鬼の別府 VS 仏の臼杵 勝ったほうが全国のファンに名物をプレゼント

2020年11月30日(月)配信

 大分県の別府市と臼杵市は、コロナ禍で苦境を強いられる各市の観光業や飲食業を盛り上げるため、「おもてなしPRIDEプロジェクト」を2020年12月1日(火)から始動する。別府温泉にお得に宿泊できる“オニワリ”と、臼杵市の名物であるふぐをお得に食べられる“フグワリ”のどちらが販売数を伸ばすことができるか、両市が競い合うもの。勝利した市は、全国のファンにご当地の名物をプレゼントする。

 “地獄”と呼ばれる温泉が有名な別府と国宝臼杵石仏で有名な臼杵。「“地獄”と“仏”で名物が対極の2つの市が組んだら何かおもしろいことができないか」という会話をきっかけに、実際に各市の観光協会や旅館、飲食店、そして市民を巻き込んで、それぞれのプライドをかけた「おもてなし」対決を企画した。

 対決期間は2020年12月1日(火)~2020年12月31日(木)。両市の観光商品である別府“オニワリ”と臼杵“フグワリ”を多く販売できた方が勝利する。見事勝利した市はその勝利を祝い、全国の両市ファンに抽選で、別府の場合は自宅で温泉気分が楽しめる「別府温泉福袋」を、臼杵の場合は臼杵ふぐが楽しめる「うすきふぐちりセット」をプレゼント(各30人分)する。“オニワリ”はGoToトラベルと、“フグワリ”はGoToイートと併用することでさらにお得に利用できる。

 プレゼント応募方法は対決期間中、SNS(インスタグラム、ツイッター)で、別府を応援する場合は「#別府プライド」のハッシュタグをつけて、「応援メッセージ」または「鬼ポーズの写真」を、臼杵を応援する場合は「#うすきプライド」のハッシュタグをつけて、「応援メッセージ」または「仏ポーズの写真」を投稿。勝敗決定後、当選者にはDMにて通知する。

新潟県 見附市観光物産協会が事務局長を全国公募  募集は12月4日(金)まで

2020年11月30日(月)配信

みつけイングリッシュガーデン

 新潟県の見附市観光物産協会は、市の観光・物産などの振興を担う事務局長を全国公募している。募集期間は2020年12月4日(金)まで。

 職務は、市観光物産協会における事業総括および事務局職員の指揮・監督。とくに①インターネットショッピングモール「どまいち」および物産販売所「みらい市場」の販売強化②物産振興事業の活性化③観光事業の推進④見附市や地域団体等との連携によるシティプロモーションの強化――について重点的に取り組む。

  応募に際し性別、年齢、学歴は問わないが、まちづくりに対する専門的知見と情熱を持つとともに、活性化に向けた事業を推し進める実力があり、市内に居住もしくは通勤が可能な人材を求めている。

 契約期間は2021年4月1日から2024年3月31日まで(複数年度契約)。勤務場所は市民交流センター「ネーブルみつけ」内観光物産協会事務局。報酬は年額700万円(税、通勤手当、期末勤勉手当、時間外手当込、月払いで支給)。年次有給年休は、6カ月継続勤務したあと、10日付与。

 募集期間は2020年年12月4日(金)まで。必要書類を郵送または持参する。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(190)」 石から読み解く中世・近世のまちづくり(福井市・勝山市)

2020年11月29日(日) 配信

石の技術のルーツとなった白山平泉寺(福井県勝山市)

 6月19日、今年度の日本遺産21件が新規認定された。2015年以来認定を重ねてきた日本遺産はこれで104件となり、当初目標の100件に達した。

 改めて各地の日本遺産物語を振り返ると、どの地域も、その骨格作りには大いに苦労している。とくに複数市町村が関係する物語では、そこに共通の資源やストーリー素材を組み立て編集する必要があるからである。19年に認定された福井市と勝山市の日本遺産「石から読み解く中世・近世のまちづくり」もその1つである。

 この物語の発端は、室町時代後期(1450年ごろ)までの最盛期に、48社36堂6千の坊院を持ち8千人の僧兵を要したといわれる白山平泉寺(勝山市)である。白山信仰の拠点で、最盛期は比叡山延暦寺を凌ぐといわれた巨大な宗教都市があった。一向一揆により全山焼失するが、平成初期から始まった発掘調査では、苔むした社寺跡からは中世の石畳道が次々と姿を現し、石造りの泰澄大師廟や楠木正成の墓、無数の石仏などもみられる。

