【旅行新聞 創刊50周年メッセージ】 国際観光施設協会 会長 浅野 一行 氏

2025年10月14日(火) 配信

 本紙は今年、創刊50周年を迎えた。共に歩みを重ねてきた観光関係団体や提携紙のトップから、これまでの労いや今後への期待を込めたメッセージをお寄せいただいた。順不同で紹介する。

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業界を報道力でリード

国際観光施設協会 会長 浅野 一行 氏

 旅行新聞創刊50周年を迎えられ、心よりお祝い申し上げます。

 まずは観光・旅行業界のさまざまな動向、情報や調査データの的確な報道により、業界の発展に大きく貢献されてきたことに、深く敬意を表します。同時に、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」や、「もてなしの達人」ほか、さらには「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー」の表彰など、業界を盛り上げる数々の積極的な取り組みに重ねて敬意を表します。

 また、当協会の活動におきましても、折に触れ、大変丁寧に取材していただき、多岐にわたる協会活動をわかりやすく社会にご紹介いただいていること、いつも深く感謝しております。

 今後も旅行業界を報道の力でリードされ、各種主催イベントにより、地域の活性化や観光業界全体のさらなる発展に寄与されることを心よりお祈りいたします。末筆ながら、旅行新聞新社のますますのご発展と皆様のご健勝を祈念申し上げ、50周年のお祝いのごあいさつとさせていただきます。

【第50回旅館100選】長野県・池の平温泉 「白樺リゾート 池の平ホテル」

2025年10月14日(火) 配信

「湖畔混浴 空」(※湯あみ着着用の混浴エリア)

2023年4月新本館がオープン コンセプトは「THE LAKE RESORT」と「信州五感のショーケース」

 2023年の春、全面改築をして「池の平ホテル」の新本館がグランドオープンした。新本館のコンセプトは「THE LAKE RESORT(ザ・レイクリゾート)」。空・山・湖の絶景が広がり、湖をより近くに感じられる。

白樺湖と新本館の外観

 「天然温泉 湖天の湯」は木曾檜と天然石を基調とした男女別の内湯、混浴エリアと3つの湯処を楽しめる。「湖畔混浴 空」は目の前に白樺湖の景色が広がり温泉と湖が一体化して見える。レイクリゾートの開放感を堪能することでき、四季のうつろいを眺めつつ蓼科山の源泉に浸かる贅沢な時間を過ごせる。

「展望サウナ -Ku-」(※湯あみ着着用の混浴エリア)

 もう一つのコンセプトは「信州五感のショーケース」。信州の風土を「しらかば仲見世」で五感で体感できる。

「RESORT FOOD HALL 湖畔の風」

 夕食ビュッフェは「RESORT FOOD HALL 湖畔の風」。13の個店やコーナーに料理が並び、信州の食材や郷土料理など地産の味も堪能できる。

デラックスレイクビュールーム

「しらかば仲見世」

 信州の魅力が詰まった屋内型温泉街「しらかば仲見世」では蔵元直送の地酒の利き酒体験、五平餅、おやきが味わえる。信州の特産物や民芸品を揃えたショップや、射的、ヨーヨーすくいなど昔懐かしい縁日もあり、旅の思い出に楽しいひとときを過ごせる。

交通:《車》中央自動車道 諏訪ICより40分、上信越自動車道 佐久ICより60分、P1900台
   《電車》JR中央本線 茅野駅から車山・白樺湖方面行バスで50分、東白樺湖下車※送迎有(要予約)
チェックin15:00 out10:00
食事:《夕食》レストラン、宴会場《朝食》レストラン
部屋:全245室
風呂:大浴場、露天風呂(混浴、水着着用)※加水、加温、循環
泉質:カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉
料金:1万3,750円~6万7,250円(税込)入湯税150円別

〒391-0392 長野県茅野市白樺湖
☎0266(68)2100 FAX0267(55)6369
https://www.shirakabaresort.jp/ikenotaira-hotel/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・中・台・他

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その54- 横須賀美術館(神奈川県横須賀市) 東京湾を行き交う多様な船 美術館から眺め活力をもらう

2025年10月13日(月) 配信

 精神性の高い旅は何も神社や寺院を訪ねるだけではない。海をじっと眺めているのも精神性を高める。あの空海も、室戸岬の近くにある海と空だけが見える洞窟で修行をし、それで空海と名乗るようになったという。

