急発進や急停車にはとくに気を配るという。「お客様の乗り降りに時間がかかっても、安全が確保されるまで気長に待つ」と細やかな気遣いも忘れない。

 企業と年間契約を結び、従業員送迎などを手掛ける大新東に勤務するりえさんは、大手テーマパークで送迎を担当。「憧れの制服を着て、毎日幸せな気分で働けることが喜び」と目を輝かせた。ゲストとの距離の近さが魅力であることもアピール。

 東京空港交通のあゆみさんは、ターミナルと飛行機間を運行するランプバスに乗務。羽田空港の高速バス乗り場で旅客ポーターとして勤務していたときに志したが、当時同社は女性運転手を募集していなかった。「自分が女性乗務員第1号になる」と決意し、夢を叶えた。 

 京王バス南に勤務するきみえさんは、もともと車の運転が大好きだった。街なかを走る路線バスの運転手として、主に南大沢エリア(東京都八王子市)を担当している。都心に比べて交通量は少ないが、走行距離が長い。往復1時間半から2時間かかることもあるという。「大変なことも多いが、それに代えられない喜びがある。社員を含め色々な方に助けられてきたからこそ、長年勤めてこられた」と振り返った。「少しでも興味がある方はぜひバス業界に足を踏み入れてほしい。今後多くの女性運転手が見られることを願っている」とメッセージを送った。

 やりがいが大きいと語られる一方、未だ男性社会である業界の課題も明らかになった。女性のための休暇を取りにくい点や、パートタイマーのような労働時間の設定を希望するなど、現場の視点ならではの声もあった。

 そのあと、和やかな雰囲気の中で交流会が開かれた。数少ない現役女性運転手とドライバーを志す女性が出会い、熱心に情報交換を行った。

参加者33人が交流 熱心に情報交換を行った。

「登録有形文化財 浪漫の宿めぐり(84)」(新潟県新潟市)髙志の宿髙島屋≪ 古色とぬくもりのロビーや明治天皇休息の間がある≫

2018年4月1日(日) 配信

右手が玄関で、左手前の部分が駐蹕の間。明治天皇は廊下側から直接入室した

 玄関前の築山に「明治天皇御駐輦碑」という石碑が立っていた。「輦(れん)」とは天子の乗り物。1878(明治11)年、明治天皇が北陸巡幸の際にこの地で休息したことを示している。休息場所となったのが髙島屋であり、その1室が「駐蹕(ちゅうひつ)の間」の名称で残されている。「駐蹕」は天子の乗り物をとどめるとの意味で、碑に書かれた「駐輦」と同義である。当時はまだ旅館業ではなく、岩室の庄屋であった。髙島家は近江の国高島の出身で、初代の髙島秀高が大坂夏の陣に参戦したという旧家なのだ。その後岩室に流れ着き、7代目の髙島庄左衛門道順が岩室温泉を発見したとの歴史が伝えられている。

 駐蹕の間は玄関の左手前方向にある30畳敷き余りの和室で、天井高が約3・5メートルもあって広壮だ。天井からの下がり壁で縦横に4分割され、床の間が2つ。畳床と欅床で一方には筆返しのある床脇が付き、床柱は四方柾。部屋全体にぐるりと長押が回され、波を彫りぬいた欄間が力強い。現在は朝食処に使われていて、じゅうたんの上にイスと赤い輪島塗りのテーブルが置かれる。和洋のややちぐはぐな感じが、かえって近代という時代感覚があって面白い。

 駐蹕の間に隣り合って喫茶コーナーがあり、ロビーやギャラリーが続く。この一帯を主屋と呼んで登録有形文化財の部分だ。主屋に続く蔵の間はかつての米蔵で、こちらも登録有形文化財。江戸末期に建てられ、今は小宴会場として使われる。

 喫茶コーナーやロビーは、豪農の屋敷といっていい。喫茶コーナーは天井に松の丸太の梁を見せた力強い造りで、囲炉裏の切られたロビーは高さのある棹縁天井。その間を仕切る下がり壁は幅50センチほどの貫が支えている。建築は約1755(宝暦5)年だが、堅牢な構造は東日本大震災や2004年の中越地震などにも耐えた。宿泊客も「いちばん安全な場所だろう」とロビーに集まってきたそうだ。床は縁(へり)のない琉球畳を敷いて田舎家の雰囲気を演出。風呂上がりにサービスする地ビールに、客はのんびりくつろげるのだ。

 館内は主屋のほか本館と別館があり、客室は全18室。そのうち登録有形文化財になっているのは主屋2階の山吹の間1室で、内装は変えられているが舟底天井や円形の下地窓がかつての雰囲気を伝える。