 平泉寺の石組技術は、福井の石のまちづくりのルーツとなり、その50年後に整備された一乗谷朝倉氏居館にも受け継がれた。城下町の入り口には巨石を5メートルもの高さに積み上げた城戸が威容を誇っている。朝倉氏の居館跡や家臣の屋敷跡には石垣の区切りや礎石が数多く残されている。笏谷石製の井戸枠やバンドコ(行火)、などが往時の城下町のにぎわいを伝えている。

 1573(天正元)年、織田信長と朝倉義景の戦いで一乗谷が滅びたのち、越前を拝領した柴田勝家は福井市中心部の北ノ庄に7層(9層とも)の天守や笏谷石製の瓦が葺かれた城下を開いた。徳川家康が天下を統一して以降は、結城秀康が越前に新たな城(のちの福井城)を築いた。今に残るこの城は、四重の堀に約4万個とも言われる笏谷石の石垣や天守台が日本一壮麗な城と言われる。

 随所に用いられた笏谷石は、至近距離にある足羽山から大量に供給され、松平家の菩提寺大安禅寺の廟所「千畳敷」や福井藩主松平家別邸の「養浩館」などにも数多く用いられている。この笏谷石は、北前船の船底に入れられて全国各地に運ばれ用いられたことも有名である。

 「石から読み解く」というこの物語は、石の採掘・加工を担った職人たちの技術・技能が時代を超えて、この地域共通の都市計画の底流を成しているというストーリーである。

笏谷石の採掘跡地「丹厳洞」で開かれた日本遺産フォーラム

 この日本遺産認定を生かそうと10月下旬、笏谷石の石切場跡地を活用した「丹厳洞」(料亭)でフォーラムが開催され参加した。コロナ禍でもあり、ホールではなく、日本遺産構成資産を代表する空間で小人数を集め、そのようすをライブのテレビとオンラインで配信するという新たな試みでもあった。

 日本遺産は、まさに地域を読み解いて日本を知る、百の物語でもある。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

「トラベルスクエア」コロナへの警戒心緩めるな

2020年11月28日(土) 配信

 

 

 アニメ映画「鬼滅の刃」が公開24日間で興行収入200億円突破、というのは驚きの快挙だ。これまで日本で公開された映画の配収記録はスタジオジブリの308億円だが、これを上回るのは確実だ。
 
 といっても、ここで映画批評をしようというのではない。「鬼滅の刃」の大ヒットが、コロナ感染への警戒心を緩めてはいないだろうか、という仮説は邪推だろうか、という話だ。というのも、映画館はファミリー客で満席。コロナ対策は打ってあるとはいえ、もはや100%の座席稼働だ。これで、コロナにかからないんだから大丈夫、と気の緩みを生んではいないだろうか。
 
 片や、ある劇場では、100%の着席でやりますと訴えたところ、予約キャンセルが相次いだということもある。このウイルスの対策は3密避ける、マスク付ける、ソーシャルディスタンスを守る――の3原則で、ほぼ防げると科学者も言っているのだから、誰もが徹底的に守れば、それほどのパンデミックが起きるはずもなかったと思う。

 既に4人も乗っているエレベーターにずかずか乗り込もうとする人、バス待ちでも、スーパーのレジでも行列が密になっても誰も意に介さない。

 ひるがえって、我がホスピタリティ産業の実態を見ても、当初は営業再開のために緊張感をもって消毒作業に当たっていても、今はコロナ慣れしたのか、前の客が席を立って、次の客を誘導するのに、消毒作業をしなかったり、迎える側の気が緩んでいる感じがしなくもない。

 マスク着用、ソーシャルディスタンス厳守、集会の人数・時間制限は政府や自治体がもっと力を込めて訴え続けないといけないと思う。飲食店の夜間営業制限はいたしかたないところだろう。

 これを書いている11月始め、コロナ感染者数は全国的に増えている。第3次パンデミックとも言われるが、第2波というのが収まっていず、今に至っているとしか思えない。やはり、浮かれ過ぎではあるまいか。

 僕たちホテルや旅館、観光施設は、今、もっともっとコロナ防止対策を徹底的にやりこんで、SNSをフル活用して、訴える必要があると思う。

 Go Toで客数回復を喜ぶ前に、とくに従業員に意識を徹底させること、またお客に対しても、公衆の場での放歌放吟、大声での会話などは、びしびし注意する勇気をもってほしい。せっかく、休養にきているのに、そうがみがみ言うとかわいそう、という気持ちなど捨てて、しっかりやる。さもないと従業員の健康も守れないし、こっちがかわいそうになってしまう。なにがなんでも、この第3波、無事故で乗り切っていただきたい。サバイバルの前提はそこにあるのだから。