 たまに海が見たくなることがある。私はいま教育学で博士論文を執筆しているのだが、今までの論文と違い、哲学的な問いが求められているので、頻繁にどん詰まる。家で悶々としていても時間だけが過ぎていくので、この状況を打開するために、海に行くことがある。でも、住居と職場のある横浜のごちゃごちゃした海だと思索を深めることができない。かといって、何もない海も変化がなく眠くなるだけだ。

 かつて被災地復興の観光に関わっていたときに、岩手県宮古市にある本州最東端の魹ヶ崎に行ったことがあるのだが、目の前に広がる大きな太平洋は何もなさ過ぎて、何も考えられなかった。

 

 

 そんなとき、最近ちょっと横須賀に関わることが多いことから、横須賀美術館に行ってみようかなと思い、妻と娘と3人で訪ねた。

 娘はいま高校生で、将来は建築を学びたいと言い出したので、特徴的な建築を見せたいとかねがね思っていたことから、建築家山本理顕の傑作である横須賀美術館を訪問した。

大小さまざまな船が行き交う

 横須賀美術館は2007年4月に開館し、三方を山に、正面を海に囲まれた立地から、丘を利用して地形と一体化して建てられている。観音崎公園から遊歩道を利用して山側から来てもスムーズに入館できるように工夫されている。日本のコンセプト先行型の建築はあまりにも自己主張しすぎて、周囲の景観から浮いてしまっているものも少なくないが、横須賀美術館は周囲の景観に溶け込んでいる。設計した山本理顕は「環境全体が美術館」とのアイデアから、周囲の環境に調和するように、高さは低く抑えられ、外壁はガラスで透明感のある外観を形成している。

 そして、東京湾の目の前という好立地で、美術だけでなく、その景観も楽しむことができる。

 私は東京湾という海がこんなに心躍るものだとは思わなかった。横須賀の海には、地元の漁船はもちろん、大型クルーズ客船、プレジャーボート、大小の貨物船や自動車運搬船、タンカー、軍艦までやってくる。その前を小さなシーカヤックがのんびりと進んでいる。大小さまざまな船が行き交う姿を見ていると、なぜか活力をもらうことができる。

 これらの船すべてに人が乗り、動かしている。その船に乗る人々の表情もきっと多様だ。プレジャーボートやシーカヤックはにこにこと、大型船はリラックスし、貨物船や軍艦は真剣そのもの、漁船はどうだろうか、大漁で誇らしげに帰ってきているところだろうか。

 そんなさまざまな表情を持ちながら、最適なスピードで前へ前へと進んでいる。東京湾はこんなにもたくさんの船が行き交っているのに、決してぶつかることはなく、互いの持ち場を尊重しながら進んでいるようすは見ていて心地よい。

屋上広場の眺め

 この東京湾の景観は、低い建物の屋上から見るのはもちろん、1階のイタリアンレストランからワインを傾け、上質の料理をいただきながら眺めるのも至福の時である。

 1階の海が見える正面にイタリアンレストランを配置しようと考えたのも、建築家山本理顕の当初からのアイデアらしい。美術館ができる前の何もない丘と池の状態のときから、美術館が完成して集まってきた人々がこの風景を見てにこにこしている姿が彼の頭にはあったようだ。

 11月3日まで、美術館では「山本理顕展―コミュニティと建築」が催されている。この特別展を見ると、山本理顕がどのような想いを乗せて設計をしたかがよくわかる。これを見たあとに、ぜひ屋上広場から山の広場に向かってほしい。そこからの眺めも格別である。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

【旅行新聞 創刊50周年メッセージ】 株式会社全旅 代表取締役社長 中間 幹夫 氏

2025年10月13日(月) 配信

 本紙は今年、創刊50周年を迎えた。共に歩みを重ねてきた観光関係団体や提携紙のトップから、これまでの労いや今後への期待を込めたメッセージをお寄せいただいた。順不同で紹介する。

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報道で業界発展に貢献を

株式会社全旅 代表取締役社長 中間 幹夫 氏

 このたびは、貴社が創刊50周年を迎えられたことを心よりお祝い申し上げるとともに、長年にわたるご尽力に敬意を表します。貴社は、私どもにとって業界トップクラスの専門紙であり、業界の最新情報や動向、調査データの提供によりビジネスをサポートするとともに、最も歴史のあるホテル・旅館ランキング事業や女将サミットなどにより、多方面で大きな影響を与え続けております。まさに、観光業界の発展に、重要な役割を担っておられる専門紙です。