 宿としての創業は1950(昭和25)年。吊り天井で50畳敷きの広間もあり、登録有形文化財になりそうなものだが、「私共としては新しいので」と女将の髙島基子さんは申請しなかったという。将棋の棋聖戦や囲碁の十段戦が行われた常磐の間など、静かで品のいい部屋も多い。竹林や古木の多い庭を含めて敷地は3千坪。源泉かけ流しの風呂や、板前4人をそろえて1品ずつ出す夕食は外国人にも評判がいい。文化財以外も楽しめることの多い宿である。

 

コラムニスト紹介

旅のルポライター 土井 正和氏

旅のルポライター。全国各地を取材し、フリーで旅の雑誌や新聞、旅行図書などに執筆活動をする。温泉、町並み、食べもの、山歩きといった旅全般を紹介するが、とくに現代日本を作る力となった「近代化遺産」や、それらを保全した「登録有形文化財」に関心が強い。著書に「温泉名山1日トレッキング」ほか。

「街のデッサン(204)」地域商店街は貴重な観光資源 「観光商業の時代を拓く」

2018年4月1日(日) 配信

街と店舗デザインを観光する(グッチ・パリ)

 観光と商業の親和性について、もっと私たちは研究し働きを強めて、いわば商業観光というものを観光産業の柱の一つにすべきだと、常々考えてきた。ひとしきり話題になった中国からの観光客は「爆買い」をテーマにしていたし、日本人である私たちも高度成長期にはパリやミラノを訪れてブランド品を買いあさっていた。そんな日本人を見て、パリジェンヌもミラネーゼも侮蔑していたのかもしれないが、その田舎者が大いに先進的であか抜けた商品に触れることによって、しっかり勉強させてもらったはずだ。結局は、観光というものが異文化に触れて驚いたり感動したりして、自国の文化を顧み、誇りを持ったりすることであり、自分の生活のブラッシュアップに資することであるとしたら、商店で買い物をして多少ともエレガントに変容することは、立派な観光行為の結果であろう。

 最近は、アジア系の観光客が百貨店や高級専門店よりは、スーパーやドラッグストアから手頃な日常品を見つける方にシフトしてきたというが、例えば地域にある寂れた商店街が外国人観光客に発見されて、再生やリノベーションの契機になれば、商店街観光は大いにウエルカムとなろう。地元の絶対人口が縮減してきているのであるから、大型客船で何千人もの観光客を迎えることができれば、日本のローカル地域の観光と商業の親和性は一気に高まる。

 この3月の初旬に、大分市で「豊の国商人塾30周年記念フォーラム」が開催された。フォーラムのテーマは、なんと「観光商業の時代」。この商人塾は近年では最も長い歴史を持ち、全国に存在する商人塾のモデルとされてきたものだ。例えば東京の世田谷商人塾は都内では老舗であるが、豊の国商人塾を模範にしている。豊の国の大分には、日田に有徳の商人である広瀬淡窓が開塾した「咸宜園」が存在し、江戸の時代から明治の中頃まで80年続いた伝統を持っている。元々、大分には塾の文化が備わっているのであるが、1987(昭和62)年に〈地方の時代〉を標榜し、農村の再生を「一村一品」運動で成功させた平松守彦知事(故人)によって、商業振興を支える「新商人」の育成塾を目標にスタートしたのである。その商人塾が次代の観光基盤として「商店街」を重要な資源と考え、創出していく意気込みが、フォーラムで感じられた。欧州の多くの観光都市には、必ず繁華で魅力的な観光商店街が存在する。今度は、日本が商店街の文化革新を磁石にして、世界中の人々を歓待する「観光商業の時代」を創造する時であろう。

 

(エッセイスト 望月 照彦)

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(87) 感じる力をアウトプットへ 気づく人と気づかない人

2018年3月31日(土) 配信

 

良いサービスを感じる力を(画像はイメージ)

 「良いサービスを受ける力のない人に、良いサービスは提供できない」と講演で言い続け、「朝起きてから何回、ありがとうございますと言いましたか」とよく質問します。その回数が「感じる力」の差なのです。

 例えば、等しく良いサービスを受けても、それに気づく人と気づかない人がいます。サービス提供者は、まず良いサービスを感じる力を付けなければなりません。感じる力が受けるサービスの数でもあるのです。

 航空会社CAの研修で、事前にいくつかのホテル、レストランでのサービスを体験するよう課題を与えました。通常の研修と比べて若干コストはかかりましたが、その成果は非常に大きなものになりました。

 はじめの研修レポートには、それぞれの感動体験に、「ここが悪い」といったことも多く書かれていたのですが、体験を積み重ねていくうちに、良い体験の話しか出てこなくなりました。「聞いてください。こんな体験をしたのです」と、人に話したくなるようなサービスを受ける力が身に付いてきたのです。