 

コラムニスト紹介

松阪健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏=1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

 

 

全旅連、菅首相にGo Toに係る要望書を提出 引き続きの支援を求める

2020年11月27日(金) 配信

青年部・鈴木治彦部長が菅義偉首相に要望書を提出した

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)と青年部(鈴木治彦部長)は11月27日(金)、菅義偉首相を訪れ、Go Toトラベルキャンペーンの発地制限で生じた、宿泊客減少への支援などを要望した。インバウンド回復までGo Toトラベル事業制度の延長なども要求した。

 青年部は、新型コロナウイルス感染拡大が進行する現状で、Go To制限に関わる報道から、「全国的な宿泊キャンセルが発生している」と危機感を示し、引き続きの支援を求めた。

 衆議院の武井俊輔議員は、4000万人を超えるGo Toトラベル利用宿泊者数の中で、新型コロナウイルスに感染した人が180人程度との認識を示す。「科学的なエビデンスに基づいた判断をしていただくと同時に、宿泊することが決して危険なものではないと伝えていきたい」と話した。

 菅首相は要望を受け、「しっかり対応していきたい」と応え、前向きに検討する姿勢を見せた。

 また、中長期的な事業の支援要望として、災害時における避難所としての宿泊施設の整備や、感染症対策の設備導入支援、地方創生のための「宿泊産業」への支援を求めた。内容には「宿泊施設を基軸とした地域経済活性モデル支援事業の設立」などが含まれる。

 鈴木部長は、「引き続き感染拡大防止策を徹底的に講じたうえで、雇用確保と経済の復興実現に向けて業界一丸となり取り組んでいく」と述べた。

HIS、毎年恒例の初夢フェアを実施 次回の旅行に使える5000円クーポンも配布

2020年11月27日(金) 配信

同フェアのイメージ。杉乃井ホテルに泊まるプラン5万6000円などで販売している

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)は12月22日(火)まで、毎年実施する初夢フェアの「フライング 初夢フェア2021 にっぽんの旅」を行う。旅を通じて地域経済への貢献と、旅好きな消費者の想いに応える。

 同フェアは新春を飾るHIS旅行商品の“初売り”として位置付けられている。Go Toトラベルキャンペーンの適用が可能。1月までに出発する商品には、同社の独自施策となる最大5000円の「2021年次回の旅行に使えるお年玉クーポン」をプレゼントする。なお、11月20日(金)現在、1月出発の各方面が大変混み合っているという。

 商品には杉乃井ホテル(大分県別府市)に泊まる3日の5万6000円のプランをはじめ、ヒルトン瀬底リゾート(沖縄県・本部町)に宿泊する3日5万円の旅、ハウステンボス(長崎県佐世保市)に3日間滞在する7万9000円のプランなどを用意した。

 同社は初夢フェアの第2弾も予定している。2021年春夏以降に渡航が可能になる想定のもとで海外旅行商品やオンライン体験ツアーなどをそろえる。

高知県・物部川DMO協議会 ものべがわエリア衛生基準認証制度を開始

2020年11月27日(金)配信

 高知県南国・香南・香美広域観光組織「物部川DMO協議会」はこのほど、安心・安全で楽しめる観光地を目指すため、衛生基準認証制度「ものべSSS認証制度」を整備した。エリア内に拡大していく。

 同エリアはミキハウス子育て研究所の「ウェルカムファミリーの観光地」の第1号認定を受けるなど、日ごろから家族客をターゲットにした取り組みを行っている。衛生基準を「見える化」することで、安心・安全な旅行先として選ばれることを目指す。

 認証基準①(D)どんなときも、(M)ものべがわエリア3市が力を合わせて、(O)おもてなしの心でお客様に感動をお届けする②密回避の対策③換気④マスク着用など咳エチケットの徹底--など7項目を設けた。認証施設には認証書を授与するとともに、協議会オリジナルデザインのマスクポケット(使い捨てマスク入れ)の配布ができるようにする。