 日本が持続可能な観光立国の実現に取り組むに当たり、引き続き、的確な業界報道や世界も望んでいるグローバルな情報の提供とともに、業界にとって大きな転換期となっているインバウンド市場や生成AIの技術革新などに対する提言を定期的に行っていただき、業界の持続可能な発展に貢献していただくことをご期待申し上げます。

 未筆ながら、貴社の一層のご発展と皆様方のご活躍を祈念いたします。

【第50回旅館100選】長野県・別所温泉 「旅館 花屋」

2025年10月13日(月) 配信

露天風呂付特別室「23番」

純日本建築と大正浪漫が織りなす四季

 別所温泉駅から徒歩5分。石造りの花屋橋を渡るとそこには別空間が広がる。大正6年より継承された「旅館 花屋」は、別所温泉にくつろげる宿を作ろうと、地元の宮大工が腕によりをかけた老舗旅館だ。以来、伝統と文化を守り続け、その約8割が文化庁登録有形文化財である。

露天風呂付特別室「23番」

 約6500坪の敷地には渡り廊下で結ばれた客室が点在し、建物独自の様式美は大正浪漫の趣を感じさせる。渡り廊下は四季の風を運び、宵は白熱灯の琥珀色が館内を染める。

渡り廊下で日本の四季を愛でる

 客室は、露天風呂付特別室や上田藩武家屋敷の建具や建材を移築し、質実剛健な様式美を再現した檜露天風呂付貴賓室「桜御殿」ほか、宮大工の遊び心と心意気が息づくしつらえ。

露天風呂付貴賓室「桜御殿」

 食膳は料理長が丁寧に吟味した、旬の彩り豊かな食材で和の繊細さが際立つ会席料理。

全国でも希少で贅沢な「大理石風呂」

「本館 THE MAIN」リニューアルオープン

 2023年4月、大人のための別邸「本館THEMAIN」全3室が誕生。リビングとツインベッドを設えた「花屋」初めての洋室に改装。約140㎡のラグジュアリースイート「椿」は、リビング、ダイニング、寝室、バスルーム付。窓からは中庭を一望することができ、贅沢な時間を過ごせる。

交通:《車》上信越道 上田菅平ICから上田バイパスを経由し約20km、P有(無料)
   《電車》上田電鉄別所線 別所温泉駅下車、徒歩5分
チェックin15:00 out11:00
食事:《夕食》部屋食、食事処、個室のいずれか(選択不可)《朝食》食事処
部屋:全32室
風呂:男女別露天風呂各1、大理石風呂1、若草風呂1(大理石風呂と若草風呂は時間制による男女別入れ替え制)
泉質:単純硫黄泉
料金:1万9,000円~6万7,000円

〒386-1431 長野県上田市別所温泉169
☎0268(38)3131 FAX0268(38)7923
https://www.hanaya.ne.jp/
Wi-Fi:全客室使用可

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

津田令子の「味のある街」「菜の花純粋はちみつ」――ひふみ養蜂園(千葉県館山市)

2025年10月12日(日) 配信

ひふみ養蜂園の「菜の花純粋はちみつ」500㌘2750円(税込)▽千葉県館山市八幡515▽0470(22)2353。

 今年の夏は、記録続きの酷暑で秋になり、その疲れが一気に出ている方におすすめなのが、千葉県館山市にある「ひふみ養蜂園」の「菜の花純粋はちみつ」だ。何年か前に取材で訪ねた折に地元の方に紹介いただいて以来、この地を訪ねる度に手に入れている。とにかくすっきり美味しくって、ヘルシーで、容器の形もぽっちゃりしていて、かわいらしい。お土産にも、お取り寄せにもピッタリだ。

 館山市は風光明媚で温暖な房総半島にあり、菜の花をはじめとする花々が1年中楽しめる。アウトドアレジャーも盛んな一方、「南総里見八犬伝」で知られる城や博物館などがある歴史にも親しめる街なのだ。どこを訪ねても新鮮で魅力いっぱいで街がまるごと博物館という感じがする。海と山が合体した地形のため美味しいものがたくさんあるのも特徴の1つだ。

 ハチミツとは、ミツバチが花の蜜を集めて体内で転化酵素を加え、ブドウ糖と果糖に分解したもの。ブドウ糖・果糖は腸で消化された状態なので胃腸に負担をかけずに吸収され、また強い殺菌力・防腐力がある。ひふみ養蜂園の品々は採ったそのまま無添加・無加工の国産純粋ハチミツで、身体にやさしく吸収されやすい最高品質の自然健康食品といえる。