 そのCAたちと先日、リッツカールトン東京のアジュール45で食事をしました。担当テーブルスタッフのあいさつが終わり、一皿目のお皿が配られようとしたときです。「○○さん、ありがとうございます」とCAたちが、テーブルスタッフに声を掛けているのです。

 体験のなかで、名前を呼ばれることの嬉しさを感じ、今度はそのうれしさをリッツのスタッフに実行しているのです。当然のように、そのスタッフはどんどん笑顔になり、サービスも良くなっているように感じました。それがさらに良いサービス体験となることをCAたちは気がついたのです。

 翌日には、どんなサービスが印象に残ったか話し合いました。インプットした多くのすばらしい事例がどんどんと出てきました。今度は、それらをどのようにしてアウトプットして仕事に活かすかです。あるCAは、おもてなしのひとつの「名前を呼ぶ」という行動には、あまり重要性を感じなかったが、レストランやホテルで実際に名前を呼ばれてみると、素直にうれしかったので、搭乗時にお客様のお名前を呼びたいという意見でした。

 ただ、「搭乗のお客様の名前は、よく利用する方以外はあまり覚えていない」という問題がありました。しかし、実行したいという強い想いが、その方法を見つけ出したのです。それが「搭乗時に席の案内をしたときに、搭乗券を見せてもらえるようにしよう」。そして「搭乗券に記載された名前をお呼びしよう」というアイデアでした。感じる力の強さは、新しいサービスを生み出す力となったのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

栃木県公式観光アプリ「とち旅(Tochi-tabi)」がリニューアル!

2018年3月30日(金)配信

 

栃木県観光物産協会は、栃木県の旅をさらに楽しむための便利な機能を搭載した公式観光アプリ「とち旅(Tochi-tabi)」をリニューアルし、2018年4月1日(日)から配信する。累計発行部数約50万部、大人気の栃木県公式観光パスポート「本物の出会い 栃木パスポート」の機能を新たに追加した。

リニューアルで追加した機能

 栃木県内(一部県外)で発行中の、累計約50万部を発行している大人気の観光パスポート「本物の出会い 栃木パスポート」の機能を搭載した。

 本アプリを持って栃木県内を回ると、1千カ所以上の施設でお得な特典が受けられるほか、施設に設置されているQRコードを読み取ると電子スタンプが押印される。スタンプをためるとパスポートがステージアップ。3段階あるステージで、ステージアップする毎に、栃木県ならではの素敵な賞品が当たる抽選に応募できる。

旅に役立つ充実した機能も搭載

1.施設検索機能

 栃木県公式観光ホームページ「とちぎ旅ネット」と連動し、観光情報(観光施設やイベントなど)の検索が可能。現在地周辺の観光施設も簡単に探せる。

2.ナビゲーション機能

現在地や栃木県内主要駅から目的地までのルート案内が可能。最適な方法で目的地までナビゲート。土地鑑がなくても安心です。

3.自動ルート作成機能

行きたい場所が複数あるとき、自分であれこれ行程を組まなくても自動的に最適な順番・移動手段を判定した周遊ルートを作成。ルートをLINEでシェアすることも可能。

4.コンシェルジュ機能

そのときの気分や、遊べる時間に合わせて旅の予定をコーディネートすることができる。

「とち旅(Tochi-tabi)」アプリ概要

アプリ名称:「とち旅(Tochi-tabi)」

価格:無料

配信日:2018年4月1日(日)から

対応OS: iOS 8以上/Android 4以上

下の紹介ページからGoogle Play、App Storeにてダウンロード

協会概要

協会名:栃木県観光物産協会

所在地:〒320-0033 栃木県宇都宮市本町3-9 本町合同ビル1階

長野県安曇野市で道祖神がみている景色Digroundアプリで公開

2018年3月30日(金) 配信

道祖神がどのような風景をみているかまで確認できる地図コンテンツがコンセプト

マップコレクションアプリ「Diground」を運営するディグランドはこのほど、長野県安曇野市の“道祖神のみている風景”を360度写真で体感できるMAPの公開を始めた。

 今回制作された「道祖神のみている景色」は、穂高駅周辺の全15カ所。360度写真にすることで、道祖神はもちろん、道祖神のみている景色も1枚の写真で確認できることが特徴だ。マップコレクションアプリDiground上では正確な位置情報のほか、Google Maps上においても道祖神を表示できるよう登録を実施している。マップは、長野県サービス産業振興室が主幹する「長野県サービス産業振興戦略」に基づく事業に採択された同社スタッフが、2017年9月~2018年2月の期間中に制作した。

マップコレクションアプリDigroundとは

 Digroundは、地図上の好きな場所に、写真やコメントを投稿しながら、オリジナルのマップを作成することができるアプリケーション。作成したマップは、連動するWEBページやアプリケーション内で公開することができ、現在1万5千種類以上のMAP作品が公開されている。