NAA、民営化後初の赤字 コロナで旅客数減少

2020年11月27日(金) 配信

通期の見通しも赤字の計上を見込む

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)がこのほど発表した2020年度中間連結決算(20年4~20年9月)によると、営業損失は306億5100万円(前年同期は293億3700万円の利益)と04年の民営化以降初の赤字となった。営業収益は前年同期比73・8%減の332億1300万円、経常損失は301億3500万円(同284億5500万円の利益)、中間純損失は424億7700万円(同183億9500万円の利益)。

 新型コロナウイルスの感染拡大で旅客が大幅に減少したことなどが主な要因。

 20年度通期連結業績予想は営業収益が同28・8%減の683億円3億円、営業損失は651億円(前年同期は407億円の利益)、経常損失が654億円(同391億円の利益)、当期純損失は783億円(同244億円の利益)の赤字になる見通し。

 今後は経営状況改善のため、一部の緊急性の低い工事を先送りにするほか、ターミナルの一部閉鎖、社員の人件費の削減などで営業費用を抑える。

 田村社長は19年度通期業績決算で過去最高の営業利益だったことなどを踏まえ、「金融機関から好意的な評価をもらっている。万が一の際には国からの支援があること確認した」と健全な経営状況を説明した。

JATAの道プロジェクト、最終回は宮城県・東松島市周辺へ 震災から10年の来年3月11・12日に

2020年11月27日(金) 配信

第7回は松島などをめぐる(イメージ)

 日本旅行業協会(JATA)は11月26日(木)、みちのく潮風トレイルを活用した東北復興支援活動「JATAの道プロジェクト」を、震災から10年となる来年3月11日(木)~3月12日(金)の日程で実施すると発表した。最終回となる7回目は、みちのく潮風トレイルの宮戸エリアと矢本・大曲エリア、野蒜・小野エリアを訪れる。

 同日に開かれた定例会見で、総務・広報部の渡邉泰担当部長は「プロジェクトの目的は、社会貢献としてトレイルを日本や世界の方々に知ってもらうこと。そのあとで、旅行産業に結びつけられれば」と語った。

 今回は、宮城県石巻市のほか、女川町、東松島市、塩釜市、多賀城市を巡る。1日目の3月11日(木)は、東松島市震災復興伝承館を見学後、大高森まで4.8㌔のトレイルを歩く。東日本大震災が発生した午後2時46分には参加者全員で黙とうを捧げる。

 見どころは、「1日目は、大高森の津波からの復興を見ることができる」(渡邉担当部長)と話す。2日目は、トレイルコースから航空自衛隊松島基地が見えるということもあり、「場合によってはブルーインパルスのタッチ&ゴーの演習風景が見られるかもしれない」と紹介した。

 トレイルは、教育旅行をはじめインバウンドからの関心も高く、「新しい観光地として貢献している」と自信をみせた。

 2014年から始まった同プロジェクトは、「新しい東北観光」の実現に向け、東北地方太平洋沿岸エリアの「自然環境の整備活動」を通じ、「自然景観の復興」「生活文化の再生と向上」に取り組むもの。

 例年10月に実施していたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、来年3月に延期となった。会員旅行会社の東北担当者や、企業で社会貢献している部署の従業員など、全国から平均約60人前後が参加している。

 JATAの社会貢献活動は、第1弾のJATAの森、第2弾の同プロジェクトと続き、第3弾は古道に焦点を当てていくことも明らかになった。渡邉担当部長は「西日本地区からスタートする」と述べ、今後も社会貢献の存在を広く周知していく。

壱岐島ワーケーションで事業構想 イキ・パーク・マネージメント

2020年11月27日(金) 配信

同モニターツアーの拠点となる壱岐イルカパーク&リゾート

 イキ・パーク・マネージメント(高田佳岳社長、長崎県壱岐市)は12月14(月)~17日(木)、「事業創造型ワーケーションモデル」を確立させるためのモニター施策を行う。同企画は、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」で採択された実証事業。

 モニターツアーの事前に、参加者それぞれに地域課題の洗い出しを行ってもらい、「事業創造型ワーケーション」に関するウェビナーも開く。

 来島後は、壱岐島ならではの観光を楽しみながら、ワークショップやディスカッションを企画する。また、同社が運営する「壱岐イルカパーク&リゾート」で、イルカと触れ合えるアクティビティー体験も用意する。

 来年1月中旬には、ツアー内での企業マッチングや、構築した地域に根付く事業のベースをもとに、「国境離党雇用機会拡充事業補助金」に申請する。

 モニターの募集は12月2日(水)まで受け付ける。