 お店の方は、「ミツバチがもたらす南房州の自然の恵みで皆様の健康の幸せのお手伝いができれば幸いです」とおっしゃる。ハチミツは身体に安心なアルカリ性食品で、疲労回復・美容と健康増進に、またブドウ糖は脳の栄養にもなる優れもの。毎朝、ヨーグルトにかけていただくのが我が家の朝食の流儀だ。

 10月25日までは館山パイオニアファームでイチジク狩りの体験ができるというのでトライしてみたい。菜の花純粋はちみつに取れたてのイチジクを加えたゴージャスでヘルシーなヨーグルトで朝の食卓が盛り上がること請け合いだ。 

 安房国総社の鶴谷八幡宮の目の前に店舗があり、併設の蜂の駅ひふみ養蜂園内のCafe123では、ハチミツを使った身体に優しいお料理を提供しているので併せてオタノシミいただければ。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

【旅行新聞 創刊50周年メッセージ】 全日本ホテル連盟 会長 清水 嗣能 氏

2025年10月12日(日) 配信

 本紙は今年、創刊50周年を迎えた。共に歩みを重ねてきた観光関係団体や提携紙のトップから、これまでの労いや今後への期待を込めたメッセージをお寄せいただいた。順不同で紹介する。

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自紙の独自性を明確に

全日本ホテル連盟 会長 清水 嗣能 氏

 創刊50周年誠におめでとうございます。

 全日本ホテル連盟も2021年に創立50周年を迎え、そのときに、自分たちのミッション、ビジョン、バリューを明確化しました。当連盟のミッションには「会員ホテルの価値向上を支援するとともに、観光立国の実現と地域の発展に寄与する」ことを明文化し、以来、自分たち団体の存在意義とベクトルを共有することによって、事業活動にも筋が通るようになりました。

 旅行新聞さんにおかれましても、今後ともほかの業界紙とは異なる、自紙の独自性を明確にしつつ、業界のオピニオンリーダーとして存在意義を示して行かれますよう、ご祈念申し上げます。

 時折しも、観光立国推進基本計画を策定している段階であり、全国各地で宿泊税に対する議論がなされているときでもあり、この日本が、世界に冠たる、真の観光立国を目指し、その素地を固めて行けますよう、業界をリードして行かれることを祈念し、お祝いの言葉とさせていただきます。

【第50回旅館100選】長野県・扉温泉 「扉温泉 明神館」

2025年10月12日(日) 配信

立ち湯「雪月花」

標高1050m、信州の深山で育まれてきた、和のおもてなし

 1931年創業の深山渓谷にたたずむ一軒宿「扉温泉 明神館」。周囲を八ヶ岳中信高原国定公園の豊かな自然に囲まれた、心安らぐ非日常の休息を体験できる宿だ。

マイナスイオンあふれるオープンテラス

 2008年には世界的な会員組織であり、厳格な審査をクリアしたホテル・レストランだけが認められた「ルレ・エ・シャトー」にも加盟した。

「信州ダイニングTOBIRA」

 客室は純和風の和室からリビングや暖炉を備えたラグジュアリーな洋室、露天風呂付の客室などバリエーション豊かに揃う。どの部屋も、自然のなかにいるような心地良さを味わえる。

客室「然-湯治」
渓谷沿いの散歩道

 創業当時から「地産地消」を実践し、自家農園・扉農場で採れた新鮮な無農薬野菜や地元食材を使った料理が好評。レストラン「ナチュレフレンチ菜」や「信州ダイニング TOBIRA」では、信州松本の風土が育んだ味わいに加え、味噌や醤など発酵文化を生かした一皿も楽しめる。信州ならではの魅力を、好みやスタイルに合わせて選ぶことができる。

扉ダムのダム湖

パワースポット「扉温泉 明神館」

 「扉温泉 明神館」という名は、この土地に伝わる2つの神様の話より名付けられた。3体の龍神様が守る宿としても知られている。東に水、三方が山に囲まれ、2つの川が宿の横で交わり、風水では健康の気が上がるパワースポットとなっている。全国各地より「運気を変えたい」、「整えたい」という方が数多く訪れている。

 

交通:《車》長野自動車道 松本ICから県道松本和田線で約40分、P乗用車25台、大型3台(無料)
   《電車》JR中央線 松本駅からタクシーで約30分※無料シャトルバス有(要予約)
   《飛行機》信州まつもと空港からタクシーで約50分
チェックin15:00 out12:00
食事:《夕食》レストラン、食事処 《朝食》レストラン、食事処
部屋:全39室
風呂:男女別露天風呂付大浴場各1、男女別立ち湯各1、男女別寝湯各1
泉質:アルカリ性単純泉
料金:4万6,750円~

〒390-0222 長野県松本市入山辺8967
☎0263(31)2301 FAX0263(31)2345
https://www.tobira-group.com/myojinkan/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・韓・中・台・他

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

「観光人文学への遡航(64)」 難産の末に誕生した専門学校

2025年10月11日(土) 配信

 1960年代後半は大学紛争が各地で勃発した時代でもあった。大学紛争は全国に波及し、過激化、長期化の一途をたどっていた。

 過激派学生の凶悪な行動が一般学生から忌避されるようになり、一般市民にも被害が出てくると、世論は学生運動自体に批判的になっていった。大学の努力の限界を超える事態に達した際は、警察力によって暴力を排除することができるようになったことにより、紛争は急速に鎮静化することとなった。

 このことも、旧態依然としている大学教育に対して世間が批判的な見方を持つことへの追い風となった。

 時期を同じくして、法の縛りがなく自由に経営できることから増加の一途をたどっている各種学校の法整備の議論も始まった。この当時、大学・短大の学生総数が約83万人だったのと比較して、高校卒業後に各種学校に通っている生徒は約130万人にもなっていた。ここで、現行の大学・短大よりも、より職業または実際生活に直結した形態を持つ新たな学校制度を創設する構想が立てられた。

 1966年に、現行の各種学校制度に代えて、新たな各種学校制度を創設する学校教育法の一部を改正する法律案要綱が閣議決定された。ここで、自由に任せられていた各種学校の目的を規定し、その範囲を明確化すること、設置、廃止、設置者の変更や目的の変更には監督庁の認可を要すること、設置者の要件、設置基準、教科の基準、教員資格等の整備を行い、水準の維持向上をはかることなどを定めた法改正が企図されていた。

 しかし、このなかに外国人学校の制度も盛り込まれていたため、外国人学校、とくに朝鮮人学校が反対し、日本社会党もこれに同調した。結局、この改正案の国会提出は見送られた。

 自由民主党は、各種学校の法整備をきっかけに、とくに朝鮮人学校への規制を加えたいとの思惑があった一方で、日本社会党は強硬に反対し、もし各種学校の法整備を行うのなら、外国人学校を分離し、旧各種学校の位置づけをそのまま保留する方式を主張した。その後も日本社会党は、外国人学校制度は、在日朝鮮人に対する差別と圧迫を狙った民族教育弾圧法案だと強く反対を続けた。そのため、その後も1968年、69年、71年と連続で改正法案は廃案となった。

 ようやく1972年になって専修学校制度創設法案として、各種学校の法的位置づけはそのままに、各種学校の中で職業教育を行うものだけを専修学校に移行するという形をとったことで、日本社会党も外国人学校が各種学校の位置づけのまま残ることが確約された。これによって審議にようやく入ることができ、1975年に可決成立した。ここに専修学校専門課程、いわゆる専門学校のフレームワークが最初に閣議決定されてから10年の歳月を経て誕生したのである。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

【旅行新聞 創刊50周年メッセージ】 日本ホテル協会 会長 陰山 秀一 氏

2025年10月11日(土) 配信

 本紙は今年、創刊50周年を迎えた。共に歩みを重ねてきた観光関係団体や提携紙のトップから、これまでの労いや今後への期待を込めたメッセージをお寄せいただいた。順不同で紹介する。

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課題掘り下げた報道を

日本ホテル協会 会長 陰山 秀一 氏

 創刊50周年おめでとうございます。長年にわたり観光産業の発展に貢献されてこられたことに深く敬意を表します。

 さて、ホテル業界は、コロナ禍により未曽有の危機に直面しましたが、とくにインバウンド観光客の増加により活気が戻ってきました。大阪・関西万博も賑わっています。

 他方、ホテルの財務の改善には長い時間がかかるうえ、深刻な人手不足やインバウンド観光客の大都市集中などの課題があります。また、昨今外国人に対して否定的な風潮が広がっていることも懸念されます。人口が減っていく日本において、インバウンド観光客は数少ない成長マーケットであり、大事に育てていく必要があります。

 貴紙におかれては、これからの日本を支える基幹産業たるべき観光産業の諸課題について掘り下げた報道をしていただくとともに、インバウンド観光客がいかに大切か、大いに論じていただきたいと期待しています。